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2010年11月の16件の投稿

2010/11/30

スティーヴン・キングがライヴ・チャットを!?

スティーヴン・キングのUSTREAMライヴチャット 2010年12月8日(水) 19:00(EST/北米東部標準時)より、スティーヴン・キングがUSTREAMでライヴチャットを行う模様。

このライヴチャットは、2010年11月に出版されたスティーヴン・キングの新短編集「FULL DARK, NO STARS」のプロモーションの一環として版元のサイモン&シュスター社が協賛して実施するイベントである模様。

ライヴチャットが行われるURLはつぎの通り。
http://www.ustream.tv/simonandschuster

ところで、USTREAMって何のこと?
って思われる方もいらっしゃると思うので、簡単に説明すると、USTREAMは、世界中の誰もが、インターネットに繋がってさえいれば、世界上のどこからでもインターネット上で生放送ができるサービスであり、例えばツイッター等と連動させることにより、インタラクティブなコミュニケーションがはかれると言う素晴らしいシステムである。

新しいモノ好きのキングにとって、ぴったりのメディアかも知れませんね。

因みに、日本標準時(JST)は、北米東部標準時(EST)と14時間の時差がありますので、キングのライヴチャットは日本時間12月9日(木)9:00からのようですね。

ツイッターでは、12月9日(木)10:00から開始ってつぶやいちゃいましたが、時差の計算を間違えてしまったようです。
ごめんなさい。

なお、サイモン&シュスター社では、ライヴチャット中にキングに答えて欲しい質問を募集しています。

質問の宛先は、こちらです。
scribner.books@simonandschuster.com

なお、オフィシャル・サイトでの告知を引用します。

Full Dark No Stars UStream Event

Stephen will be participating in a live UStream chat on December 8th at 7:00pm Est. See below for the latest details.
A Conversation with Stephen King
7:00 PM - 8:00 PM ET
Join bestselling author Stephen King in a live chat about his new book, FULL DARK, NO STARS. Tune in Wednesday, December 8th, 2010 - 7pm EST/4pm PST.  RSVP to the event and join it live here:http://www.ustream.tv/simonandschuster



If you have a question you would like Stephen King to answer during the chat, please send it to: scribner.books@simonandschuster.com

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2010/11/26

スティーヴン・キング選定2010年映画ベストテン発表

「Let Me In」ポスター 既に日本国内のメディアも報じているので、ご承知だと思うが、年末恒例のスティーヴン・キングが選ぶ2010年映画ベストテンが発表された。

Stephen King’s Top 10 Films of 2010
/Film

スティーヴン・キング選定2010年映画ベストテン発表
allcinema

記録のためallcinemaの記事の全文を引用する。

毎回ユニークなセレクトで大きな注目を集めるスティーヴン・キングの今年の映画年間ベストテンが発表された。1位には、スウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」「クローバーフィールド/HAKAISHA」のマット・リーヴス監督がハリウッド・リメイクした「Let Me In」が選ばれた。2位には監督デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」も2007年に2位と高評価していたベン・アフレック監督第2弾「ザ・タウン」、3位、4位には話題作「インセプション」「ソーシャル・ネットワーク」が続いた。5位の「Takers」はマット・ディロン、ヘイデン・クリステンセン、ポール・ウォーカー、クリス・ブラウンら豪華キャストで描くクライム・アクション。8位の「Monsters」は、NASAが宇宙から持ち帰った生命体サンプルがメキシコで拡散し、大規模な“汚染ゾーン”の封鎖が行われてから6年後を舞台に描く、「第9地区」に続く新たな低予算SFの話題作。

1位 「Let Me In」
2位 「ザ・タウン」
3位 「インセプション」
4位 「ソーシャル・ネットワーク」
5位 「Takers」
6位 「キック・アス」
7位 「スプライス」
8位 「Monsters」
9位 「Jackass 3D」
10位 「グリーン・ゾーン」

2009年ベスト10 
2008年ベスト10 
2007年ベスト10 
2006年ベスト10
 

「キック・アス」ポスター 余談だけど、キングが第1位に選出した、ハリウッドリメイク版の「Let Me In」のヒロイン役を演じているのは、第6位「キック・アス」でヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツ!

