黒い鏡ーゴッドフリート・ヘルンヴァインの世界ー
「スティーヴン・キング研究序説」の「スティーヴン・キングに関するちょっとした掲示板」で話題になった話について。
ゴッドフリート・ヘルンヴァインと言う画家・写真家がいるのだが、そのヘルンヴァインの作品に「ブラック・ミラー」と言う一連のシリーズがある。
なんと、その作品群はスティーヴン・キングの「ゴールデンボーイ」の影響を受けている模様。
THE BLACK MIRROR, THE WORLD OF GOTTFRIED HELNWEIN
該当部分を引用する。
ゴットフリート・ヘルンヴァインの新作に「ブラック・ミラー」と名づけられた一連のシリーズ(1987)がある。恐怖小説の巨匠スティーヴン・キングの同名の小説にインスピレーションを得たものだ。
アメリカの片田舎の12歳の少年が、その田舎町での単調な生活に飽き、他の子供たちがみなスーパーマンやミッキーマウスに夢中になっているのに自分だけは第2次大戦中のドイツの強制収容所の記録や読み物に熱中する。
その記録を見たり、読んだりするたびごとに、少年は「彼らは本当にそんなひどいことを現実にやったんだ」と驚き、ゾクゾクとしたものが体のなかを走ってゆく。そしてある日いつも通るバス停で、少年は収容所の記録写真のなかで見たことのある顔を見つける。髑髏の勲章のついた黒い帽子を被り、ナチの黒い制服を身につけていた忌わしい男の顔が少年の現実の世界に突然あらわれたのだ。少年はその男に秘密の手紙を出し、なぜあなたはあんなむごいことをしたのかと尋ねる。その男が本当のナチの親衛隊員だったのかわからなかったのだが、返事が少年のもとへ届き、その手紙には、自分の命を救うためだったという理由がしたためられていた。
少年のなかで、単なる好奇心が、実際の体験への欲望に変わってゆく。そして彼ら2人は〈殺人同盟〉をつくり、小さな犬や乞食や「生きる価値のないもの」を次々と殺害してゆく— 。
まあ、巨匠スティーヴン・キングの同名の小説、と言う部分は間違いなのだが、キングの「ゴールデンボーイ」の影響を受けてこんな作品シリーズを発表している画家・写真家がいる、ということである。
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