「文春図書館 2011ミステリーベスト10」にキングの作品が!?
2011年12月1日に発売された「週刊文春12月8日号」に掲載された「文春図書館拡大版 2011ミステリーベスト10」の海外部門の第10位にスティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」が選出された模様。
なお、この「2011ミステリーベスト10」は、日本推理作家協会会員及びミステリー作家、文芸評論家、書店員、各大学ミステリー研究会へのアンケート調査の結果によるものである。
中吊り広告でこの「2011ミステリーベスト10」の事を知ったわたしは、どうせ4ページ位の記事だろう、と高を括っていたのだが、見てびっくり、なんと全13ベージにも及ぶ長大な記事であった。
とは言うものの、キングファンとしては、国内部門に8ページ、海外部門に5ページと国内部門に偏重しているのが残念であった。
記事の構成としては、第1位の著者のインタビュー記事、ベスト10に選出された作品の概要と、その作品に対するひとくち書評、今年のミステリーに関するコラムと盛り沢山の内容である。
さて、気になる「2011ミステリーベスト10」については、タイトルと著者(海外部門については訳者)を紹介する。
国内部門
1.「ジェノサイド」高野和明
2.「折れた竜骨」米澤穂信
3.「開かせていただき光栄です」皆川博子
4.「マスカレード・ホテル」東野圭吾
5.「絆回廊 新宿鮫X」大沢在昌
6.「ユリゴコロ」沼田まほかる
7.「麒麟の翼」東野圭吾
8.「メルカトルかく語りき」真耶雄嵩
9.「真夏の方程式」東野圭吾
10.「転迷 隠蔽捜査4」今野敏
海外部門
1.「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン/青木千鶴
2.「犯罪」フェルディナント・V・シーラッハ/酒寄進一
3.「エージェント6」トム・ロブ・スミス/田口俊樹
4.「007 白紙委任状」ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子
5.「ブラッド・ブラザー」ジャック・カーリィ/三角和代
6.「背後の足音」ヘニング・マンケル/柳沢由実子
7.「サトリ」ドン・ウィンズロウ/黒原敏行
8.「忘れられた花園」ケイト・モートン/青木純子
9.「探偵術マニュアル」ジェデダイア・ベリー/黒原敏行
10.「アンダー・ザ・ドーム」スティーヴン・キング/白石朗
折角なので、「アンダー・ザ・ドーム」に関するひとくち書評も紹介しようと思う。
村山実
クライマックス・シーンの迫力はなんとも言えず素晴らしい。キングの健在が確認できて嬉しい。
尾之上浩司
閉鎖空間内での先が読めない展開と人間ドラマに圧倒されること確実。
河内郁夫(大垣書店フォレスト)
この作家より先に死にたくない。長編三冊分のアイディアがつまっている。
ワセダミステリクラブ
要約を躊躇わせる膨大な物語の積み重ね。この大ボリュームは、これほどに細密な群像を描くために必要だったのだ。
宇田川拓也(ときわ書房本店)
人間の恐怖と狂乱が爆発する阿鼻叫喚の図は、まさに圧巻のひと言!
なるほど!
未読の方は是非読んでみよう。
近年稀に見る圧倒的な作品だよ。
余談だけど、「週刊文春12月8日号」の表紙はマンホールの蓋なんですよね。
キング的には、「IT」的な世界への入り口ですよね。
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