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2008年6月の17件の投稿

2008/06/28

第34回サターン賞、受賞結果

以前紹介したホラー界のアカデミー賞とも呼ばれている「第34回サターン賞」受賞作品が発表された。

スティーヴン・キング関連作品がノミネートされている各賞の受賞結果は次の通り。
★受賞
■ノミネート

【ホラー作品賞】
「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
「30 DAYS OF NIGHT」
「1408(原題)」
「ゴーストライダー」
「グラインドハウス」
「ミスト」

【主演男優賞】
★ウィル・スミス 「アイ・アム・レジェンド」
■ジェラルド・バトラー 「300 <スリーハンドレッド>」
■ジョン・キューザック 「1408(原題)」
■ダニエル・デイ=ルイス 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
■ジョニー・デップ 「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
■ヴィゴ・モーテンセン 「イースタン・プロミス」

【助演女優賞】
★マーシャ・ゲイ・ハーデン 「ミスト」
■リジー・キャプラン 「クローバーフィールド/HAKAISHA」
■レナ・ヘディ 「300 <スリーハンドレッド>」
■ローズ・マッゴーワン 「グラインドハウス」
■ミシェル・ファイファー 「スターダスト」
■イメルダ・スタウントン 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」

【監督賞】
★ザック・スナイダー 「300 <スリーハンドレッド>」
■ティム・バートン 「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」
■フランク・ダラボン 「ミスト」
■ポール・グリーングラス 「ボーン・アルティメイタム」
■サム・ライミ 「スパイダーマン3」
■デヴィッド・イェーツ 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」




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2008/06/27

「He Is Legend」通常版発売か!

2009年2月に限定出版されるリチャード・マシスンに関するアンソロジー「He Is Legend」についてだが、どうやら通常版も同時に出版される模様。

なお、「He Is Legend」には、スティーヴン・キングとジョー・ヒル共著の「Throttle」が収録される予定。



なお、通常版は、$60の模様。

既に予約で完売している限定版は、次の通り。

$150 750 copy signed numbered edition (signed by all contributors except Richard Matheson)/750部限定サイン入りナンバード・エデション(1~750のシリアル・ナンバー入)

$200 This numbered edition with a special beveled bonded leather slipcase with the cover art inset into the slipcase (must be ordered before November 1 to receive this slipcase) /革製の外箱付750部限定サイン入りナンバード・エデション(1~750のシリアル・ナンバー入)

$500 52 copy lettered edition in a special bonded leather traycase (design to be determined later). This is the only edition that will be signed by Richard Matheson. /52部限定サイン入りレタード・エディション(A~Z、a~zの文字入り)

$25 Bonded leather slipcase (not beveled and without the cover art. This is not a different version of the book, just a slipcase)/革製の外箱

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2008/06/26

アンソニー・マイケル・ホールが「デッド・ゾーン」の映画化について語る

2008/06/20 アンソニー・マイケル・ホールが、Sci Fi.comのインタビューに対し「デッド・ゾーン」の映画化について語っている。

Hall: Dead Movie Mulled
2008/06/20

Hall Sums Up The Dead Zone
2008/06/18

インタビューの流れとしては、6/18の「デッド・ゾーン」シーズン6のDVD発売のインタビューの際に「デッド・ゾーン」映画化の話が出て、6/20の記事に繋がっているようである。

シーズン6で打ち切られた「デッド・ゾーン」のラスト、つまりグレッグ・スティルソンに関する最終的な決着を、テレビシリーズ(スペシャル版)や映画で描くのではないか、と言う噂は以前からあったのだが、その件について「デッド・ゾーン」の主演(及び製作/一部)のアンソニー・マイケル・ホールが語っている、と言う記事である。

以前からアンソニー・マイケル・ホールは、「デッド・ゾーン」の映画化に対しては意欲的だったのですが、今回の記事で『「デッド・ゾーン」の映画化は、そんなに楽観的な状況ではない』と語り、更に最近映画化されたテレビ・シリーズの「X-ファイル」「セックス・アンド・ザ・シティ」を引き合いに出し、『それらの作品についていたようなカルト的なファンが「デッド・ゾーン」にはついていない』と分析しています。

しかしながら、故マイケル・ピラー、ショーン・ピラー、ロイド・セーガン等との長年にわたる家族的な付き合いの中、彼ら製作サイドが望むならば、ジョニー・スミスを演じると言う機会を逃さないとも語っています。

