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2007年11月の30件の投稿

2007/11/30

「セル」をめぐる冒険

2007/11/28 新潮社からスティーヴン・キングの「セル(上・下)」が発売になった。

「セル(上・下)」
スティーヴン・キング/著
白石朗/訳
藤田新策/カバー装画
2007/11/28/配本
2007/12/01/初版発行

気になる点がいくつかあるので、簡単に紹介したいと思う。

「セル」のカバー装画

「セル」の装画は、藤田新策氏の手によるものだが、上下巻を並べると、1枚の画になるようにデザインされている。

Cell1_4 Cell2_7

「セル」の上下巻の表紙画像を並べて表示して見るので、確認していただきたい。

中央上部に横たわる女性の上半身と下半身が、下巻と上巻に分かれている。
また、中央の携帯電話も上巻と下巻に分断されているのが確認できる。

上下巻で1枚の画になるようにデザインされた表紙カバーと言えば、新潮文庫版「クリスティーン」(装画は岡本三紀夫)が印象的だが、藤田新策では新潮文庫版「デスペレーション」「レギュレーターズ」「骨の袋」そして大作「ドリームキャッチャー」(1〜4巻)が想起される。

余談だが、扶桑社ミステリー文庫の一連の細長い画も、実は1枚の画として構成されている。
と言うか、バラバラのイメージをひとつの画として描き、それを分断して各巻の表紙のカバーにしている、と言う事。

■献辞「リチャード・マシスンとジョージ・ロメロに」

本作「セル」は、リチャード・マシスンとジョージ・ロメロに捧げられている。

ジョージ・A・ロメロとは、言わずと知れた「ゾンビ」シリーズの巨匠である。
キング関係では、「クリープショー」(監督)、「クリープショー2」(脚本)、「ダーク・ハーフ」(監督・脚本)の製作に絡んでいる。
また「回想のビュイック8」の当初の監督候補でもあった。

リチャード・マシスンとは、最近ではウィル・スミス主演の「アイ・アム・レジェンド」の原作者として知られているが、「アッシャー家の惨劇」「恐怖の振子」「黒猫の怨霊」等1960年代のエドガー・アラン・ポー原作、ロジャー・コーマン監督作品の脚本家であるとか、スティーヴン・スピルバーグの「激突」、涙腺破壊映画「ある日どこかで」「縮みゆく女」等数々の映画化作品の原作者として有名である。

この2人に献辞を捧げていると言う事は、おそらく「アイ・アム・レジェンド」(「地球最後の男」)「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の共通プロットが本作「セル」に登場するのではないか、と思える次第。


「スタンド・バイ・ミー」97万部!・・・・

「セル」上巻の帯にこんな表記がある。

97万部! 「スタンド・バイ・ミー」
48万部! 「ゴールデンボーイ」
7万部! 「第四解剖室」
10万部! 「幸運の25セント硬貨」

しかし、「スタンド・バイ・ミー」は売れてますね。
映画の効果か、「新潮文庫の100冊」の効果かわかりませんが、もうすぐ100万部ですね。
おそらくキングの翻訳史上一番売れているのではないか、と思います。

で、気になるのは「新潮文庫の100冊」。
新潮社が何を考えているのか解りませんが、2007年版「新潮文庫の100冊」では「スタンド・バイ・ミー」が(2006年に)外れて、「ダーク・タワーIガンスリンガー」が入っているんです。

新潮社は「スタンド・バイ・ミー」位まで「ガンスリンガー」を売ろうとしているのでしょうか。個人的にはちょっと難しいんじゃないかな、と思います。

Cover_goldenboy1_2Cover_goldenboy3Cover_goldenboy2あと「ゴールデンボーイ」は映画「ショーシャンクの空に」人気で売れてるんだと思いますが、新潮文庫の「ゴールデンボーイ」は、イラスト版と映画「ゴールデンボーイ」タイアップ版、映画「ショーシャンクの空に」タイアップ版のと3種類あるんですから、タイミングは外れてますが、映画「ショーシャンクの空に」タイアップ版に戻したらどうでしょうかね。

 

新潮文庫の「スタンド・バイ・ミー」も、映画タイアップ版と藤田新策のイラスト版、新潮文庫20世紀の100冊版がありますしね。

個人的には、「スタンド・バイ・ミー」「ゴールデンボーイ」がどれくらい売れているかより「ダーク・タワー」シリーズがどれくらい売れているのかが知りたいですね。

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2007/11/29

キング原作のミュージカルようやく完成か!?

Stephen_king_1120 2007/11/23に、TIME.comが伝えるところによると、スティーヴン・キングとジョン・メレンキャンプのコラボレーション・ミュージカルが、どうやら完成の見通しがたった模様。

Q&A: Talking with Stephen King
By GILBERT CRUZ
(写真のキングは、"FAITHFUL"のキャップを被っている)

このインタビュー記事は、米タイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーの話題から、スティーヴン・キング原作、ジョン・メレンキャンプ作曲のミュージカル"Ghost Brothers of Darkland County"へ、そしてフランク・ダラボンの映画「The Mist」へと移っていく。

特筆すべき点は、何といってもやはり、スティーヴン・キング原作、ジョン・メレンキャンプ作曲のミュージカル企画"Ghost Brothers of Darkland County"であろう。
二人のコラボレーション・ミュージカルと言えば、ご存知の方はご存知だと思うが、2000年位から、制作が発表され、延期され、発表され、延期され、と言う事が繰り返されている継続コラボレーション企画である。

記事の中で、キングは、上手く行けば、2008年の6月か7月に、アトランタ、もしかしたらボストン、本当にもしかしたらカリフォルニアで、そのミュージカルが公開できるのではないか、と語っている。

因みに、そのミュージカルの骨子は、1950年代に実際に起きた(らしい)、次のような悲劇が題材となっている模様。

ある2人の兄弟のうちの一方が、酔っぱらった上のゲームで、他方を撃ち殺してしまう。撃った兄弟は1人の少女と一緒になって、撃たれた方の兄弟を車に乗せ、大急ぎで病院へ向かうが、途中の木に激突して、2人とも死んでしまう。

そして、キングはこのミュージカルについて、アンドリュー・ロイド・ウェバーや、「マイ・フェア・レディ」「踊りあかそう」を引き合いに出して語っている。個人的には、ちょっと風呂敷広げ過ぎではないかな、と思ってしまう。

