「バトルランナー」のエアカーをめぐる冒険
エアカーと言えば、SFに登場する空飛ぶクルマの総称である。
その技術背景には、例えば反重力だとか、常温超伝導だとか、トラクタービームだとか、イオノクラフト(イオンクラフト)だとか、リフティングボディだとか、磁気浮上式リニアモーターだとかいろいろな技術が取沙汰されている。
ところで、皆さんご存知のリチャード・バックマンの小説「バトルランナー」にもなんとエアカーが登場する。
しかも、このエアカー、空気の力で浮いて走るクルマとして設定されているのだ。
と言うのも、所謂エアカーのエアとは、空気と言う意味のエアではなく、空中と言う意味のエアだと思えるのだが、キングはいやバックマンは、空気と言う意味のエアを基に独自のエアカーの技術背景を設定しているのだ。
そのため「バトルランナー」には、エアカー用の空気のスタンドや、空気が詰まっているタンクのような物がエアカーに搭載されている描写や、空気圧が減少するとエアカーの高度が下がってしまう、と言うような描写も出てくる。
一般的なエアカーは前述のように空気の力で宙に浮くクルマではなく、反重力やイオノクラフトのような様々な技術背景のもと、宙に浮いた状態で走るクルマなのだ。
バックマンはそれを知ってか知らずか空気の力で宙に浮くクルマとしてエアカーを設定しているのだ。
まあ、おそらく、全て承知の上で、新たなエアカーとして「バトルランナー」にエアカーを登場させたのだと思う。
更に興味深いのは「バトルランナー」の世界は一応近未来なのだが、現在と言っても良い程わたし達の世界と似通っている。
そして唯一わたし達の世界と異なっているのが件のエアカーが一般化されている、と言う点である。
エアカーのことを考えながら「バトルランナー」を再読してみると非常に興味深いのではないか、と思う。
なお、エアカーについては、次のサイト「エアカー伝説」が興味深い。
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