「ハプニング」をめぐる冒険
今日は、2008/07/26に日本公開された映画「ハプニング」に関する余談。
映画「ハプニング」は皆さんご承知のように、M・ナイト・シャマランの新作で、予告編やポスターが公開された時点でスティーヴン・キングの「セル」に内容が似ているのではないか、と言われていた作品。
「セル」と「ハプニング」の予告編で、具体的に似ていると思われるのは、次の通り。
・なんらかの怪異が街中で突然起きる。
・怪異に襲われた人々は一旦立ち止まる。
・怪異の最中、ビルの工事現場から人々が次々と飛び降りる。
・登場人物は怪異を避け、都会から郊外へ向かう。
・登場人物が郊外へ向かう途中、建物に閉じこもる。
日本国内ではまだ公開されたばかりなので、内容にあまり触れないようにしながらキングファン的に気になる点を紹介していきたい。
■「ハプニング」はヒッチコックの「鳥」なのか?
シャマランの「サイン」はジョージ・A・ロメロの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の影響を受けている、と言うか「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のイメージを踏襲してクライマックスのシークエンスが撮影されたのは有名な話だと思うのだが、今回「ハプニング」を見て思ったのは、なんだかヒッチコックの「鳥」に似てるぞ、と言うこと。
もしかしたら、シャマランは「鳥」のイメージを踏襲して「ハプニング」を製作したのではないか、と思えるのだ。
ついでに「サイコ」を彷彿とさせるシークエンスもある。
ヒッチコックの「鳥」と言えば、皆さんご承知のように、キングの「霧」も「鳥」のメイン・プロットを踏襲している(と思われる)ので、キングファンにもオススメの作品です。
ところで、わたしは、ホラーにとって一番重要なことは、怪異の原因を解明しないことだと常々思っています。
と言うのも、怪異の原因が解明されてしまった後は、その物語はホラーではなく、ただの勢力争いの物語になってしまうからです。
その辺を考えながら、「ハプニング」を観ると面白いと思います。
ところで、当然ながら本作「ハプニング」はホラー映画にカテゴライズされるのだと思いますが、個人的には素晴らしいサスペンス映画だと思います。
「ハプニング」に似ている「鳥」が秀逸なサスペンス映画だと言うことから、そんな印象を受けるのかも知れないですね。
そんな訳で、「ハプニング」を観る上では、「鳥」や、「ゾンビ」や「死霊のえじき」も参照すると面白いと思います。
ついでに「28週後....」との関連性も興味深いかも知れません。
あとは「宇宙戦争」とも似てますかね。
■キング作品の影響が出ているかな?
キング作品との類似点があると思った(妄想した)のは次の作品。
「キャリー」
「セル」
「芝刈り機の男」
今日はここまで。
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