「インターステラー」もキングの影響を
さて、今日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。
今日、俎上に乗せるのは、クリストファー・ノーラン監督作品「インターステラー」(2014)。
まずはこのスチールを見ていただきたい。
わかりにくいかも知れないが、このスチールは「インターステラー」の登場人物であるマーフ(ジェシカ・チャステイン)が、アポロ11号月着陸船イーグルの模型を本棚に戻そうとしている姿であり、その本棚のちょうど月着陸船イーグルの模型を戻すところにスティーヴン・キングの「ザ・スタンド」があるのが確認できる。
「インターステラー」の物語では、少女時代のマーフ(マッケンジー・フォイ)の部屋に幽霊が出る。その幽霊は本棚の本を落としなんらかのメッセージをマーフに伝えようとしている。その際月着陸船イーグルの模型が壊れてしまう。
また「インターステラー」の舞台となる地球では異常気象のため食料飢饉が世界中で発生しており、特定の農産物が罹患するウィルスにより多くの農産物や植物が絶滅しかけている。アメリカ合衆国はその対策として、科学技術より農業に予算が割り振られ、過去の科学技術の成果、特にアポロ計画は対ソ連向けのプロパガンダであり、実際には月に人類は到達していないことになっており、学校でもアポロ計画はソ連の国力を疲弊させるためのプロパガンダ政策であった、という教育がされている。
それではなぜ「ザ・スタンド」が「インターステラー」に登場したのか、という話だが、「ザ・スタンド」の物語は端的に言うと、軍の細菌兵器研究所から流出したウイルスにより人類の大半が死滅し文明が一旦は破壊されるが、そこから新しい文明が生まれる、という物語である。
それを考えながら「インターステラー」の物語を考えてみる。
「インターステラー」の物語では植物が罹患するウイルスのため農作物や植物は減少し、近い将来酸素が足りなくなり人類の存続が危惧されている。そのウイルスのため、科学技術の無駄を避け人類の存続に予算を割くため、アポロ計画はなかったことにされ、(ウイルスのメタフォーである「ザ・スタンド」がアポロ11号の月着陸船イーグルの模型を破壊する)、結果的には人類の絶滅を防ぐためNASAは極秘裏に人類の移住先を探索するラザロ計画を発動させ、人類をそして文明の復興・維持を図る。
どうだろう、「ザ・スタンド」が「インターステラー」に登場した理由として、これは許容できるだろうか。
仮についてこれないとしても、少なくともクリストファー・ノーランには「ザ・スタンド」を「インターステラー」に明示的に登場させた理由はあったに違いない。
まあちょっとした余談だが「インターステラー」の主役のマシュー・マコノヒーは「ダークタワー」(2017)で黒衣の男 / ウォルターを演じている。
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