カテゴリー「レビュー/小説」の22件の投稿

2012/07/23

〈イーヴル・ニーヴル・コース〉をめぐる冒険

ロンドンで13台のバスを飛び越えるイーヴル・クニーヴル(Evel Knievel)/但し失敗/骨盤と背骨を骨折
さて、本日のエントリーは、ジョー・ヒルの「ホーンズ 角」に登場する〈イーヴル・ニーヴル・コース〉に関する余談。

「ホーンズ 角」
著者:ジョー・ヒル
翻訳:白石朗
装画:ヴィンセント・チョン
出版社:小学館(小学館文庫)

さて早速だが、「ホーンズ 角」に〈イーヴル・ニーヴル・コース〉が初めて登場するのは第一部《地獄》。イグが祖母の車椅子が坂を転がり落ちていくところを見て、かつて自分が〈イーヴル・ニーヴル・コース〉をショッピングカートに乗って下ったことを思い出すシーン。

祖母は肩から頭をもちあげ、すぐ肩にもどし、またもちあげて、弱々しく身をよじっていた。車椅子はきれいに刈りこまれた緑の芝生の上を転がっていく。片側の車輪が岩にぶつかり、大きく跳ねて岩を越え、さらに先へと進んでいく。イグは十五歳のときのことを〈イーヴル・ニーヴル・コース〉をショッピングカートでくだった日のことを思った。あれはまちがいなく、人生の転換点の一日だった。あのときも、これほどのスピードが出ていたのだろうか? (p111より引用)

これを読んだ時点で〈イーヴル・ニーヴル・コース〉と言う表現に違和感があった。これは〈イーヴル・クニーヴル・コース〉の間違いではないのか、と。

そして、同時に〈イーヴル・ニーヴル・コース〉とはどうやら坂のことで、以前イグがショッピングカートに乗って下ったことがあることがわかり、その出来事が彼の人生の中で大きな転換点となったこともわかる。

更に、おそらくだが、イグの少年時代、イグら少年たちが〈イーヴル・ニーヴル・コース〉と呼ぶならわす急な下り坂があり、当時の少年たちは、マウンテンバンクやスケートボードのような様々な乗物で坂を下ることにより、自らの度胸と力量を仲間たちに示していたことが推測できる。

そして、そう考えた場合、その坂の名前〈イーヴル・ニーヴル・コース〉は、どう考えても1970年代後半に活躍したアメリカの超有名なスタントライダーであるイーヴル・クニーヴル(Evel Knievel)の名前からとられているのではないか。とするとやはり正しくは〈イーヴル・クニーヴル・コース〉なのではないか、と。

1970年代後半には、日本国内でもイーヴル・クニーヴルが紹介され、ずらっと並べた自動車やトラックやバス、はたまた寝転んだ多くの人々の上や、橋がかかっていない峡谷をバイクで飛び越える様が水曜スペシャル等で放送されていたり、イーヴル・クニーヴルの名前がついたおもちゃが販売されたりしていた。

当時のイーヴル・クニーヴルは少年たちのヒーローだったのだ。

続く第二部《チェリーの木》に〈イーヴル・ニーヴル・コース〉の描写がある。イグがショッピングカートで〈イーヴル・ニーヴル・コース〉を下る直前の描写である。

ふたりはほっそりとした体格のブロンドの少年----名前はどうやらリー・トゥルノー----に近づいていき、〈イーヴル・ニーヴル・コース〉の出発点に近づくと、ふたたび歩調を落とした。その先で丘は急斜面の下り坂で、川にむかっている。その川が、松の木の黒々とした幹のあいだに濃紺のきらめきとなってのぞいていた。ここはかつて未舗装路だったが、車でここから川まで下る人間がいたとは想像できない。勾配が急で路面が抉れ、転覆事故を起こすにはうってつけの目のまわりそうな下り坂なのだ。この下り坂のコースには、錆ついて半分埋もれた二本の鉄パイプがのぞいていた。パイプにはさまれた部分は、人の往来で土が固くなめらかに突き固められた窪みになっていた。これまでに一千台ものマウンテンバイクや一万本もの裸足が通ったことで固められ、つるつるに磨きあげられた窪み。(p134より引用)

