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2010年1月の30件の投稿

2010/01/31

「暁に消えた微笑み」をめぐる冒険

ルース・フランシスコの「暁に消えた微笑み」にスティーヴン・キングに関する表記がある。


「暁に消えた微笑み」
著者:ルース・フランシスコ
訳者:芹澤恵
出版社:ヴィレッジブックス
定価:987円(税込)

「運命の女(ファム・ファタール)」の素顔はかよわき乙女なのか、それとも計算高い悪女なのか? マイケル・コナリー絶賛の著者が描くサスペンス

朝焼けの浜辺に流れついた一本の腕。ダイヤの指輪をはめたその腕の主はいったい——。時同じくして、海辺の家に住む美しい女性、ローラが忽然と姿を消した。恋人スコットに別れを告げてからというもの、ストーカー行為に悩まされていた彼女。まさかスコットがローラに何か? 彼女から相談を受けていた LAPDの刑事レジーは、どうしても気になって、ローラの足取りを追いはじめる。すると、近寄ることもできないはずのスコットが彼女の持ち物を処分していたり、周辺で不審なことが色々と起こっていた! あの腕はやはりローラのものなのか、それとも……。スリルあふれるサスペンス。
(オフィシャル・サイトより引用)

さて、今日の本題、スティーヴン・キングに関する記載だが、p260にある。それは、ニューヨークで画廊を経営しているヴィヴィアンが個展の準備をしているシークエンスである。

ヴィヴィアンは脚立を引きずってくると、特に気に入っている作品の展示から取りかかった。Tシャツに白いソックス姿のがりがりに痩せたモデルを撮影したものだった。あぐらをかき、女性器を露出させて、頬を涙で濡らしている。周囲にマネキンのプラスティックの腕やら脚やら造りものの昆虫やらが散乱するなかに、あぐらをかいて坐り込み、頬を涙で濡らしながら、女性器を露出させている姿を。まさに純然たるスティーヴン・キングの世界。

その写真が何故--純然たるスティーヴン・キングの世界--なのか、わたしには理解できないのだが・・・・。

また、興味深いのは、何故だかわからないが、同様の表現が繰り返されている。不思議だ。

ところで、本作「暁に消えた微笑み」は、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」が主催する「第1回読書会」の課題図書に選出されている。
参加申し込みは本日1月31日まで。
もっと早く紹介すべきでしたね。すいません。

趣向を削ぐので「暁に消えた微笑み」の内容については割愛しますが、作品自体は大変面白いので、是非読んでみて下さい。

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2010/01/30

スティーブ・ジョブズがキングの「Under the Dome」を!?

スティーブ・ジョブズと「Under the Dome」
アップル社が、2010年1月27日(日本時間28日)に発表したiPadのプレゼンテーションにスティーヴン・キングの「Under the Dome」が登場した。ちょうどスティーブ・ジョブズの右手の先にあるのがキングの「Under the Dome」

スティーブ・ジョブズと「Under the Dome」
なお、iPadは、アップル社によって設計及び販売(予定)されているタブレット型コンピュータで、2010年1月27日、サンフランシスコで開かれた製品発表会で発表された。

詳細はこちら

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2010/01/29

"The last of the great post-WWII American writers"

2010年1月27日に亡くなったJ・D・サリンジャーに対するスティーヴン・キングの追悼分がEW.comで公開されている。

Stephen King on J.D. Salinger: "The last of the great post-WWII American writers"

短い文章なので、記録のため、全文を引用する。

J・D・サリンジャー I wasn’t a huge Salinger fan, but I’m sorry to hear of his passing — the way you’d feel if you heard an eccentric, short-tempered, but often fascinating uncle had passed away. Not as great a loss as Beverly Jensen (her marvelous The Sisters from Hardscrabble Bay will be published this summer), who wrote only one book before dying of cancer at the age of 49, or of Raymond Carver, who was barely into his 50s; Salinger was, after all, in his 90s.

But it is a milestone of sorts, because Salinger was the last of the great post-WWII American writers, and in Holden Caulfield — maybe the greatest American-boy narrator since Huck Finn — he created an authentic Voice of the Age: funny, anxious, at odds with himself, and badly lost.

Salinger’s death may answer one question that has intrigued readers, writers, and critics for nearly half a century — what literary trove of unpublished work may he have left behind? Much? Some? Or none? Salinger is gone, but if we’re lucky, he may have more to say, even so.

スティーヴン・キングは自身の「骨の袋」で、主人公のマイク・ヌーナンのライターズ・ブロックと彼の言葉を借りて、サリンジャーの未発表原稿について触れ、また2002年のキング引退説の際にキングは「J・D・サリンジャーのように、書き上げた作品を貸金庫に預けておく」と語ったと言われている。

これは、1974年に行われたニューヨーク・タイムズ紙のサリンジャーへの電話インタビューの中でサリンジャーが語った「作品を出版しないでいれば平和な日々だ。私は書くことが好きで、今も自分の喜びのために書いている」を受けていると思われる。

「ニューヨーカー」1946-12-21号 なお、サリンジャーのキャリアの初期にニューヨーカー誌で発表された短篇が現在公開されている。要ログイン。

Postscript: J. D. Salinger

公開されているのは次の作品。(ニューヨーカー掲載日)

「マディソン街のはずれの小さな反抗」“Slight Rebellion Off Madison”
(December 21, 1946)

「バナナフィッシュに最適の日」“A Perfect Day for Bananafish”
(January 31, 1948)

「コネチカットのグラグラカカ父さん」“Uncle Wiggly in Connecticut”
(March 20, 1948)

「エスキモーとの戦争の直前に」“Just Before the War with the Eskimos”
(June 5, 1948)

「笑い男」“The Laughing Man”
(March 19, 1949)

「エズミに捧ぐ 愛と汚辱のうちに」“For Esmé—With Love and Squalor”
(April 8, 1950)

「愛らしい口もと、わが眼は緑」“Pretty Mouth and Green My Eyes”
(July 14, 1951)

「テディー」“Teddy”
(January 31, 1953)

「フラニー」“Franny”
(January 29, 1955)

「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」“Raise High the Roof Beam, Carpenters”
(November 19, 1955)

「ズーイー」“Zooey”
(May 4, 1957)

「シーモア序章」“Seymour: An Introduction”
(June 6, 1959)

ハプワース16,1924」“Hapworth 16, 1924” (June 19, 1965)

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2010/01/28

藤田新策の絵本論?

「ちいさなまち」デッサン 先日紹介した藤田新策の書き下ろし絵本「ちいさなまち」についてだが、同氏はブログ「Shinsaku Fujita Private View」で、絵本論?の連載を開始した。

「Shinsaku Fujita Private View / 藤田新策私見」

「絵本論1?」
「絵本論?2」
「絵本論?3」
「絵本論?4」
「絵本論?5」

絵本の制作段階の話が興味深い。
小説と異なる絵本ならではの制約や特徴については、目からウロコのような話が楽しめる。

是非のぞいて見ていただきたい。

「ちいさなまち」
余談だが、「ちいさなまち」Amazon.co.jpでは在庫が不足しているようで、プレミアがついている。

そうえん社のサイトによると出版元には在庫はある模様。

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2010/01/27

ピーター・ストラウブの新作「A Dark Matter」の冒頭部分が・・・・

Adarkmatter スティーヴン・キングと共同で「タリスマン」「ブラック・ハウス」を共著しているピーター・ストラウブの新作「A Dark Matter」の冒頭部分がピーター・ストラウブのオフィシャル・フェイスブックで公開されている。

ピーター・ストラウブ オフィシャル・フェイスブック

「A Dark Matter」の冒頭部分

「A Dark Matter」
著者:ピーター・ストラウブ
発売日:2010年2月9日
出版元:ダブルデイ社
ページ数:416p

キングのコメントを引用する。

"The kind of book that's impossible to put down once it has been picked up."
--Stephen King



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2010/01/25

「カールじいさんと空飛ぶ家」をめぐる冒険

実写版「カールじいさんと空飛ぶ家」(嘘) 今日は、例によってキングファンによる全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言う妄想的エントリー。

