カテゴリー「キングの影響」の380件の投稿

2023/06/24

ゲーム『アラン・ウェイク』冒頭のスティーヴン・キングの言葉の引用はわずか1ドルで権利が譲渡された

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2023年6月23日にEurogamer.netが伝えるところによると、2010年にリリースされたサイコロジカルアクションスリラーゲーム『アラン・ウェイク』の冒頭で主人公アラン・ウェイクが引用するスティーヴン・キングの言葉は、わずか1ドルでその権利が譲渡された模様。

なお、これは2023年10月にリリースされる『アラン・ウェイクII』のプロモーションの際に、ゲーム製作会社レメディー・エンターテインメントのクリエイティブ・ディレクター サム・レイクが明らかにした模様。

Stephen King gifted Alan Wake's opening quote to Remedy for just $1

なお、『アラン・ウェイク』(2010)冒頭のアラン・ウェイクのモノローグは次の通り。

"Stephen King once wrote that 'Nightmares exist outside of logic, and there's little fun to be had in explanations; they're antithetical to the poetry of fear.'

"In a horror story, the victim keeps asking 'why?' But there can be no explanation, and there shouldn't be one. The unanswered mystery is what stays with us the longest, and it's what we'll remember in the end. My name is Alan Wake, I'm a writer."

ちなみにこのスティーヴン・キングの言葉は、2008年のEntertainment Weeklyの記事からの引用。

"Stephen King: Why Hollywood can't do horror"

引用された部分("Nightmares exist outside of logic, and there's little fun to be had in explanations; they're antithetical to the poetry of fear.")の引用元が含まれているパラグラフは次の通り。

One more problem: Big movies demand big explanations, which are usually tiresome, and big backstories, which are usually cumbersome. If a studio is going to spend $80 or $100 million in hopes of making $300 or $400 million more, they feel a need to shove WHAT IT ALL MEANS down the audience’s throat. Is there a serial killer? Then his mommy didn’t love him (insert flashback). A monster from outer space? Its planet exploded, of course (and the poor misunderstood thing probably needs a juicy Earth woman to make sexy with). But nightmares exist outside of logic, and there’s little fun to be had in explanations; they’re antithetical to the poetry of fear.

ここでキングが語っているのは、ホラー映画において、恐怖の存在がそうなった原因を観客に説明してしまうと、その物語はホラーではなく単なる勢力争いの物語に矮小化されてしまう、と言うよくある問題について面白おかしく語っています。

この記事でキングは自身が感じる恐怖の本質がどこにあるのかを明らかにしていて非常に興味深いです。

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また、キングが最も怖い瞬間として記憶しているのはこの記事によると、ジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)で、ヒロインであるバーバラ(ジュディス・オーディア)が白髪のゾンビに追われて自動車に閉じこもるのですがが、すでにゾンビにやられてしまった兄ジョニー(ラッセル・ストライナー)が自動車のキーを持っていたことに気付き、そのゾンビは地面にしゃがみこみ、石を見つけてて弱々しく車の窓をたたき始めるところであったり、『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』(2008)で、ベッドの下に隠れようとするリヴ・タイラーがベッドの下は自分には狭すぎることに気付くところであったりするのが非常に興味深い。スティーヴン・キング作品でそれに似たような瞬間の描写が多々あるのが思い出されます。

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話を戻しますが、スティーヴン・キングは若い映像作家に1ドルで自分の作品の映画化権を譲渡すること【ダラー・ベイビー】で知られていますが、今回の1ドルで自らの言葉を引用する権利を譲渡するのも、その一環なんでしょうね。

ダラー・ベイビー(Dollar Baby)またはダラー・ディール(Dollar Deal)とはスティーヴン・キングが学生や映画監督志望者を対象に自身の短編小説の映画化権を1ドルで与えるというもの、またそれによって製作された映画作品のこと。

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2022/09/24

「アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬」もキングの影響を

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以前のエントリー【「シャイニング」のカーペットのデザイン[ヒックス・ヘキサゴン]について】で、「シャイニング」のカーペットのデザインの元になった[ヘックス・ヘキサゴン]について紹介したが、テレビミニシリーズ「アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬」にも[ヘックス・ヘキサゴン]の壁紙が登場した。

テレビミニシリーズ「アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬」はNHK総合で2022年3月13日、3月20日に前後編で放送された。

「アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬」(2020)
監督:レオノラ・ロンズデール
脚本:サラ・フェルプス
出演:ルーファス・シーウェル、カヤ・スコデラーリオ、ジョージナ・キャンベル、ショーン・パートウィー、バーティ・カーヴェル、シーラ・アティム、キャシー・キエラ・クラーク、リタ・トゥシンハム、ヘンリー・ロイド・ヒューズ、クレア・スキナー、ジェームズ・フリート、エレン・ロバートソン
制作:BBC One

あらすじ:1961年のイギリス、ロンドン。古美術商のマーク(ルーファス・シーウェル) は美しい妻ハーミア(カヤ・スコデラーリオ )と再婚したが、1年前に浴室の事故で亡くなった前妻デルフィーヌ(ジョージナ・キャンベル )のことが忘れられずにいた。ある日、街角で病死らしき女性の遺体が発見され、靴の中から謎の人名リストが見つかる。そこにはマークの名前もあった。リストの人物が次々と亡くなっていくなか、身の危険を感じ、その謎を調べていたマークはマッチ・ディーピングという村にたどりつく。村で占いをしている風変りな3人の女性は、人を呪い殺すことができる魔女だというウワサが…。

