ドルフィン・ホテルをめぐる冒険
今日はドルフィン・ホテルをめぐる冒険。
いきなり余談で恐縮だが、おそらく気付いている人は気付いていると思うのだが、わたしは多くのブログのエントリーに「〜をめぐる冒険」と言うタイトルを付けているが、これは村上春樹の「羊をめぐる冒険」からの引用である。
従って、村上春樹をよく読んでいた時代もあった、と言う事である。
ところで、映画「1408号室」及びその原作であるキングの短篇「一四〇八号室」(1999)に登場するホテルは「ドルフィン・ホテル」と言う名称である。
そして、「ドルフィン・ホテル」と言えば村上春樹の「羊をめぐる冒険」(1982)に登場する「いるかホテル」と「ダンス・ダンス・ダンス」(1988)に登場する「ドルフィン・ホテル」を思い出す。
村上春樹はスティーヴン・キングファンとして知られているので、キングの創出した「ドルフィン・ホテル」を引用したのか、と言う疑問が浮かぶが、実際のところは、村上春樹の「いるかホテル」と「ドルフィン・ホテル」の方がキングより先である。
とすると、キングが村上春樹を引用したのか、と言う疑問も出てくる。
村上春樹の多くの作品は英訳されており、キングが村上春樹を読んでいる、と言う可能性も否定できない。
ところで、「羊をめぐる冒険」に登場する「いるかホテル」の支配人は、左手の小指と中指の第二関節から先がない人物として設定されている。
そして、ご存知「ダーク・タワー」シリーズのローランドは「運命の三人」(1987)の冒頭で右手の人差し指と中指を失ってしまう。
今年の「東京国際映画祭」で我が国の首相は、ディズニーによる「ライオン・キング」の「ジャングル大帝」の盗作事件を知ってか知らずか、『手塚治虫の「ジャングル大帝」は、「ライオン・キング」になった』と断言してしまった。
実はその際、麻生太郎内閣総理大臣は、『総理としてよりマンガオタクとして有名』だと自己紹介した後に、『「ジャングル大帝」が「ライオン・キング」になったんです』と断言してしまった。
マンガオタクでなくても「ライオン・キング」盗作疑惑の事は知っていると思うのだが、麻生総理は強烈な皮肉としてそう言ったのではないか、と思えてしまう。
「ライオン・キング」で主人公を演じたマシュー・ブロデリックは、『子どもの頃見ていた「ジャングル大帝」(米タイトル「キンバ」)の映画化だと思っていた』と語ったり、手塚治虫の遺族は『手塚がディズニーから受けた影響は計り知れないものがあり、もし本当にディズニーに影響を与えたのなら父も本望でしょう』とコメントしたりもしてした。
そんな背景を思うと、キングファンの村上春樹の「いるかホテル」をキングがパクったとしても村上春樹は喜んでいるに違いない、と言うところであろう。(当サイト推測)
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