あと余談だが、フランク・ダラボンは、「神々のワード・プロセッサ」に収録されている「猿とシンバル」の映画化取得権(オプション)も持っている模様。

念の為、スティーヴン・キングとジョン・メレンキャンプのミュージカルについて過去の情報を転載しておきます。

2000/10/20

10月20日に、E! Onlineが伝えるところによると、スティーヴン・キングは、俳優、監督、音楽家であるジョン・メレンキャンプと共にホラー・ミュージカルを企画している模様。
ミュージカルの原案はジョン・メレンキャンプによるもので、お互いに憎み合っていた兄弟が殺し合い、その死んだ兄弟達の幽霊が出てくる話である模様。
ジョン・メレンキャンプはブロードウェイでの上演を目論んでいる。

2000/10/30

キングとジョン・メレンキャンプが企画しているミュージカルについては、既に第一報をご紹介しましたが、 AP(Associated Press)の10月30日の"King, Mellencamp Work on Musical"という記事を紹介します。

ホラー作家スティーヴン・キングは、簡単に怖がらせられない。

キングの最初のミュージカルは1988年の「キャリー」だが、このブロードウェイで上演された舞台は、800万ドルの赤字を出し、僅か5回の公演で打ち切られた。
そして今、キングはリターンマッチを望んでおり、その作品は、ポルターガイストをフィーチャリングした舞踏オペラである。

キングのスポークスマンは、ポップスターであるジョン・メレンキャンプとのコラボレーションが実現する事を月曜日(10/30)に確約した。メレンキャンプは既にミュージカルのためのスコアを書き上げている。

このミュージカルは、ニューヨーク・ポストによると、森の中の小屋を舞台とし、お互いに憎みあっている2人の兄弟と、その既に亡い叔父の物語で、彼らはお互いに嫌悪しつつも、その小屋を分け合っている。
このミュージカルは早ければ、来年(2001年)の秋ニューヨークで上演される。

2001/08/07

AP(Associated Press)が、8月7日に伝えるところによると、以前お伝えしたジョン・メレンキャンプとスティーヴン・キングが企画しているミュージカルについて、ジョン・メレンキャンプは次の様に語った模様である。

スティーヴは、最高に美しい物語を書き上げた。私は、現在のところ、曲を5曲ほどかきあげたが、あと10曲ほどかく予定だ。もしこの企画が我々が考えている様に進んだとしたら、このミュージカルは、大変素晴らしいものになるだろう。

このミュージカルは2002年2月に完成する予定である。

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2007/11/28

映画「The Mist」初登場9位!

2007/11/21に、全米2423スクリーンで公開された、スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督の映画「The Mist(「霧」)」だが、全米映画興行成績において初登場9位を記録した模様。

全米映画興行成績 速報順位 (2007/11/23-25)

順位 タイトル 興収$ 累計$ 
1. 「魔法にかけられて」 35.3M (50.0M)
2. 「This Christmas」 18.6M (27.1M)
3. 「ベオウルフ/呪われし勇者」 16.2M (56.3M)
4. 「ヒットマン(原題)」 13.0M (21.0M)
5. 「ビー・ムービー」 12.0M (112.0M)
6. 「ブラザーサンタ」 10.7M (53.0M)
7. 「August Rush」 9.4M (13.3M)
8. 「アメリカン・ギャングスター」 9.2M (115.7M)
9. 「The Mist」 9.0M (13.0M)
10. 「ノーカントリー」 8.1M (16.6M)

なお、allcinemaonlineでは、「The Mist(「霧」)」について、のように報じている。

全米興行成績、ディズニー製作ファンタジーが初登場1位

スティーヴン・キングの原作を基に「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」という2本の傑作を撮り上げたフランク・ダラボン監督が、再びキング原作の映画化に挑んだサスペンス・ホラー「The Mist」は予想外に伸び悩み初登場9位と不本意な結果に終わった。激しい雷雨が過ぎ去った後に現われた不気味な濃い“霧”は、その小さな町をすっぽりと覆い、霧の中に蠢く謎の生物が人間たちを次々と襲い始め、住民たちはスーパーマーケットに籠城して決死のサバイバルを繰り広げるが…。批評家の評価は決して悪いものではないが、前2作の感動系を期待する客層からは敬遠されてしまったのかも知れない。

なお、2007/06/22に公開された、キング原作作品の前作にあたる「1408」は、全米映画興行成績において、次のような結果だった。

初登場 第2位
第二週 第4位
第三週 第6位
第四週 第6位
第五週 第8位

フランク・ダラボンの知名度や、スティーヴン・キングらの熱心なプロモーション等のおかげで、話題性は十分だったと思われるにも関わらず、初登場第9位とは、非常に残念な印象を受けてしまう。今後の挽回に期待するところである。

以下、2007/12/03追記

全米映画興行成績 確定順位 (2007/11/23-25)

順位 タイトル 興収$ 累計$ 
1. 「魔法にかけられて」 34.4M (49.1M)
2. 「This Christmas」 18.0M (26.3M)
3. 「ベオウルフ/呪われし勇者」 16.5M (56.6M)
4. 「ヒットマン(原題)」 13.2M (21.1M)
5. 「ビー・ムービー」 11.8M (111.9M)
6. 「ブラザーサンタ」 10.6M (52.9M)
7. 「August Rush」 9.4M (13.3M)
8. 「アメリカン・ギャングスター」 9.0M (115.6M)
9. 「The Mist」 8.9M (12.9M)
10.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 7.9M (22.2M)

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2007/11/27

小説家スティーヴン・キングに魅了される監督たち

2007/11/22 MTV JAPANCHINEMA NEWSにスティーヴン・キングに関するニュース記事が掲載された。

なお、この記事については、既に「キング堂 ブログ支店」の11月23日のエントリー「『ダーク・タワー』と『ロングウォーク』映画化について、キングが語る」で紹介されていますので、既にご承知の方も多いと思います。

小説家スティーヴン・キングに魅了される監督たち
Jennifer Vineyard, with additional reporting by Tami Katzoff, MTV News

スティーヴン・キング原作の映画化作品は、映画史に残る傑作から、とんでも映画まで、正に玉石混淆だと言える。

また、メガホンを取った監督達も、スタンリー・キューブリックをはじめとして、ブライアン・デ・パルマ、デヴィッド・クローネンバーグ、ジョン・カーペンター、ジョージ・A・ロメロ、トビー・フーパー、ロブ・ライナー、フランク・ダラボン、ブライアン・シンガー等の名前が並ぶ。

こんなにビッグ・ネームが並んでいるのにも関わらず、傑作よりもとんでも映画が多いと感じるのは、一体どう言う訳だろう。

そんな中、MTV JAPANの記事小説家スティーヴン・キングに魅了される監督たちでは、スティーヴン・キングの小説の映画化を望む映像作家が紹介されている。

例えば、「ダーク・タワー」シリーズ/J・J・エイブラムズ、「死のロングウォーク」/フランク・ダラボンと言う具合だ。

従来ならば、ミック・ギャリスの名前が記事に入って来るのだと思うのだが、最近のギャリスは、監督業よりプロデュース業に力を入れているので、記事には掲載されていないのだろう。

