映画「G.I.ジョー」をめぐる冒険
今日は2009年8月にほぼ全世界同時公開される映画「G.I.Joe:The Rise of Cobra」に関する余談。
そもそもG.I.ジョーとは何ぞや、と言う話だが、フリー百科事典ウィキペディアによると、
G.I.ジョーは、米国ハズブロ社が販売している男児向け玩具。アクションフィギュア本体ならびにその付属品・関連商品を指す。人形の大きさが12インチ(305mm前後)であるため、付属品は1/6スケールで展開されている。
マテル社の女児向け着せ替え人形バービー(1959年(昭和37年)発売)に対抗するための男児用玩具として企画され、1964年(昭和39年)から発売された。ベトナム戦争に便乗するため兵隊人形を発売したというのはよく知られた話である。G.I.とはアメリカ軍兵士の俗称で、キャラクターとしてのG.I.ジョーは、第二次世界大戦中に、アメリカンコミック誌で誕生した物が元になっている。
と言うことである。
従って、G.I.ジョーの映画化と聞くと、キング的には「8つの悪夢」の「バトルグラウンド」や多くの人々はジョー・ダンテの「スモール・ソルジャーズ」(1998)や「トイ・ストーリー」(1995)のみたいなフィギュアが動き出す映画を期待すると思うのだが、今回の企画はわたし達の期待と全く異なるアプローチがされてしまっている。
と言うのも、映画「G.I.ジョー」はただの戦争アクション映画になってしまっているのだ。
「G.I.ジョー」の実写映画化の必要性などない単なる戦争アクション映画に誰が関心を持つのか、と言うことである。
アプローチとしては、「チーム★アメリカ/ワールドポリス」(2004)みたいな作品でも良いと思うのだが、「G.I.ジョー」は何故人間がフィギュアを演じるのか。
企画自体に疑問を感じてしまう。
余談だがキングの「戦場」(「深夜勤務」に収録)は、主人公の元に届けられる小包が『G.I.ジョーベトナム線用小型トランク』であることから、アクション・フィギュアであるG.I.ジョーが実際に動いたら、そしてG.I.ジョーの付属品である、数多くの兵器や車両等が実際に機能したらどうなるのか、と言うコンセプトで創作されているのは明白である。
少年ならずとも、誰もが想像する楽しい悪夢がそこにはある訳だ。
もちろん今回の「G.I.ジョー」の実写化は、アクション・フィギュアの映像化ではなく、「G.I.ジョー」を描いたコミック等の映像化だと言われれば返す言葉はないが、多くのファンの気持ちとしては、折角の映画化の機会をただの単純な戦争アクション映画にしてしまうのは、あまりにも勿体ない、と言わざるを得ない。
つまり、本作のコンセプトでは「G.I.ジョー」を原作として企画する必要がない、と言わざるを得ないのだ。
余談だが、リドリー・スコットは「G.I.ジェーン」(1997)と言う作品を監督している。
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