先ずは、先日のエントリー『「タッチ」と「骨の袋」をめぐる冒険』を見ていただきたい。

2010/01/01 東京有楽町TOHOシネマズ日劇で「カールじいさんと空飛ぶ家」を観た。

「カールじいさんと空飛ぶ家」
監督:ピート・ドクター
脚本:ボブ・ピーターソン、ピート・ドクター
声の出演:エドワード・アズナー(カール・フレドリクセン)、ジョーダン・ナガイ(ラッセル)、ボブ・ピーターソン(ダグ/アルファ)、クリストファー・プラマー(チャールズ・マンツ)

古いけれど手入れの行き届いた一軒家に暮らす老人カール・フレドリクセン(エドワード・アズナー)。
開発の波が押し寄せる中、頑なに家を守り抜いてきた。そこは、いまは亡き最愛の妻エリーとの素敵な思い出に満たされた、かけがえのない場所だった。
しかし、ついにカールは家を立ち退き、施設に入らなければならなくなる。そして迎えた立ち退きの日の朝、なんとカールは無数の風船を使って家ごと大空へと舞いあがるのだった。それは、エリーと約束した伝説の場所“パラダイス・フォール”への大冒険の始まり。ところがその時、少年ラッセル(ジョーダン・ナガイ)が空飛ぶ家の玄関に。驚いたカールは渋々ながらもラッセルを招き入れ、一緒に旅をするハメになるのだが・・・・。

さて、本作「カールじいさんと空飛ぶ家」についてだが、娯楽作品としては面白いのだが、冒頭のカールとエリーの過去から現在までを描いたシークエンスを伏線として考えると、その重要な伏線が消化しきれていない、残念な作品と言わざるを得ない。

作品の構成を考えた場合、冒頭のシークエンスが何故必要か、と言うと、観客にカールとエリーの人生を最体験させることにより、観客の心の中にカールとエリーの人生の思い出を再構築させるために他ならない。

何故そんなことをするかと言うと、これから語る物語において、カールとエリーの人生が大きな影響を与えるからに他ならないのだ。

しかしながら、本作の脚本では、それが上手く機能していない。非常に残念である。

脚本で興味深いのは、主人公が旅立つ際、主人公を引き止める存在である「家」と一緒に旅立ってしまう点である。これは非常に斬新である。
この辺りについてはジョゼフ・キャンベルの「千の顔を持つ英雄」に詳しいので、そちらを参照いただきたい。(ジョージ・ルーカスは「千の顔を持つ英雄」を参考にして「スター・ウォーズ」の脚本を書き、「2001年宇宙の旅」の脚本を検討している頃、スタンリー・キューブリックがアーサー・C・クラークに同書を贈っている)

前述の冒頭のシークエンスの伏線が云々についてを除くと、本作「カールじいさんと空飛ぶ家」は大変素晴らしい娯楽作品に仕上がっている。

普通に面白いし、演出も良いし、その効果も高い。
当然冒険物語としても、成長物語としても充分に楽しい。

バージョンとしては、2D版、3D版があるが、「アバター」と違い3Dを前提にして制作された作品ではないので、2D版でも3D版でもそんなに印象は変わらない。

さて、ここからが本題、キングファンの妄想のコーナー。
あらゆる事象はスティーヴン・キングの影響を受けており、「カールじいさんの空飛ぶ家」も例外ではないのだ。

沢山の風船でふわふわ浮かぶ、と言うのは正しく「イット(IT)」です。
風船もギシギシ言ってますし、チャールズ・マンツ(クリストファー・プラマー)は多分ペニーワイズにやられたんだと思う。絵的にも演出的にもそんな感じでしたね。

勿論、本作「カールじいさんの空飛ぶ家」の原題「UP」「IT」の共通点も感じられますね。

あと、冒頭、再開発のあおりを受け、カールじいさんの家は立ち退きを迫られており、カールじいさんは、なんと暴力で再開発業者を一度は撃退するのですが、これは「最後の抵抗」のプロットの影響だと思われます。

「ちいさいおうち」
実際には、カールとエリーの過去のシークエンスを見ると、プロット的にはバージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」の影響を受けていると思いますが・・・・。

従って、キングファンとしては、本作「カールじいさんと空飛ぶ家」は、「イット(IT)」「最後の抵抗」を受けている、と言わざるを得ないのだな。

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2010/01/24

「Dr.パルナサスの鏡」をめぐる冒険

「Dr.パルナサスの鏡」
今日は例によって、あらゆるモノがスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。(ネタバレはほとんどありません。ご心配なく)

2009/01/23 東京有楽町「TOHOシネマズ有楽座」で「Dr.パルナサスの鏡」を観た。

「Dr.パルナサスの鏡」
監督:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム、チャールズ・マッケオン
出演:ヒース・レジャー(トニー)、クリストファー・プラマー(パルナサス博士)、ジョニー・デップ(鏡の向こうのトニー#1)、ジュード・ロウ(鏡の向こうのトニー#2)、コリン・ファレル(鏡の向こうのトニー#3)、リリー・コール(ヴァレンティナ)、アンドリュー・ガーフィールド(アントン)、ヴァーン・トロイヤー(パーシー)、トム・ウェイツ(Mr.ニック)

2007年、ロンドン。
パルナサス博士(クリストファー・プラマー)が率いる旅芸人の一座が、街にやって来た。博士の出し物は、人が密かに心に隠し持つ欲望の世界を、鏡の向こうで形にして見せる「イマジナリウム」。博士の鏡をくぐりぬけると、そこにはどんな願いも叶う摩訶不思議な迷宮が待っている。

かし、1000歳になるという博士には、悲しい秘密があった。それは、たった一人の娘ヴァレンティナ(リリー・コール)が16歳になったときに悪魔ニック(トム・ウェイツ)に差し出すという約束をしたこと。
タイムリミットは3日後に迫った娘の誕生日。一座に加わった記憶喪失の青年トニー(ヒース・レジャー)とともに、博士は、鏡の迷宮で最後の賭けに出る。彼らは、娘を守ることができるのか──?

(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

先ずは本作「Dr.パルナサスの鏡」が大変素晴らしい作品に仕上がっている事を素直に喜びたい。
とは言うものの、ヒース・レジャーの本作撮影中の急逝(2008/01/22)により、「The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)」のプロジェクト同様、映画自体の完成すら危ぶまれていたのだが、その危機もレジャーの親友たち(ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル)の貢献で、見事に克服した事は皆さんご存知の通りである。

さて、本作「Dr.パルナサスの鏡」についてだが、物語のコンセプトはテリー・ギリアムお得意、1人の少女を助けるために騎士(ナイト)が大活躍する、と言う騎士道物語。フィリップ・マーロウの物語と同様である。

美術や物語の構成から考えると、物語のコンセプトは前述のように「未来世紀ブラジル」(1985)で、物語のテイストは文字通り「バロン」(1989)や「バンデットQ」(1981)というようなイメージで、ある意味本作は、ギリアム映画の集大成で、かつギリアムの代表作、と言うような印象を受ける。

ギリアムとチャールズ・マッケオンの脚本も大変素晴らしく、伏線がカチっとはまってくる感じは見事である。(1月23日公開なので、詳細は割愛するが、感涙ものの脚本である)
また、ギリアムの独特なイマジネーションを実現する美術や衣装の素晴らしさと相まって、本当に素晴らしい映像体験をお約束する。

とは言うものの、本作がCGIを全く使わずに、セットやミニチュア、VFXで制作されたとしたら、本当に強烈に素晴らしい作品に仕上がったのではないか、と思えてならない。

わたしは、「バンデットQ」からのテリー・ギリアムファンだが、かつての傑作群と比肩する本作の仕上がりには大満足である。

キャストは曲者揃いで、クリストファー・プラマー(パルナサス博士)、トム・ウェイツ(Mr.ニック)、ヴァーン・トロイヤー(パーシー)の絡みが素晴らしい。

プラマーには全く言うことがなく、大変素晴らしいし、トム・ウェイツも素晴らしい。コッポラの「ドラキュラ」(1992)のレンフィールド役以来の最高の出来だと思う。

そして、「オースティン・パワーズ」シリーズのミニ・ミーでお馴染みのヴァーン・トロイヤーが大活躍しているのが嬉しい。「チャーリーとチョコレート工場」(2005)のディープ・ロイなみに人気がでるのではないか、と思った。