ところで、キング原作の映画化作品が微妙なのは、プロダクション・サイドが企画し、キング原作だから興収が見込める、と言う理由だけで映画化をすすめていたケースが多かったせいだとわたしは思っている。
一方、キング原作の良質な映画化作品は、映像作家が自らのビジョンを実現するために、キング作品の映画化を希望した作品だったような印象を受ける。

今回の記事は、その辺の事情を受けた記事なのだろう。

なお、今回の記事に、キングが「ダーク・タワー」シリーズの映画化権をJ・J・エイブラムズに19ドルで売却した話が紹介されているが、なぜキングが「ダーク・タワー」シリーズの映画化権を19ドルでエイブラムズに売却したかと言うと、「19」と言う数字が「ダーク・タワー」シリーズにとって意味のある数字だからである。
キングにとっては、「19」ドルで「ダーク・タワー」シリーズの映画化権を売却するのが「カ」だった、と言うことだろう。

余談だが、J・J・エイブラムズのテレビ・シリーズ「LOST」について、キングがノン・クレジットで制作に絡んでいると言う噂もあるようだが、何せ大忙し(「スタートレック XI」「Cloverfield」のエイブラムズなので、「ダーク・タワー」シリーズの映画化はいつになることやら、と言うところだろうか。

因みに、キングは無名時代のフランク・ダラボンに「312号室の女」の映画化権を1ドルで売却したこともある。
余談だけど、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」も1ドルだったような気がする。

従って、今回の19ドルの件も、キングが映画化権を持っている場合、有能な映像作家に自作の映画化権を安価に売却することがある、と言う話だろう。

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2007/11/26

AFP BB NEWSの「The Mist」プレミア情報

Afpmist 2007/11/14 AFP BB NEWSでも、映画「The Mist」のプレミアのニュースが公開された。

映画「The Mist」プレミア上映会 NYで開催

【11月13日 AFP】ニューヨークのジーグフェルド・シアター(Ziegfeld Theater)で12日、映画「The Mist」のプレミア上映会が開催され、出演者ら関係者が登場した。(c)AFP/Getty Images

日本語のニュースサイトで、映画「The Mist」のプレミアを伝えているのは、AFP BB NEWSと、先日お伝えした、VARIETY JAPANくらいだと思います。

まあ、VARIETY JAPANは、エンタテインメント情報のみなので、総合ニュースサイトだとは言えませんが・・・・。

旧聞ですがすいません。
1日1エントリーと決めているもので・・・・。

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2007/11/25

"DUMA KEY"プロモーション映像公開

Amazonking Amazon.comで、2008/01/22に発売されるスティーヴン・キングの新作"DUMA KEY"のプロモーション映像が公開された。
なんとスティーヴン・キングが自ら"DUMA KEY"について語るプロモーション映像である。

"Duma Key: A Novel (Hardcover)"

わたしは、Amazon.comを熱心にチェックしている訳ではないのだが、新作小説のプロモーションに作家の映像が、Amazon.comで公開されると言うのは、珍しい事ではないのか、と思った。


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2007/11/24

Stephen King Gets Misty About Director Frank Darabont

Mtvking 2007/11/20 MTVで、映画「The Mist(「霧」)」に関するスティーヴン・キングのインタビューが4本公開された。

King And Darabont's How-We-Met Story

Why David Lynch Has Never Made A Stephen King Film

King: 'I'll Go Where The Story Takes Me'

The Evolution Of King's Work

精力的に「The Mist」のプロモーションを行うキングの姿が、こんなに見られるとは・・・・。
驚くべき程珍しいことだと思います。

因みに、次の画像をクリックすると、4本のインタビューが連続再生されます。



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2007/11/23

"DUMA KEY" UK Design Contest

Dumakeyukdc 2008/01/22に北米で発売されるスティーヴン・キングの新刊"DUMA KEY"だが、2007/11/14にオフィシャル・サイトが伝えるところによると、UK版"DUMA KEY"のアートワークのコンテストが行われる模様。

以下、オフィシャル・サイトより引用。

UK Design Contest

    Hodder & Stoughton, the UK publishers of Stephen King, are offering fans a unique opportunity to design the advertising for Stephen King's eagerly anticipated new novel Duma Key.

    The winning designer will see their work in print on the London Underground and in city centres throughout the UK.

詳細はコチラ

因みに、上記の詳細ページの DOWNLOAD EVERYTHING YOU NEED をクリックすると、Hodder & Stoughton のロゴや、UK版"DUMA KEY"の画像がダウンロードできる。

DOWNLOAD EVERYTHING YOU NEED と言うコピーは、当然ながら「ニードフル・シングス」からですね。

今回のUK Design Contestについては、HARADAさんの「スティーヴン・キングの話」のエントリー「新作'Duma Key'のポスターデザインコンテスト開催」「'Duma Key'のポスターコンペティション続報」 が詳しいのでご参照願います。

なお、最近発見したのですが、HARADAさんの「スティーヴン・キングの話」は、スティーヴン・キングに関する最新情報を紹介するブログのようです。

Duma_cover_whole 因みに北米版"DUMA KEY"のアートワークはこんな感じ。

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2007/11/22

祝"A Very Dead Zone Christmas"放送決定!

Deadzone57 2007/12/13からAXNで放送が始まるテレビシリーズ「デッド・ゾーン」シーズン5だが、なんと、シーズン4扱いのスペシャル・エピソード"A Very Dead Zone Christmas"がシーズン5の枠内で放送される事が決定した模様。

現在明らかになっている「デッド・ゾーン」シーズン5(AXNにおけるシーズン5)のエピソードは次の通り。

第56話「禁断の果実」("FORBIDDEN FRUIT")
第57話「デッド・ゾーン的クリスマス」("A Very Dead Zone Christmas")
第58話「独立記念日」("INDEPENDENCE DAY")
第59話
第60話
第61話
第62話
第63話
第64話
第65話
第66話
第67話

なお、AXNでの第57話「デッド・ゾーン的クリスマス」("A Very Dead Zone Christmas")は米国ではシーズン4扱いのスペシャル・エピソード。

余談だが、AXNの「デッド・ゾーン」のフォトギャラリーの写真についてだが、第56話「禁断の果実」("FORBIDDEN FRUIT")と第57話「デッド・ゾーン的クリスマス」("A Very Dead Zone Christmas")の写真が入れ替わっている模様。

なお、シーズン5については、こちら、
「デッド・ゾーン」シーズン5は全12話!?
を、また"A Very Dead Zone Christmas"については、こちら、
"A Very Dead Zone Christmas"の放映は?
をご参照願います。

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2007/11/21

「セル」の表紙画像公開!

