「ONCE ダブリンの街角から」をめぐる冒険
今日は、以前のエントリー『キングのオススメ映画「once ダブリンの街角で」イベント』で紹介した「ONCE ダブリンの街角で」(2006)に関する余談。
写真は、2007年10月に「第20回東京国際映画祭」で上映された「ONCE ダブリンの街角で」(2006)のゲストとして来日したグレン・ハンサード(中央右)とマルケタ・イルグロヴァ(中央左)のミニコンサートの一幕。
右下に写っているのが劇中で使用された(と思われる)穴のあいたギター。
「ONCE ダブリンの街角で」
監督・脚本:ジョン・カーニー
出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ
introduction
アイルランドのダブリンを舞台に、地元の男とチェコ移民の若い女がストリートで出会い、音楽を通して心を通わせていくさまを、自然な形で挿入される歌の数々で紡いでいく感動ラブ・ストーリー。
主演はアイルランドの人気バンド“ザ・フレイムス”のフロントマン、グレン・ハンサードとチェコのシンガーソングライター、マルケタ・イルグロヴァ。彼らが本作のために書き下ろし楽曲の数々が、口数の少ない主人公たちの繊細な感情の機微をセリフ以上の雄弁さで表現していく。
監督は、自身もかつてザ・フレイムスのメンバーとして活動した経歴を持つ「オン・エッジ 19歳のカルテ」のジョン・カーニー。
story
男は穴の開いたギターで毎日のように街角に立ち、歌を歌うストリート・ミュージシャン。そんな男の前に現われ、あれやこれやと話しかける花売りの若い女。彼女はチェコからの移民で、楽しみは楽器店でピアノを弾かせてもらうこと。彼女のピアノに心動かされた男は、一緒にセッションしてみないかと持ちかけるが・・・・。(allcinemaonlineよりほぼ引用)
本作「ONCE ダブリンの街角から」の物語は、アイルランドのダブリンの街角で偶然出会ったシンガーソングライターの男とピアニストの女が中心となってデモCDを製作するまでをドキュメンタリー・タッチで描いた作品で、音楽好きにはたまらない素晴らしい作品に仕上がっている。
本作は、音楽の持つ圧倒的な力を観客に感じさせる事に成功している素晴らしい作品である。
2007年10月当時、スティーヴン・キングが本作「ONCE ダブリンの街角から」に感銘を受け、本作のサウンドトラック・アルバムをヘビーローテーションで聴いていた、と言うのも頷ける、素晴らしい楽曲の数々が本作を彩っている。
ところで、アイルランドのダブリンを舞台とした音楽映画と言えば、アラン・パーカーの「ザ・コミットメンツ」(1991)と言う傑作がある。
「ザ・コミットメンツ」は、アイルランドのダブリンでソウル・バンドを無から結成し、紆余曲折を経てバンド自体が空中分解してしまう様を素晴らしい楽曲と共に描いた大傑作である。
先日、「ONCE ダブリンの街角から」をCATVで見た直後、「ザ・コミットメンツ」が見たくて見たくて仕方がなくなってしまい、わたしは我が家の広大なアーカイブ(嘘)から「ザ・コミットメンツ」のLDを引っ張り出し、続けて二本見てしまった。
で気付いたのは、「ザ・コミットメンツ」と「ONCE ダブリンの街角から」はひと繋がりの作品として構成されているのではないか、と言う事。
と言うのも、「ザ・コミットメンツ」でギタリストを演じたグレン・ハンサードは、「ONCE ダブリンの街角から」で主演しているのだ。
しかも「ザ・コミットメンツ」のエピローグでは、グレン・ハンサード演じるキャラクターが、ダブリンの街角でストリート・ミュージシャンを続けているところが描かれ、「ONCE ダブリンの街角で」は、グレン・ハンサード演じるキャラクターがダブリンの街角でストリート・ミュージシャンをしているところから始まるのだ。
そして、「ザ・コミットメンツ」でグレン・ハンサードが演じるキャラクターの名前はアウトスパンと言うのだが、驚いた事に「ONCE ダブリンの街角で」でグレン・ハンサードが演じるキャラクターは名前が設定しておらず、ただの男(Guy)としてクレジットされている。
つまり、「ザ・コミットメンツ」のグレン・ハンサードのキャラクターと「ONCE ダブリンの街角で」のキャラクターは同一人物である、と言う解釈を許しているのだ。
因みに、前列左端のブライアン・メイみたいな人が「ザ・コミットメンツ」時代のグレン・ハンサード。
「ザ・コミットメンツ」と言う作品には、なんとサウンドトラックがVol.1とVol.2の2種類が存在し、当然ながらわたしは2枚共所有している。
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