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2011/05/30

「アンダー・ザ・ドーム」こぼれ話 その1 クエンティン・タランティーノをめぐる冒険

さて皆さん、どうでしょう。
そろそろ「アンダー・ザ・ドーム」を読了されましたでしょうか。

今日のエントリーは「アンダー・ザ・ドーム」を読んでて、個人的にちょっと気になった点を紹介してみたいと思う。
今日はその第1回。

さて、「アンダー・ザ・ドーム」を読んでいて気になったのは、様々な映画や小説、テレビムービーへの言及が非常に多い事。

そして、そのほとんどは、タイトルや登場人物の名前が明言されているので、どの作品について言及しているのかが非常に分かりやすい。

しかし、何故かタイトル等が明言されていない作品もある訳です。
今日はそのタイトルが明言されていない作品について考えて行きたいと思います。

1.「キル・ビル」

「アンダー・ザ・ドーム」上巻 p101 下段 13行目

対処するのはあとのこと・・・・・・しかし、時間を置いて対処したほうがよい。復讐の旨味がいちだんと増すからだ。

Usually at some later date . . . but sometimes later was better.
Sweeter.

ここは名訳ですよね。

この部分を読んで思い出したのは、言い回しは異なるものの、クエンティン・タランティーノの「キル・ビル」(欧米公開版)冒頭のタイトル・カード。

"Revenge is a dish best served cold" - Old Klingon proverb.

"復讐は冷製仕立てに限る" - クリンゴンの古いことわざ

※ 意訳はtkr。

これは、「スタートレック」好きのタランティーノが「スタートレック2/カーンの逆襲」から引用したものだと思われるのだが、このことわざは聞くところによると元々はシチリアのことわざらしいので、もしかするとマフィアのことわざなのかも知れません。

まあ「キル・ビル」では、ザ・ブライドが復讐を始めるまで、4年間昏睡していた訳ですから、このことわざは正にぴったりですよね。

ところで、4年間の昏睡と言えば、「デッド・ゾーン」のジョン・スミスを思い出しちゃいますよね。

で、キングはタランティーノの「キル・ビル」を暗に引用しているのではないかな、と思った訳。

それにより、ビッグ・シム・レニーが執念深いキャラクターだよ、と言ってる訳ですね。

2.「デス・プルーフ in グラインドハウス」

「アンダー・ザ・ドーム」下巻 p407 下段 19行目

「・・・・みんなでお弁当を食べおわったころ、わたしは写真を撮りたいといいだした。友だちはみんなふざけまわったり、いちゃついたりしてて、わたしは全員を写真におさめようと、どんどんあとずさっていったの。そのうち女の子のひとりが、(中略)大声で『だめ! リンダ、とまって!』って叫んできたの。わたしは足をとめて、あたりを見まわした。なにが見えたと思う?」
ジャッキーはかぶりをふった。
「大西洋。わたしは、いつのまにかピクニックエリアのいちばん端、断崖絶壁のすぐ近くまであとずさっていたのね。注意をうながす標識はあったけど、フェンスもガードレールもなかった。あと一歩さがってたら、わたしは崖からまっさかさまに落ちていたはずよ。(後略)」

これも、まさしくタランティーノ節。

と言うのも、このリンダが語るエピソードは、「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」のゾーイ・ベルのエピソードとほとんど同じなのだ。

もっとも、ゾーイはスタントウーマンと言う設定なので、--実際、彼女はスタントウーマンなんですが--、崖から落っこちても元気で崖を上ってくるキャラクターとして描かれている。
そしてこのエピソードがクライマックスの素晴らしいアクションシークエンスの伏線となっている訳ですね。

「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」そう考えた場合、おそらく、キングはリンダ・エヴェレットのキャラクターをゾーイ・ベルをイメージして構築したのではないか、と思った訳。

ところで、「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」で、ゾーイ・ベル等が最終的に対峙するキャラクターはスタントマン・マイク。

自分の車のボンネットに「コンボイ」のラバーダックのメタル製のオーナメントを付けている男。(写真参照)

このマッチョなあひるの格好をしたオーナメントがわたしには、ビッグ・ジム・レニーに見えている訳です。

なぜ、タランティーノ作品が2本も、しかも他の作品への言及のようにタイトル等を明言するのではなく、暗に仄めかしているのか。

謎は深まる。

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