日本推理作家協会の会報に白石朗さんのエッセイが!?
日本推理作家協会の会報「日本推理作家協会会報」2011年4月号の『リレー・エッセイ「翻訳の行間から」』に白石朗さんのエッセイ「ベランダの亀と翻訳と」が掲載され、日本推理作家協会のサイトでも公開されています。
内容は、白石さんが飼育している亀(シッピ)の成長日記的なエッセイなのですが、文藝春秋社から刊行されたスティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」の翻訳秘話が含まれています。
記録のため、「アンダー・ザ・ドーム」の翻訳に関する部分を引用しますが、亀のシッピの飼育の部分も、亀への愛情溢れる愛すべきエッセイになっていますので、是非ご一読を。
亀は脱皮しても、亀の世話のあいまに進めていた仕事の脱稿はもう少し先でした。スティーヴン・キング史上でも三番めに長く、邦訳で三千枚を越す大長篇「ア ンダー・ザ・ドーム」。正体不明の透明かつ破壊不能な〈ドーム〉に高空から地中深くまで覆われ、文字どおり周囲から完全に隔絶された小さな町を舞台にした 本作の翻訳では珍しい経験をしました。訳了が近づくと、ふだんの解放感ではなく、町やその住民たちと離れるのが心なしか寂しくなったのです。翻訳で長いあいだ接したがゆえの感傷でしょうか。
いまは、本にする前の訳者校正のまっさい中。凄絶なクライマックスを訳しているころに毎日旺盛な食欲を発揮していた亀はのんきに冬眠中ですが、こちらは 赤ペン片手に鋭意作業中。これを書きおえたら、ふたたびゲラをひらきます。いざ本になって発売されるころには、亀も冬眠から覚め、また餌をほしがりだすことでしょう。
因みに、白石さんの亀シッピは、白石さん( @R_SRIS )のツイートにも時々登場しますし、亀や甲羅の写真も公開されていたりしています。
さて、それでは一体その日本推理作家協会とは何ぞや、と言う話なのだが、同サイトの「巻頭言」によると、
日本推理作家協会は、広い意味でミステリーと関わりのある作家、評論家、翻訳家、漫画家など、さまざまなエンタテインメントのプロの集まりです。ミステリーそのものの定義も、いわゆる本格的な探偵小説、推理小説からハードボイルド、冒険、サスペンス、SF、ホラーと、際限もなく広がりつつあります。当協会は、そうしたエンタテインメントの担い手が結集した、もっとも活気のある文芸団体といえましょう。
とのことである。
今後の活動が気になる団体ではありますね。
| 固定リンク | 0
コメント