また、ヒロイン役のリリー・コール(ヴァレンティナ)も素晴らしい存在感をフィルムに定着させている。ルックスはデボン青木似だが。「バロン」のサラ・ポリーもビックリのヒロイン振りが楽しめる。

ヒース・レジャー(トニー)、ジョニー・デップ(鏡の向こうのトニー#1)、ジュード・ロウ(鏡の向こうのトニー#2)、コリン・ファレル(鏡の向こうのトニー#3)もそれぞれ素晴らしいが、驚くべき事に全く違和感がない。
マスクを被っていたら、どこのシーンを誰が演じているのかわからない程、ヒーン・レジャーのテイストを3人が3人とも再現している。自分らしさを出さない演技に恐れ入る。

さて、キングの影響だが、物語の内容に触れないように、影響を受けていると思われる作品名をお知らせする。
「グリーン・マイル」「スティーブン・キングの悪魔の嵐」「デッド・ゾーン」

とにかく、本作「Dr.パルナサスの鏡」は大変素晴らしい作品である。
是非劇場にダッシュである。

余談だけど、エンドクレジット後におまけ付き。

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2010/01/23

「American Vampire」をめぐる冒険

今日はスティーヴン・キング原作のグラフィック・ノベル(コミック・ブック/マンガ)「American Vampire」に関する余談。

「American Vampire #1」
「American Vampire #1」
原作:スティーヴン・キング、スコット・スナイダー
作画:Rafael Albuquerque/限定版:ジム・リー
出版:VERTIGO
発売日:2010/03/17

「American Vampire #2」
「American Vampire #2」
原作:スティーヴン・キング、スコット・スナイダー
作画:Rafael Albuquerque/限定版:バーニ・ライトソン
出版:VERTIGO
発売日:2010/04/21

物語は、二つのパートにわかれているらしく、吸血鬼と戦ってしまったためにアメリカ最初の吸血鬼になってしまったスキナー・スウィートと、1920年代のハリウッドで女優を目指すパール・ジョーンズの物語が交差する模様。

どうやら、スキナー・スウィートは一旦死んで埋葬されるが、盗掘者によって墓が暴かれ、吸血鬼として復活してしまう模様。

ところで、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」では、ドラキュラ伯爵が、トランシルヴァニアからイギリスに海をわたって移住するところが描かれている。

一方、「American Vampire」では、スキナー・スウィートがアメリカ最初の吸血鬼と設定されているようだが、おそらく、ヨーロッパからアメリカに移住した吸血鬼との戦いにおいて、スキナーが吸血鬼になってしまう、と言うプロットだと思われる。

因みに、ヨーロッパからアメリカへの移民は、次のような状況だった模様。

入植・植民地時代(17世紀〜18世紀):イギリス・北アイルランド・オランダ中心のヨーロッパ
旧移民時代(〜1880年頃):ドイツ・イギリス・スカンジナビア・南アイルランド
新移民時代(1880年頃〜1940年頃):イタリア・ユダヤ・スラブ
新々移民時代(1940年頃〜):アジア・ラテンアメリカ・難民

おそらく、本作の冒頭、ヨーロッパから海を越えてアメリカに移民して来た吸血鬼グループとの戦いの結果、スキナー・スウィートがアメリカ最初の吸血鬼になってしまい、一旦は埋葬されるが、その後、盗掘者によって、スキナーの墓が暴かれ、スキナーは復活、時代を超えたスキナーの冒険が始まる、と言ったところだろうか。

時代を超える吸血鬼の冒険と言えば、何といってもアン・ライスの「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズが決定打だと思う。
吸血鬼と言う存在は、不死の存在だ、と言うことは一般的に知られているのだが、吸血鬼を描いたほとんどの作品は、ひとつの時代しか描いていない。
しかしながら、「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズは、クロニクルズ(年代記)と銘打っている位だから、過去から現在までの長期にわたる吸血鬼たちの冒険が描かれているのが白眉である。
いかにして、経済的地位を継続させるか、と言う設定と手段も素晴らしい。

「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズは、全体としてあまり長くはない(文庫本で9冊)ので、是非読んでいただきたいと思う。
「夜明けのヴァンバイア(インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)」「ヴァンパイア・レスタト」「呪われし者の女王」「肉体泥棒の罠」「悪魔メムノック」
なお、翻訳は、第1巻のみハヤカワ文庫、他は扶桑社文庫から出版されている。

一方、スティーヴン・キングの「呪われた町」では、やはり吸血鬼はヨーロッパから船旅でアメリカにやってくる。まぁ、「呪われた町」「ドラキュラ」の文学的イミテーションである所以だろうか。小野不由美の「屍鬼」は、日本国内発の移住だったかと・・・・。

さて、「American Vampire」だが、ハリウッドに舞台を移してからは暗黒街と吸血鬼(ダークファンタジー)との融合だと思うのだが、スキナーの時代はおそらく西部劇と吸血鬼(ダークファンタジー)との融合だと思う。

そこで思い出すのは、以前紹介した水無神知宏の「此よりは荒野」
こちらも合わせて読んでいただければ幸いである。

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2010/01/22

「ワールド・ホラー・コンベンション2011」にジョー・ヒルが!

「ワールド・ホラー・コンベンション2011」 「ワールド・ホラー・コンベンション2011」にジョー・ヒルがゲストとして登場する模様。

「ワールド・ホラー・コンベンション2011」
会期:2011年4月28日〜5月1日
会場:ダブルツリーホテル(アメリカテキサス州オースティン)
ゲスト:ジョー・ヒルブライアン・キーンジョー・R・ランズデールサラ・ランガンスティーヴ・ナイルズ

まあ、ちよっと先の話なので、ご参考程度ですね。

ご参考
「ワールド・ホラー・コンベンション2010」

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2010/01/21

オークション情報「トビー・フーパー死霊伝説・吸血鬼バーロウマスク」

「トビー・フーパー死霊伝説・吸血鬼バーロウマスク」 まぁ、たいした話ではないのだが、スティーヴン・キング原作、トビー・フーパー監督の「死霊伝説」のバーロウを模したマスクがYAHOO! オークションに出ているので紹介する。

因みに、このマスク市販品であり、決して「死霊伝説」本編で使用されたプロップではない。念の為。

「トビー・フーパー死霊伝説・吸血鬼バーロウマスク」

写真を見る限り、出来は良さそうですね。

しつこいけど、市販品だよ。

因みに、次の写真は、2006年の『「マスターズ・オブ・ホラー」来日記者会見』の際に、トビー・フーパーからサインをもらった「死霊伝説」の国内版DVD。

トビー・フーパーからサインをもらった「死霊伝説」DVD

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2010/01/20

訃報:ロバート・B・パーカー

非常に残念なお知らせです。

ロバート・B・パーカーが亡くなったようです。

慎んでご冥福をお祈りします。

Robert B. Parker is Dead

高校時代だっただろうか、ただ一言「読め」と言われ友人に手渡された本が「初秋」("Early Autumn" 1980)だった。その友人は、「文庫本も出てるから、文庫本でも良かったんだけどね。折角だからハードカバーにしたんだ」と照れながら笑っていた。

誕生日でもなんでもない、彼はただ単に、わたしに読んで欲しいから、文庫本ではなくハードカバーを買ってまでして、わたしに「初秋」をくれたのだ。

以来、わたしはロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズでハードボイルド小説を、そして男の生き様を学ぶことになった。

