「13/ザメッティ」をめぐる冒険
今日は映画「13/ザメッティ」(2005)をめぐる余談。
「13/ザメッティ」は2007年4月に日本公開されたフランス/グルジア作品で、ヴェネチア映画祭やサンダンス映画祭で話題になった作品。
わたしは「13/ザメッティ」を、是非観たいと思っていたのだが、諸般の事情で観ることが出来なかった。
この作品のコンセプト、と言うかワン・アイディアの料理の仕方がスティーヴン・キングの短編のそれに思えてならないのだ。
「13/ザメッティ」
あらすじ:グルジア移民の22歳の青年セバスチャン。ある日彼は、仕事先の家主が大金を手にする方法があると吹聴しているのを耳にする。もうじき連絡の手紙が届くと
いうのだ。しかしその男は不運にも急死してしまい、彼宛の手紙をセバスチャンが横取りする。封筒の中には、パリ行きのチケット。意を決してパリへと向かっ
たセバスチャンは、何者かに導かれるまま、暗い森の奥に佇む不気味な屋敷へと辿り着く。しかしそこには、思いも寄らぬ運命が待ち受けていた。なんと彼は、
13人のプレイヤーが一斉に引き金を引く集団ロシアン・ルーレットに参加させられてしまったのだ。そしてその周囲は、プレイヤーの生死に大金を賭け、ドス
黒い欲望の固まりと化したギャンブラーたちの狂気に満ちた眼光で埋め尽くされていた・・・・。
監督・製作・脚本:ゲラ・バブルアニ
出演:ギオルギ・バブルアニ(セバスチャン)、パスカル・ボンガール(ゲーム進行役)、オーレリアン・ルコワン(ジャッキー)、フィリップ・パッソン(ジャン=フランソワ・ゴドン)、オルガ・ルグラン(クリスティーヌ・ゴドン)、フレッド・ユリス(アラン)
本作「13/ザメッティ」の基本プロットを聞いて最初に思ったのは、これは「死のロングウォーク」なのかな、と言うこと。
「死のロングウォーク」と似ている点は次の通り。
・登場人物は、自らの意志で自分の命を賭けたゲームに参加する。
・ゲームの参加者は番号で呼ばれる。
・ゲームのルールに従わない参加者はゲームの主催者側に射殺される。
更に、主人公がそのゲームに参加する以上、「死のロングウォーク」と同様に、ゲームそのものの結末が容易に想像できてしまう、と言う物語上の共通点もある。
こりゃ、製作者の手腕が問われるな、と。
で、実際に観てみると、想像通りの部分もあれば、想像と異なっている部分もある、大変素晴らしい作品に仕上がっていた。
異常に緊迫感溢れているのだ。
キングファン的に思うのは、前述のように「死のロングウォーク」に似ているのは勿論、「禁煙挫折者救援有限会社」にも似ているような、「超高層ビルの恐怖」に似ているような気がする。
まあ、物語について多くは語らないのが、本作「13/ザメッティ」は最高に素晴らしい作品なので、機会があれば是非観ていただきたいと思う。
キングファンには絶対にオススメなのだ。
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