この〈イーヴル・ニーヴル・コース〉は、「ホーンズ 角」にとって非常に重要な舞台のひとつであり、本編中、何度もなんども登場する。

そんな中、2012年7月21日に「ホーンズ 角」の読書会、題して『「ホーンズ 角」円卓会議』が開催されることになった。

わたしは「ホーンズ 角」の原書を持っていなかったので、〈イーヴル・ニーヴル・コース〉が原書でどのように表現されているのかわからなかったのだが、『「ホーンズ 角」円卓会議』参加者の@yoshida222320さんが、きっと持って来てくれると信じていた。

読書会の度に膨大な関連資料を会場に持ち込む@yoshida222320さんは、『「ホーンズ 角」円卓会議』には、US普及版ハードカバーの「HORNS」と、UK版限定500部サイン入り箱入りハードカバー「HORNS」、そして検索し易いキンドル版「HORNS」を会場に持ち込んでいた。

わたしはすぐに@yoshida222320さんに原書を借りて、〈イーヴル・ニーヴル・コース〉を調べた。

その時点の可能性としては、1. ジョー・ヒルが間違っている可能性、2. ジョー・ヒルがわざと間違えている可能性、3. 翻訳の白石朗さんが間違えている可能性、4. わたしが勘違いをしている可能性が考えられた。

そして原書には、Evel Knievel と表記されていた。

おや、白石さん、間違えちゃったかな。

わたしは鬼の首を取ったような気分だった。

しかし、その数秒後、数秒後だよ、日本では以前はイーヴル・クニーヴルと呼ばれていたが、最近はイーヴル・ニーヴルと呼ばれている、と言う情報が!

そして、アメリカでは、KnievelのKがサイレントでニーヴルと呼ばれているのではないか、と言う情報も!

あわわわわ、白石さんごめんなさい。

どうやらわたしの勘違いだったようです。

でも、1970年代以降、わたしの中では、と言うか当時の少年たちの間では、彼はイーヴル・クニーヴルだったんです。

きっと、翻訳の際、〈イーヴル・ニーヴル・コース〉について、白石さんと編集の人との間で、いろんなやりとりがあったんだろうな、と想像します。

そうして、翻訳家と編集者の様々なやりとりの結果、より良い翻訳作品が生まれてくるんでしょうね。

※ 実際には、Evel Knievelはドイツ系の名前で、Kは実際は発音するようです。しかしアメリカではKを発音したりしなかったりしているようですが、日本ではイーヴル・クニーヴルと言う表記からイーヴル・ニーヴルと言う表記に変わっているようです。

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2012/07/12

「エクソシスト」で「ホーンズ 角」を読み解くヒント

さて、皆さん、ジョー・ヒルの「ホーンズ 角」はもう読み終わったかな、と言う訳で、今日はジョー・ヒルの「ホーンズ 角」に関する余談。

「ホーンズ 角」
著者:ジョー・ヒル
訳者:白石朗
出版社:小学館(小学館文庫)
内容:「ハートシェイプト・ボックス」「20世紀の幽霊たち」などで着実のその地位を確立してきたモダンホラーの貴公子、ジョー・ヒルの最高傑作が誕生した。フランツ・カフカの「変身」に匹敵するプロローグから、息も尽かせない地獄の描写が、壮絶のラストシーンまで続いている。長編ホラーの歴史を変える、著者渾身の一撃!

さて、今日の本題。
「エクソシスト」
「ホーンズ 角」を読み解くヒント

さて、「ホーンズ 角」のどの辺が「エクソシスト」なのか、と言う話なのだが、本書の巻末に掲載されている霜月蒼氏の解説「悪魔を憐れむ歌」でも「エクソシスト」からの引用が紹介されている。

ほかにも、メリン(Merrin)の名の綴りが「エクソシスト」に登場する神父メリン(Merrin)と同じだったり、クライマックスのある場面がアルフレッド・ベスターの名作SF「虎よ、虎よ!」を思わせたりと、意味ありげなモチーフはあちこちに見ることができる。読者それぞれの発見(それが邪推にすぎなくても)によって、本書の味わいはずっと豊穣となるはずだ。そういった多様な読みを刺激する種が、あちこちに仕掛けられているというわけである。

ここで、霜月蒼氏は、「ホーンズ 角」のメリンについての言及に触れているが、実は「エクソシスト」にとってもっと重要なキャラクターが「ホーンズ 角」で引用されている。

そのキャラクターとは「エクソシスト」で悪魔に取り憑かれる少女リーガン(Regan)。

一方「ホーンズ 角」に登場するリーガン(Regan)はメリンの姉で20歳で亡くなっている。

リーガンは進行の早い珍しい種類の乳癌をわずらって、二十歳で死んだとのことだった。発見から死去まで、わずか四ヵ月だった。(p242)

そしてそのリーガンは死期が近づくと、メリンに汚い言葉を吐きかけるようになった。

「あの子はすごく苦しんでいたよ」デイルはいった。その次に吐いた息は妙な具合に震えていた。「その苦しみのせいで、あることないことをしゃべっていてね。ほとんどは口先だけの言葉だったと思う。あの子は根っからの善人だった。わが子ながらきれいだった。だからそういった面を思い出そうと努めはするんだが、思い出されてくるのは死期が近づいたころのあの子のことばかりだ。体重はかろうじて三十五、六キロになっていて、そのうち三十キロは憎しみの念だった。とても許せない言葉を、メアリーに吐きかけていたよ」(p609〜)

ここで「エクソシスト」を思い出してみよう。

皆さんご存じのように悪魔に取り憑かれたリーガンは汚い言葉を吐き続ける。

事実、IMDb「エクソシスト」のMemorable quotes(記憶すべき引用/印象的なセリフ)の多くが四文字ワードで満ちている。

つまり、癌に冒されると、まるで悪魔に取り憑かれたかのように汚い言葉を吐き続ける、と言う事なのだ。

そう、「ホーンズ 角」では、癌を悪魔のメタファーとして使用している。

癌に冒されることは、悪魔に取り憑かれること。

そして、それを踏まえて「エクソシスト」のラストを基に「ホーンズ 角」の物語を考えると・・・・

ねっ、結構面白いでしょ。


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2012/02/04

「なまづま」もキングの影響を!?

「なまづま」 さて、今日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。

今日、俎上に乗せるのは、堀井拓馬の「なまづま」 

「なまづま」
著者:堀井拓馬
出版社:角川書店(角川ホラー文庫)
あらすじ:激臭を放つ粘液に覆われた醜悪な生物ヌメリヒトモドキ。日本中に蔓延するその生物を研究している私は、それが人間の記憶や感情を習得する能力を持つことを知る。他人とうまく関われない私にとって、世界とつながる唯一の窓口は死んだ妻だった。私は最愛の妻を蘇らせるため、ヌメリヒトモドキの密かな飼育に熱中していく。悲劇的な結末に向かって…。選考委員絶賛、若き鬼才の誕生!第18回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。(本書裏表紙より引用)

さて、本作「なまづま」のどの辺りがキングの影響を受けているのか、と言う話なのだが、本作の物語は先ほど引用したように、死んだ妻をヌメリヒトモドキを利用し蘇らせようとする物語である。

そこから短絡的に考えると本作「なまづま」は、キングの「ペット・セマタリー」の影響を受けている、と言う事になるだろう。事実わたしも、そのつもりで本作を読み進めていた。

しかし、ラスト一行でそれは完全にひっくり返る。
冒頭のカレンダーの部分が凄まじい勢いで蘇ってくる。

あぁ、本作「なまづま」「グリーン・マイル」だったのだ、と。

ところで、「グリーン・マイル」と言う物語はどんな物語だったのか、と言うと、奇跡を信じていなかったポール・エッジコム(パウロ)は、奇跡を行うジョン・コーフィ(JC)を目の当たりにすることにより、奇跡の存在を信じるようになり(パウロの回心)、ジョン・コーフィを自らの手で電気椅子に送り込んだ後、その奇跡の物語を永遠に伝え続ける事を余儀なくされてしまう物語である。

一方「なまづま」はどう言う物語なのか、と言うと、妻の死を乗りこえるため、一日いちにちを地道に生き抜いていた主人公は、ヌメリヒトモドキを利用し死んだ妻を蘇らせようとするが、そのヌメリヒトモドキは想像以上に妻に近い存在になってしまう。最終的に彼は永遠に延ばされた人生を一日いちにち生き抜きながら、この物語を伝え続ける事を余儀なくされてしまう物語である。

いかがだろう、本作「なまづま」は、関心が出てきた方にはオススメの一冊である。

ところで、亡くなってしまった愛する人をなんらかの手段で蘇らせようとする作品は、古今東西にたくさんあるのだが、それらの多くの作品では、蘇ってきた存在は、元の存在以下の存在であるケースがほとんどだと思う。