2007/11/20 2007/11/28に新潮社から出版予定のスティーヴン・キングの「セル(上)」「セル(下)」の表紙画像が、新潮社のサイトで公開されました。

画像が小さいので、解りづらいですが、装画は藤田新策氏のようですね。

Cell_2 「セル(上)」
スティーヴン・キング著
白石朗訳
新潮文庫(キ-3-56)
ISBN:987-4-10-219359-4
発売日:2007/12/01

穏やかな陽射しが落ちる秋の一日、ボストン午後3時3分。世界は地獄へと姿を変えた。《パルス》。そのとき携帯電話(セル)を使用していたすべての 人々が、一瞬にして怪物へと変貌したのだ。残虐極まる行為もいとわず、犠牲を求め続ける凶悪な存在に――。目前で突然繰り広げられる惨劇、街中に溢れる恐 怖。クレイは茫然としていた。いったい何が? 別居中の妻と息子は? 巨匠の会心作、開幕!(新潮社のサイトより引用)




Cell2_2 「セル(下)」
スティーヴン・キング著
白石朗訳
新潮文庫(キ-3-57)
ISBN:987-4-10-219360-0
発売日:2007/12/01

ゲイのトム、十五歳の少女アリスが仲間に加わった。クレイは彼らとともに、最愛の息子の無事を祈りながら「我が家」のあるメイン州を目指す。だがそ の一方で携帯狂人たちは群れを形成するようになり、振る舞いも進化していく。そして、リーダーらしき人物の登場……。絶望的なまでに人無き荒野をゆく三人 の旅のゆくえと、彼らを襲う悲劇とは。人類の未来をも問う、心揺さぶる結末。(新潮社のサイトより引用)



なお、Amazon.co.jpでも「セル(上)」「セル(下)」の予約が始まった。
画像はまだ無い。

 

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2007/11/20

驚愕!「The Mist」のラストは・・・・

映画評論家町山智浩のブログ「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」2007/11/11のエントリーは、映画「The Mist(「霧」)」の試写会に関するエントリーであった。

この情報は、kingdowさんの「キング堂 ブログ支店」2007/11/15のエントリーで既に紹介されていますので、既にご存知の事かと思いますが、折角なので、当「スティーヴン・キング研究序説 ココログ分室」でも紹介したいと思います。

まずは、こちらをご覧下さい。

「ショーシャンクの空に」の黄金コンビが怪獣ホラーに挑戦!

で、気になるところはやはりkingdowさんと同じです。
以下同ブログからの引用です。

「ザ・ミスト」はかなり原作に忠実だが、結末だけはダラボンのオリジナル。
試写会では観客は「ええっ!」とどよめいた。
「劇場を出た後、論争して欲しいのさ」とはダラボンの弁。どんな驚愕の結末か、公開を待て!

論争になる、と言う事は、ラストに何だか訳わからんものが・・・・、と言う事だと思われ、かつ、その・・・・がなんと・・・・である、と言う事を暗喩しているようにわたしには思える訳だ。

と言うところだろうか。
しかしながら、日本公開はまだまだ先だと思われるので、ラストの情報を入れずに「The Mist(「霧」)」を待つのは、至難の技かも。

余談だけど、「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」のトップからリンクが貼られている、「ザ・シンプソンズ MOVIE」の声優の話の方が実は興味深いです。

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2007/11/19

「The Mist」プレミアの写真がキングのサイトで公開!

Mist04 2007/11/14 スティーヴン・キングのオフィシャル・サイト「The Mist(「霧」)」のページにおいて、2007/11/12にニューヨーク、ジーグフェルド・シアターで開催された映画「The Mist」のプレミアの写真が15点公開された。

「The Mist(「霧」)」のページ

写真は、左から、マーシャ・ゲイ・ハーデン、 ローリー・ホールデン、スティーヴン・キング、フランク・ダラボン、トーマス・ジェーン、トビー・ジョーンズ。

「The Mist」のプレミアには、その他に、グレゴリー・ニコテロ、ネイサン・ギャンブル、ウィリアム・サドラー、サム・ウィトワー、フランシス・スターンハーゲン、エド・ウェストウィック、アンドレ・ブラウアー、アリソン・ベッカー、Juan Pareja等が登場した。

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2007/11/18

キングは「The Mist」のエンディングがお気に入り

Mistpremiere3 2007/11/13にUnited Press Internatinalが伝えるところによると、スティーヴン・キングは、フランク・ダラボンの「The Mist」で描かれた新しいエンディングがお気に入りの模様。

King loves new 'Mist' ending

NEW YORK, Nov. 13 (UPI) -- U.S. author Stephen King says he loves the new ending writer-director Frank Darabont came up with for his film adaptation of King's novella, "The Mist."

"Frank wrote a new ending that I loved," King told reporters in New York Monday. "It is the most shocking ending ever and there should be a law passed stating that anybody who reveals the last five minutes of this film should be hung from their neck until dead."

Co-starring Thomas Jane, Marcia Gay Harden, Andre Braugher, Laurie Holden, Toby Jones, William Sadler and Frances Sternhagen, the film is scheduled to open in the United States on Nov. 21.

Darabont also directed the films "The Green Mile" and "The Shawshank Redemption," both of which were based on works by King.

「霧」には複数のバージョンがあり、複数のエンディングがある訳ですが、今回新たなエンディングがフランク・ダラボンの手によって生まれた、と言うことですね。

写真は、「The Mist」プレミアでのフランク・ダラボンとスティーヴン・キング。

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2007/11/17

映画「The Mist」プレミアにキング登場

Mistpremiere 2007/11/13 VARIETY JAPANが伝えるところによると、2007/11/12にニューヨークで行われた、映画「The Mist」のプレミアにスティーヴン・キングが登場した模様。

スティーヴン・キング"The Mist"プレミア

先日のエントリー『映画「The Mist記者会見映像公開』及び先々日のエントリー『恐怖の帝王は無垢の少女をおびやかす。』に引き続き、「The Mist」のニューヨークでのプロモーションに関するエントリーとなりました。

「The Mist」の公開直前に、様々なプロモーション活動をこなすキングですが、これは近年まれに見る出来事だと思います。

ダラボンはともかく、キングがこんなにメディアに露出するとは・・・・。
もしかしたら、キング関連作品としては、「1408」に続き、ヒットしてくれるかも知れませんね。

