「アンダー・ザ・ドーム」こぼれ話 その2 なぜ「飛行機とウッドチャック」なのか?
さて皆さん、どうでしょう。
そろそろ「アンダー・ザ・ドーム」を読了されましたでしょうか。
今日は「アンダー・ザ・ドーム」を読んでて、個人的にちょっと気になった点を紹介してみたいと思う。
今日はその第2回。
スティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」と言う作品の構成上の特徴として興味深いのは、比較的キャッチーなタイトルがそれぞれの章についている、と言う点。
上巻から章のタイトルを引用すると次の通り。
「飛行機とウッドチャック」
「バービー」
「ジュニアとアンジー」
「幹線道路と閑散道路」
「鳥がたくさん死んでるな」
「同時多発カス事態」
「おれたちみんなでチームを支えてる」
「すべては町のため、町民の利益のために」
「祈り」
「気を狂わせ、盲目にし、精神を錯乱させられた者」
「これでもまだ最悪の事態じゃない」
「にゃっく-にゃっく-にゃっく」
「ミサイル攻撃迫る」
「嵌めてやったぞ」
「ピンクの星が降っている」
「波に乗っている」
「檻にぶちこむ」
いかがですか。面白そうでしょ。
さて、今日の本題は冒頭の章「飛行機とウッドチャック」について。
ウッドチャックと聞いて思い出したのはキングの「ハイスクール・パニック」。
「ハイスクール・パニック」の冒頭、チャールズ・デッカーが窓から外を眺めると、芝生にいるウッドチャックを見つける。
いや、違うぞ、あれはウッドチャックではなくリスだった。
折角なので「ハイスクール・パニック」の冒頭の一節を引用する。
ごきげんな朝だった----気分のいい五月の朝。気分よく過ごせたのは、朝食をちゃんと食べられたせいと、代数IIの時間にリスを見かけたせいだ。
残念、あれはウッドチャックではなくリスだった。
それでは冒頭にウッドチャックが出てくる作品とは・・・・
そう、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」だ。
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」のファースト・カット。本作ではシリーズのお約束通りに、パラマウントのロゴからウッドチャックの巣にオーバーラップする。この直後、ウッドチャックはフレームインしてくる自動車に轢かれそうになる。轢かれて真っ二つなら正に「アンダー・ザ・ドーム」。
おそらくこの辺で、賢明な読者諸氏はわたしの言いたい事がわかったのではないだろうか。
スティーヴン・キングは「アンダー・ザ・ドーム」の冒頭にウッドチャックを登場させる事により、スティーヴン・スピルバーグの「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を引用し、「アンダー・ザ・ドーム」がどのような物語に発展するのかを暗示しているのだ。
しかもクリスタル・スカルを使うと・・・・
どうかな、わかっていただけるかな。
わかる人は今頃膝を叩いてると思うよ。
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