個人的には、映画化は難しいと思いますが、クリスマス・シーズンとかのスペシャル・テレビ・ミニ・シリーズあたりで、スティルソンのエピソードに決着をつけて欲しいものです。

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2008/06/25

スティーヴン・キング親子初の共同執筆作が映画化

2008/06/18にVariety Japanが伝えるところによると、スティーヴン・キングとジョー・ヒル共著の「Throttle」の映画化が決定した模様。

スティーヴン・キング親子初の共同執筆作が映画化

記録のため、全文を引用する。

映画プロデューサーのニック・ウェシュラーは、ベストセラー作家のスティーヴン・キングと、息子のジョー・ヒルが共同執筆した短編小説“Throttle”の映画化権を獲得した。60ページからなり、2009年に出版されるSF作家リチャード・マシスンのトリビュート短編集“He is Legend”のために書き下ろされたもの。親子の共同執筆は、これが初めてとなる。

同じツーリングチームに所属するバイク乗りの親子が、巨大トラックに追い回されるという物語。『「激突!」「ブレーキ・ダウン」のような有名映画の要素があるが、私としてはホラーの要素を押し出していきたい」とウェシュラーは言う。

ウェシュラーは小説の映画化権を素早く獲得しては、じっくりと時間をかけてスタジオを探す手法を取ることで知られる。コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」も、ピュリツァー賞を受賞する前に映画化権を獲得した。

ヴィゴ・モーテンセン、シャーリーズ・セロン主演でようやく映画化された同作は、11月26日に全米公開予定。オードリー・ニッフェネガー原作の“The Time Traveler’s Wife”(レイチェル・マクアダムス、エリック・バナ出演)は、12月25日の公開予定だ。

一方、ヒルの執筆作品も映画化が進行中。長編小説“Heart-Shaped Box”はワーナー・ブラザースが権利を獲得し、ニール・ジョーダンが脚色を手がけている。また、グラフィックノベル“Locke & Key ”は、ディメンションが映画化権を持っている。

なお、ニュース・ソースは、ココ。

Nick Wechsler revs 'Throttle'

プロデューサーのニック・ウェシュラーが、「Throttle」の映画化権(オプション)を取得した話は以前お伝えしたが、Variety Japanの今回の記事によると、どうやら正式に映画化権を取得した模様である。

余談だけど、原文の記事では、
father-son members of a motorcycle gang が、
同じツーリングチームに所属するバイク乗りの親子 と翻訳されている。

motorcycle gang って、ツーリングチームで良いのだろうか。

また、原文では、
Wechsler used his own coin to option the tale.
と言う、一文があるところを見ると、キングとヒルは安価でオプション権を譲渡した模様。

キングはともかく、ヒルの作品がどんどんメジャーになっていくのは、非常にめでたいことだと思える。

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2008/06/24

「シャイニング」と「ミザリー」の新装版が!?

未確認情報だが、文春文庫で出版されているスティーヴン・キング作品の新装版が2008年8月に出版される模様。

今回新装版が出版される、と言われているのは次の2作品。

「シャイニング(上・下)」「ミザリー」
余談だが、現在これら2作品は絶版扱いになっている模様。

現在判明している情報は次の通り。

「シャイニング(上)」
スティーヴン・キング著
深町眞理子訳
文藝春秋/文春文庫 (ISBN:978-4-16-770563-3)
発売予定日 2008年08月05日
予定価格 900円(税込)

「シャイニング(下)」
スティーヴン・キング著
深町眞理子訳
文藝春秋/文春文庫 (ISBN:978-4-16-770564-0)
発売予定日 2008年08月05日
予定価格 900円(税込)

「ミザリー」
スティーヴン・キング著
矢野浩三郎訳
文藝春秋/文春文庫 (ISBN:978-4-16-770565-7)
発売予定日 2008年08月05日
予定価格 1,000円(税込)

新装版の詳細は現在のところ未詳。

「ミザリー」がとうとう1,000円の大台に乗る模様。
キング作品の文庫史上1,000円を超えるのははじめてでは・・・・。

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2008/06/23

映画「アイアン・ジャイアント」の舞台は!?

