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2011/02/13

キングに関する村上春樹の最新コメントが!?

「村上春樹 雑文集」 村上春樹がスティーヴン・キングファンだと言うのは、既に皆さんご承知の事だと思いますが、2011年1月31日に新潮社より出版された村上春樹の最新書籍「村上春樹 雑文集」にスティーヴン・キングに関する村上春樹の(おそらく)最新のコメントが掲載されている。

「村上春樹 雑文集」

1979-2010 未収録の作品、未発表の文章から著者自身がセレクトした69篇。

デビュー作「風の歌を聴け」受賞の言葉。エルサレム賞スピーチ「壁と卵」『海辺のカフカ』中国語版に書いた序文。ジャズ、友人、小説について。そして二つの未発表超短編小説。「1995年」の考察、結婚式のお祝いメッセージ。

著者:村上春樹
イラスト・解説対談:和田誠・安西水丸
発行形態:書籍
判型:四六判変型
頁数:438ページ
ISBN:978-4-10-353427-3
ジャンル:文学、エッセイ
発売日:2011/01/31

さて、本書「村上春樹 雑文集」と言う書籍は、村上春樹の「前書き」によると、『作家としてデビューしてから三十年余り、あれこれの目的、あちこちの場所のために書いてきて、これまで単行本として発表されなかった文章がここに集められています。エッセイから、いろんな人の本の序文・解説から、質問に対する回答から、各種あいさつから、短いフィクションまで、実に「雑多」としか言い様のない構成になっています。未発表のものもけっこうあります。』と言う事である。

その本文中にキングに関するコメントがいくつか出てくるのだが、勿論本文中に出てくるコメントは、村上春樹が過去のある時点に書いたものである。しかしながら、その文章の冒頭に村上春樹が書いた紹介文がついているのだ。

従って、その紹介文は、掲載されている文章が書かれた時点のコメントではなく、本書「村上春樹 雑文集」がまとめられた時点、つまり村上春樹によるキングに関する最新のコメントだと推測することができる。

それでは気になる最新コメントを紹介しよう。

「スティーヴン・キングの絶望と愛----良質の恐怖表現」

1985年6月に北栄社から出た「モダンホラーとU.S.A.----スティーヴン・キングの研究読本」という本のために書いたものです。当時はキングさんは今ほど有名ではなかった。だから僕としては彼の作品の優れた点を、広くアピールしたかったわけです。最近新しく出た彼の作品はそんなに熱心に読んでいないけど、当時は新刊が出るとすぐに買って読んでいました。

いかがだろう。

以前の村上春樹は、キングの新刊小説が出るとすぐに買って読んでいたのだが、最近はあまり熱心に読んでいない、と言うことのようである。

そんなに熱心に読んでいない、と言う事は、少なくても少しは読んでいる、と言う事だと解釈する。

因みに、本文によると、村上春樹はキング作品を原書で読んでいるようである。

ところで、余談だが、この文章が元々掲載されている「モダンホラーとU.S.A.----スティーヴン・キングの研究読本」(1985)をわたしは多分2冊位所有していると思うのだが、先ほどわたしの広大なアーカイブ(嘘)を軽く捜索したのだが、残念ながら見当たらなかった。なお、本書は2002年に新装刊として再販になっている。

ところで、本書「村上春樹 雑文集」は非常に興味深い書籍に仕上がっている。
小説ではなく、エッセイてもない、なんらかの目的を持ったストレートな文章が面白い。

つまり、小説のように行間を読ませる文章ではなく、またエッセイのように目的が曖昧な文章でもなく、何らかの目的を持った非常に指向性の高い直接的な文章が新鮮で心地よい。

また、興味深いのは、私見ではあるが、村上春樹が文章を書く原動力は「怒り」だと昔から思っていた。そして村上春樹は常にいろんなことに腹を立てているのだと思う。

そのあたりも楽しめる人には楽しめると思う。

関心がある方は是非手に取っていただきたいと思う。

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