「キック・アス」は、2010年12月18日に日本公開されるので、是非劇場へ。

わたしは、9月16日に「第3回したまちコメディ映画祭in台東」「キック・アス」にノックアウトされ、北米版のBDを購入しました。

因みに、「Let Me In」のオリジナル版「ぼくのエリ 200歳の少女」とその原作「モールス」も実はスティーヴン・キングの影響を受けている。

映画「ぼくのエリ 200歳の少女」を観て、その直後に原作「モーリス」を読んで、どの辺りがキングの影響を受けているのか、と言うエントリーを書こうと思っていたのですが、そのままになってしまっています。映画も原作も傑作だよ。

機会があれば書きたいと思ってますが・・・・。



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2010/11/24

「ザ・シンプソンズ」に「UNDER THE DOME」が!?

「ザ・シンプソンズ」シーズン22エピソード6「The Fool Monty」 2010年11月21日に米FOXテレビで放送されたテレビアニメシリーズ「ザ・シンプソンズ」シーズン22エピソード6「The Fool Monty」にスティーヴン・キングの小説「UNDER THE DOME」が登場し、エピソード自体にも影響を与えた模様。

「The Simpsons」

なお、上記のオフィシャル・サイトでは、「ザ・シンプソンズ」のエピソードを期間限定で視聴できるのだが、残念ながら日本国内からの視聴はブロックされている。

「ザ・シンプソンズ」シーズン22エピソード6「The Fool Monty」 ところで、キングの「UNDER THE DOME」のどの辺が本エピソード「The Fool Monty」に影響を与えているか、と言う話だが、本エピソードでは、Mr.バーンズがキングの「UNDER THE DOME」にならって、スプリングフィールドをドームで覆ってしまおうとした模様。

因みに、ドームの左端の脇に浮かんでいる小さな点がMr.バーンズのヘリコプターで、ドームの上に無数にある小さな点は全てMr.バーンズ配下のヘリコプターである。

「ザ・シンプソンズ」シーズン22エピソード6「The Fool Monty」 余談だが、Mr.バーンズが手に持つ「UNDER THE DOME」の書影のアップもはっきりと画面に登場している。

全くそっくりですね。

なお、スティーヴン・キングの「UNDER THE DOME」は、文藝春秋社より「ドームのもとで(仮)」のタイトルで翻訳の刊行が予定されている。

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2010/11/23

「気がめいる陰うつな映画」30本 英誌が選出

「気がめいる陰うつな映画30本」第5位「ミスト」 2010年11月22日に、映画.comが伝えるところによると、英映画誌TOTAL FILMが、「気がめいる陰うつな映画30本」を発表した模様。

なお、スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督の「ミスト」は第5位にランクインしている。

「気がめいる陰うつな映画」30本 英誌が選出

記録のため全文を引用する。

[映画.com ニュース]英映画誌TOTAL FILMが、「気がめいる陰うつな映画30本」を発表した。
第1位に選ばれたのは、ダーレン・アロノフスキー監督が薬物依存によって破滅していく人間の姿を描いた衝撃作「レクイエム・フォー・ドリーム」(2000)。実は09年に同じ英国のエンパイア誌が発表した「落ち込む映画」ランキングでも第1位に選ばれており、とりわけ英国人にとっては最強のうつ映画ということになりそうだ。
なお、日本映画は「火垂るの墓」が17位にランクイン。エンパイア誌のランキングでも第6位に選ばれ、いずれもアジア圏の映画としては唯一のランクインを果たしている。

トップ30は以下の通り。
1.「レクイエム・フォー・ドリーム」(00/ダーレン・アロノフスキー)

2.「ザ・ロード」(09/ジョン・ヒルコート)

3.「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00/ラース・フォン・トリアー)

4.「アンジェラの灰」(99/アラン・パーカー)

5.「ミスト」(07/フランク・ダラボン)

6.「プレシャス」(09/リー・ダニエルズ)

7.「日蔭のふたり」(96/マイケル・ウィンターボトム)

8.「ドクトル・ジバゴ」(65/デビッド・リーン)

9.「ヴェラ・ドレイク」(04/マイク・リー)

10.「ソフィーの選択」(82/アラン・J・パクラ)

11.「リリア 4-ever(Lilja 4-Ever)」(02/日本劇場未公開/ルーカス・ムーディソン)

12.「ケス」(69/ケン・ローチ)

13.「エレファント・マン」(80/デビッド・リンチ)

14.「風が吹くとき」(86/ジミー・T・ムラカミ)

15.「ホテル・ルワンダ」(04/テリー・ジョージ)

16.「レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで」(08/サム・メンデス)

17.「火垂るの墓」(88/高畑勲)

18.「砂と霧の家」(03/バディム・パールマン)

19.「Scum」(79/日本未公開/アラン・クラーク)

20.「ナイロビの蜂」(05/フェルナンド・メイレレス)