「アイアン・ジャイアント」 今日は映画「アイアン・ジャイアント」に関する余談。

本作「アイアン・ジャイアント」の舞台は1957年のメイン州ロックウェル。
ところで、本作の舞台となるロックウェルは本作で創出された架空の街で、もしかしたらロックウェルはキャッスルロックと関係しているのかな、と言う程度の話。

なお、キングの「スタンド・バイ・ミー」は1965年のメイン州キャッスルロックを舞台にしている。と言うことは、本作「アイアン・ジャイアント」で描かれる背景が非常に似通っている、と思える。

「アイアン・ジャイアント」ダイナー
例えば、キング作品にいつも登場するようなダイナーも比較的重要な舞台として登場する。
まあ、時代背景的に当たり前と言われれば、その通りで、キング作品以外でもダイナーはたくさん出てくるし、「スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」にも出てくるしね。

「アイアン・ジャイアント」スクラップ置場
また、「クージョ」に登場するジョー・キャンパー自動車修理工場のような場所も登場する。
ここも非常に重要な舞台背景として設定されている。

「アイアン・ジャイアント」ロックウェル
街並みもわたし達が知っているキャッスルロックのイメージそのままで、その辺に「ニードフル・シングス」がありそうだったり、主人公のホーガースはビルが悪魔を負かしたようなクルーザー・タイプの自転車に乗っている。

そんな感じで、キングファン的には、本作「アイアン・ジャイアント」の舞台であるロックウェルの街や文化、時代背景に関心が持てるのではないか、と思う。

余談だけど時代背景的には先日日本でも公開された「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」と同じ年代で、物語の背景にソ連や水素爆弾の脅威が描かれているのも興味深い。

本作「アイアン・ジャイアント」は、作品として、大変素晴らしいアニメーション作品に仕上がっているので、機会があれば是非観ていただきたいと思う。
号泣必須です。

「アイアン・ジャイアント」(1999)
監督・原案:ブラッド・バード
原作:テッド・ヒューズ
デザインワークス:ジョン・ジョンストン
声の出演:ジェニファー・アニストン(アニー・ヒューズ)、ハリー・コニック・Jr(ディーン・マッコーピン)、ヴィン・ディーゼル(アイアン・ジャイアント)、イーライ・マリエンタール(ホーガース・ヒューズ)、ジェームズ・ギャモン(マーブ・ローチ/フロイド・タービュー)、クリストファー・マクドナルド(ケント・マンズリー)、M・エメット・ウォルシュ(アール・スタッツ)、ジョン・マホーニー(ローガード司令官)

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2008/06/22

Road Rage: Includes "Duel" and "Throttle"

2009年2月に限定出版されるリチャード・マシスンに関するアンソロジー「He Is Legend」に収録されるスティーヴン・キングとジョー・ヒル共著の「Throttle」だが、2009年1月にオーディオCD版がHarperAudioからリリースされる模様。

収録されるのは、スティーヴン・キングとジョー・ヒル共著の「Throttle」とリチャード・マシスンの「Duel(激突!)」

"Road Rage": Includes "Duel" and "Throttle"
by Stephen King, Joe Hill, and Richard Matheson

Publisher: HarperAudio
Format: Audio CD
Publication Date: January 2009
Retail Price: Just $20.00!

"Road Rage"は、Cemetery Danceで予約が始まっている。

なお、「He Is Legend」の価格($150、$200、$500)についてジョー・ヒルは、小さな出版社が驚くべき価格で限定本を出版することに対する批判を自身のブログで表明している。

更にジョー・ヒルはなんらかの形で「Throttle」を一般の読者の目に触れられるようにしたいと、自身のブログで語っていたが、今回のオーディオCD版のリリースが、なんらかの形なのかどうかは不明。

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2008/06/20

マーベル・コミック版「ダーク・タワー」第三弾!

マーベル・コミック版「ダーク・タワー」シリーズ第三弾のサブタイトルが、"DARK TOWER: TREACHERY"に決定した模様。

DARK TOWER: TREACHERY #1 "DARK TOWER: TREACHERY #1"
Written by ROBIN FURTH & PETER DAVID
Pencils & Cover by JAE LEE & RICHARD ISANOVE
Variant Cover by GABRIELE DELL'OTTO
Sketch Variant Cover by JAE LEE
The ka-tet of Roland, Alain and Cuthbert have returned safely to their home in Gilead. But all is not well. Roland has kept the evil Maerlyn's Grapefruit and has become obsessed with peering into its pinkish depths despite the deadly toll it's taken on his health. And what the young gunslinger sees brings him the darkest of nightmares. Meanwhile, Roland's father has led a posse in search of those who threatened his son's life in Hambry—John Farson and the Big Coffin Hunters. And in this encounter, Stephen Deschain's life may be forfeit.
40 PGS./Cardstock Cover/Parental Advisory…$3.99
©2008 Stephen King. All rights reserved.