そんな中、圧倒的な印象を受けたのが、「銃撃の森」("Wilderness" 1979)である。
格好悪い男こそが最高に格好良い、と言うことを初めて知った。

それ以来、パーカー未読者に、パーカーの作品をすすめる時、必ずと言って良い程「初秋」「銃撃の森」をすすめるようになった。

大人になり、気が付くとパーカーの作品を手にする事は少なくなったが、「初秋」を読んだ頃の心はまだわたしの中に残っている。そして、これからも。

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2010/01/19

“くとぅん”をめぐる冒険

今日は「N」に関する余談。

今日は皆さんに、「N」に登場する“くとぅん”に関する、恐ろしい宇宙的真実をお話ししましょう。

2009年1月に文藝春秋社より出版されたスティーヴン・キングの短篇集「夜がはじまるとき」「N」と言う短篇が収録されている。

その「N」(原題は"N.")と言う作品は、H・P・ラブクラフトがオーガスト・ダーレス等と作り上げた、-正確には一緒に作り上げたわけではないが-、クトゥルフ神話体系の影響を色濃く受けた作品である、と言える。

ところで、そのクトゥルフ(Cthulhu)とは一体何ぞやと言う話だが、クトゥルフとはラブクラフトの作品に登場する邪神の名称で、本来人間には発音できない音を表記している関係か、日本国内では、クトゥルフ、クトゥルー、ク・リトル・リトル、クルウルウと言うように様々な表記で描写されている。

さて、キングの「N」についてだが、同作はクトゥルフ神話的なプロットと、クトゥルフ神話的なキーワードが散りばめられた作品に仕上がっている。

一例を紹介するが、物語の舞台となるアッカーマンズ・フィールドとはおそらくアーカムのことだと思えるし、そのアッカーマンズ・フィールドに流れる川、アンドロスコギン川(なんと実在してます)も語感的にラブクラフト的印象を読者に与えている、とわたしには思えて仕方がない。(もしかしたら、アッカーマンズ・フィールドは、フォレスト・J・アッカーマンの庭的なもの、と言う意味かも知れない)

極めつけは“くとぅん”("Cthun")である。
「N」のどのようなシークエンスで“くとぅん”と言う言葉が登場するかは読者の趣向を削ぐので割愛するが、“くとぅん”は「N」の物語の中で重要な意味を持つ言葉である、と言っても構わないだろう。

ところで、そのあたりについて、わたしの友人が書いた文献に興味深い部分があるので紹介する。

ク・リトル・リトル、クトゥルー、クトゥルフ… そして、くとぅん

いかがだろう。ご理解いただけたであろうか。
非常に興味深く、そして宇宙の深淵に一歩近づいたのではないだろうか。

さて、ここからが今日の本題である。
なぜ本作「N」では、“クトゥルフ”ではなく“くとぅん”なのか、そこんとこを解明していきたいと考えている。

先ず、本作「N」は先ずタイトルがおかしい。皆さんは、いまだかつてアルファベット1文字をタイトルに冠した作品を読んだ事があるだろうか。
このおかしなタイトルは、絶対的に何かを表現しているに違いないのだ!

ところで、本作「N」で言う“N”とは、本作を読み進めて行くと、本作に登場するボンサント医師の患者の仮名だと言う事がわかってくる。

つまり“N”は仮名の“N”だったのだ。

それを前提にして“くとぅん”("Cthun")を考えてみる。

先ず“くとぅん”("Cthun")を“くとぅ+ん”("Cthu+n")に分解する。

すると、なんと言うことだろう、“くとぅ”("Cthu")は、クトゥルフ神話体系を表す接頭詞だったのだ! (当サイト断言)

すなわち、“ん”("n")は、前述のように仮名の"N"であるから、“くとぅん”("Cthun")は、クトゥルフ神話体系の(仮名の)"N"と言う事になるのだ!

つまり、“くとぅん”("Cthun")は、クトゥルフ神話体系に登場するなんらかの存在である、と言う事が出来るのだ。

ところで、"N"は仮名の"N"だ、と言う説については、既に皆さんもご納得いただけていると思うのだが、実は、"N"は仮名の"N"と言う説以上に説得力があるのは、"N"は省略の"N"だ、と言う事である。

と言うのも、前述のように「N」の原題は"N."(Nピリオド)なのだ。
みなさんご存知のように、"."(ピリオド)は省略を表している。
JanuaryやFebruaryをJan.、Feb.と表記するのと同じである。

つまり、"N."(Nピリオド)は何か、と言うと"N"から始まる単語を省略したものだったのだ!

つまり、「N」に登場する患者"N"とは、仮名の"N"ではなく、省略の"N"で、"N"は、"N"からはじまる名前の持ち主だと言えるのだ!
なんだよ、当たり前じゃないか、"N"は、患者のイニシャルに決まっているだろ! と言うのは簡単である。

しかし、“くとぅん”("Cthun") にも"N"がついていることを忘れてはいけない。
つまり、“くとぅん”("Cthun")とは、"Cthu"+"n"からはじまる単語の省略形ということができる。

前述のように、"Cthu"はクトゥルフ神話体系を表す接頭詞なので、"Cthu"+"n"からはじまる単語と言うことは・・・・。

そう、賢明な読者諸氏は既にお気付きかと思うのだが、“くとぅん”("Cthun")とは、"Cthu"+"Nyarlathotep"(ナイアーラトテップ/ナイアルラトホテップ/ニャルラトホテプ)じゃないのか!
いや、そうに違いない。

とすると、患者"N"の名前こそが、"Nyarlathotep"(ナイアルラトホテップ)であり、7つの石の真ん中に居た奴が"N"の名前を知っていたとしても、何らおかしなことではないのである。
何しろ、石の真ん中に居た奴と"N"は、眷属同士なのだから、

そして、医師がなぜ、カルテに"N"と記載したか。

もうおわかりでしょう、医師は"Nyarlathotep"と名乗った患者の名前を発音できなかったのです。そして当然ながら患者の名前の綴りもわからなかったので、仕方なく"N"と記載したのです。

あぁ、なんと恐ろしいことでしょう。

わたしは、この恐るべき真実、宇宙の真実の一片を知ってしまい、正気度ポイントがあと5ポイントになってしまいました。

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2010/01/18

ゾンビにも戦闘力があるそうな!?

どうでも良い話だが、様々な映画に登場するゾンビの戦闘力を比較するサイトを紹介する。

ゾンビ戦闘能力一覧表

スティーヴン・キング的には、「ペット・セメタリー」「ペット・セメタリー2」のゾンビ(?)もエントリーしています。

コメントが面白いので引用する。

「ペット・セメタリー」
禁断のペット・セメタリー(動物霊園)に埋められて復活したが、殺人鬼になってしまった幼い子供。よちよち歩き程度の子供なのに、部屋に仕掛けをしたり、大人を欺くような行動をとったりと、死んで知性を得る珍しいタイプのゾンビ。

「ペット・セメタリー2」
落ちぶれたエドワード・ファーロングとハードロックがガンガン鳴り響く。ゾンビのくせにセックスしたがったり、飯をマズそうに食ったり、車を運転したりと、ゾンビだってそれなりに人並の行動がとれるじゃんといった作品。

まあ、そんなところです。

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2010/01/17

Photos: Stephen King-inspired artwork

Don Brautigam, Night Shift, Signet, 1979 2010/01/13 ボストン・フェニックスが、スティーヴン・キングの書籍や雑誌、映画、DVD等を飾ったアートワークの写真を24点公開した。

Photos: Stephen King-inspired artwork

これらのアートワークは、2009年11月に出版された「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」からの抜粋であり、わたし的には大変欲しい書籍の一つなのだが、価格的にちょっと高く、二の足を踏んでしまっている状況である。

因みに本書「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」は、書籍や雑誌、DVD等のジャケットでキング作品を飾った膨大な数のアートワークをまとめた、所謂コーヒーテーブルブックである。

本書の編集は皆さんご存知「必携 スティーヴン・キング読本—恐怖の旅路」のジョージ・ビーム!
序文をフランク・ダラボンが書いています。

本書の詳細については、「スティーヴン・キングの話」「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King のプレビュー画像24枚」が詳しいのでそちらを参照していただきたい。

Darrel Anderson, “The Dark Tower,” from The Dark Tower VI: Song of Susannah, Donald M. Grant, 2004.
写真は「ダーク・タワーVI/スザンナの歌」に寄せたダレル・アンダーソンのイラスト。

都内のダーク・タワー
写真は、都内某所のダーク・タワーと言うかテット・コーポレーション本社ビルとバラ。
撮影はわたしで、バラの高さは8m。

個人的印象ですがそっくりですな。

因みに、2010年3月に「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」のデラックス・リミテッド・エディションが出ます。Amazon.co.jpではなんと116,075円!

