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2012/02/21

「Another」もキングの影響を!? その2

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さて、今日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。

今日、俎上に乗せるのは、綾辻行人の「Another(アナザー)」

先日のエントリー『「Another」もキングの影響を!?』で、アニメーション作品「Another」がスティーヴン・キングの影響を受けていることについては既に納得していただけていると思うが、今日はその原作である綾辻行人の「Another」について、いくつかの観点からそれを考察していきたい。特に「IT」からの影響を検証していきたい。

1.タイトル

「Another」のあとがきによると、「Another」のタイトルは、ロバート・マリガンの映画「悪を呼ぶ少年("The Other")」の原題とアレハンドロ・アメナーバルの映画「アザーズ("The Others")」の原題にインスパイアされている、とのことである。

これらの作品は全て代名詞がタイトルになっている。
その代名詞のタイトルから「Another」のタイトルが生まれたということである。

代名詞をタイトルに持つ作品と言えば「IT」である。
もちろん、あとがきには「IT」からの影響は明記されていないが、代名詞繋がりでキングの「IT」を意識していないとは考えられない。

2.構成

「Another」の構成は、全2部構成で、冒頭の章立てを一部引用すると、次のような構成になっている。

Part 1 What?............Why?
Introduction
Chapter 1 April
Chapter 2 May I
Chapter 3 May II
Chapter 4 May III
Chapter 5 May IV
Interlude I
Chapter 6 June I
・・・・

「IT」も基本的に過去と現在の二部構成で、冒頭の章立ては次のような構成になっている。
(  )内は翻訳版。

Part 1: THE SHADOW BEFORE (第一部 しのびよる影)
1 After the Flood (1957) (第一章 洪水のあと)
2 After the Festival (1984) (第二章 祭りの後)
3 Six Phone Calls (1985) (六つの通話)
Derry: The First Interlude (デリー 第一の間奏)

Part 2: JUNE OF 1958 (第二部 一九五八年六月)
Ben Hanscomb Takes a Fall (ベン・ハンスコム、ノックダウンのふりをする)
・・・・

どうだろう。
章立ての構成が似ていると思うのは、わたしだけだろうか。

この類似性、特に章の途中に、Interlude(間奏)が入っているなんて、と言うか、Interludeと言う言葉を使っているなんて、これはどう考えても偶然とは思えない。
おそらく確信的な「IT」への言及だろう。

3.26年前

「Another」では26年前の1972年にある怪異が起き、その26年後の1998年に物語が始まる。

その怪異自体は、1972年の翌年1973年から毎年のように起きていたりいなかったりしているのだが、その怪異から26年後と言う中途半端な年月には何か意味があるのかも知れない。

ご承知のように「IT」では、物語は1957年~1958年にはじまり、1984年~1985年に物語は終わりをむかえる。
ご承知のように「IT」がやってくる周期は約27年なのである。

26年と27年。
この中途半端な年月の類似性に何か感じるものはないだろうか。

4.記憶の喪失

「Another」の怪異を体験した人々のその怪異に関する記憶はだんだんと曖昧になっていき、そのうちにその怪異の記憶や、怪異の最中にいたクラスメイトの名前すら忘れてしまう。

「IT」でも同様に怪異の記憶は徐々に記憶の片隅からこぼれ落ちてしまう。
あの仲の良かった友だちの名前すら忘れてしまうのだ。

これも偶然とは思えない。

5.キング作品への言及

「Another」にはホラー小説がたくさん登場するのだが、キングについても同様で、次の作品が登場する。

「呪われた町」
「ペット・セマタリー」
「ミザリー」
「人間圧搾機」(「深夜勤務」に収録)

そして、これは他の作家の作品の「Another」への登場頻度と比較して圧倒的に多い。

これも偶然とは考えにくい。

6.書籍としての存在感

綾辻行人の妻は小野不由美である。
キングの「呪われた町」の影響を受けている「屍鬼」の小野不由美である。

どう考えても、綾辻行人本人も、キング作品に関心があると思える。

そして、「Another」の書籍としての存在感は非常に大きい。
ハードカバーの大きさや装丁を見て、「IT」「屍鬼」を思い出さずにはいられない。

そう、綾辻行人の「Another」には、キングの「IT」、小野不由美の「屍鬼」に匹敵するような圧倒的な禍々しきボリュームを感じる。

(参考)冒頭の写真。

7.その他

洪水とか、喘息の薬とか、浄化の炎とかいろいろ出てきます。

どうですか。
ここまできたら、もはや偶然とは思えないですよね。

「Another」はもう完全に「IT」の影響を受けている。

いつもはキングファンの妄想だと言うことで片づけていますが、今回は妄想ではないと思っています。

皆さんどう思いますか?

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