「ハートシェイプト・ボックス」をめぐる冒険
2007年12月に小学館文庫から出版されたスティーヴン・キングの息子、ジョー・ヒルの「ハートシェイプト・ボックス」が非常に面白い。
いくつか興味深い点があるので紹介したいと思う。
「ハートシェイプト・ボックス」
ジョー・ヒル/著
白石朗/訳
2007/12/06/発売
2007/12/11/初版発行日
小学館文庫(ヒ−1−1)
860円/定価(税込)
ISBN:9784094081305
■献辞
「ハートシェイプト・ボックス」の献辞は次のとおり。
いいやつのひとり、父さんに。
なんとも興味深い、と言うか、キングファンとしては、目頭が熱くなってしまうほどの素晴らしい献辞だと思う。
■黒い犬
「ハートシェイプト・ボックス」が影響を受けているのではないか、と思える日本の作品がある。(実際は、わたしの妄想のひとつだと思いますが・・・・)
その作品は宮沢賢治の「注文の多い料理店」である。
ジョー・ヒルが宮沢賢治を読んでいる可能性は低いと思うが、「注文の多い料理店」と「ハートシェイプト・ボックス」の前半部分の共通点は、偶然にしては出来過ぎのような印象を受ける。
■描写
キングの息子と言うだけのことはあるような印象を受ける。
的確だが回りくどい比喩がたまらない。
また、会話文が非常にウィットにとんでおり、登場人物のシニカルな様子がありありと感じられる。
折角なので、機会があれば、「ハートシェイプト・ボックス」を手に取っていただきたいと思うところである。
余談だけど、ジョー・ヒルがジョー・キングを名乗らない理由を思いついた。
とある街角で、ジョー・キングらしき人に会った人が彼に問い掛ける。
Are you Joe King ?
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