どうにか翻訳が出ないものかな、と思ってしまうのだけど、高いのは困りますね。

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2010/01/16

検死解剖中に遺体が目を覚ます!?

「キング堂ブログ支店」で紹介されていた記事ですが、スティーヴン・キングのファン的には非常に興味深いので当ブログでも紹介させていただきます。

検死解剖中に遺体が目を覚ます

記録のため全文を引用します。

インドのジャイプール東部で、昨年の12月25日、マナス・デオさん(44)は車にひき逃げされ、医師はデオさんの脈が停止しているのを確認し死亡証明書を書いた。しかしデオさんの検死解剖が始まったその時、デオさんが目を覚ましたという。デオさんは今回復に向かっているという。

ニュースソースはここ。

'Dead man' wakes up as autopsy starts

こちらも短い記事なので、引用します。

A man declared dead after being hit by a car woke up when coroners began his autopsy.

Manas Deo, 44, was injured after being run over on Christmas Day.

Doctors signed his death certificate after finding no pulse.

"It was a surprise for the hospital staff and family members when he woke up," said poice in eastern Jajpur. He is now recovering.

キングのファン的に何故興味深いかと言うと、まあ皆さんご承知かと思うのですが、キングの短篇集「第四解剖室」に収録されている同名の短篇「第四解剖室」の出来事にそっくりなのだ。

「第四解剖室」(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)よりあらすじを引用する。

ハワード・コットレルは、同僚から「征服王」と称されることもある有能な証券マン。ある日のゴルフ中、ハワードは突然倒れてしまう。ストレッチャーの上で意識を取り戻すが、声は出ないし、体も動かない。運ばれた先は第四解剖室。どうやら自分は死んだと思われているらしい。生存の証を立てようと必死の彼をよそに、新米の医者とその先輩らしき女医は、楽しげに解剖準備を進めている。果たしてハワードの運命は……?

機会があったら是非確認してみてください。

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2010/01/15

『「今日の早川さん」特別出張版』にキングネタがこんなに!

既に読了された方もいらっしゃると思うのだが、今日はキングの「夜がはじまるとき」に関する余談。

2010年1月に文藝春秋社から出版されたスティーヴン・キングの「夜がはじまるとき」のあとがきに、『「今日の早川さん」特別出張版』が収録されているのは、既にご承知かと思うが、作者のcocoさんによると、同『「今日の早川さん」特別出張版』にはキングネタがたくさん仕込まれている模様。

cocoさん曰く、

キング最新短編集「夜がはじまるとき」の早川さんには、キングに関しての小ネタがちりばめてあります。見てすぐわかる文庫本のようなもの以外にも、絵とセリフに9つほど仕込んであります。お暇な方は探してみてくださいませ。

とのこと。

で、探してみた。
折角なので、詳細の説明は割愛するとして、作品名のみ紹介します。

見てすぐわかる文庫本(五十音順)
1「シャイニング」
2「呪われた町」
3「ペット・セマタリー」
4「夕暮れをすぎて」

その他の絵とセリフ(五十音順)
1「悪霊の島」
2「クージョ」及び他の作品
3「クリスティーン」
4「シャイニング」
5「シャイニング」
6「ドリームキャッチャー」
7「ミザリー」
8
9

残念ながら、文庫本以外では、9つも見つけられませんでした。

ひっかかるのはあるんだけど、自信がないでございます。

あと、「ミザリー」については最初「IT」かと思ってました。

みなさんも挑戦して見てはいかがでしょうか。

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2010/01/14

「ちいさなまち」はキング的!?

2010/01/08 藤田新策氏のブログ「Shinsaku Fujuta Private View」が久し振りに更新された。

A HAPPY NEW YEAR

内容は先日紹介した書き下ろし絵本「ちいさままち」について。

「ちいさままち」の気になる内容について氏はこんな風にコメントしている。

キングファンの皆様にも是非手に取って頂きたく思います。どこがキング的かってそれは見て感じ取って頂いて、感想など頂けると嬉しいです。

そんな訳で是非。

 

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2010/01/13

ケッソクヒデキをめぐる冒険

「英雄の書」宮部みゆき
2009年2月に毎日新聞社から出版された宮部みゆき「英雄の書」の装画を見たわたしは驚いた。
てっきり装画のタッチから藤田新策の手によるものだと思ったのだが、「英雄の書」の装画を手掛けたのはなんとケッソクヒデキだった。

「レギュレイターズ」装画/藤田新策
ケッソクヒデキと言えば、書籍の装画や広告を手掛けるイラストレイターなのだが、スティーヴン・キング的には2000年11月に新潮社から出版された文庫判「デスペレーション」「レギュレイターズ」の装画のデジタルエフェクトを担当しているのだ。
当然ながら、「デスペレーション」「レギュレイターズ」の装画は藤田新策の手によって描かれている。

ここに、藤田新策とケッソクヒデキの接点が見えてくる。

そして、藤田新策とデジタルエフェクトと言えば、1998年から1999年にかけてポプラ社から出版された「新訂 少年探偵・江戸川乱歩」シリーズ及び「新訂 怪盗ルパン」シリーズの装画の制作過程において、両シリーズ向けに膨大な数の装画を描く必要にせまられた藤田新策は装画に必要なパーツをそれぞればらばらに描き、それらをパソコン上で複製・拡大・縮小・回転等を行いながらデジタル合成し、両シリーズの膨大な数の装画を仕上げた、と聞いている。

その際のパソコン上でのオペレーションは、藤田新策の指示の下、第三者が行っていたのだが、もしかするとその第三者がケッソクヒデキだったのではないか推測してしまう。(当サイト推測)

そんなケッソクヒデキだが、2010/01/12より、東京銀座「ガーディアン・ガーデン」で個展が開催されている。

ケッソクヒデキ展「Gradation」
会期:2010/01/12〜2010/01/28
時間:12:00〜19:00
会場:ガーディアン・ガーデン

折角なので、行ってみようかと思っている。



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2010/01/12

松尾たいこスティーヴン・キングを語る。

「松尾たいこのラジカントロプス2.0」/ラジオ日本のスクリーンショット
2010/01/09にラジオ日本で放送された
「松尾たいこのラジカントロプス2.0」で、松尾たいこがスティーヴン・キングの「リーシーの物語」「ミザリー/新装版」「シャイニング/新装版」の装画を担当した際の経緯を語っている。
全部で1時間23分12秒あるので、聴くのにはちと気合いが必要です。

第124回『松尾たいこのラジカントロプス2.0』【ネット版】公開!

本好きの人たちにとって、書籍の装画には関心があると思うので、是非聴いてみて下さい。非常に興味深いです。

例えば、

装画を描く前に小説を読むのかどうか。
装画には印税が発生するのかどうか。
だれが装画の原案を考えるのか。
装画のアイディアの源は。
1日のスケジュールは。
どれくらいの時間で作品を仕上げるのか。
どうすればイラストレイターになれるのか。

等々・・・・。



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2010/01/11

PSPでジョー・ヒル原作のコミック・ブックが!?

4
日本国内において2009年12月よりSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)PSP(プレイステーション・ポータブル)コミックコンテンツが楽しめるようになったのだが、北米ではなんとジョー・ヒル原作のコミック・ブック「Locke and Key」が配信されている。

Locke and Key: Welcome to Lovecraft #1
Locke and Key: Welcome to Lovecraft #2

新しいメディア好きのスティーヴン・キングより先にPSPのコミックコンテンツ化されるジョー・ヒル作品に驚きだったりする。

試してみてはいないけど、日本国内からでも購入できるんじゃないのかな、と思います。

Amazon.co.jpで買うと1冊2,000円弱だけど、PSP版は、なんと$0.99だよ。
よく見たら、ページ数が全然違うけど・・・・。


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2010/01/10

藤田新策の書き下ろし絵本が!?