キング的には「ペット・セマタリー」もそうだし、その元ネタとなっている「猿の手」も同様である。

日本においても、「日本神話」におけるイザナギ・イザナミの神話においても同様だと言える。

ここで興味深いのは本作「なまづま」では、ヌメリヒトモドキをよりしろとして蘇った存在は、死んだ妻と同様、またはそれ以上の存在になりそうな印象を受ける。
しかし、ヌメリヒトモドキの妻を愛するようになってしまった主人公にとって、それは許容できない状況になってしまうのだが、ね。

余談だけど、「なまづま」を読了した後にこの表紙の装画(笹井一個)を見ると、感慨深い印象を受けるよ。作品にぴったりの素晴らしい装画です。



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2011/06/14

「アンダー・ザ・ドーム」こぼれ話 その2 なぜ「飛行機とウッドチャック」なのか?

さて皆さん、どうでしょう。
そろそろ「アンダー・ザ・ドーム」を読了されましたでしょうか。

今日は「アンダー・ザ・ドーム」を読んでて、個人的にちょっと気になった点を紹介してみたいと思う。

今日はその第2回。

スティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」と言う作品の構成上の特徴として興味深いのは、比較的キャッチーなタイトルがそれぞれの章についている、と言う点。

上巻から章のタイトルを引用すると次の通り。

「飛行機とウッドチャック」
「バービー」
「ジュニアとアンジー」
「幹線道路と閑散道路」
「鳥がたくさん死んでるな」
「同時多発カス事態」
「おれたちみんなでチームを支えてる」
「すべては町のため、町民の利益のために」
「祈り」
「気を狂わせ、盲目にし、精神を錯乱させられた者」
「これでもまだ最悪の事態じゃない」
「にゃっく-にゃっく-にゃっく」
「ミサイル攻撃迫る」
「嵌めてやったぞ」
「ピンクの星が降っている」
「波に乗っている」
「檻にぶちこむ」

いかがですか。面白そうでしょ。

さて、今日の本題は冒頭の章「飛行機とウッドチャック」について。

ウッドチャックと聞いて思い出したのはキングの「ハイスクール・パニック」

「ハイスクール・パニック」の冒頭、チャールズ・デッカーが窓から外を眺めると、芝生にいるウッドチャックを見つける。

いや、違うぞ、あれはウッドチャックではなくリスだった。

折角なので「ハイスクール・パニック」の冒頭の一節を引用する。

ごきげんな朝だった----気分のいい五月の朝。気分よく過ごせたのは、朝食をちゃんと食べられたせいと、代数IIの時間にリスを見かけたせいだ。

残念、あれはウッドチャックではなくリスだった。

それでは冒頭にウッドチャックが出てくる作品とは・・・・

そう、「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」だ。

「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」のウッドチャック
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」のファースト・カット。本作ではシリーズのお約束通りに、パラマウントのロゴからウッドチャックの巣にオーバーラップする。この直後、ウッドチャックはフレームインしてくる自動車に轢かれそうになる。轢かれて真っ二つなら正に「アンダー・ザ・ドーム」

おそらくこの辺で、賢明な読者諸氏はわたしの言いたい事がわかったのではないだろうか。

スティーヴン・キングは「アンダー・ザ・ドーム」の冒頭にウッドチャックを登場させる事により、スティーヴン・スピルバーグの「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を引用し、「アンダー・ザ・ドーム」がどのような物語に発展するのかを暗示しているのだ。

しかもクリスタル・スカルを使うと・・・・

どうかな、わかっていただけるかな。
わかる人は今頃膝を叩いてると思うよ。



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2011/06/13

「閉ざされた共同体の危機と恐怖」/有栖川有栖

2011年6月5日付「日本経済新聞」に掲載された有栖川有栖の「アンダー・ザ・ドーム」の書評「閉ざされた共同体の危機と恐怖」がWEBで公開された。

「閉ざされた共同体の危機と恐怖」

記録のため全文を引用する。

 舞台はメイン州の片田舎。ある日、チェスターズミルという小さな町が、透明の巨大なドームにすっぽりと包まれる。正体はまったく不明で、外界と連絡は取れる ものの直接的な助けは得られない。閉鎖された共同体の人々は、人間に何ができるか、危機にあってどう振舞うべきかを試されることになる。