21.「黄色い老犬」(57/ロバート・スティーブンソン)

22.「ミリオンダラー・ベイビー」(04/クリント・イーストウッド)

23.「キリング・フィールド」(84/ローランド・ジョフィ)

24.「パッション」(04/メル・ギブソン)

25.「カッコーの巣の上で」(75/ミロス・フォアマン)
26.「Dead Man’s Shoes」(04/日本未公開/シェーン・メドウズ)

27.「叫びとささやき」(72/イングマール・ベルイマン)

28.「チャイナタウン」(74/ロマン・ポランスキー)

29.「リービング・ラスベガス」(95/マイク・フィギス)

30.「縞模様のパジャマの少年」(08/マーク・ハーマン)

なお、ニュースソースはこちら。

「30 Most Depressing Movies」

映画史に残る作品が結構ランクインしていますね。

でも、こういう作品は程度にもよるけど、個人的には結構好きかも。

例えば、「ダンザー・イン・ザ・ダーク」「ソフィーの選択」「エレファント・マン」「ホテル・ルワンダ」「ナイロビの蜂」「カッコーの巣の上で」「チャイナタウン」とかが。

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2010/11/22

Movemberをめぐる冒険

ところで、皆さん、「Movember」ってご存知ですか。

「Movember」

「Movember」とは、11月の1ヶ月間髭を一切剃らずにはやし続けることにより、男性特有の癌に対する正しい知識を広め、早期発見のための検診受信の促進や、実際に癌で苦しんでいる人達のための基金を募る運動なのです。

女性特有の癌に対する運動である「ピンクリボン」のようなイメージで捕らえていただければわかりやすいですね。

なぜ、当ブログ「スティーヴン・キング研究序説 ココログ分室」でそんな話をしているか、と言うと今年の「Movember」にはジョー・ヒルが賛同しているからです。

Movember中のジョー・ヒル 写真は、2010年11月21日のジョー・ヒルの髭の様子です。

ジョー・ヒルは「Movember」の活動に積極的で、「Movember」のオフィシャル・サイト内に自分のページを作り、寄付を募っています。

ここのページを通じて寄付をすると、ジョー・ヒルのサイン本がもらえる、と言うボランティア・キャンペーンも行っています。

$100ドルの寄付で長編小説のサイン本を、$500ドルの寄付で「ハートシェイプト・ボックス」「HORNS」「20世紀の幽霊たち」と、「Locke & Key」のコミックブック3冊のサイン本がもらえる模様。

髭と言えば、スティーヴン・キングも日本で言うところのストーブリーグの期間、髭を剃らない、と言う話ですよね。

ジョー・ヒルのサイン本を日本に送ってくれるかどうかはわかりませんが、関心がある方は、是非「Movember」のジョー・ヒルのページを訪問してみて下さい。

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2010/11/21

様々な作品で言及されるスティーヴン・キング作品

たまたま先日、テレビアニメシリーズ「ザ・シンプソンズ」とか「サウスパーク」にスティーヴン・キングがカメオ出演したり、言及されているたりするエピソードの事を調べていたら、「Stephen King in popular culture」(米ウィキペディア)にぶち当たったので紹介する。

「Stephen King in popular culture」

ここでは、様々な作品で言及されているスティーヴン・キング作品が網羅されている。
これは非常に興味深いですね。

当ブログ「スティーヴン・キング研究序説 ココログ分室」でも以前紹介した作品がいろいろと紹介されていますね。

日本の作品でもいろいろとキング作品が言及されていますので、ちょっとだけやってみたいと思いますが、いかがでしょう。

日本全国1億人のキングファンの集合知の力でなんとかなりませんでしょうか。

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2010/11/20

「第二回 午前十時の映画祭」をめぐる冒険

20101120
2010年11月17日 「第二回 午前十時の映画祭」(2011年2月5日~)の開催決定がアナウンスされた。

「午前十時の映画祭」については以前のエントリー『「午前十時の映画祭」をめぐる冒険』を参照していただくとして、「第二回 午前十時の映画祭」について考えてみたいと思います。

「第二回 午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」

そもそも、「午前十時の映画祭」のコンセプトは映画の黄金時代(1950〜70年)を中心に外国の傑作娯楽映画50本を選んで全国25の劇場で1年間にわたり連続上映する、と言うものだったのですが、今回の「第二回 午前十時の映画祭」では、第一回の50本(Series1/赤の50本)のラインナップを新たに全国25の劇場で再上映すると共に、新たな50本(Series2/青の50本)の作品を第一回の上映劇場で上映するものです。

さて、気になるSeries2/青の50本は次の通り。

「甘い生活」
「アメリカン・グラフィティ」
「E.T. 20周年アニバーサリー特別版」
「麗しのサブリナ」
「エイリアン」
「大いなる西部」
「風と共に去りぬ」
「華麗なる賭け」
「がんばれ!ベアーズ」
「キャリー」
「禁じられた遊び」
「汚れなき悪戯」
「荒野の七人」
「荒野の用心棒」
「ゴッドファーザーPART II」
「サウンド・オブ・ミュージック」
「さよならをもう一度」
「サンセット大通り」
「ザッツ・エンタテインメント」
「シェーン」
「シザーハンズ」
「シベールの日曜日」
「シャレード」
「情婦」
「素晴らしき哉、人生!」
「007/危機一発(ロシアより愛をこめて)」
「卒業」
「ダーティハリー」
「タクシードライバー」
「月の輝く夜に」
「ディア・ハンター」
「ディーバ」
「友だちのうちはどこ?」
「鳥」
「ドクトル・ジバゴ」
「ナバロンの要塞」
「ハスラー」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
「バンド・ワゴン」
「ひまわり」
「フレンチ・コネクション」
「ブラック・サンデー」
「M★A★S★H」
「真夜中のカーボーイ」
「道」
「ミツバチのささやき」
「ヤング・ゼネレーション」
「夜の大捜査線」
「レベッカ」
「ロンゲスト・ヤード」

スティーヴン・キングファンとしては、第二回にブライアン・デ・パルマの「キャリー」(1977)が入っていることを喜びたい。

また、第一回のラインナップに入っていた「ショーシャンクの空に」(1995)と「スタンド・バイ・ミー」(1987)も新たな25の劇場で公開されるので、お見逃し無く。

ところで、東京では「TOHOシネマズ みゆき座」が第一回のラインナップを1年間にわたり終日上映することが決まった模様である。

つまり第二回の会期中、2011年2月5日以降の1年間は新作映画を一本も上映しない、と言う決断を下した、と言うことであろう。
もちろん「第一回 午前十時の映画祭」は現在まで大盛況で、わたしが通っている「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」では、土日のチケットが全然とれない状況が続いている。

かく言うわたしも、第一回のラインナップについては、大体20本位は観ていると思うのだが、チケットが取れずに見逃した作品も多い。

と言うのも、上映の前々日24:00からインターネット上で(vit)チケットが購入できるのだが、人気作品は24:00直後に瞬殺状況なのだ。

第一回のラインナップを終日上映する、と言うことは、夕方の回やレイトショーもあり、と言うことなので、観る機会が増えるのは喜ばしいところだが、その反面、希少価値が減じてしまい、ビジネスとしてやっていけるのかどうか一抹の不安が否定できない。

まあ、何はともあれ旧作を劇場で、しかもニュープリントで観ることが出来る、と言う素晴らしい企画なので、是非参加したいと思うし、これからも続けて行って欲しいと思う。

因みに明日は「北北西に進路を取れ」を観にいくよ。

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2010/11/17

「ヘイヴン -謎の潜む町-」と「コロラド・キッド」をめぐる冒険

ペイパーバック版「コロラド・キッド」のカバーアート 皆さん、ユニバーサル・チャンネルで絶賛放送中のテレビシリーズ「ヘイヴン -謎の潜む町-」を見てますか。

「ヘイヴン ー謎の潜む町ー」

鋭い洞察力と度胸を兼ね揃えた優秀なFBI捜査官オードリー・パーカー(エミリー・ローズ)は、ある事件の調査でメイン州の小さな町ヘイヴンを訪れる。

一見どこにでもありそうな小さな町に見えたが、実は度重なる超自然現象によって長年影響を受け続けた人々の避難場所であることにオードリーは気付く。

やがて町の人々の潜在能力が露になり、オードリーが状況の悪化を防ぐため人々を助ける中、ヘイヴンに隠された多くの秘密が解き明かされていく。
さらには、オードリー自身とこの奇妙な町が深く結びついている事実も明かされていく。

まるで「ツイン・ピークス」ミート「Xファイル」じゃないか。
「ヘイヴン」の最初の3話を見たわたしの感想である。

しかも、なんだか知らないが、わたしの知っている「コロラド・キッド」の物語と内容が全く違うぞ。

と言うのも、皆さんご承知のように、テレビシリーズ「ヘイヴン」は、スティーヴン・キングの「コロラド・キッド」を原作
とするテレビシリーズなのだ。

ところで、件の「コロラド・キッド」はどんな物語だったかと言うと、スティーヴィーおじさんも顔負けのお話好きの老新聞記者の2人組ヴィンスとデイヴが、インターンシップで新聞社ウィークリー・アイランダー社にやって来たオハイオ州立大学の女子大学院生ステファニーに、かつてこの町で起きた摩訶不思議な事件(コロラド・キッド事件)の調査結果を語る、と言う物語である。

そして、彼ら老新聞記者達にとっては、このコロラド・キッド事件は非常にプライベートの事件で、彼らの人生に非常に大きな足跡を印した事件なのだ。

そう、コロラド・キッド事件は本土からやってきたような新聞記者には決して教えられない種類の秘密の事件なのだ。

そんな「コロラド・キッド」の読後感としてはハリイ・ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」とか、ロバート・グレイスミスの「ゾディアック」のような印象を受けるし、映画「瞳の奥の秘密」の登場人物が過去のある事件の影響を受ける設定とも似たような印象も受ける。

おそらく「コロラド・キッド」については、結末の付け方から賛否両論なのだと思うし、キング自身のあとがきにも、『本書「コロラド・キッド」がお気に召したか、あるいは腹立たしくてならなかったかにも左右されるが、(この作品に限っては、中間領域はないのではないかと作者は思っているし、それはそれでかまわない)、(後略)』と記されている。

余談だか、わたしは「コロラド・キッド」について肯定的な印象を持っている。
だって、面白いから。

なお「コロラド・キッド」の解釈については、巻末の吉野仁の解説がキングファンとして切歯扼腕する程素晴らしい。

同書「コロラド・キッド」はご存知のように、新潮文庫版「ダーク・タワー」シリーズの刊行を記念してプレゼントされた非売品なので、今から入手するのは困難だが、入手できる機会があれば、それを逃さずゲットして欲しいと思う。

「コロラド・キッド」本編は勿論、キング自身のあとがき、そして吉野仁の解説も必読の書籍に仕上がっている。

そんな中、わたしはテレビシリーズ「ヘイヴン」を見ている訳である。

そのうちレビューするよ。多分。

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2010/11/16

訃報:ディノ・デ・ラウレンティス

シドニー・ポラック(右)とディノ・デ・ラウレンティスの「コンドル」コンビ 2010年11月10日。イタリア出身の映画プロデューサー ディノ・デ・ラウレンティスが亡くなった。

なお、ディノ・デ・ラウレンティスはスティーヴン・キング原作作品の「炎の少女チャーリー」「デッド・ゾーン」「地獄のデビル・トラック」「ブロス/やつらはときどき帰ってくる」の製作総指揮を、「キャッツ・アイ」「死霊の牙」の製作を担当している。

彼のフィルモグラフィーはコチラ(allcinemaonline)コチラ(IMDb)を参照願います。

写真は、シドニー・ポラック(右)とディノ・デ・ラウレンティスの「コンドル」のコンビ。

伊映画プロデューサーのデ・ラウレンティス氏が死去

【ローマ11日AFP時事】イタリアの代表的な映画プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティス氏(写真)が米ロサンゼルスで死去した。91歳だった。家族が11日、当地で明らかにした。

フェデリコ・フェリーニやロベルト・ロッセリーニといった名監督と組んで一時代を築いた後、米ハリウッドに移るなど、生涯で500本以上の映画を製作した。

1919年8月8日、ナポリ近郊生まれ。初期のプロデュース作品に「にがい米」(1949年)がある。56年には製作を担当したフェリーニ監督の「道」が米アカデミー賞を受けた。2001年には同賞の特別賞、アービング・G・タルバーグ賞を受賞。

米国に移ってからも、アル・パチーノ主演の「セルピコ」(73年)、「キング・コング」(76年)、「ハンニバル」(2001年)など多くの映画を製作した。 〔AFP=時事〕

こどもの頃、わたしの映画人性が始まった頃の話。

ディノ・デ・ラウレンティスの名前は魔法のような響きを持っていた。

デ ィ ノ ・ デ ・ ラ ウ レ ン テ ィ ス。 口の中で転がす異国の名前。

当時のわたしはプロデューサーと言う仕事が何をする仕事なのかは全く知らなかったが、その映画にラウレンティスの名前がクレジットされているだけでその映画は傑作に思えた。

わたしがそれほど映画にうるさくなかった時代の事である。

大人になったわたしにとってラウレンティスの名前は嘲りの対象となった。

でもぼくはラウレンティスの映画を愛している。

すばらしい映画を、そうでもない映画を、そしてくだらない映画をありがとう。

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2010/11/15

「モンキービジネス」にキングに関する白石朗のエッセイが!?

