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2014/06/01

萩尾望都、吾妻ひでおもキング好き

2014年5月31日に、青山ブックセンター本店で開催された『「愛するあなた 恋するわたし 萩尾望都 対談集 2000年代編」(河出書房新社) 刊行記念 萩尾望都 トークイベント』に行って来た。トークイベントのゲストは吾妻ひでお。

トークイベントの内容は、漫画家を目指すきっかけ、二人の出会い、当時の状況、同世代の漫画家、同人誌時代、「COM」の発刊、ぐら・こん、漫画合作の経緯、相手の作品の印象、読んできた漫画、印象深いSF小説等々多岐にわたり、興味深い2時間だった。

その中で、スティーヴン・キングの話が出た。

きっかけは吾妻ひでおの「キングは好きですか」との問いかけ。

それに対して萩尾望都は、キング作品が好きであることを明言し、特にキング作品の構成や、無駄なもの、余計なものが一切ない登場人物グループの動かし方を高く評価していた。

また、萩尾望都はキング作品の物語のラストにおいて、解決しない何か、例えばそれは神や悪魔のような存在であったり、超常現象であったりするのだが、それらが解決されずに余韻として残る構成が素晴らしいと考えていることを明言した。

また同時に、吾妻ひでおの「11/22/63」は読んだか、と言う問いかけには読んだと答え、吾妻ひでおはそれを引き継ぎ「11/22/63」のプロットを観客に説明、一旦トークの流れは他の作品に流れたものの、最終的に吾妻ひでおは「11/22/63」のラストシーンの素晴らしさを語った。

因みに吾妻ひでおは従来から数多くの小説の感想を「ひでお日記」等で公開しており、時々キング作品にも触れているのだが、今回のように公の場で、比較的長い時間をかけてキング作品について語るのは珍しいことかも知れない。

なお、今回のトークイベントの準備段階において、吾妻ひでおは膨大なページ数の読書メモを萩尾望都に渡しており、ハインライン、ブラウン、ウェルズ、ヴォークト、ウィンダム、クラーク、ブラッドベリ、ディック、星新一、筒井康隆、平井和正、光瀬龍、飴村行、田中哲弥等の作品に触れ、作品によっては評価や解説を加えていた。

その中で特筆する形で、スティーヴン・キングの作品、特に「11/22/63」に触れた訳。

余談だが、萩尾望都が豆の莢でエイリアンが育つ設定のジャック・フィニィの「盗まれた町」のタイトルがあやふやになり、「呪われた町」「呪われた村」どっちだったっけ、と繰り返していたのが印象的だった。「呪われた町」はご承知のように、キングの吸血鬼ものの小説で「呪われた村」はウィンダムの侵略ものの小説。

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