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2012/04/17

「さんかれあ」もキングの影響を!?

さて、今日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。

今日、俎上に乗せるのは、アニメーション作品「さんかれあ」

「さんかれあ」公式ホームページ/スクリーンショット

「さんかれあ」
監督:畠山守
原作:はっとりみつる(「別冊少年マガジン」/講談社)

ゾンビに萌えちゃう青春ラブストーリー
夢は「ゾンビっ娘とチュッチュする」こと!

ゾンビをこよなく愛する高校1年生・降谷千紘(ふるやちひろ)は、 ひょんなことから清楚可憐なお嬢様・散華礼弥(さんか れあ)と知り合い、 一緒に愛猫「ばーぶ」の“蘇生”に取り組むことに。

でも、礼弥が発したひと言 「私が‥ゾンビになったら、 責任取ってくれるってことですね‥‥?」が、まさか実現するなんて!? 史上初?

ゾンビに萌えちゃう青春ラブストーリー、ここに誕生!!

さて、本作「さんかれあ」のどの辺がスティーヴン・キングの影響を受けているのか、と言う話なのだが、この作品、キングの「ペット・セマタリー」の影響を受けていると思えてならないのだ。

また、本作「さんかれあ」は、ここしばらくの間、世界を席巻し続けているゾンビブームの中、日本国内でも同時多発的に発表されているゾンビ関連作品群の大きな潮流の中の1つの作品だと言える。

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」より
主人公の降谷千紘はゾンビ好きな高校1年生。ゾンビっ娘との萌えシチュエーションを夢見ている。

千紘の部屋にはホラー系の、特にゾンビに関するアイテムに満ちている様子が確認できる。

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」より
ある日、家族の一員である飼い猫ばーぶが近所のおじさんの軽トラックに轢かれて死んでしまう。

キングの「ペット・セマタリー」でも同様に、飼い猫のチャーチがトラックに轢かれて死んでしまう。

ところで、本作「さんかれあ」に登場する飼い猫ばーぶの名前だけど、ジョージ・A・ロメロの「死霊のえじき」に登場するバブから名前がとられているのではないか、と思える。
パブとは「死霊のえじき」に登場するゾンビで、ゾンビをコントロールすることを研究しているローガン博士にコントロールされ、若干の知性を持ったゾンビ。

余談だけど、バブは「死霊のえじき」の中でキングの「呪われた町」を読んでるんだよね。

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」より
実家が寺である千紘(中央)は、ばーぶを庭に埋葬する。寺の住職である千紘の父(左)が言うところによると、寺では動物の供養はできないようだ。右は千紘の妹の降谷萌路。

千紘の実家である寺の名称はなんと紫両寺(しりょうじ)。
いくら何でも紫両寺(しりょうじ)はないだろうと、ちょっとやりすぎのような印象を受ける。

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」より
千紘は、以前郷土資料館の手伝いをした際に、蘇生術について書かれた書物を見つけていた。

その蘇生術が記された書物がおさめられている桐の箱の表には、○の中に2つのRを図案化した記号が描かれている。
まあ順当に考えてResurrectionのことでしょうが、読めない記号と言うことで、キングの「IT」「アンダー・ザ・ドーム」に登場した記号を彷彿とさせる。

そして千紘の部屋の中には、様々なホラー関係のアイテムがところ狭しとディスプレイされているのが確認できる。

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」より
千紘はその書物を参考に、地元の人も寄りつかない場所にある、廃ボーリング場で死んだばーぶを蘇生させようとする。

「ペット・セマタリー」では、ルイスは隣人ジャドの案内で、死んだ動物が蘇生する場所、地元の人も寄りつかない呪われた場所にチャーチを埋めることになってしまう。

「さんかれあ」第1話「私が…ゾンビに…なったら」より
ひょんな事から知り合った千紘と散華礼弥は協力してばーぶの蘇生に取組む事になる。

「さんかれあ」って、一体何だろうと思ってましたが、このヒロインの散華礼弥が文字通り「さんかれあ」だったんですね。
「キャリー」と同様の、所謂タイトル・ロールと言う奴ですね。

