「The Witch/魔女」もキングの影響を!?
さて、今日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。
今日、俎上に乗せるのは、韓国映画「The Witch/魔女 」(2018)。
「The Witch/魔女 」
監督・脚本:パク・フンジョン
出演:キム・ダミ(ジャユン)、チョ・ミンス(Dr.ペク)、チェ・ウシク(謎の人物)、パク・ヒスン(Mr.チェ)
あらすじ:謎の施設で育てられていたジュヤンは8歳の時に施設を脱走した。組織を脱走した際に過去の記憶を失っていた彼女は偶然助けられた酪農家の娘として暮らすことになった。
10年後。頭に致命的な病気を抱えるジャユンは、その手術費用と養父母の生活のため、賞金目当てでアイドルオーディションを受けることを決意。しかしテレビ番組でマジックを披露したことから、それを見た謎の施設に追われる身になってしまう。
物語の設定については若干古くさいありきたりの印象を受ける。このプロットは1980年代によく使われたもの。秘密組織の人体実験である種の能力を得た登場人物が施設を脱走し、組織がその人物を追う、と言うプロット。1980年代はオカルト思想からの超能力、超自然的な能力を持つ登場人物が追われる物語が多く作られた。
スティーヴン・キングファンとしては「ファイアスターター」(1980)やその映画化作品「炎の少女チャーリー」(1984)が想起されるだろう。
さてそんな「The Witch/魔女 」 だが、どのあたりがキングの影響を受けているのか、と言う話だが、次のスチールを見ていただきたい。
おわかりだろうか。
このスチールは主人公ジュヤンの部屋のものだが、その壁紙が映画「シャイニング」(1980)のオーバールックホテルのカーペットの模様である。
ここで監督のパク・フンジョンは何を表現しようとしているのか。
短絡的に考えると酪農家夫妻に引き取られたジュヤンの部屋そのものがオーバールックホテルのメタファーだと言うことになり、ジュヤンの部屋そのものがオーバールックホテル同様の悪しき場所と言うことになる。しかしながら物語構造としては一概にそうは考えられない。
おそらくだがパク・フンジュンはオーバールックホテルのメタファーを意図したのではなく、その意図は映画「シャイニング」へのオマージュ程度で、「シャイニング」で描かれた超自然的な能力が本作「The Witch/魔女」でも描かれているよ、程度ではないだろうか。
また前述のように、スティーヴン・キング繋がりで本作「The Witch/魔女」と設定が類似している 「ファイアスターター」の設定に対する言及なのかも知れない。
しかし、先ほどの話とは逆に、もしかしたらジュヤンの部屋は本当に悪しき場所を示しているのかも知れない。
つまりジュヤンは、オーバールックホテルに取り込まれてしまったダニーをイメージしてキャラクター設定されているのかも知れない。
まあ、とにかく「The Witch/魔女」はキングファンとしては「ファイアスターター」の設定に似ている、と言うだけではなく、それを斜め上に突破するプロットが楽しめる良い作品に仕上がっており、続編が期待されている。
関心があればぜひ。
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