「モンキービジネス 2010 Fall vol.11 幽霊、影、分身号」 2010年10月20日にヴィレッジブックスから出版された、柴田元幸責任編集の文芸雑誌 「モンキービジネス 2010 Fall vol.11 幽霊、影、分身号」に翻訳家:白石朗(敬称略)のスティーヴン・キングとその作品に関するエッセイ「残したもの、残されたもの」が掲載されている。

「モンキービジネス 2010 Fall vol.11 幽霊、影、分身号」

さて、件の白石朗のエッセイ「残したもの、残されたもの」だが、アメリカ同時多発テロ事件から「彼らが残したもの」、そしてキングの分身ともいえる様々なキャラクターや作品の紹介、更には文藝春秋から近刊予定のキングの最新長編「ドームのもとへ(仮)」へと、キングファン必読のエッセイとなっている。

関心がある方は是非ご一読を。

因みにこの「モンキービジネス」と言う雑誌は、「モンキービジネス宣言(の・ようなもの)」によると、『海外・日本の新しい小説やエッセイを中心に、新しくない小説やエッセイなんかもちゃっかり混ぜて、こっちが面白いと思う文章を並べた雑誌にしたいとは思っている。』(柴田元幸)とのことである。

価格は最新号は、1,890円(税込)とちと高いが、読んでみると確かに面白い小説が並んでいる。
「モンキービジネス」は、連載小説が少ないので、文芸雑誌を買ったことない人にも結構オススメの文芸雑誌だと思う。

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2010/11/14

「スペル」をめぐる冒険

「スペル」 さて、今日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。

で、今日俎上にあげるのはサム・ライミの映画「スペル」

「スペル」
監督:サム・ライミ
脚本:サム・ライミ、アイヴァン・ライミ
視覚効果監修:ブルース・ジョーンズ   
特殊メイク効果:グレゴリー・ニコテロ、ハワード・バーガー
音楽:クリストファー・ヤング
出演:アリソン・ローマン(クリスティン・ブラウン)、ジャスティン・ロング(クレイ・ダルトン)、ローナ・レイヴァー(ガーナッシュ夫人)、ディリープ・ラオ(ラム・ジャス)、デヴィッド・ペイマー(ジャックス氏)、アドリアナ・バラーザ(ショーン・サン・デナ)

銀行のローンデスクで働くOL、クリスティン・ブラウン(アリソン・ローマン)は、ライバルの同僚に勝ってアシスタントマネージャーに昇進するため、支店長のジャックス(デヴィッド・ペイマー)の「出来る」ことをアピールする必要に迫られていた。

そこに客として現れたのは、ガーナッシュと名乗るジプシー風の老婆(ローナ・レイヴァー)。クリスティンは自分の出世を意識し、彼女の3度目の不動産ローンの延長願いをキッパリと断る。すると老婆は態度を豹変。激怒し、クリスティンに飛びかかろうとしたところを警備員に取り押さえらわ、その場を追いやられた。

その夜、仕事が終わって駐車場に向かったクリスティンを待ち受けていたのは、あの老婆。敵意むき出しに掴みかかる老婆に必死に抵抗するクリスティン。しかし死に物狂いの応戦むなしく、力尽きる。

老婆にコートの袖口のボタンを引きちぎられたクリスティンは、聞きなれない呪文のようなものを聞く。「次はお前さ。私に請いにくるんだ」と言い残した老婆は、ボタンをクリスティンに渡し、その場から消えていった。

さて、今日の本題だが、「スペル」のどの辺がキングかと言うと、キングファンの目で見ると「スペル」は、スティーヴン・キング(リチャード・バックマン名義だけど)の「痩せゆく男」の影響を受けている、としか思えないのです。

