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2020/11/01

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のタイトルデザインもキングの影響を

少し古い記事だが、2016年8月のArt of the Titleの記事が興味深い。

映画のタイトルデザインを扱うサイトである Art of Title が行った「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016)のメインタイトル・シークエンスのクリエイティブ・ディレクターであるミッチェル・ドゥハティへのインタビューを記事にしている。
なお「ストレンジャー・シングス 未知の世界」 のメインタイトルは2017年エミー賞のメインタイトルデザイン賞を受賞している。 

Stranger Things Art of Title


Stranger Things | Title Sequence [HD] | Netflix

今回紹介する記事は「ストレンジャー・シングス」のメインタイトルについてなのだが、ご存知の通り「ストレンジャー・シングス」の物語自体は1980年代のポップカルチャーの影響を大きく受けており、そのポップカルチャーの大きな潮流の一つとしてスティーヴン・キング作品の影響がある。

さてそれではどのあたりがスティーヴン・キングの影響を受けているのか、と言う話だが、「ストレンジャー・シングス」のメインタイトル・シークエンスのクリエイティブ・ディレクターであるミッチェル・ドゥハティはメインタイトルの製作について次のように語っている。

タイトル・シークエンスの製作に関する最初の電話会議は「ストレンジャー・シングス」の製作総指揮のショーン・レヴィがセッティングし、本作のショーランナーであるザ・ダファー・ブラザーズ(マット・ダファー、ロス・ダファー)が持っているイメージについて話し合われた。

その中で彼らは「ストレンジャー・シングス」 メインタイトルのイメージは、著名なタイトル・デザイナーであるリチャード・グリーンバーグが製作した次の作品のメインタイトルを例示した。「グーニーズ」(1985)、「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」(1980)、「エイリアン」(1979)、「アンタッチャブル」(1987)、「デッド・ゾーン」(1983)等々。

その電話会議の後、彼らは彼らが、1980年代当時楽しみ親しんだ何冊かのペーパーバックをメインタイトルのタイポグラフィの参考にするように送ってきたが、それらの大半はスティーヴン・キング作品のものだった。

これらによって彼らは「ストレンジャー・シングス」 のタイトルに、1980年代のノスタルジックなイメージを求めていることがわかった。

Paperback インタビュー記事では明示されていないが、画像で紹介されている作品は次の通り。

「デッドゾーン」スティーヴン・キング
「ザ・スタンド」スティーヴン・キング
「キャリー」スティーヴン・キング
「Killer Crabs」ガイ・N・スミス
「The Cats」ニック・シャーマン
「ニードフル・シングス」スティーヴン・キング

彼らは、これらのペーパーバックのタイポグラフィのシンプルさだけではなく、リチャード・グリーンバーグが手がけた作品のメインタイトルを愛していることがわかり、彼らはフォントで勝負することを求めていることがわかった。

これはデザイナーにとって夢のような仕事だと感じた。

その後、彼らは第一話の脚本を送ってきて、撮影はまだ始まっていない中、シリーズ全体の詳細な説明を行った。彼らが求めているのは不気味さや不安さであることがわかり、バラバラになっているタイトルの文字が音楽に合わせて動く案の検討を始めた。

撮影前にタイトルデザインを検討する時間があることは珍しいことでかつ素晴らしいことだった。

彼らは撮影を始め、一区切りついたところでタイトルデザインの検討に戻る、と言う流れを繰り返した。

ミッチェル・ドゥハティが属している制作会社はグリーンバーグの制作会社から派生していることもあり、今回の「ストレンジャー・シングス」のタイトルデザインは、グリーンバーグの系譜にあたることについては、特に問題とは考えておらず、リスペクトすることはむしろ光栄なことだと感じていた。以前はオフィスでグリーンバーグを何度も見かけたことがあるし。

グリーンバーグの作品以外で影響を受けた作品としては、もちろんグリーンバーグの「デッドゾーン」については詳細に分析したが、それ以外にはパブル・フェロがデザインした「ブリット」(1968)を参考にした。

このあとのインタビュー記事は技術的な話になって行くので、簡単にまとめます。

タイトルデザインの文字の動きについてはダファー・ブラザーズの感触がよくなく、何回もやり直しを行い、1980年代のクリエイターの助言を受けて、デジタル製作(MAXON CINEMA 4Dを少し使用したが、ほとんどはAdobe After Effectsを使用)だが1980年代の技術をベースにした光学的な表現に落ち着いた。

1980年代の作品でお気に入りの不気味な作品は、「グーニーズ」(1985)、「E.T.」(1982)、「スター・ウォーズ」(1977-1983)、特に「エイリアン」(1979)。

インタビュー記事についてはやっつけ仕事の意訳なので関心がある方は是非【Stranger Thing】を参照願います。

製作途中のタイトルの動画や静止画も掲載されているので、いろいろと興味深いです。

また「ストレンジャー・シングス 未知の世界」自体はキングファンに超おすすめの作品です。

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」は現在のところ、全3シーズン。全25話。シーズン4の製作が発表されている。

関心がある方は是非、Netflixで。

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」 Netflix


「ストレンジャー・シングス 未知の世界」第1話 特別映像 - Netflix [HD]

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