 SFファンならずとも、どこかで聞いたような設定だと思われるだろう。キング作品には珍しいことではない。どこかで聞いたような設定に格別新しいアイディアを付与するでもなく、豪腕とも言うべき筆力で読ませてしまうところが「恐怖の帝王」の真骨頂だ。

 それゆえキング作品には舞台裏がない。前記の設定から、あなたなら(さあ、ホラー作家になったつもりで)どんな小説を書くだろうか? この 作品は、町の上を飛行中だったセスナ機が空中で爆発するシーンから始まる。森では動物たちが突如として身体を切断され、庭いじりをしていた女性がいきなり 右手を失う。謎のドームが出現したのだ。

 書き出しが浮かんだとして、それからどう続けよう? 外部から孤立したのをいいことに町のボスが警察まで牛耳り、恐怖で人々を支配しようとするのもアリだろう。キングもそうした。悪と戦う主人公と、その人物に味方する人々も描きたい。それから?

 キングは、35年も前にこの物語の着想を得ながら、なかなか形にできなかったという。そして、今ならできるかもしれないと考え、「アクセル をフロアまで踏みっぱなし」で完成させたのだとか。「こう書けば怖いだろう、スリリングで面白かろう」という作者の発想と技巧が、そのまま全読者に晒され ている。

 テーマもストーリーもいたって判りやすく、それでいて陳腐ではない。キング作品の中でも上位に位置する出来ではないか。

 驚くべきは、これだけの長さでありながら「あの脇役についてもっと読みたい」と思わせるふくらみがあること。大長編を1カ月かけて楽しむつもりでいても、ページをめくる手が止まらず、数日後には読み終えているかもしれない。

(作家 有栖川有栖)
[日本経済新聞朝刊2011年6月5日付]

換骨奪胎と言うか、『どこかで聞いたような設定に格別新しいアイディアを付与するでもなく、豪腕とも言うべき筆力で読ませてしまうところが「恐怖の帝王」の真骨頂だ。』と言う部分が嬉しい。

また、作家特有の視点なのか、『それゆえキング作品には舞台裏がない。前記の設定から、あなたなら(さあ、ホラー作家になったつもりで)どんな小説を書くだろうか?』と言う部分も、良いですね。

ありふれた設定を繰り返し利用するキングの作風を肯定している印象を受けますね。

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2011/05/30

「アンダー・ザ・ドーム」こぼれ話 その1 クエンティン・タランティーノをめぐる冒険

さて皆さん、どうでしょう。
そろそろ「アンダー・ザ・ドーム」を読了されましたでしょうか。

今日のエントリーは「アンダー・ザ・ドーム」を読んでて、個人的にちょっと気になった点を紹介してみたいと思う。
今日はその第1回。

さて、「アンダー・ザ・ドーム」を読んでいて気になったのは、様々な映画や小説、テレビムービーへの言及が非常に多い事。

そして、そのほとんどは、タイトルや登場人物の名前が明言されているので、どの作品について言及しているのかが非常に分かりやすい。

しかし、何故かタイトル等が明言されていない作品もある訳です。
今日はそのタイトルが明言されていない作品について考えて行きたいと思います。

1.「キル・ビル」

「アンダー・ザ・ドーム」上巻 p101 下段 13行目

対処するのはあとのこと・・・・・・しかし、時間を置いて対処したほうがよい。復讐の旨味がいちだんと増すからだ。

Usually at some later date . . . but sometimes later was better.
Sweeter.

ここは名訳ですよね。

この部分を読んで思い出したのは、言い回しは異なるものの、クエンティン・タランティーノの「キル・ビル」(欧米公開版)冒頭のタイトル・カード。

"Revenge is a dish best served cold" - Old Klingon proverb.