で、どの辺が「痩せゆく男」かと言うと、ネタバレを避けつつ考えると、次のような類似点があげられます。

ジプシーの呪い
呪いがかけられる場所は自動車の付近
呪いを他人に受け流す方法が存在する
動くスイーツ
・・・・

あまり細かいことはネタバレになるので書けませんが、是非比較して見てください。

作品自体はよく出来ています。

従来のサム・ライミのホラー作品と比較すると、洗練されすぎているため、ちょっと違和感がありますね。

「ギフト」「シンプル・プラン」も同様なのですが、洗練されすぎていて、サム・ライミのゴリ押しの勢いがそがれている様な印象を受けます。

「死霊のはらわた」シリーズのような、荒削りな疾走感が欲しいですね。

脚本は予定調和的、と言うか、ありきたりではありますが、充分に鑑賞に堪えうるクオリティを持っています。

また美術や特殊効果もすばらしいですね。

作品としてはホラーの小品、と言う感じで誰にも勧められる良作だと思います。
若干グロ描写がありますが、許容範囲内でしょう。

「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミしか知らない人に是非見ていただきたいと思います。

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2010/11/13

「松尾たいこ My Life with a DOG」をめぐる冒険

「松尾たいこ My Life with a DOG」 2010年11月12日 東京渋谷区代官山のギャラリー「GALLERY SPEAK FOR」で開催されているイラストレーター松尾たいこ(敬称略)の個展「松尾たいこ My Life with a DOG」に行ってきた。

「松尾たいこ My Life with a DOG」
会場:GALLERY SPEAK FOR
会期:2010年11月12日(金)~24日(水)

松尾たいこ アーティスト/イラストレーター

広島県生まれ。第16回ザ・チョイス年度賞鈴木成一賞受賞。著作に「空が高かったころ」、江國香織との共著「ふりむく」、角田光代との共著「Presents」「なくしたものたちの国」がある。手がけた書籍装画に「奇想コレクション」シリーズ、「日本の古典をよむ」シリーズ、「スティーブン・キング」シリーズ、横山秀夫「クライマーズハイ」、桐野夏生「白蛇教異端審問」、カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」など。雑誌、広告、ジュエリーデザインなども手がけている。

TAIKO MATSUO ART-WORKS

松尾たいこと言えば、スティーヴン・キングファンとしてはご承知のように「リーシーの物語」、新版「シャイニング」、新版「ミザリー」の表紙の装画でおなじみだと思うが、それ以外にも、現在まで190冊以上の書籍の装画を手がけ、今回の個展のテーマ「My Life with a DOG」のコンセプトになっている集英社の文芸雑誌「小説すばる」の表紙にいたっては4年にわたり表紙を描き後年はエッセイも担当している。

また、先般、松尾たいこは、NHK「トップランナー」でも紹介され、現在日本で最も多忙なイラストレーターの一人だと言えるのではないだろうか。
書店に足を運んだ場合、松尾たいこのイラストを見ない事があり得ない程の超売れっ子振りである。

そんな中、東京渋谷区代官山のギャラリーGALLERY SPEAK FORで個展が開催され、その初日にはオープニング・パーティとトーク・イベントがある、と言うことなので行ってみた訳である。

わたしが会場入りしたのは、トーク・イベントの開始直前の18時45分頃だったろうか、会場は立錐の余地がない程の大盛況で、松尾たいこの人気の高さを再確認させられた。

「松尾たいこ My Life with a DOG」トーク・イベント トーク・イベントは「小説すばる」の編集長である徳永真(敬称略)を聞き手に迎え、「小説すばる」の表紙の制作秘話が次々と披露された。

「小説すばる」の表紙は当初は風景画の予定だったがたまたま犬をワンポイントで描いたらそれが恒例になったとか、約50枚の表紙があるが、原則的に同じ犬種は描かないとか、月刊誌なので先月号と色彩を変えていたとか、例えば4月号を4回描かなければならない苦労だとか、「小説すばる」の特集テーマを如何にして描くかとか、犬好きの2人の軽妙な話が興味深かった。

ところで、今回の個展のテーマは「My Life with a DOG」と言う事で、展示されている作品の半数は4年以上にわたって担当した「小説すばる」の表紙で、残りの半数はツイッター上で「今日の一枚」として毎日のように描いていたイラストのうち、犬を題材にしたイラスト。

「松尾たいこ My Life with a DOG」 また、恐縮だがトーク・イベントが終わってから、サインをいただいた。
本来ならば、今回の個展のテーマ「My Life with a DOG」に関するサインをいただくべきだったとは思うのだが、スティーヴン・キングファンとしては、2008年に開催された個展「松尾たいこ Parallel World 〜私の視線〜」の際の「シャイニング(新装版)」のポストカードにサインをいただいた。

余談だが、松尾たいこさんは最近金髪にしたのだが、本人的には新装版「シャイニング」の表紙に描いたダニーに雰囲気が似ていると思っている模様。確かに、似ているとわたしも思った。

個展の会期は、11月24日(水)までなので、関心がある方は是非行ってみて下さい。

余談ですが、ギャラリーとか画廊とかには行った事がないので敷居が高いな、と思っている人も中にはいるんじゃないかと思いますが、全然そんなことはありませんし、絵を売りつけられそうになる事もありませんし、一見さんお断りでもありません。ただ単に無料で絵が見られる美術展みたいなものですので、臆せず挑戦してみましょう。

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2010/11/04

映画「ダーク・タワー」シリーズは2013年5月17日公開か!?