TREACHERYの語意は、裏切り(行為)、反逆。

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2008/06/19

The Stand: Mike Perkins Video Interview

マイク・パーキンス 2008/06/09 MARVEL NEWSにおいて、マーベル・コミック版「ザ・スタンド」のアーティスト:マイク・パーキンスのビデオ・インタビューが公開された。

The Stand: Mike Perkins Video Interview

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2008/06/18

マーベル・コミック版「ザ・スタンド」のサブタイトル決定か!

2008年9月以降順次刊行が予定されているマーベル・コミック版「ザ・スタンド」だが、恒例のサブタイトルが、"The Stand:Captain Trips"に決定した模様。

THE STAND: CAPTAIN TRIPS #1"THE STAND: CAPTAIN TRIPS #1" (of 5)
Written by ROBERTO AGUIRRE-SACASA
Penciled & Inked by MIKE PERKINS
Cover by LEE BERMEJO
Variant Cover by MIKE PERKINS
Sketch Variant Cover by LEE BERMEJO

It begins here: the apocalyptic epic battle between good and evil based on the classic bestseller by master of horror Stephen King! On a secret army base in the Californian desert, something has gone horribly, terribly wrong. Something that will send Charlie Campion and his wife and daughter fleeing in the middle of the night. Unfortunately for the Campion family--and the rest of America--they are unaware that all three of them are carrying a deadly cargo: A virus that will spread from person to person like wildfire, triggering a massive wave of disease and death, prefacing humanity's last stand! Be there as writer Roberto Aguirre-Sacasa (Secret Invasion: Fantastic Four) teams with artist Mike Perkins (Captain America) for the first arc in the next great Stephen King event!

32 PGS./ Cardstock Cover/Parental Advisory…$3.99

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2008/06/14

シャマランの新作「ハプニング」北米で公開開始!

「ハプニング」 2008年6月13日(金) M・ナイト・シャマランの新作「ハプニング」が北米で封切られた。
(日本公開は2008年7月26日の予定)

何故、当ブログで「ハプニング」の話をしているか、と言うと、ご存知の方はご存知だと思うのだが、「ハプニング」の予告編を見る限り、「ハプニング」は、なんとなくキングの「セル」に似ているような印象を受けるため。

「ハプニング」
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:マーク・ウォールバーグ、ズーイー・デシャネル、ジョン・レグイザモ、スペンサー・ブレスリン、ベティ・バックリー、ヴィクトリア・クラーク、フランク・コリソン

余談だが、シャマランの前作「レディ・イン・ザ・ウォーター」には、使命に突き動かされ世界を変えるための本を執筆する作家が登場する。

「レディ・イン・ザ・ウォーター」の基本的なプロットは、物語(ストーリー)が、ある作家に物語を書くように(間接的に)要請する、と言うもの。
キングの「ダーク・タワー」シリーズと比較すると面白いかも知れない。

また、「サイン」は、「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」の影響を受けている、と言うことは当然ながら「地球最後の男」の影響を受けている、と言える。
「セル」「地球最後の男」の影響を受けているのは、皆さんご承知のことだと思う。

また、「サイン」では、荒唐無稽なことだろうと、信じることで力を発揮する描写が登場する。このような(信じることにより力を発揮する)プロットはキングの作品に多く登場する。

そんな関係で、キングファンとしても、シャマランの作品をチェックしていくのは興味深いと思う訳だ。

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2008/06/11

「ジョン・ウェイン・ゲイシーの絵画」ヤフオクに出品!