写真は、「The Mist」のプレミアに登場したスティーヴン・キングとマーシャ・ゲイ・ハーデン。

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2007/11/16

映画「The Mist」記者会見映像公開

Skfd 2007/11/13 映画「The Mist(「霧」)」のニューヨークで開催された記者会見の映像が、IESB.netで公開された。

フランク・ダラボンとスティーヴン・キングが、質問に答えまくる感じの記者会見です。

The Mist Press Conference New York
(映像)

Video: The Mist Press Conference with Stephen King and Frank Darabont!
(テキスト)

この記者会見の映像を見ると、先日のエントリー「恐怖の帝王は向くの少女をおびやかす。」でご紹介した出来事は、映画「The Mist(「霧」)」のプロモーションのためにニューヨークに滞在中の出来事、と言うことなんでしょうね。

「The Mist(「霧」)」
監督:フランク・ダラボン
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン、アンドレ・ブラウアー、トビー・ジョーンズ

なお、映画「The Mist(「霧」)」の北米での公開日は、2007/11/21です。

なお、「The Mist」の翻訳「霧」「スケルトン・クルー<1>骸骨乗組員」に収録されています。

また、2007/10/02に映画とのタイアップ版の「The Mist」が出版されました。

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2007/11/15

恐怖の帝王は無垢の少女をおびやかす。

King20071113 2007/11/14 TMZ.comで、2007/11/13にマンハッタンを散歩中のスティーヴン・キングの映像が公開された。

キングは街行く人々からサインをねだられる。
キングは求められるまま、本、ボール、そして最終的には、おしめにまでサインをするが・・・・。

その後は、ご自分でご確認願います。

Terrifying Innocent Little Babies

キングの最新映像が、ほぼリアルタイムに公開される、と言うのは非常に珍しい事だと思います。
もちろん、レッドソックス戦の観戦以外ですがね。

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2007/11/14

最新短編小説"Ayana"一部公開!

Parisrev182 スティーヴン・キングの新作短編小説"Ayana"が掲載される「The Paris Review No.182 Fall 2007」(2007/11/01配本)だが、オフィシャル・サイトでなんと"Ayana"の一部が公開されている。

"Ayana"

I didn’t think I would ever tell this story. My wife told me not to; she said no one would believe it and I’d only embarrass myself. What she meant, of course, was that it would embarrass her. “What about Ralph and Trudy?” I asked her. “They were there. They saw it too.”
      “Trudy will tell him to keep his mouth shut,” Ruth said, “and your brother won’t need much persuading.”
      This was probably true. Ralph was at that time superintendent of New Hampshire School Administrative Unit 43, and the last thing a Department of Education bureaucrat from a small state wants is to wind up on one of the cable news outlets, in the end-of-the-hour slot reserved for UFOs over Phoenix and coyotes that can count to ten. Besides, a miracle story isn’t much good without a miracle worker, and Ayana was gone.
      But now my wife is dead—she had a heart attack while flying to Colorado to help out with our first grandchild and died almost instantly. (Or so the airline people said, but you can’t even trust them with your luggage these days.) My brother Ralph is also dead—a stroke while playing in a golden-ager golf tournament—and Trudy is gaga. My father is long gone; if he were still alive, he’d be a centenarian. I’m the last one standing, so I’ll tell the story. It is unbelievable, Ruth was right about that, and it means nothing in any case—miracles never do, except to those lucky lunatics who see them everywhere. But it’s interesting. And it is true. We all saw it.

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2007/11/13

「デッド・ゾーン」シーズン5は全12話!?

Deadzone_s412 2007年12月よりAXNで放映が開始されるテレビ・シリーズ「デッド・ゾーン」シーズン5のエピソードのタイトル(原題)をお知らせする。邦題は現在のところ不詳。

"タイトル名" 米USAネットワークでの初放送日
"FORBIDDEN FRUIT" 2006/06/18
"INDEPENDENCE DAY" 2006/06/25
"PANIC" 2006/07/02
"ARTICLES OF FAITH" 2006/07/09
"THE INSIDE MAN" 2006/07/16
"LOTTO FEVER" 2006/07/23
"SYMMETRY" 2006/07/30
"VORTEX" 2006/08/06
"REVELATIONS" 2006/08/13
"INTO THE HEART OF DARKNESS" 2006/08/20
"THE HUNTING PARTY" 2006/08/27

全11話。

しかしながら、AXNの「デッド・ゾーン」の放送スケジュールのページには、「デッド・ゾーン」シーズン5は、全12話と表記されている。

Deadzone_s412_2 以前お話したように、もしかしたら本当に、クリスマス・シーズンにぶつけて、シーズン4扱いのスペシャル・エピソード"A Very Dead Zone Christmas"の放映があるのではないか、と勘ぐってしまう。

また、今回掲載した2枚の画像は、AXNの「デッド・ゾーン」マイクロサイトのトップページに掲載されている画像だが、実はなんと、これらの2枚の写真は、スペシャル・エピソード"A Very Dead Zone Christmas"のエピソードの写真なのである。

と言うことは、AXNは少なくてもスペシャル・エピソード"A Very Dead Zone Christmas"の権利を持っているのではないか、と思われる。

"A Very Dead Zone Christmas"については、こちらをご参照願います。

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2007/11/12

「デッド・ゾーン」特別試写会プレゼントキャンペーン

Deadzone_present 2007/11/09 AXNの「デッド・ゾーン」特別試写会プレゼントキャンペーンが始まった。

「デッド・ゾーン」特別試写会プレゼントキャンペーン

このキャンペーンは、先日お伝えした、「4400」&「デッドゾーン」特別試写会のうち、大阪会場、広島会場、名古屋会場のご招待チケットをそれぞれ20組40名様にプレゼントする、と言うキャンペーン。

大阪、広島、名古屋の方は応募してみてはいかがだろうか。

応募締切は、2007/11/20。

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2007/11/11

"Cool and the Gang"

2007/11/07 スティーヴン・キングの最新コラム「ポップ・オブ・キング」EW.comで公開された。

"Cool and the Gang"
Stephen King sizes up who's cool...and who's not

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2007/11/10

「4400」&「デッド・ゾーン」特別試写会が全国で開催!

2007/11/08 パラマウント ジャパンが伝えるところによると、テレビ・シリーズ「4400-フォーティ・フォー・ハンデレッド-」「デッド・ゾーン」のシーズン1のそれぞれ第1話の試写会を全国で開催する模様。

4400&デッドゾーン 特別試写開催決定!