「ちいさなまち」 スティーヴン・キング、宮部みゆき、クーンツ、マキャモン、小野不由美、ポプラ社の「少年探偵・江戸川乱歩」シリーズ「怪盗ルパン」シリーズ等の作品の装画でおなじみの藤田新策氏がなんと書き下ろしの絵本をそうえん社から上梓した。

「ちいさなまち」
作:ふじたしんさく
絵:ふじたしんさく
出版社:そうえん社
初版発行:2010年01月
ISBN:978-4-88264-246-6
サイズ:24.5cm x 18.7cm
ページ数:31ページ
グレード:小学校低学年~
ジャンル:えほん
定価:1,260円 (本体: 1,200円)

ちいさなきょうだいのくらす、ちいさなまち。
ある日、お兄ちゃんは妹の手をひき、散歩にでかけ・・・・。美しいイラストで、あたたかなシンプルライフを描きます。

キング的展開があるかどうかはご想像にお任せするが、藤田新策の世界を旅してみるのも楽しいのではないだろうか。

余談だけど興味深い文章を紹介する。
「バロウズ・ファンとは武部ファンのことである」厚木淳
おそらく、「キング・ファンとは藤田ファンのこと」なのだと思う。

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2010/01/09

文藝春秋「新刊ニュース」1月文庫のプレゼントのお知らせ

余談だけど、スティーヴン・キングの「夜がはじまるとき」文藝春秋社から1月の新刊として発売されるが、以前もお伝えしたように、文藝春秋社では、毎月新刊(単行本・文庫)のプレゼントが行われている。

1月の新刊の「夜がはじまるとき」も当然ながらプレゼントの対象作品になっているので、挑戦してはいかがだろうか。

以前お伝えした際(「悪霊の島」の頃)は、当「スティーヴン・キング研究序説ココログ分室」を見て応募した方が当選しましたよ。

文藝春秋「新刊ニュース 文庫プレゼント(1月)応募」フォーム 応募締切 1月11日


外れた方はこちらからどうぞ。
因みに、ここから買うと、わたしが儲かる仕組みになっています。

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2010/01/08

「夜がはじまるとき」をめぐる冒険

スティーヴン・キングの5冊目の短篇集「Just After Sunset」の翻訳2分冊目「夜がはじまるとき」が発売になった。

「夜がはじまるとき」
著者:スティーヴン・キング
装画:唐仁原教久
デザイン:大嶋貴子(HBカンパニー)
出版元:文藝春秋/文春文庫刊
第1刷:2010年1月10日
ISBN:978-4-16-770582-4
定価:本体638円+税

収録作品(原題、担当訳者)
「N」("N"、安野玲)
「魔性の猫」("The Cat from Hell"、白石朗)
「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」("The New York Times at Special Bargain Rates"、(大森望)
「聾唖者」("Mute"、風間賢二)
「アヤーナ」("Ayana"、安野玲)
「どんづまりの窮地」("A Very Tight Place"、白石朗)
「サンセット・ノート」("Sunset Notes"、白石朗)

解説 coco(『「今日の早川さん」特別出張版』併録)

cocoさん『「今日の早川さん」特別出張版』「夜がはじまるとき」に掲載される、と言う話を聞いて思ったのは、まさか解説だけカラーになるんじゃねえよな、と言うこと。

例えば、キングで言う新潮社「ダーク・タワー」シリーズにオリジナル版のイラストがカラーで収録されていたり、東京創元社ではバローズ(ERB)の一連のシリーズの武部本一郎のイラストがカラー見開き、と言うか折り込み、で収録されていたりする中、文藝春秋社に対するカラー版解説掲載への期待は否応もなく高まるわたしであった。

しかしながら、いざ蓋を開けてみると『「今日の早川さん」特別出張版』は当然と言えば当然だったのだが、モノクロだった。ちと残念!

まあ、仕方がない事なんだろう。

ジャック・トランス著「All Work and No Play Makes Jack a Dull Boy」 ところで、余談だけど、「今日の早川さん」の作者cocoさんは、先日帝都襲撃を見事に果たし、白石朗さんより、ジャック・トランスの小説をお土産にいただいた模様。

更に余談だが、cocoさんの解説で引用されているラヴクラフト(HPL)の言葉「人間の最も古く強烈な感情は恐怖であり、・・・・」を聞くと「ホラー狂日記」を思い出す。

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2010/01/07

ジョー・ヒルの新作「HORNS」のプロモーション・ツアー

ジョー・ヒル 2010年2月に出版が予定されているスティーヴン・キングの息子ジョー・ヒルの長編「HORNS」だが、ジョー・ヒルもキング同様新刊のプロモーション・ツアーを行う模様。

The Devil Came To Town

2010 TOUR SCHEDULE:

February 16th (Tues) – PORTSMOUTH, NH • River Run Books. 7:00 PM.
February 17th (Wed)  - MANCHESTER, NH • Barnes & Noble. 7:00 PM
February 18th (Thurs) – CONCORD, NH • Gibson’s Bookstore. 7:00 PM.
February 19th (Fri) – MILFORD, NH • Toadstool Bookshop. 6:30 PM.
February 21st (Sun) – SALEM, MA • Cornerstone Books. 3:00 PM.
February 22nd (Mon) – CAMBRIDGE, MA • Porter Square Books. 7:00 PM.
February 23rd (Tues) – SOUTH HADLEY, MA • Odyssey Bookshop. 7:00 PM.
February 24th (Wed) – NEW CANAAN, CT • New Canaan Library. 7:30 PM.
February 25th (Thurs) – NYC, NY • Barnes & Noble (82nd & Broadway). 7:00 PM.
February 26th (Fri) – HUNTINGTON, NY • Book Revue. 7:00 PM.

March 1st (Mon) – PITTSBURGH, PA • Joseph-Beth Booksellers. 7:00 PM. (with an inevitable unscheduled side trip to my personal mecca, the Monroeville Mall, where I’ll probably just wander around, you know, like all the other zombies)
March 2nd (Tues) – SEATTLE, WA • University Bookstore. 7:00 PM.
March 3rd (Wed) – PORTLAND, OR • Powell’s Books. 7:30 PM.
March 4th (Thurs) – SAN FRANCISCO, CA • Booksmith. 7:30 PM.
March 5th (Fri) – CORTE MADERA, CA • Book Passage. 7:00 PM.
March 8 (Mon) – EXETER, NH • Water Street Books. 7:00 PM.
March 9 (Tues) – SOUTH PORTLAND, ME • Borders. 7:00 PM.
March 10 (Wed) – BANGOR, ME • Borders. 6:00 PM.

余談だけど、3月1日にジョー・ヒルが訪れるMonroeville Mallは、皆さん大好き「ゾンビ("Dawn of the Dead")」のロケ地となったショッピング・モールです。

更に余談だけど、ジョー・ヒルの「20世紀の幽霊たち」に収録されている「ロビー・コンロイ、死者の国より帰る」は、件のモンローヴィルでの「ゾンビ」撮影現場での出来事を描いている。ジョージ・A・ロメロもトム・サヴィーニも出てくるよ。

ケン・フォリーの来日イベント
写真は「ゾンビ」のケン・フォリーの来日イベント(2007年)の写真なんですが、会場はなんととあるショッピング・モールのエントランス!
(左から範田紗々、ケン・フォリー、プレデターの中の人)

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2010/01/06

"The Stephen King Illustrated Companion"がロンドン・ブック・フェスティバルで・・・・

The Stephen King Illustrated Companion 2010/01/04 ロンドン・ブック・フェスティバル2009で、Bev Vincentの"The Stephen King Illustrated Companion"がノン・フィクション部門で受賞した模様。

