『翻訳ミステリー長屋かわら版・第4号』にキングの話題が!?
2010年12月17日 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」のブログエントリー「翻訳ミステリー長屋かわら版・第4号」で、翻訳家の白石朗氏がスティーヴン・キングの「Under the Dome」の翻訳について語っている。
記録のため、全文を引用する。
『このミステリーがすごい! 2011年版』(宝島社)の「我が社の隠し玉」コーナーで文藝春秋の担当者氏より情報が公開されていますが、スティーヴン・キングの 「Under the Dome」は拙訳で現在出版にむけて着実に作業が進行中です。比較的長尺作品を翻訳することが多い小生ですが、この作品で最長記録を更新しました。400字詰め原稿用紙換算で3149枚、プリントアウトで12センチ。キング自身の作品のなかでは「ザ・スタンド」「IT」に続く長さだそうです。突如、若干の空気と水以外なにものも通過させない正体不明の透明なバリア〈ドーム〉によって文字どおり全世界から切り離されたメイン州の人口2000人のスモールタウン。その〈ドーム〉のもとで展開される凄絶かつ濃密なドラマを、キングが冒頭からラストまで「アクセルを踏みっぱなしで」書きあげた新たなるモニュメント。ご期待ください。
白石朗(しらいしろう:1959年の亥年生まれ。進行する老眼に鞭打って、いまなおワープロソフト「松」でキング、グリシャム、デミル等の作品を翻訳。最近刊は「デクスター 夜の観察者」。ツイッターアカウント@R_SRIS)
因みに、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」については、当ブログ(「スティーヴン・キング研究序説ココログ分室」)でも何度か紹介させていただいているので、繰り返しの感は否めないが、同シンジケートのプロモーションの一環として巻頭言を再度引用しておく。
シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパン、エルキュール・ポアロ、ミス・マープル、エラリー・クイーン、フィリップ・マーロウといった主人公が活躍する翻訳ミステリーは、日本でも古くから紹介され、長く親しまれてきました。その伝統は今も受け継がれ、さらに多くの魅力的な主人公が新たに紹介されています。スペンサー、ミロ・ミロドラゴヴィッチ、マット・スカダー、ハリー・ボッシュ、ジャック・フロスト、リンカーン・ライムといった名探偵、名刑事たちです。しかし、残念ながら、日本における彼らの知名度はシャーロック・ホームズに遠く及びません。翻訳ミステリーの面白さは少しも変わっていないのに。いや、むしろ作品の質も量もより豊かになっているのに。
そんな現状に一石を投じ、ひとりでも多くの方々に翻訳ミステリーを手に取ってもらう一助になればと思い、このたび『翻訳ミステリー大賞』を創設しました(発起人=小鷹信光、深町眞理子、白石朗、越前敏弥、田口俊樹)。年間ベストを選ぶこの手の賞はすでにいくつもありますが、現在活躍中の翻訳者にかぎっての投票で選ばれるところが本賞の特長です。つまり、翻訳者が自ら選ぶ翻訳大賞というわけです。
本サイトはそうした翻訳ミステリー大賞を脇から支援する目的で、書評家、編集者、翻訳者の 有志によって起ち上げられました。さまざまな角度から翻訳ミステリーの魅力について考え、みなさんが翻訳ミステリーをより広くより深く愉しまれるためのお 役に立てれば、と思っています。翻訳ものにはこれまであまりなじみのなかった方から年季の入ったマニアまで、幅広い方々に愉しんでいただけるサイトにして いく所存ですので、どなたにもお気軽にアクセスしていただければ幸いです。なお、コンテンツは土日を除いて毎日更新される予定です。
言わずもがなながら、執筆者はみな翻訳ミステリーをこよなく愛する人々です。
翻訳ミステリー大賞シンジケート幹事 田口俊樹
で、今回紹介した「翻訳ミステリー長屋かわら版」だが、現在、絶賛活躍中の翻訳者の皆さんの近況を伝えるコーナーで、翻訳家の皆さんが翻訳している真っ最中の書籍の情報は勿論、翻訳者自身の普段の生活や独り言のようなものを通じ、普段は裏方に徹している翻訳者の皆さんの横顔を垣間見ることが出来ると言う、翻訳好きの皆さんには堪らない、非常に興味深いブログエントリーだと思います。
関心がある方は是非「翻訳ミステリー大賞シンジケート」のサイトを訪問してみて下さい。
| 固定リンク | 0
« キングのUstreamライヴチャットの映像公開! | トップページ | ‘The Dark Tower’: Ron Howard’s plans (and passion) for Stephen King epic »
コメント