歴史上最も危険な小説とは?
2012年1月26日に、Flavorwireが伝えるところによると、スティーヴン・キングの「ハイスクール・パニック」が「歴史上最も危険な小説」(The Most Dangerous Novels of All Time)に選ばれた模様。
なお、「ハイスクール・パニック」("Rage")はリチャード・バックマン名義で発表されたスクールシューティングを描いた作品。
The Most Dangerous Novels of All Time
この記事が言うところの「歴史上最も危険な小説」(The Most Dangerous Novels of All Time)とは、様々な事件の引金となったと言われている小説、犯罪者がその小説に影響を受けてその犯罪を犯したと言われている小説、犯罪者が愛読していた小説を指す。
それでは、この記事が言うところの「歴史上最も危険な小説」(The Most Dangerous Novels of All Time)を紹介しよう。
「悪魔の詩」 サルマン・ラシュディ著
「ハイスクール・パニック」 スティーヴン・キング著
(リチャード・バックマン名義)
「密偵」 ジョセフ・コンラッド著
「ライ麦畑でつかまえて」 J・D・サリンジャー著
(「キャッチャー・イン・ザ・ライ」)
「アンクル・トムの小屋」 ハリエット・ピーチャー・ストウ著
「Turner Diaries」 ウィリアム・ルーサー・ピアース著
(アンドリュー・マクドナルド名義)
「ツァラストラはこう言った」 ニーチェ著
「時計じかけのオレンジ」 アントニー・バージェス著
「コレクター」 ジョン・ファウルズ著
「ファウンデーション」シリーズ アイザック・アシモフ著
いかがだろうか。
それぞれの作品がどのような理由で危険なのかは、それぞれの作品についてのコメントを参照願いたい。
ところで、わたしの基本的なスタンスとしては、小説や映画、特にホラー作品や犯罪作品の影響で犯罪を犯した、と言う短絡的な思考には賛同しかねるが、その反面、小説や映画が人の人生に影響を与えている、と言う点については首肯せざるを得ない。
今回紹介した記事では、様々な犯罪を犯した人がこれらの小説の影響を受けていたり、愛読していたり、と言う事が書かれているが、耳半分に聞いておくのが丁度良いのではないか、と思う。
折角なので、キングの「ハイスクール・パニック」の部分を引用する。
The first of King’s novels to be written under the pseudonym “Richard Bachman,” Rage details a high school student who goes off the rails, killing several teachers and holding a room full of kids hostage. Since its publication it has been associated with several similar crimes, including that of Michael Carneal, who brought a gun to school and opened fire on a youth prayer group before laying down his gun and saying “Kill me, please. I can’t believe I did that.” He had a copy of Rage in his locker. “The Carneal incident was enough for me,” King said in an address to the Vermont Library Conference in 1999. “I asked my publisher to take the damned thing out of print. They concurred.”
この記事では「ハイスクール・パニック」が何故危険な作品として選出されたのかを語っているのだが、その背景を含めて簡単に紹介する。
スティーヴン・キングの「ハイスクール・パニック」はスクールシューティングを描いた作品である。
1997年にスクールシューティング事件 Heath High School shooting を起こした Michael Carneal は自分のロッカーにキングの「ハイスクール・パニック」をしまっていた。
それを知ったキングは「ハイスクール・パニック」を絶版とし、自らの作品リストから外した。
と言う事。
| 固定リンク | 0
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント