ほむらはガンスリンガーなのか!? 「魔法少女まどか☆マギカ」をめぐる冒険
さて、本日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。
本日、俎上に乗せるのは、アニメーション作品「魔法少女まどか☆マギカ」。
と言う訳で、わたしも遅ればせながら各界で話題のアニメーション作品「魔法少女まどか☆マギカ」全12話を拝見させていただいた。
と言うのも、本作「魔法少女まどか☆マギカ」が、放送開始直後の第3話あたりから強烈に話題に上っていたのを知っていたので、本放送の途中から録画していたのだが、どうせなら最初からきちんと観ようと思い、3日間位かけて全12話をまとめて観た訳である。
本作「魔法少女まどか☆マギカ」の物語のコンセプトは、現代社会に魔法少女が本当に存在していたらどうなるのかをきちんとシミュレーションした作品でもあるし、所謂魔法少女アニメのアンチテーゼとしても機能する素晴らしい作品だった。
そのアンチテーゼ振りは凄まじく、過去の魔法少女アニメ作品全てが霞んで見える程の有様である。
と言うよりは、全ての魔法少女アニメ作品を破壊しつくす勢いすら感じてしまう。
ところで、魔法少女アニメのアンチテーゼと言えば「時をかける少女」や「サマーウォーズ」の細田守が演出した「おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」第40話「どれみと魔女をやめた魔女」が想起される。
この作品では、永遠の命を持つ魔女と言う存在を、愛する者たちと別れ続ける、つまり愛する者たちがどんどん死んでいく存在として描いている。
更に、同作ではその観点を一歩すすめて、永遠の命を持つ存在が現代社会で生きていくための戸籍の問題や財産の問題まで踏み込んでいるのだ。
このあたりはアン・ライスの小説「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズが非常に詳しい。
関心がある方にはご一読をお勧めする。
余談だが「魔法少女まどか☆マギカ」にも、細田守が好んで使用するモチーフである三叉路(五叉路)が何度も登場する。これは登場人物の運命の選択のメタファーとなっているのだが「魔法少女まどか☆マギカ」では、時間遡行におけるルート選択のメタファーとして機能している。細田守の「時をかける少女」とも同様。
さて、前置きが長くなったが、ここからが今日の本題。
「魔法少女まどか☆マギカ」のどの辺がスティーヴン・キングの影響を受けているか、と言うと、本エントリーのタイトル『ほむらはガンスリンガーなのか!?』でお分かりのように、本日は「魔法少女まどか☆マギカ」が「ダーク・タワー」シリーズの影響を受けている、と言う方向性で論を進めていきたいと考えている。
従って、本日のエントリーでは、必然的に「魔法少女まどか☆マギカ」と「ダーク・タワー」シリーズの内容や結末に触れることをお断りしておく。
さて、それでは早速本題に入っていくが、そもそも「魔法少女まどか☆マギカ」と言う物語はどのような物語だったのかと言うと、謎の生命体キュゥべえと、見返りにひとつの望みを叶える契約を交わすことにより、魔法少女になることができる世界において、魔法少女鹿目まどかに命を救われた暁美ほむらがまどかの死に直面し、キュゥべえと契約し魔法少女となり、その契約の見返りとして得た能力で時間軸を遡り、まどかを救うため、何度も何度も同じ時間を繰り返し続ける、と言う物語である。
そして、最終的にまどかは、全宇宙、全時間軸に存在する全ての魔女を消し去ることを望み魔法少女となり、宇宙はまどかの望みにより新たな因果のもとに再構成される。
そして、まどかは時間と空間の中心に存在し、また逆説的にはいつでもどこにでもあらゆる場所に同時に遍在する存在となる。
一方「ダーク・タワー」シリーズとはどのような物語だったかと言うと、最後のガンスリンガーであるローランドとその旅の仲間(カ・テット)が変転する中間世界において、存在する全ての世界と宇宙を中心でつなぎとめている、と言われている暗黒の塔(ダーク・タワー)を見つけ出し、塔の崩壊を止め修復することにより、世界を救おうとする探索の旅の物語である。
しかし、ローランドは最終的に暗黒の塔に辿り着くが、その瞬間、過去の時間軸に飛ばされてしまう。
そして、ローランドの旅はふたたび始まるのだ。
暗黒の塔同様に12本のビームの中央に縛り付けられているまどかのイメージ。
ここで考えられるのは、「魔法少女まどか☆マギカ」における、時間遡行者でかつ銃器を武器として扱う魔法少女ほむらは「ダーク・タワー」シリーズにおけるガンスリンガーローランドであり、「魔法少女まどか☆マギカ」における、世界と時間の中心に存在し、かつあらゆる世界あらゆる時間軸に遍在するまどかは、「ダーク・タワー」シリーズにおける暗黒の塔(ダーク・タワー)そのものだと言える。
魔法少女まどかはバラをモチーフにしている。これは暗黒の塔も同様である。
おまけ。頭に付いているアンテナ状の物体から推測すると、これらの魔獣は、暗黒の塔のビームの守護神シャーディックのメタファーだと考えられる。12体いるかどうかは不詳。
どうですか、ついて来てますか。
冒頭では、このエントリーはキングファンの妄想エントリーだと断っているのだが、個人的には妄想ではなく、正しいのではないか、と思っている。
と言うのも、物語の構造やプロットだけではなく、「魔法少女まどか☆マギカ」のビジュアル・イメージも「ダーク・タワー」シリーズを指し示しているように思えてならないのだ。
ただ単純に、銃器を使っているからほむらはガンスリンガー。時間を遡行し何度も同じ時間をループしているから、ほむらはローランド。
世界のそして時間の中心に、またはあらゆる時間軸そしてあらゆる世界に遍在しているからまどかは暗黒の塔(ダーク・タワー)。バラをモチーフにしているからまどかは暗黒の塔。
と言う単純な共通点だけではないような気がする。
また、巴マミの「円環の理」のセリフは「ダーク・タワー」シリーズを指し示すと同時に「スター・ウォーズ」シリーズをも指し示している。
更に、第12話における鹿目タツヤのイマジナリーフレンドまどかの存在は「シャイニング」をも彷彿とさせる。
まあ、キュゥべえとオイとは無関係だと思うけどね。
まあ、機会があれば、両作品を比較検証していただきたいと思う。
なお、このエントリーは、書いている途中の段階で、間違えて数時間公開されてしまった。
その後一旦削除したのだが、削除した後も、結構検索されていたりしてた模様である。
「tkr2000 まどか」で検索していた人が多かった模様である。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
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