日程・会場は次の通り。

【大阪】
■11/29(木) 会場: 18:00/開演18:30
■朝日生命ホール
  大阪市中央区高麗橋4-2-16

【広島】
■11/30(金) 会場: 18:00/開演18:30
■広島YMCAホール(国際文化ホール)広島市中区八丁堀7-11

【埼玉】
■12/6(木) 会場: 18:30/開演19:00
■ユナイテッド・シネマ浦和
  さいたま市浦和区東高砂町11-1  浦和パルコ6F

【札幌】
■12/7(金) 会場: 18:30/開演19:00
■ユナイテッド・シネマ札幌
  札幌市中央区北一条東4-1-1  サッポロファクトリー1条館

【福岡】
■12/7(金) 会場: 18:30/開演19:00
■ユナイテッド・シネマキャナルシティ13
  福岡市博多区住吉1-2-22  キャナルシティ博多内

【名古屋】
■12/13(木) 会場: 18:30/開演19:00
■テレピアホール
  名古屋市東区東桜1-14-27  東海テレビ放送内

※ 無料招待で、先着順に入場できる模様。
※ 大阪会場、広島会場、名古屋会場については、試写状を持っている人優先。
※ チラシ1枚につき1名入場可能。

試写状の応募はコチラで。

余談ですが、以前もこんな企画がありました。

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2007/11/09

「デッド・ゾーン」シーズン4 DVD-BOX発売決定!

テレビ・シリーズ「デッド・ゾーン」シーズン4のDVD-BOXの発売が決定した模様。

「デッド・ゾーン」シーズン4 コンプリートBOX
発売元:パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
発売日:2008/02/22

AXNでは未放送のスペシャル・エピソード"A Very Dead Zone Christmas"が収録されているかどうかは不明。

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2007/11/08

キング絶賛の「パンズ・ラビリンス」

美しさとエモーショナルな残忍性に完全に魅了された。
この風変わりな大人のおとぎ話は、
「オズの魔法使い」以来のベストファンタジーだ。
--------------- スティーヴン・キング(作家)

Panslabyrinth と言うキングのキャッチ・コピーによりプロモーションが展開されている「パンズ・ラビリンス」を観た。


2007/10/08 東京恵比寿「恵比寿ガーデンシネマ」で「パンズ・ラビリンス」を観た。

1944年のスペイン。
内戦終結後もゲリラたちはフランコ将軍の圧政に反発。この山奥でも血なまぐさい戦いが繰り広げられていた。

おとぎ話が大好きなオフェリアは、臨月を迎えた母親カルメンとともに、その山奥へと向かっていた。仕立屋だった父亡きあと、山奥の駐屯地に就くフランコ軍のビダル将軍と母が再婚したからだ。

ビダル将軍の元へ向かう途中、オフェリアは彫刻を施された石を見つける。それは朽ち果てた石塚の破片だったが・・・・。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ    
プロダクションデザイン:エウヘニオ・カバイェーロ    
衣装デザイン:ララ・ウエテ
出演:イバナ・バケロ(オフェリア)、セルジ・ロペス(ビダル)、マリベル・ベルドゥ(メルセデス)、ダグ・ジョーンズ(パン/ペイルマン)、アリアドナ・ヒル(カルメン)

先ずは、本作「パンズ・ラビリンス」が、良質のダーク・ファンタジー作品に仕上がっていたことを喜びたい。
とは言うものの、本作を手放しで賞賛できるか、と言うとそこまでの作品だとは言い難い。

と 言うのも、本作はスペインの内戦終結後のゲリラ掃討戦を描く部分と、オフェリアのファンタジー世界での冒険を描く部分が交互に描写される、と言う構成を とっているのだが、先ず本作自体の尺があまりにも短すぎ、その関係で、肝心のオフェリアのファンタジー世界での冒険部分の尺が圧倒的に短く、観客が望むオ フェリアの冒険があまり描かれていないのだ。

プロダクションデザインや衣装により、素晴らしい世界観が構築されているだけに、非常に残念な印象を受ける。

とは言うものの、本作のビジュアル面でのスタンスは非常にダークであり、従来の所謂ファンタジー作品と比較し、ダーク・ファンタジーの面目躍如的な観点から、個人的には心躍る部分が多々ある。

あと30分でも良いからオフェリアの冒険を描いて欲しいと思うし、タイトルにもなっているラビリンスをもっともっと描いて欲しかった、と思う。
クリーチャーの登場シーンも少ないし・・・・。

例えば、「レジェンド/光と闇の伝説」(1985)、「ラビリンス/魔王の迷宮」(1986)、「ダーク・クリスタル」(1982)等のダークな方向性をもう少しふくらませて欲しかったと思った。

現実部分については、ハードなバイオレンス描写が印象的で、特にセルジ・ロペス(ビダル役)から強烈な印象を受けた。

魔王が存在しない本作における悪のメタファーとも言えるキャラクターであるし、現実世界の独裁者的なイメージをも醸し出している。

また、ビダルの言動から、実はパンと表裏のキャラクターとも取れる非常に重要なキャラクターであった。

一方、レジスタンスの闘士メルセデスを演じたマリベル・ベルドゥも大変素晴らしく、人間の善の部分のメタファーとも取れるキャラクター設定となっていた。

かぶり物俳優としてのキャリアが多いダグ・ジョーンズは特徴的な動きでパンやペイルマンを強烈なキャラクターとして観客の記憶に残すことに成功している。
が、逆関節のパンをもう少し動かして欲しかったと思う。

余談だけど「ナルニア国物語/ライオンと魔女」(2005)で、兄弟をナルニア国にいざなうことになるキャラクターも牧神パーンである。

そして、何と言ってもイバナ・バケロ(オフェリア役)の好演が光っていた。

脚本の重要な部分と言えるのは、「パンズ・ラビリンス」の世界ははたして物理的に存在する世界だったのか、はたまたオフェリアの精神世界にのみ存在する世界だったのか、と言う点である。

観客の多くはおそらく、「パンズ・ラビリンス」の世界は物理的に存在していた、と解釈するのだろうが、物語として美しい解釈は「パンズ・ラビリンス」の世界はオフェリアの精神世界の中のみに存在していた、と言う解釈だと思える。

もちろん、「パンズ・ラビリンス」の世界が存在する証拠と思えるいくつかの描写があるのは否定しないが、逆に「パンズ・ラビリンス」の世界が物理的に存在しない、と解釈できる証拠もいくつか描写されており、その辺の解釈は観客に委ねられている。

そ して「パンズ・ラビリンス」の世界が物理的に存在しない、と言う解釈をした場合、地底の魔法の王国の王はオフェリアの父、そして女王はオフェリアの母だと 言う事が出来、またオフェリアがその王国のプリンセスである、と言うのは物語の構成としては非常に美しい予定調和的な印象を観客に与える事ができる。