「さんかれあ」第2話「成功…してた」

「さんかれあ」第2話「成功…してた」より
何度目かの蘇生薬の生成に、礼弥が摘んできた紫陽花を使ってみたところ・・・・

蘇生薬の色は蛍光紫。
紫陽花の花を使ったためだと思うけど、個人的には「ZOMBIO/死霊のしたたり」の死体蘇生薬のように蛍光緑にして欲しかったところですね。

「さんかれあ」第2話「成功…してた」より
やはり失敗だったか・・・・

「さんかれあ」第2話「成功…してた」より
しかし、自宅に戻った千紘は、幼なじみの左王子蘭子にばーぶの死体を入れたアイスボックスを奪われてしまう。蘭子は無理矢理アイスボックスを開け、その瞬間、アイスボックスからは生前のばーぶとは思えない俊敏な猫が飛び出してきた。

蘇生したばーぶは、生前のばーぶと比較して、ワイルドでダーク、そして非常に俊敏な印象である。

猫が違ったかのような印象。
「ペット・セマタリー」でも戻ってきたチャーチは以前のチャーチとは違ってしまっていた。

ここまでが第2話までの物語。

今後の物語の流れとしては、礼弥は何らかの事由で一旦は死んでしまうが、礼弥が隠し持っていた蘇生薬でゾンビとして蘇生し、千紘と礼弥のゾンビ萌えシチュエーションが展開するのだと思うのだが・・・・

「ペット・セマタリー」も同様に、猫のチャーチの次は、ルイスの長男ゲージが蘇ってくるが・・・・

といったところ。

いかがだろう。
「さんかれあ」「ペット・セマタリー」の共通点は見えてきただろうか。

取りあえずしばらくは見守っていきたいと考えている。

以下追記

猫のばーぶは「死霊のえじき」のバブから名前をとっているのではないか、と言う話は先ほど書いたが、その他の登場人物についても少し考えてみた。

降谷 千紘(ふるや ちひろ)←ルチオ・フルチ
降谷 萌路(ふるや めろ)←ジョージ・A・ロメロ

散華 礼弥(さんか れあ)←「サンゲリア」

この「サンゲリア」→散華礼弥(さんかれあ)説は、小説家の我孫子武丸さんが気にしていたで、わたしは当初は違うのではないかな、と思っていた。

と言うのも、「さんかれあ」の主要登場人物の命名は、どうやら映画監督の名前から来ているらしいことに気付いていたため、散華礼弥(さんかれあ)もゾンビ映画の監督の名前から来ているのではないか、と思っていたのだ。

しかし、「さんかれあ」と言う作品タイトルにも不思議な感覚を受けていたのも事実である。
ある種、異常なタイトルのような気がしていた。

もしかしたら、原作者のはっとりみつる氏が大の「サンゲリア」ファンで「サンゲリア」に似たタイトルで漫画を描きたいと思っていたのではないか、とまで思っていた。

ここでワン・ステップ・ビヨンド。

「サンゲリア」の監督はルチオ・フルチではないか。

本作「さんかれあ」は、ルチオ・フルチのメタファーである降谷千紘が、散華礼弥をゾンビにする作品である。

ルチオ・フルチの創作物が「サンゲリア」であるならば、降谷千紘の創作物が「サンゲリア」のメタファーたる散華礼弥ではないのか、と。

これはありだ。

「さんかれあ」「サンゲリア」
散華 礼弥(さんか れあ)←「サンゲリア」

ところで、アニメでは明示されていないのだが、ばーぶを可愛がっていたのは、千紘ではなく、妹の萌路なのではないか、と思える。

と言うのも、萌路はジョージ・A・ロメロのメタファーなのだから、「死霊のえじき」に登場するバブのメタファーであるばーぶを可愛がって然るべきなのだ。

ついでに降谷家は、紫両寺(しりょうじ)←「死霊のえじき」なのだから。

ちょっと妄想気味ですが、ね。

因みに、第1話「私が…ゾンビに…なったら」の英語タイトルは「Wellful of Wails」
wellfulなんて単語は辞書に載っていないが、wellは井戸なので、
「井戸いっぱいの嘆き」とでも言うつもりなんだろうか。

同様に第2話「成功…してた」の英語タイトルは「Being Sanka Rea」
第3話「さんか…れあ」に続くのね。Beingの次は・・・・


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コメント

第1話の13分08秒で、千尋が蘭子に渡したDVDのタイトルが『ザンゲリアンウォーズ』でしたね

投稿: 帰路 | 2012/04/25 21:05

コメントありがとうございます。

なるほどです。

確かに、そんなタイトルだったような気がします。

あとで確認してみます。

また面白い話がありましたら教えてください。


投稿: tkr | 2012/05/01 22:38

確認しました。
確かに「サンゲリアンウォーズ」(FACE OF ZOMBIE/LOS SANGRIENTOS DIABLOS)って書いてありますね。

投稿: tkr | 2012/05/01 23:25

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