"復讐は冷製仕立てに限る" - クリンゴンの古いことわざ

※ 意訳はtkr。

これは、「スタートレック」好きのタランティーノが「スタートレック2/カーンの逆襲」から引用したものだと思われるのだが、このことわざは聞くところによると元々はシチリアのことわざらしいので、もしかするとマフィアのことわざなのかも知れません。

まあ「キル・ビル」では、ザ・ブライドが復讐を始めるまで、4年間昏睡していた訳ですから、このことわざは正にぴったりですよね。

ところで、4年間の昏睡と言えば、「デッド・ゾーン」のジョン・スミスを思い出しちゃいますよね。

で、キングはタランティーノの「キル・ビル」を暗に引用しているのではないかな、と思った訳。

それにより、ビッグ・シム・レニーが執念深いキャラクターだよ、と言ってる訳ですね。

2.「デス・プルーフ in グラインドハウス」

「アンダー・ザ・ドーム」下巻 p407 下段 19行目

「・・・・みんなでお弁当を食べおわったころ、わたしは写真を撮りたいといいだした。友だちはみんなふざけまわったり、いちゃついたりしてて、わたしは全員を写真におさめようと、どんどんあとずさっていったの。そのうち女の子のひとりが、(中略)大声で『だめ! リンダ、とまって!』って叫んできたの。わたしは足をとめて、あたりを見まわした。なにが見えたと思う?」
ジャッキーはかぶりをふった。
「大西洋。わたしは、いつのまにかピクニックエリアのいちばん端、断崖絶壁のすぐ近くまであとずさっていたのね。注意をうながす標識はあったけど、フェンスもガードレールもなかった。あと一歩さがってたら、わたしは崖からまっさかさまに落ちていたはずよ。(後略)」

これも、まさしくタランティーノ節。

と言うのも、このリンダが語るエピソードは、「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」のゾーイ・ベルのエピソードとほとんど同じなのだ。

もっとも、ゾーイはスタントウーマンと言う設定なので、--実際、彼女はスタントウーマンなんですが--、崖から落っこちても元気で崖を上ってくるキャラクターとして描かれている。
そしてこのエピソードがクライマックスの素晴らしいアクションシークエンスの伏線となっている訳ですね。

「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」そう考えた場合、おそらく、キングはリンダ・エヴェレットのキャラクターをゾーイ・ベルをイメージして構築したのではないか、と思った訳。

ところで、「デス・プルーフ in グラインド・ハウス」で、ゾーイ・ベル等が最終的に対峙するキャラクターはスタントマン・マイク。

自分の車のボンネットに「コンボイ」のラバーダックのメタル製のオーナメントを付けている男。(写真参照)

このマッチョなあひるの格好をしたオーナメントがわたしには、ビッグ・ジム・レニーに見えている訳です。

なぜ、タランティーノ作品が2本も、しかも他の作品への言及のようにタイトル等を明言するのではなく、暗に仄めかしているのか。

謎は深まる。

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2010/11/17

「ヘイヴン -謎の潜む町-」と「コロラド・キッド」をめぐる冒険

ペイパーバック版「コロラド・キッド」のカバーアート 皆さん、ユニバーサル・チャンネルで絶賛放送中のテレビシリーズ「ヘイヴン -謎の潜む町-」を見てますか。

「ヘイヴン ー謎の潜む町ー」

鋭い洞察力と度胸を兼ね揃えた優秀なFBI捜査官オードリー・パーカー(エミリー・ローズ)は、ある事件の調査でメイン州の小さな町ヘイヴンを訪れる。

一見どこにでもありそうな小さな町に見えたが、実は度重なる超自然現象によって長年影響を受け続けた人々の避難場所であることにオードリーは気付く。

やがて町の人々の潜在能力が露になり、オードリーが状況の悪化を防ぐため人々を助ける中、ヘイヴンに隠された多くの秘密が解き明かされていく。
さらには、オードリー自身とこの奇妙な町が深く結びついている事実も明かされていく。

まるで「ツイン・ピークス」ミート「Xファイル」じゃないか。
「ヘイヴン」の最初の3話を見たわたしの感想である。

しかも、なんだか知らないが、わたしの知っている「コロラド・キッド」の物語と内容が全く違うぞ。

と言うのも、皆さんご承知のように、テレビシリーズ「ヘイヴン」は、スティーヴン・キングの「コロラド・キッド」を原作
とするテレビシリーズなのだ。

ところで、件の「コロラド・キッド」はどんな物語だったかと言うと、スティーヴィーおじさんも顔負けのお話好きの老新聞記者の2人組ヴィンスとデイヴが、インターンシップで新聞社ウィークリー・アイランダー社にやって来たオハイオ州立大学の女子大学院生ステファニーに、かつてこの町で起きた摩訶不思議な事件(コロラド・キッド事件)の調査結果を語る、と言う物語である。