その予定調和的で非常に悲しいエンディングは、当然ながら「未来世紀ブラジル」(1985)との見事な親和性が感じられる。

とにかく本作「パンズ・ラビリンス」は、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ(2001-2003)や「ナルニア国物語」シリーズ(2005-)のような作品群と一線を画する、素晴らしいダーク・ファンタジーに仕上がっている事は間違いない。
是非劇場で体験して欲しい、と思うのだ。

☆☆☆★(☆=1.0 ★=0.5 MAX=5.0)

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2007/11/07

AXN「デッド・ゾーン」マイクロサイトリニューアル

Deadzone_axn テレビ・シリーズ「デッド・ゾーン」シーズン5の日本独占初放送開始に向けて、AXN「デッド・ゾーン」マイクロサイトがリニューアルされた。
またリニューアルと同時に、コラムも追加された。

なお、「デッド・ゾーン」シーズン5の放送スケジュールは次の通り。

「デッド・ゾーン」
(シーズン5)全12話
字幕版:12月13日(木)スタート 毎週木曜10:55pm ほか
吹替版(二カ国語):12月15日(土)スタート 毎週土曜8:00pm ほか

因みに本国では、「デッド・ゾーン」シーズン6が、2007年9月に終了したところである。

ここに来て、AXNの追い上げは凄いことになっている。

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2007/11/06

キングのオススメ映画「once ダブリンの街角で」イベント

Once_2 スティーヴン・キングのオフィシャル・サイトに、キングが最近はまっている書籍や映画、音楽の紹介をするstephen's picksと言うコーナーがある。

2007/10/22にstephen's picksが久し振りに更新されたのだが、キングは最近、映画「once ダブリンの街角で」と同作のサウンドトラック・アルバムにはまっている模様。

「once ダブリンの街角で」
監督・脚本:ジョン・カーニー
出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ

introduction
アイルランドのダブリンを舞台に、地元の男とチェコ移民の若い女がストリートで出会い、音楽を通して心を通わせていくさまを、自然な形で挿入される歌の数々で紡いでいく感動ラブ・ストーリー。
主演はアイルランドの人気バンド“ザ・フレイムス”のフロントマン、グレン・ハンサードとチェコのシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァ。彼らが本作のために書き下ろし楽曲の数々が、口数の少ない主人公たちの繊細な感情の機微をセリフ以上の雄弁さで表現していく。
監督は、自身もかつてザ・フレイムスのメンバーとして活動した経歴を持つ「オン・エッジ 19歳のカルテ」のジョン・カーニー。

story
男は穴の開いたギターで毎日のように街角に立ち、歌を歌うストリート・ミュージシャン。そんな男の前に現われ、あれやこれやと話しかける花売りの若い女。彼女はチェコからの移民で、楽しみは楽器店でピアノを弾かせてもらうこと。彼女のピアノに心動かされた男は、一緒にセッションしてみないかと持ちかけるが・・・・。(allcinemaonlineよりほぼ引用)

今年の「第20回東京国際映画祭」で、「once ダブリンの街角で」が上映されたのだが、それに合わせて主演のふたりが来日、舞台挨拶や記者会見等様々なプロモーションが行われた。

わたしは、「once ダブリンの街角で」のプロモーションの一環として、東京六本木で実施されたグレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァによるイベントに行ってきた。

イベントは、グレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァによるプレミアライブとトークショー。プレミアライブでは、本編中で演奏される楽曲を4曲披露し、その後トークショーが行われた。

写真はその様子。
右下にあるギターは、作品の中で使われた(と思われる)穴のあいたギター。
(写真の構図が微妙なのは、穴のあいたギターを残すため)

なお、「once ダブリンの街角で」の公開は、2007/11/03より渋谷シネ・アミューズ他で公開中。

音楽好きにはたまらない作品。是非劇場で堪能していただきたいと思う。

余談だが、主演のグレン・ハンサードは、アラン・パーカーの「ザ・コミットメンツ」でもギタリストを演じている。

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2007/11/05

最も恐ろしい文学上のキャラクターは?

米オンライン古書店AbeBook.comが、文学上の最も恐ろしいキャラクターのオンライン調査を行い、結果を発表した。

Scariest Characters in Literature

1.偉大なる兄弟(ビッグ・ブラザー) 「1984」 ジョージ・オーウェル
2.ハンニバル・レクター 「羊たちの沈黙」他 トマス・ハリス
3.ペニーワイズ 「イット」 スティーヴン・キング
4.看護婦長ラチェッド 「カッコーの巣の上で」 ケン・キージー
5.ドラキュラ伯爵 「吸血鬼ドラキュラ」 ブラム・ストーカー
6.アニー・ウィルクス 「ミザリー」 スティーヴン・キング
7.悪霊 「エクソシスト」 ウィリアム・ピーター・ブラッディ
8.パトリック・ベイトマン 「アメリカン・サイコ」 ブレット・イーストン・エリス
9.ビル・サイクス 「オリバー・ツイスト」 チャールズ・ディケンズ
10.ヴォルデモート 「ハリー・ポッター」シリーズ J・K・ローリング
※ キャラクター名 「登場する作品名」 著者

スティーヴン・キング関係では、3位にペニーワイズ「イット」と6位にアニー・ウィルクス「ミザリー」がランクインしている。

ジョージ・オーウェルやディケンズ、ブラム・ストーカー、そして、「カッコーの巣の上で」「エクソシスト」等の伝説的なキャラクターと共に、ペニーワイズやアニー・ウィルクスが文学史に残る恐ろしいキャラクターに選ばれるとは、現役の作家にとって非常に名誉な事だと思った。

余談だけど、アニー・ウィルクスのキャラクターは、今思えば「カッコーの巣の上で」のラチェッドの影響を受けているかも知れないですね。

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2007/11/04

"Faithful"テレビミニシリーズ化か?

2007年シーズンにおいて、3年振りにワールドシリーズを制覇したボストンレッドソックスだが、どうやら2004年のシーズンを描いたスティーヴン・キングらの"Faithful"がテレビ・ミニシリーズ化される模様。

"Faithful: Two Diehard Boston Red Sox Fans Chronicle the Historic 2004 Season"
原作:スティーヴン・キング、スチュアート・オナン
脚色:ビル・ダイヤモンド
製作総指揮:ビル・ハーバー
配給:HBO Films
公開日:2008/**/**

どんな体裁の作品に仕上がるのか不明だが、レッドソックスの映像に、キングやオナンがナレーション(と言うか朗読?)が入ると凄いな、と思う。



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2007/11/03

最も怖い映画は? 英HMVオンライン調査

2007/10/31 英HMVがハロウィーンにちなんで、最も怖い映画のオンライン調査を実施し、その結果を発表した。調査対象者は、HMVの顧客6,500名。

「最も怖い映画」英HMV調査結果
1.「エクソシスト」
2.「シャイニング」
3.「ハロウィン」
4.「エルム街の悪夢」
5.「リング」
6.「悪魔のいけにえ」
7.「オーメン」
8.「IT/イット」
9.「ヘル・レイザー」
10.「ホステル」

例によってスティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」がランクインした。

先日紹介した、MSN MOVIES UKの調査結果でも「シャイニング」が複数のカテゴリーでランクインしていましたね。
ホラー、SF、戦争等の様々なカテゴリーで常に評価されるキューブリックは偉大な監督だな、と言う事でしょうか。

余談ですが、「ハロウィン」の上位ランクインはハロウィーンにちなんだ調査のおかげかも知れませんね。

で、8位の「IT/イット」ですが、厳密に言うと、これ(it)は映画ではなく、テレビ・ミニシリーズです。

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2007/11/02

「真・女立喰師列伝」はキングの影響を受けているのか?

Kumi03 2007/11/10から公開される映画「真・女立喰師列伝」に、キングの作品に影響を受けたのではないか、と勘ぐってしまうようなエピソードがある。

「真・女立喰師列伝」
「GHOST IN THE SHELL ‐攻殻機動隊‐」「Avalon」「イノセンス」等で知られる世界的クリエイター・押井守監督が創り出した、立喰いによる無銭飲食を生業とする架空の仕事師=≪立喰師≫。
「うる星やつら」ほか数々の自作に登場させた同監督のライフワークとも言えるモチーフで、06年には歴代の立喰師をめぐる虚実入り混じった昭和史を描く映画「立喰師列伝」が完成。そして07年、ついに、美しき女立喰師たちを主役にしたユニークな映画が誕生しました。
押井監督自身が6作品中2作品のメガホンをとったのに加え、特撮やアニメの分野ですでに活躍中の監督や、押井監督がその実力を認める若手たち総勢4人の監督が、≪立喰師≫というフィールドに初めて挑戦。気鋭のクリエイターと魅惑の女優陣が贈る、鮮烈なイマジネーションと娯楽性に満ちた秀作揃いのオムニバス映画──それが、この「真・女立喰師列伝」です。

主演は、ひし美ゆり子、佐伯日菜子、小倉優子、安藤麻吹、水野美紀、藤田陽子という豪華な顔ぶれ。
また、主題歌&エンディングテーマを期待のアーティスト《樹海》が歌うのも話題です。
押井監督演出、兵藤まこ出演によるクールでスタイリッシュなオープニングに始まり、ラブストーリー、文芸ドラマ、ブラックコメディ、西部劇、SF等々、さまざまなジャンルの作品が<特盛り>になった、極上エンタテインメントをたっぷりお楽しみ下さい。

なお、本作品は、本年10月に開催される第20回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に公式出品が決定しました。(オフィシャル・サイトより引用)

さて本題だが、本作「真・女立喰師列伝」においてキングの作品の影響を受けたりではないか、と個人的に思うエピソードは、「草間のささやき 氷苺の玖実」のエピソード。

「草間のささやき 氷苺の玖実」Kumi_2
監督・脚本・撮影・編集:湯浅弘章
玖実:藤田陽子
由起夫:和田聰宏
光男:若松武史

風に揺れる一面の唐黍畑……時が止まったような自然の中、妖しい美しさで通りすがりの男たちを惑わせる玖実。立喰師史上、ほとんど語らずして色香を武器に食べものをゴトするヒロインが初登場。アンニュイなムードと摩訶不思議な魅力あふれる美的映像詩。

大人の背丈も超えるほどに伸び、波のように静かに揺れる広大な唐黍畑の中に、その女──玖実はいた。通りかかる菓子業者の男たちを妖しい美しさで惑わせては畑へと導き、なぜか金銭ではなくその商品ばかり奪う玖実。彼女は、畑の主人である光男という初老の男に雇われ、畑に建つ小さな堂の中で彼の身の回りの世話をしていた。
ある日、かき氷屋の精悍な青年・由起夫が畑を通りかかる。かき氷は、幼い頃から玖実にとって特別な食べ物だった。玖実に気づいた由起夫が氷苺を差し出すと、玖実はそれを受け取ることなく、恥じらいながら、いつもとは違う眼差しを彼に注いで畑の奥へと消える。彼女を追って畑へと足を踏み入れる由起夫。それは、甘くて不思議な"ひととき"と悲劇の始まりだった……。 (オフィシャル・サイトより引用)

Kumi02 トウモロコシ畑と言えば、キングファンにとってキングを語る上で外せない舞台背景だと思う。

キングの様々な作品で様々なトウモロコシ畑が描かれ、重要な舞台背景として機能している。

特に、この「草間のささやき 氷苺の玖実」におけるトウモロコシ畑は、ある種の異界として描かれ、異界に巣くい男たちを惑わせる玖実(藤田陽子)の姿は圧倒的に妖しくそして美しい。
物語の摩訶不思議な余韻とそして恐怖とを感じさせる圧倒的なキャラクターとして描かれている。

そして、トウモロコシ畑を闊歩し、男を惑わす玖実の姿は、キングファンとしては、「図書館警察」のアーデリア・ローツにしか思えない。

わたしは、「第20回東京国際映画祭」で本作「真・女立喰師列伝」を観たのだが、当日は監督・キャストを迎えたワールド・プレミアであり、上映前に舞台挨拶、上映後にはティーチ・インが行われ、監督との質疑応答が行われたのだが、押井守が喋りすぎてしまい、湯浅弘章に対し、キングの影響についての質問をする時間がなかった。

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2007/11/01

短編小説"Mute"掲載の米「プレイボーイ誌」のフリー・プレビュー開始

Playboy200712 スティーヴン・キングの新作短編小説"Mute"が掲載される予定の米「プレイボーイ誌」2007年12月号のフリー・プレビューオフィシャル・サイトで開始された。

残念ながら、"Mute"の本文は公開されていない。

なお、表紙には、

THE RETURN OF
STEPHEN KING
THRILLING NEW FICTION

の文字が躍り、目次には、

fiction

"MUTE"
A traveling salesman picks up a hitchhiker and pours out his heart about his wife's infidelity -- with suuprising results -- in this short story by STEPHEN KING

と表記されている。

シノプシスは、ヒッチハイカーを拾った訪問販売員は、ヒッチハイカーに自分の妻の不貞を打ち明けると・・・・。と言う感じでしょうか。

Mute また、おそらく"Mute"で使用されるカットも1点公開されている。

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