Pogo the Clown 2008/06/10 Yahoo!オークションに、ジョン・ウェイン・ゲイシーの絵画が出品されました。

画像は、コチラからの引用です。

「ジョン・ウェイン・ゲイシーの絵画(マッドピエロ・殺人鬼)」

ご承知の通り、ジョン・ウェイン・ゲイシーは、スティーヴン・キングの「IT(イット)」のキャラクターのモトネタとなったと言われている実在の連続殺人者です。

今回出品されている絵画は「ポゴ(Pogo the Clown)」で、誰でも一度は目にした事がある非常に有名な絵画と言えると思います。

真贋はともかく、こんな絵画が日本国内のオークション・サイトに出てくるとは驚きです。

現在の価格は、800,000円。
今後の値動きに注目です。

なお、オークションの終了日時は、6月14日21:02です。

ジョン・ウェイン・ゲイシー Wikipedia

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2008/06/10

「虎よ、虎よ!」をめぐる冒険

「虎よ、虎よ!」 先日、実家に帰る所用があった。
折角なので、実家に置いてある「虎よ、虎よ!」を持ってきて読んでみることにした。

今日のエントリーは、「虎よ、虎よ!」をめぐる冒険。
物語の内容には極力触れない予定。

ところで、アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ!」は、先日のエントリー『「ジョウント」をめぐる冒険』でご紹介した通り、キングの「ジョウント」(「神々のワード・プロセッサ」に収録)に影響を与えた、と言うか元ネタとなっている作品であり、それ以上にSF界に燦然と輝く大傑作である。

「虎よ、虎よ!」がアルフレッド・ベスターによって執筆されたのは1956年である。
つまり、「虎よ、虎よ!」は、驚くべきことに、もう50年以上も前の作品であり、50年以上前のSF作品が持つ圧倒的なイマジネーションの奔流に翻弄されてしまう21世紀の人類の発想の貧困さにも失望してしまう。

さて、「虎よ、虎よ!」についてだが、今回の再読は、おそらく20年以上の間をあけての再読だと思う。

余談だけど、わたしの「虎よ、虎よ!」は昭和59年7月15日付の第十刷。
表紙の挿画は生瀬範義、中田耕治の訳者あとがきと、浅倉久志の解説(「十年に一度の傑作」)がついている。帯の情報から見るとわたしは本書を昭和59年(1984年)の夏頃に購入している模様。

今回読み返して思ったのは、本「虎よ、虎よ!」は舞台や題材は当然ながらSFなのだが、物語はガリヴァー・フォイルを主人公とした見事なピカレスク・ロマンになっている、と言うこと。

あと、浅倉久志の解説(「十年に一度の傑作」)で引用されているように、「ベスターは、この小説の中に、普通の小説六冊分ものすばらしいアイデアを持ち込んだ。それでも満足せずに、彼はさらにもう六冊分の悪趣味と、矛盾と、誤謬を持ちこんだ・・・・。にもかかわらず、結末までくると、すべての要素が渾然一体となり、神秘的な変貌をとげて、奇怪な感動が呼びおこされる。ベスターは、ガラクタを寄せ集めて芸術品を創り上げたのだ・・・・。」(デーモン・ナイトの書評より引用)勿体ない程のアイデアを本書に注ぎ込んでいる。

そう考えると、設定自体が一人歩きしてしまっているSF界の共有財産とも言える「ジョウント」と言う設定も、わざわざ本作に導入しなくても物語が成立してしまう、と言う贅沢な設定だったような気がする。
つまり、「ジョウント」と言う設定がなかったとしても、本書の物語は成立してしまうのではないか、と言うことである。

また、気になったのは、本書「虎よ、虎よ!」は、フィリップ・K・ディックの「流れよ我が涙、と警官は言った」(1974)にも影響を与えているのではないか、と思った。

余談だけど、「NOMAD」とは原義で「遊牧民」とか「放浪者」と言う意味なので、「VAGABOND」と同義なのだと思った。

更に余談だけど、赤塚不二夫の「天才バカボン」の当初のタイトル案は「天才バガボンド」
「天才バガボンド」なんて、なんて格好良いタイトルなんだろう、と思った。

なんだか、訳がわからなくなってきたので、今日はこの辺でおしまい。

とにかく、「虎よ、虎よ!」未読の方は一読を是非お勧めします。


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2008/06/09

「JUST AFTER SUNSET」表紙画像公開

「JUST AFTER SUNSET」 2008/11/11発売予定のスティーヴン・キングの短編集「JUST AFTER SUNSET」の表紙画像が、SimonSays.comで公開された。

「JUST AFTER SUNSET」
Scribner, November 2008
Hardcover, 384 pages
ISBN-10: 1-4165-8408-0
ISBN-13: 978-1-4165-8408-7

「JUST AFTER SUNSET」の表紙画像を見て一言。
「スリットスキャンかよ!」

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2008/06/08

「The Signal」北米版DVD発売!