2009 LONDON BOOK FESTIVAL NAMES WINNERS

因みに、この書籍、何故かAmazon.co.jpでは取り扱いがない。

表紙のスティーヴン・キングの写真だけど、結構良い写真を使ってますよね。

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2010/01/05

日本のメディアのキングニュース

2010年になって、日本のメディアがスティーヴン・キングに関するニュースを発信しているので紹介してみる。

ホラー小説の巨匠スティーブン・キングの09年ベスト10は? eiga.com

[eiga.com 映画ニュース] 「ショーシャンクの空に」「スタンド・バイ・ミー」の原作者として知られるホラー作家で、米エンターテインメント・ウィークリー誌にてポップカルチャー・コラムニストとして活躍する映画マニアのスティーブン・キングが、「2009年映画ベスト10」(クリスマス公開作品は10年度へ)を発表した。

08年はベスト10の上位3本に「ダークナイト」「スラムドッグ$ミリオネア」「ウォーリー」といった大ヒット作を並べたホラーの巨匠は、09年の第1位にキャスリン・ビグロー監督の戦争映画「ハート・ロッカー」を選出。第2位にウェス・クレイブン監督のカルトホラー「鮮血の美学」(72)のリメイク作、第3位にビゴ・モーテンセン主演の「ザ・ロード」と比較的地味めな作品を選出。文芸映画からパニック映画まで多種多様なジャンルの映画を選んだキングは、「『2012』がいいチーズなら、『第9地区』はいいワイン」と映画の好みをアピールした。キングの「2009年映画ベスト10」は以下の通り。

1.「ハート・ロッカー」(キャスリン・ビグロー監督)
2.「The Last House on the Left」(デニス・イリアディス監督)
3.「ザ・ロード」(ジョン・ヒルコート監督)
4.「Disgrace」(スティーブン・ジェイコブス監督)
5.「愛を読むひと」(スティーブン・ダルドリー監督)
6.「第9地区」(ニール・ブロムカンプ監督)
7.「Law Abiding Citizen」(F・ゲイリー・グレイ監督)
8.「サブウェイ123/激突」(トニー・スコット監督)
9.「Fantastic Mr.Fox」(ウェス・アンダーソン監督)
10.「2012」(ローランド・エメリッヒ監督)

スティーヴン・キング選定2009年ベスト・ムービー allcinemaonline

人気ホラー作家スティーヴン・キングが選ぶ映画年間ベストテンが発表された。ユニークなところでは、「鮮血の美学」をリメイクした「The Last House on the Left」やJ・M・クッツェーのブッカー賞受賞作『恥辱』をジョン・マルコヴィッチ主演で映画化した「Disgrace」などが上位に選ばれている。

と言うことは、コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」は邦題が「ザ・ロード」に決定した模様ですね。

スティーヴン・キングが『シャイニング』続編を執筆!内容は?  サーチナ

スティーヴン・キングが、スタンリー・キューブリックの手により映画化された自身の代表作の一つ、『シャイニング』の続編『DoctorSleep』の執筆について言及し、話題を呼んでいる。

Books.Torontnist.comによると、新著書『UndertheDome』の発売イベントでデヴィッド・クローネンバーグと対談を行ったキングは、そこで現在執筆中の小説『DoctorSleep』の具体的な構想を明らかにしたという。それによると、ジャック・トランスの息子ダニーが現在 40歳になっており、ニューヨークのアップステイトに住みながら末期症状患者のためのホスピスに勤めているという設定。彼はそこで、あのミステリアスな力を使って、死の世界へ向かう患者たちの旅のほう助をしているのだ。さらに、彼が悪友から学んだ競馬で儲けるためのトリックがサイドストーリーとして描かれるという。キングは、昨夏からこの小説の執筆に取り掛かっているのだという。

ただ、映画版『シャイニング』はホラー・クラシックとして名高いマスターピースであり、それを超えることは困難ということで、ファンの間では続編小説が出版されても映画化はしないでくれ!という声が高まっている。

スティーヴン・キングといえば、『TheTalisman』がTVドラマシリーズ化され2012年に放映されることが決まったが、それ以外にもキング原作小説をベースにトビー・フーパーが監督を務める映画『FromaBuick8』も現在製作準備中だ。(小林真里)(情報提供:Hottrash.com)

ただの直訳ニュースで、ニュースソースは例のカナダのイベントなので、最新ニュースとは言えないですけどね。

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2010/01/04

「午前十時の映画祭」をめぐる冒険

「午前十時の映画祭 何度見ても凄い50本」 先日、TOHOシネマズ日劇で「アバター」を観た際、劇場に「午前十時の映画祭 何度見ても凄い50本」の告知ポスターが貼られていた。

同映画祭(?)の概要は次の通り。

「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」
映画の黄金時代(1950〜70年)を中心に外国の傑作娯楽映画50本を選んで全国25の劇場で1年間にわたり連続上映する。
それが「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」です。

【開催期間】 2010年2月6日(土)〜2011年1月21日(金) 【予定】
【上映開始時間】 午前十時(全劇場一律/作品、劇場によっては追加上映する場合もあります)
【料金】 大人1,000円 学生・子供500円(全劇場一律)
【上映作品】 1950年〜70年代を中心とする外国の傑作娯楽映画50本。(1作品1週間の上映)
【選定委員】 作品選定委員:品田雄吉、おすぎ、襟川クロ、高井英幸 特別選定委員:小泉今日子、戸田奈津子、弘兼憲史、三谷幸喜

【実施予定劇場】 札幌シネマフロンティア、TOHOシネマズ秋田、MOVIX利府、T・ジョイ新潟万代、TOHOシネマズ宇都宮、MOVIXさいたま、TOHOシネマズ市川コルトンプラザ、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ府中、TOHOシネマズららぽーと横浜、TOHOシネマズ海老名、TOHOシネマズ浜松、TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ西宮OS、TOHOシネマズ岡南、広島バルト11、シネマサンシャイン衣山、TOHOシネマズ高知、天神東宝、TOHOシネマズ長崎、TOHOシネマズ光の森、TOHOシネマズ与次郎

【作品一覧】 「明日に向って撃て!」「アパートの鍵貸します」「アマデウス」「雨に唄えば」「アラビアのロレンス」「ある日どこかで」「ウエスト・サイド物語」「裏窓」「映画に愛をこめて アメリカの夜」「エデンの東」「お熱いのがお好き」「男と女」「カサブランカ」「クレイマー、クレイマー」「刑事ジョン・ブック/目撃者」「激突!」「ゴッドファーザー」「ショウほど素敵な商売はない」「ショーシャンクの空に」「十二人の怒れる男」「スタンド・バイ・ミー」「スティング」「戦場にかける橋」「太陽がいっぱい」「第三の男」「大脱走」「チャップリンの独裁者」「追憶」「鉄道員」「天井桟敷の人々」「眺めのいい部屋」「2001年宇宙の旅」「ニュー・シネマ・パラダイス」「バベットの晩餐会」「薔薇の名前」「パピヨン」「羊たちの沈黙」「昼下りの情事」「フィールド・オブ・ドリームス」「フォロー・ミー」「ブリット」「ベン・ハー」「北北西に進路を取れ」「ミクロの決死圏」「ライトスタッフ」「ライムライト」「レインマン」「ローマの休日」「ロミオとジュリエット」「ワイルドバンチ」

上映予定作品は順当で、いわゆるエバーグリーンでオールタイムベスト的作品がラインナップにあがっていて意外性はない。

因みにわたしが見た事がない(見た記憶がない)のは、「映画に愛をこめて アメリカの夜」「バベットの晩餐会」「フォロー・ミー」の3本。

劇場で見られる事にわたしが喜びを感じるのは、「明日に向って撃て!」「アラビアのロレンス」「ある日どこかで」「ウエスト・サイド物語」「エデンの東」「ゴッドファーザー」「大脱走」「2001年宇宙の旅」「ニュー・シネマ・パラダイス」「パピヨン」「ブリット」「ベン・ハー」「北北西に進路を取れ」「ミクロの決死圏」「ライトスタッフ」「ワイルドバンチ」位でしょうか。

でも、勉強のために毎週通っても良いラインナップになっていますね。

余談だけど、折角のニュープリントの上映なので、スタンダード(4:3)の作品は外しても良かったんじゃないかな、とも思ってしまいます。

更に余談だけど、作品一覧のページ「天井桟敷の人々」のところに「ワイルドバンチ」の写真が貼られています。

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2010/01/03

Stephen King: Top 10 films of '09

2010/01/01 例によってEW.comで、スティーヴン・キングが選んだ映画ベストテン2009が発表された。

Stephen King: Top 10 films of '09

10. "2012" 「2012」(2009/11/21日本公開)
No filmgoing diet is complete without some cheese, and this throwback to the great disaster movies of the '70s ("Earthquake", "The Towering Inferno") amply filled the bill. It's staffed by solid actors having fun, and stuffed with eye-popping special effects — you got a problem with that?