そして、彼ら老新聞記者達にとっては、このコロラド・キッド事件は非常にプライベートの事件で、彼らの人生に非常に大きな足跡を印した事件なのだ。

そう、コロラド・キッド事件は本土からやってきたような新聞記者には決して教えられない種類の秘密の事件なのだ。

そんな「コロラド・キッド」の読後感としてはハリイ・ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」とか、ロバート・グレイスミスの「ゾディアック」のような印象を受けるし、映画「瞳の奥の秘密」の登場人物が過去のある事件の影響を受ける設定とも似たような印象も受ける。

おそらく「コロラド・キッド」については、結末の付け方から賛否両論なのだと思うし、キング自身のあとがきにも、『本書「コロラド・キッド」がお気に召したか、あるいは腹立たしくてならなかったかにも左右されるが、(この作品に限っては、中間領域はないのではないかと作者は思っているし、それはそれでかまわない)、(後略)』と記されている。

余談だか、わたしは「コロラド・キッド」について肯定的な印象を持っている。
だって、面白いから。

なお「コロラド・キッド」の解釈については、巻末の吉野仁の解説がキングファンとして切歯扼腕する程素晴らしい。

同書「コロラド・キッド」はご存知のように、新潮文庫版「ダーク・タワー」シリーズの刊行を記念してプレゼントされた非売品なので、今から入手するのは困難だが、入手できる機会があれば、それを逃さずゲットして欲しいと思う。

「コロラド・キッド」本編は勿論、キング自身のあとがき、そして吉野仁の解説も必読の書籍に仕上がっている。

そんな中、わたしはテレビシリーズ「ヘイヴン」を見ている訳である。

そのうちレビューするよ。多分。

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2010/06/08

「ラブ@メール」をめぐる冒険

「ラブ@メール」 2010年3月10日に光文社から出版された黒史郎の「ラブ@メール」を読了した。

以前のエントリー『黒史郎の「ラブ@メール」はキングの「セル」の影響を受けているのか?』の時点で購入はしていたのだが、諸般の事情で、読むのがこんな時期になってしまった。黒史郎さんごめんなさい。

「ラブ@メール」
著者:黒史郎
出版社:光文社/光文社文庫
発売日:2010年3月10日
定価:600円(税込み)

七夕の日、突然、世界中のカップルがバタバタと死に始めた。お互いを貪るように求め合った後に悶死するのだ。さらに、相手がいない者は、狂わんばかりに「愛」を求めて街を彷徨う。その姿は、ゾンビのようだった。伝染病? それとも細菌テロ? “発症”を免れた裕也と妊婦の唯は、自衛隊員の大熊と出会い、驚くべき事実を知る――。新鋭が放つ、異形なる愛の物語。
(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

先日のエントリーで紹介したように、黒史郎はWEB幽インタビュー記事において、「〈ゾンビ〉という言葉は出していますけど、死人が襲ってくるわけじゃないので厳密には違いますよね。あえて近い例を探すとスティーヴン・キング の『セル』みたいな世界でしょうか。」と語っている。

そんな訳で、そんな先入観を持ちながら本書「ラブ@メール」を読んだ訳だが、おっしゃる通り、「セル」の設定によく似た物語が展開されて行く。

そして「セル」同様、最初のページからトップギアで、圧倒的な勢いで畳み掛けるような疾走感が楽しめる。

物語の骨子は、謎の奇病により人類の多くが急死し、生き残った人たちの多くも凶暴化し見境なく隣人を襲いまくっている世界。

そんな中、主人公たちが生き残りをかけて逃げ、そして戦う、と言う物語なのだが、その物語は、ロードムービー的な観点と、リチャード・マシスンの「アイ・アム・レジェンド(地球最後の男)」「ゾンビ」から脈々と続いている、立て籠り型の観点で物語が進むのが興味深い。

冒頭の自衛隊の演習に向かうシークエンスは「戦国自衛隊」「野生の証明」かな。

また、他方では、この奇病の原因を探るマッド・サイエンティストが登場するにいたっては、作者のサービス過剰ぶりに思わず笑みがこぼれてしまう。

個人的には、そのマッド・サイエンティストには「死霊のしたたり」のハーバート・ウエストの当てぶりじゃないかな、と勘ぐってしまう。

と言うのも、黒史郎はクトゥルフ神話が大好きで、ホラー映画やなんかも大好きらしいから。

余談だけど、黒史郎と言うペンネームは黒白から来ているのだろうかな。

本書「ラブ@メール」は、疾走感あふれるジェットコースター的な小説で、あっという間に読めるので、内容についてはあまり触れないが、キングファンとしては、「セル」や「デスペレーション」との関連性を考えながら読むと非常に面白いんじゃないかな、と思う。