「ダーク・タワー」シリーズの映像化プロジェクトについてだが、Comic Book Movie.comが2010年10月29日に伝えたところによると、「ダーク・タワー」シリーズの映像化(映画:全3部作、及びテレビムービー)の最初の1本の映画は2013年5月17日に公開される模様。

The Dark Tower Gets A Release Date

これを受けて、スティーヴン・キングのオフィシャル・サイトでは、次のように伝えている。

Release Date for the First Film Announced

Source: ComicBookMovie.com verified by NBC Universal

ComicBookMovie.com has reported that NBC Universal has set the release date for the first Dark Tower film. Opening May 17th 2013, the first film will be released just in time for the summer movie season.

基本的に、NBCユニバーサルの関係者の確認をComic Book Movie.comが取ったことのようだが、個人的にはまあ、噂程度の信頼度だと思います。念の為。

因みに5月公開の3部作と言えば、「スター・ウォーズ」を思い出しますね。

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2010/11/03

11月6日のNHK「トップランナー」は「イラストレーター 松尾たいこ」です。

20101106
11月6日のNHK「トップランナー」は、以前のエントリー『「トップランナー・松尾たいこ」の収録をめぐる冒険』紹介したように「イラストレーター 松尾たいこ」です。

「トップランナー イラストレーター 松尾たいこ」
日時:11月6日(土) 22:30~
放送局:NHK総合
MC:箭内道彦、田中麗奈

松尾たいこは、いま日本で最も多忙な女性イラストレーターの一人である。手がけた本の装丁画は190冊。ほかにも広告ポスター、パッケージデザインなど、女性を中心に大人気なのだ。
その特徴は色づかいだ。松尾の描く空には、ブルーのほかにピンク、黄色とカラフルな色の帯がたゆたう。グラデーションは用いず、はっきりした色の組み合わせで描く松尾のイラストは、ポップだけどクール、やわらかだけど力強い。番組では、MC箭内道彦が松尾の制作現場を訪れ、その作品世界が生み出される秘密を探る。

因みに、トップランナーのスタッフブログでも今回の「トップランナー イラストレーター 松尾たいこ」の紹介がされている。

「遅咲きの、超人気イラストレーター」

ご参考。

「松尾たいこブログ」

なお、2010年11月12日より東京・代官山のギャラリースピークフォーで松尾たいこの個展が開催される模様です。

「松尾たいこ My Life with a DOG」
会期:2010年11月12日(金)~11月24日(水) 11:00~20:00
会場:東京・代官山のギャラリースピークフォー

11月12日には、トークイベントも実施されるようです。
詳細はこちらをご覧になってください。



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2010/11/02

「スティーヴン・キングの話」→「キャッスルロック・ヘラルド」

スティーヴン・キングに関する内外の話題を紹介するHARADAさんのブログ「スティーヴン・キングの話」のタイトルが「キャッスルロック・ヘラルド」に変更になりました。

ブログ・タイトルの変更事由はなんと気分転換だそうです。

更に、「キャッスルロック・ヘラルド」の中の人がツイッターをはじめましたので、そちらもフォローしていきましょう。

@CastleRockH

余談ですけど、ブログのタイトルに「ヘラルド」がついてますので、できれば毎日の更新を期待してます。
と、軽くプレッシャーをかけてみます。

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2010/11/01

"Full Dark, No Stars"の限定版が!?

「FULL DARK, NO STARS」限定版
2010年11月に出版が予定されているスティーヴン・キングの新作短篇集(中篇集)「FULL DARK, NO STARS」についてだが、既にツイッターではお知らせした通り、Cemetery Dance Publicationsから限定版が出版される。

しかしながら、既に「スティーヴンキングの話」のエントリー『"Full Dark, No Stars"の豪華装丁版(サイン版はすでに売り切れ)』で紹介されているように限定版のうち、サイン入りエディション(750部限定)サイン入りレタード・エディション(52部限定)は売切れの模様。
現在購入できるのは、次のエディションのみ。

Full Dark, No Stars (Slipcased Special Edition)

因みに、オフィシャル・サイトでも限定版の出版についてアナウンスされている。

Full Dark, No Stars - Deluxe Special Editions

限定版はイラスト満載のようですよ。

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