9. "FANTASTIC MR. FOX"
A screwball comedy that just happens to be animated. More for adults than for children, actually, but when Mr. Fox (George Clooney) and his devoted missus (Meryl Streep) put aside their sophisticated banter long enough to gobble their dinner — in about four seconds — both the kids and the grown-ups in my audience screamed with delighted laughter.

8. "THE TAKING OF PELHAM 1 2 3" 「サブウェイ123 激突」(2009/09/04日本公開)
Director Tony Scott's most lucid and suspenseful movie. Denzel Washington is terrific in the part originated by Walter Matthau, but the real pleasure here is watching John Travolta's balls-to-the-wall star turn as the villainous Ryder (called Mr. Blue and played by Robert Shaw in the 1974 version). This makes Public Enemies look pretty tame.

7. "LAW ABIDING CITIZEN"
The outraged husband and father decides to punish the baddies himself when the wimpish legal system won't: Yeah, yeah, we've seen it all before, but this version's script is wound tight and clever enough to draw blood. All of which would mean little if not for the standout performances by Gerard Butler and Jamie Foxx, who turns prosecutor Nick Rice into a morally ambiguous antihero.

6. "DISTRICT 9" 「第9地区」(2010/04公開予定)
This quasi (not to mention queasy) documentary sci-fi pic is a clever parable about the price of racial prejudice, but what really struck me about it was how the special effects served the story, rather than the other way around. If "2012" is good cheese, then "District 9" is a fine wine.

5. "THE READER" 「愛を読むひと」(2009/06/19日本公開)
I know, it was released in 2008, but my lists go from December to December, and it would be criminal to leave out this wrenching exploration of guilt and atonement. Kate Winslet's Hanna Schmitz was the best performance I saw all year.

4. "DISGRACE"
John Malkovich shines as an arrogant Cape Town professor who exiles himself to his daughter's farm rather than apologize for his sexual excesses with a student. He is forced to reevaluate his behavior after his daughter is raped. The scenery is gorgeous, and the story — sorrowful but never sentimental — is hypnotic.

3. "THE ROAD"
Cormac McCarthy's novel of the apocalypse comes to the screen with all its spare and deadly beauty intact. It's often painful to watch (at my screening I actually heard the projectionist sobbing as the film neared its end), but Viggo Mortensen's performance as the dedicated father is Oscar bait.

2. "THE LAST HOUSE ON THE LEFT"
Easily the most brilliant remake of the decade, and not just because the 1972 original was such a crapfest. This beautifully photographed — but hard to watch — movie is the standard by which all horror/suspense films should be judged: The acting is superior (Breaking Bad's Aaron Paul is especially fine), the story makes sense, and, most importantly, Last House's moral compass points to true north. We don't want these creeps back for six or eight sequels; they are monsters, and we want them dead. This film is on par with "The Silence of the Lambs".

1. "THE HURT LOCKER" 「ハート・ロッカー」(2010/03/06日本公開予定)
Bomb disposal is one of the great staples of war movies, but it has never been depicted in such terrifying detail as it is here. Locker is more than suspenseful, however. Director Kathryn Bigelow ("Point Break"), who has explored the destructive impulses of young men before, outdoes herself in this perfectly honed drama that speaks to the addictive attractions of risk and violence. Want to know why it's so easy for the pols to feed the war machine? Look here for answers.

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2010/01/02

Stephen King: My Top 10 Books of 2009

旧聞だけど、2009/12/18 例によってEW.comで、スティーヴン・キングが選ぶ小説ベストテンが発表された。

Stephen King: My Top 10 Books of 2009

気になる順位は次の通り。
キングのコメントと概要がおまけ。

10. "ROUGH COUNTRY", by John Sandford, hardcover
King's thoughts: "This tale is rich, satisfying, and frequently hilarious."
About the Book: "Rich with the brilliant plotting and compulsively readable prose that are his hallmarks, Rough Country is another immensely satisfying tale by one of our very best suspense writers."

9. "RAVENS", by George Dawes Green, hardcover
King's thoughts: "When Green isn't making you laugh, he's making you bite your nails down to the bleeding point."
About the Book: "The Boatwrights just won 318 million dollars in the Georgia State lottery. It's going to be the worst day of their lives."

8. "GONE TOMORROW", by Lee Child, hardcover
King's thoughts: "Child's writing is lean and wiry."
About the Book: "New York City. Two in the morning. A subway car heading uptown. Jack Reacher, plus five other passengers. Four are okay. The fifth isn't. In the next few tense seconds Reacher will make a choice--and trigger an electrifying chain of events in this gritty, gripping masterwork of suspense by #1 New York Times bestseller Lee Child."

7. "DROOD", by Dan Simmons, hardcover
King's thoughts: "This is a beautifully realized historical novel, but it's also a modern tale that chronicles the descent of a great mind into dope-fueled madness."
About the Book: "On June 9, 1865, while traveling by train to London with his secret mistress, 53-year-old Charles Dickens--at the height of his powers and popularity, the most famous and successful novelist in the world and perhaps in the history of the world--hurtled into a disaster that changed his life forever. "

6. "SHATTER", by Michael Robotham, hardcover
King's thoughts: "The most suspenseful book I read all year."
About the Book: "In Michael Robotham’s latest thriller, psychologist Joe O’Loughlin tries to prevent a suicide and finds himself locked in a deadly duel with a very clever killer. With pitch-perfect dialogue, believable characters, and intriguingly unpredictable plot twists, Shatter is guaranteed to keep even the most avid thriller readers riveted long into the night."

5. "2666", by Roberto Bolano, hardcover
King's thoughts: "This surreal novel can't be described; it has to be experienced in all its crazed glory."
About the Book: "Three academics on the trail of a reclusive German author; a New York reporter on his first Mexican assignment; a widowed philosopher; a police detective in love with an elusive older woman--these are among the searchers drawn to the border city of Santa Teresa, where over the course of a decade hundreds of women have disappeared."

4. "MIDNIGHT'S CHILDREN", by Salman Rushdie, hardcover
King's thoughts: "This epic social comedy follows one of them through a lifetime of adventures worthy of Dickens."
About the Book: "Saleem Sinai is born at the stroke of midnight on August 15, 1947, the very moment of India’s independence. Greeted by fireworks displays, cheering crowds, and Prime Minister Nehru himself, Saleem grows up to learn the ominous consequences of this coincidence."

3. "HOLLYWOOD MOON", by Joseph Wambaugh, hardcover
King's thoughts: "The best of Wambaugh's Hollywood Station novels."
About the Book: "Wambaugh once again masterfully gets inside the hearts and minds of the cops whose jobs have them constantly on the brink of danger. By turns heart-wrenching, exhilarating, and laugh-out-loud funny, Hollywood Moon is his most thrilling and deeply affecting ride yet through the singular streets of LA."

2. "REVOLUTIONARY ROAD", by Richard Yates, mass market paperback
King's thoughts: "Skip the DVD; read the book."
About the Book: "In the hopeful 1950s, Frank and April Wheeler appear to be a model couple: bright, beautiful, talented, with two young children and a starter home in the suburbs... they have always lived on the assumption that greatness is only just around the corner. But now that certainty is about to crumble."

1. "THE LITTLE STRANGER", by Sarah Waters, hardcover
King's thoughts: "Several sleepless nights are guaranteed."
About the Book: "Abundantly atmospheric and elegantly told, The Little Stranger is Sarah Waters's most thrilling and ambitious novel yet."

なお、コメントと概要は、Cemetery Dance Insider Newsletterより引用。

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2010/01/01

あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます

本年もぼちぼちと頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします

2010年1月1日 tkr

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