「The Signal」 2008/06/10 映画「The Signal」の北米版DVDが発売になる模様。

「The Signal」とは、2007年のサンダンス映画祭で公開されて話題になったホラー映画で、2008年2月22日より北米で限定公開された話題のインディペンデント・ホラー作品。

この作品のコンセプトは、テレビやラジオ、電話といった信号を発信する機器から突然謎のシグナルが発信され、そのシグナルを見たり聴いたりした人々は凶暴化し他の人々を殺し始める、と言うもの。

キングファンの皆さんは、「The Signal」とキングの「セル」のコンセプトが非常に良く似ていることにお気付きだろう。

「The Signal」「セル」の影響を受けているのか、はたまたどのような関係があるのか不明だが、当ブログでも折角なので紹介しておこうと思う。

「The Signal」
脚本・監督:デヴィッド・ブラックナー、ダン・ブッシュ、ジェイコブ・ジェントリー
出演:ジャスティン・ウェルボーン、AJ Bowen、Scott Poythress、アネッサ・ラムジー、Sahr Ngaujah、シェリー・クリスチャン、チャド・マックナイト、マシュー・スタントン、Suehyla El-Attar、クリストファー・トーマス、リンジー・ギャレット
オフィシャル・サイト

日本公開は現在のところ未定のようだが、機会があったら是非見てみたい作品である。

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2008/06/05

フランク・ダラボン「エコ」を語る

バラエティ・ジャパン バラエティ・ジャパンのサイトで「エコ特集 リレーメッセージ」と言う企画の映像が公開されている。

その「エコ特集 リレーメッセージ」の第一弾は、なんとフランク・ダラボンによるもの。
なお、現在公開されているメッセージは、フランク・ダラボンと夏木マリのメッセージのみ。

バラエティ・ジャパン

メッセージの映像は、バラエティ・ジャパンの映画「ミスト」の独占インタビュー映像と、背景やダラボンの衣装が同じなので、同日に撮影したものと思われる。

と、言うことは、今後もこのような映像の企画で、ダラボンが登場する可能性がある、と思われる。

メッセージの内容は、順当なのだが、現アメリカ大統領に対しては結構厳しい発言をしている。
尤も、今回のメッセージは日本国内のメディアでの公開が大前提といえるが、当然ながらアメリカ国内からもこの映像は視聴できる訳であることを考えると、大統領を批判するダラボンの姿を垣間見ることができ、政治的なスタンスさえも見えてくる、と言う非常に興味深いメッセージ映像だと思う。

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2008/06/04

「ミスト」興収2億突破、4億も視野に

2008/06/04にeiga.comが伝えるところによると、映画「ミスト」の国内の興収が3億円を超え、4億円に迫る勢いである模様。

ブロードメディアS「ミスト」興収2億突破、4億も視野に

記録のため、全文を引用する。

[文化通信.com] ブロードメディア・スタジオ配給「ミスト」が、興収で2億円を超えた。5月20日現在、全国動員16万0962人・興収2億1335万1600円を記録したもの。上映館数は、121館。スバル座をメインに公開されており、スバル座では4週間の上映。最終的に、3億円を超えることは間違いなく、4億円到達の可能性も出ている。

今回、公開初日の5月10日の土曜日に、「ミスト」のフランク・ダラボン監督の代表作「グリーンマイル」が、フジテレビ系列で放映。番組の合間には、「ミスト」のテレビスポットも放映され、これが非常に効果的だった。ただ、この「グリーンマイル」や「ショーシャンクの空に」が有名なダラボン監督だけに、「ミスト」を感動作と間違えてくる観客も結構いたようで、作品の反応は賛否両論になっている。

モトネタは、2008/05/22の文化通信.comのようなので、若干古い情報だと思えるが、念の為エントリーしておく。

今回の記事で興味深いのは、

「ミスト」を感動作と間違えてくる観客も結構いたようで、作品の反応は賛否両論になっている。

と言う点。

実際のところは、観客が間違えている、のではなく、配給会社が広告戦略として、本作「ミスト」はB級ホラーではなく、親子の愛情を押し出した感動大作だ、と言うように、わざわざミスデレクションしている、と言うのが実情だろう。

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