「松尾たいこ Parallel World 〜私の視線〜」
先般お伝えした、「リーシーの物語」、「シャイニング(新装版)」、「ミザリー(新装版)」の装画を手掛けた松尾たいこの個展に行ってきた。
2008年9月26日(金)--10月8日(水)
オープニング・レセプション :9月26日 19:00-21:00
角田光代、江國香織、井上荒野、スティーブン・キングら人気作家の著作をはじめ、年に約50冊ものペースで書籍・雑誌の装画を手がけるなど、松尾氏は 98年のデビューからこの10年間、常に日本のイラストレーション界のヒットメーカーとして注目を集めてきました。伸びやか、かつ繊細な筆致が、ある時はヴィヴィッドな色彩によるフュージョンを奏で、ある時はシックな色合いで謎めいたファンタジーを囁きます。一度見たら彼女だとはっきり分かる作風ながら、その絵でしか語れない複雑なイメージ/カルチャーがあり、そこに多くのクライアントが魅せられてきたのです。
90年代後半の写真界に「RGB」的な色彩表現をもって若い女性たちが台頭してきた頃、イラスト界においても(デジタルツールではなく、アナログな絵筆を手に)松尾たいこが登場したことは、イラスト史の象徴的な一幕として捉え直すこともできるでしょう。
今回の展示では、これまでに描きためた過去作を現在の視線で再構成するインスタレーションです。可愛いモチーフなのに死を感じる。ブラックな悪夢のように見えてハピネスを確信できる。彼女の手元から生み出される色彩の渦には、いつもそんなアンビバレントな魅力が潜んでいますが、本展ではその表現世界を、これまでのようにテーマ毎に整列させず、全てを関連づけさせたまま意図的に混交させ、その果ての化学反応をギャラリー一面に提示します。その結果、彼女が様々な媒体で発表してきた記念すべき過去作を見渡し、次の10年の可能性を肌で予見できる、またとない機会となることでしょう。
松尾たいこ(アーティスト/イラストレーター)
広島県生まれ。OL生活の後に上京し、1995年セツ・モードセミナーに入学。1998年、ギャラリーROCKETにて初の個展を開催。第16回ザ・チョイス年度賞鈴木成一賞受賞。現在、書籍や雑誌、広告、CDジャケット、六本木ヒルズのグッズなどのために絵を制作し、エッセイや映画に関するコラムを執筆するなど、活動は多岐にわたる。2007年12月、初のオリジナル絵本「空が高かったころ」を発表。
http://www.taikomatsuo.com/
協賛:株式会社グラフィッククリエーション、+DESIGNING
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
ポスターやダイレクトメール等、個展自体のアートワークに「シャイニング(新装版)」の装画が使われていたりして、キングファンとしては嬉しい個展だった。
因みにこのポスター、松尾たいこの原画を購入するともらえるシステムになっていたのだが、なかなか手が出ない価格帯だった。
個展のポスター等アートワークに使用されていた「シャイニング」の原画は、約13万円の値札が付いていたが、残念な事に既に売却済だった。
余談だが、松尾たいこの作品は、ぱっと見、リトグラフになりやすそうなので、リトグラフ版が販売されているのではないかな、と思っていたのだが、全て一点ものだった模様。
原画は買えないけど、リトグラフならなんとかなると思うしね。
個人的な希望としては、キング関連のポストカードでも制作していて欲しかったと思った。(個展のDMのポストカードは「シャイニング」だけどね)
更に余談だが、2001年に行われた藤田新策の個展では、カラー・プリンターで出力したオリジナル・プリントなる商品が、サイン入りでたくさん販売されていたのを思い出す。
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