また、「アイ・アム・レジェンド(地球最後の男)」「ゾンビ」の観点からも楽しめるし、日本国内でこんな事が起きちゃっている、と言う事だけを取っても非常に興味深い作品に仕上がっている。

関心がある方は、是非手に取ってもらいたいと思う。

最近は日本のホラーもキテますよ。

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2010/05/26

「Stephen King Illustrated Companion」も買いました。

「Stephen King Illustrated Companion」 今日も昨日に引き続きお買い物の話。

さて、今日紹介するのは、スティーヴン・キング関連ニュースDEAD ZONEでおなじみのBev Vincentの「Stephen King Illustrated Companion」

「Stephen King Illustrated Companion」

本書「Stephen King Illustrated Companion」についても以前から何度かお話ししていたのだが、予約はもとより、購入するのを忘れてしまっていたのだ。

それだけではなく、実は本書購入の際に、いろいろと問題があった。

と言うのも本書「Stephen King Illustrated Companion」は、なぜだかわからないのだが、Amazon.co.jp では全く取り扱いが無く、またAmazon.comでは、注文自体は出来るのだが、なぜか発送されず、キャンセルされてしまうのだ。

どうやら、権利上の問題からか、日本国内への発送が認可されていないようなのだ。

「Stephen King Illustrated Companion」困ったわたしに、文字通りの朗報が。
と言うのも、翻訳家の白石さんから「Stephen King Illustrated Companion」を日本国内へ発送してくれるオンラインショップ(Overlook Connection)を教えてもらったのた。

で、折角なので、わたしはBev Vincentのサイン入りの「Stephen King Illustrated Companion」を発注したのだった。

ところで、本書「Stephen King Illustrated Companion」はどんな書籍か、と言うと、スティーヴン・キングの作家人生(雑誌への初投稿は14歳!)を振り返りながら、要所要所で、貴重な生原稿や校正原稿、手紙やレアな手書き冊子等の複製がおまけ(?)として付いてくる、と言う不思議かつとっても素敵な書籍なのだ。

「Stephen King Illustrated Companion」
例えば「ザ・スタンド」はこんな感じだったり、

「Stephen King Illustrated Companion」
「イット(IT)」はこんな感じ。

キングファンにとってはとっても嬉しい仕様になっているので、関心があれば是非購入してみてください。

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2010/05/25

買っちゃいました「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」

「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」/「シュシュポッポきかんしゃチャーリー」
以前から何度か紹介しているジョージ・ビーム編の「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」ですが、悩みに悩んで結局買っちゃいました。

もちろん安いほうですけどね・・・・

写真はみんな大好き「シュシュポッポきかんしゃチャーリー」ね。


ところで本書「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」は、スティーヴン・キング作品を飾った膨大な数のアートワークをまとめた書籍で、言うならばスティーヴン・キングに関する展覧会の図録のような書籍。

序文は「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」「ミスト」の監督であるフランク・ダラボン。
驚いたことに、ドゥルー・ストゥルーザンがモーガン・フリーマンとティム・ロビンスの間にフランク・ダラボンを描いたイラストも入ってました。何でも「ショーシャンクの空に」の10周年記念でプライベートに描かれた作品である模様。因みにわたしはそのイラストを初めて見ました。

気になる本書のサイズですが、箱(スリップケース)のサイズで縦:39.7cm×横:29.4cm× 厚:6.0cmという巨大なサイズで、所謂コーヒーテーブルブックと言われる種類の本です。
重さはなんと5.8kg。

「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」
サイズの比較のために文春文庫版の「夕暮れをすぎて」「夜がはじまるとき」を並べてみました。その巨大さがわかるでしょうか。
因みに左側が箱(スリップケース)で、右側が本書
「Knowing Darkness: Artists Inspired by Stephen King」です。

価格は、通常のスリップケース・エディションで2万円位するので、まあ普通に考えると非常に高い買い物だと思いますが、キングファンにとって、特にオリジナル版や限定版のファンの皆さんにとっては、非常に良い商品だと思います。

日本国内での装画も含めて国内版出ないかな、と思う次第でございます。

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