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2010/01/24

「Dr.パルナサスの鏡」をめぐる冒険

「Dr.パルナサスの鏡」
今日は例によって、あらゆるモノがスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。(ネタバレはほとんどありません。ご心配なく)

2009/01/23 東京有楽町「TOHOシネマズ有楽座」で「Dr.パルナサスの鏡」を観た。

「Dr.パルナサスの鏡」
監督:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム、チャールズ・マッケオン
出演:ヒース・レジャー(トニー)、クリストファー・プラマー(パルナサス博士)、ジョニー・デップ(鏡の向こうのトニー#1)、ジュード・ロウ(鏡の向こうのトニー#2)、コリン・ファレル(鏡の向こうのトニー#3)、リリー・コール(ヴァレンティナ)、アンドリュー・ガーフィールド(アントン)、ヴァーン・トロイヤー(パーシー)、トム・ウェイツ(Mr.ニック)

2007年、ロンドン。
パルナサス博士(クリストファー・プラマー)が率いる旅芸人の一座が、街にやって来た。博士の出し物は、人が密かに心に隠し持つ欲望の世界を、鏡の向こうで形にして見せる「イマジナリウム」。博士の鏡をくぐりぬけると、そこにはどんな願いも叶う摩訶不思議な迷宮が待っている。

かし、1000歳になるという博士には、悲しい秘密があった。それは、たった一人の娘ヴァレンティナ(リリー・コール)が16歳になったときに悪魔ニック(トム・ウェイツ)に差し出すという約束をしたこと。
タイムリミットは3日後に迫った娘の誕生日。一座に加わった記憶喪失の青年トニー(ヒース・レジャー)とともに、博士は、鏡の迷宮で最後の賭けに出る。彼らは、娘を守ることができるのか──?

(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)

先ずは本作「Dr.パルナサスの鏡」が大変素晴らしい作品に仕上がっている事を素直に喜びたい。
とは言うものの、ヒース・レジャーの本作撮影中の急逝(2008/01/22)により、「The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)」のプロジェクト同様、映画自体の完成すら危ぶまれていたのだが、その危機もレジャーの親友たち(ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル)の貢献で、見事に克服した事は皆さんご存知の通りである。

さて、本作「Dr.パルナサスの鏡」についてだが、物語のコンセプトはテリー・ギリアムお得意、1人の少女を助けるために騎士(ナイト)が大活躍する、と言う騎士道物語。フィリップ・マーロウの物語と同様である。

美術や物語の構成から考えると、物語のコンセプトは前述のように「未来世紀ブラジル」(1985)で、物語のテイストは文字通り「バロン」(1989)や「バンデットQ」(1981)というようなイメージで、ある意味本作は、ギリアム映画の集大成で、かつギリアムの代表作、と言うような印象を受ける。

ギリアムとチャールズ・マッケオンの脚本も大変素晴らしく、伏線がカチっとはまってくる感じは見事である。(1月23日公開なので、詳細は割愛するが、感涙ものの脚本である)
また、ギリアムの独特なイマジネーションを実現する美術や衣装の素晴らしさと相まって、本当に素晴らしい映像体験をお約束する。

とは言うものの、本作がCGIを全く使わずに、セットやミニチュア、VFXで制作されたとしたら、本当に強烈に素晴らしい作品に仕上がったのではないか、と思えてならない。

わたしは、「バンデットQ」からのテリー・ギリアムファンだが、かつての傑作群と比肩する本作の仕上がりには大満足である。

キャストは曲者揃いで、クリストファー・プラマー(パルナサス博士)、トム・ウェイツ(Mr.ニック)、ヴァーン・トロイヤー(パーシー)の絡みが素晴らしい。

プラマーには全く言うことがなく、大変素晴らしいし、トム・ウェイツも素晴らしい。コッポラの「ドラキュラ」(1992)のレンフィールド役以来の最高の出来だと思う。

そして、「オースティン・パワーズ」シリーズのミニ・ミーでお馴染みのヴァーン・トロイヤーが大活躍しているのが嬉しい。「チャーリーとチョコレート工場」(2005)のディープ・ロイなみに人気がでるのではないか、と思った。

また、ヒロイン役のリリー・コール(ヴァレンティナ)も素晴らしい存在感をフィルムに定着させている。ルックスはデボン青木似だが。「バロン」のサラ・ポリーもビックリのヒロイン振りが楽しめる。

ヒース・レジャー(トニー)、ジョニー・デップ(鏡の向こうのトニー#1)、ジュード・ロウ(鏡の向こうのトニー#2)、コリン・ファレル(鏡の向こうのトニー#3)もそれぞれ素晴らしいが、驚くべき事に全く違和感がない。
マスクを被っていたら、どこのシーンを誰が演じているのかわからない程、ヒーン・レジャーのテイストを3人が3人とも再現している。自分らしさを出さない演技に恐れ入る。

さて、キングの影響だが、物語の内容に触れないように、影響を受けていると思われる作品名をお知らせする。
「グリーン・マイル」「スティーブン・キングの悪魔の嵐」「デッド・ゾーン」

とにかく、本作「Dr.パルナサスの鏡」は大変素晴らしい作品である。
是非劇場にダッシュである。

余談だけど、エンドクレジット後におまけ付き。

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