ほかの死者たちと同様に髪が抜け始めたマークは、死が迫っている恐怖を感じる。リストの謎を調べていくうちに、被害者たちの共通点にたどり着く。占いの館「蒼ざめた馬」の魔女たちに、被害者たちを呪い殺すよう、それぞれ誰かが頼んでいたのだ。なにかからくりがあると考えていたマークだったが、徐々に魔術の仕業だと信じざるをえなくなっていく。妻ハーミアが自分に呪いをかけるよう依頼したのだと考えたマークは…。

さて、どこに[ヘックス・ヘキサゴン]が登場したのか、と言うとマーク・イースターブルック(ルーファス・シーウェル)の家のキッチンの壁紙である。

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「シャイニング」的に「アガサ・クリスティー 蒼ざめた馬」を解釈すると、マーク・イースターブルックの家が(現在は後妻ハーミアが家を取り仕切っている)が呪われた場所である、と言うことになる。マークは妻ハーミアが自分に呪いをかけるよう3人の魔女に依頼したのではないかと疑っている。マークは自分の名前が含まれた人名リストのため、地獄巡りをすることになる。

 

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2021/10/15

「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」のアートワークが、

2021年10月1日よりDisney+で配信が始まった「LEGO スター・ウォーズ/恐怖のハロウィーン」("Lego Star Wars Terrifying Tales")のアートワークがスティーヴン・キングの影響を受けている模様。

Legostarwarsterrifyingtales02 「キャリー」(1976)

Legostarwarsterrifyingtales01 「シャイニング」(1980)

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2021/02/21

ペニーワイズもマスクを

Mask Up America | WarnerMedia

アメリカ疾病対策センター(CDC)とワーナー・メディアが協力して制作したマスクの着用を呼びかける映像にペニーワイズが登場している。

Pennywise
マスクに口がペイントされているので若干わかりにくいが、ペニーワイズがマスクをしているのが確認できる。

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2020/11/13

「どくヤン!」最終話に村上春樹とスティーヴン・キングが!

Photo_20201113191001 週刊Dモーニングで連載されていた原作:左近洋一郎(ルノアール兄弟)、漫画:カミムラ晋作の「どくヤン!」の最終話「本とヤンキー」に村上春樹とスティーヴン・キングの【読気幽雲(ドキュン)】が登場する。

「どくヤン!」 における【読気幽雲(ドキュン)】とは、私立毘武輪凰(ビブリオ)高校の2年生以上が体得できる「ジョジョの奇妙な冒険」における【スタンド】のような存在。

「どくヤン!」
原作:左近洋一郎(ルノアール兄弟)
漫画:カミムラ晋作

内容紹介:何の変哲もないメガネ高校生・野辺が編入した毘武輪凰高校(ビブリオ高校)は、地域でも群を抜く恐るべきヤンキー校…! そしてそのヤンキーたちは、ヤンキーであるにも関わらず読書を好むという矛盾した存在、「どくヤン」だった! バイクを駆り、ヤニを吹かしながら『こころ』を暗唱する異常な同級生たちに囲まれ、野辺の平穏なスクールライフは脆くも崩れ去る…! 令和最初にして最後のヤンキービブリオギャグ漫画、ここに爆誕!

わたしはこの「どくヤン!」 と言う作品のことは寡聞にして知らなかったのだが、SNSで話題になっていたので何話か読んで見るとその最終話「本とヤンキー」に村上春樹とスティーヴン・キングの【読気幽雲(ドキュン)】が登場しているのを知った、と言う経緯である。

この「どくヤン!」 の物語はヤンキー高である私立毘武輪凰(ビブリオ)高校に集まる、ヤンキーでありながら読書をこよなく愛す【読書ヤンキー】(どくヤン)が織りなす、読書あるある漫画なのだが、これが非常に面白い、と言うかなんとも身につまされてしまう。

また、これは原作者のおかげだと思うのだが「どくヤン!」 はあらゆるジャンル小説に対して平等に造詣が深いところも好感が持てる。

本作「どくヤン!」 はスティーヴン・キングの【読気幽雲(ドキュン)】が出てくるからどうこう、と言う話ではなく、読書を趣味としている人たちにグサグサと突き刺さる作風が心地良い漫画である。

関心がある方はぜひご一読を!

各マンガレンタルサイトで無料で何話か読めるので、そちらも検索してみてはいかがだろうか。

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2020/11/10

ジョーダン・ピールがホストをつとめる「トワイライト・ゾーン」第1話「コメディアン」もキングの影響を!?

Twilightzone さて、本日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。

本日、俎上に乗せるのは、2020年11月23日より日本最大規模の海外ドラマ専門チャンネルスーパードラマTVで放送が開始される「トワイライト・ゾーン」(2019)第1話「コメディアン」

今回紹介する「トワイライト・ゾーン」(2019)は、2019年に米CBS ALL ACCESSで配信された「トワイライト・ゾーン」の3度目のリブート版で、驚いたことにジョーダン・ピールがホスト役で全話に登場する趣向。

まあイメージとしては「世にも奇妙な物語」のタモリの役柄をジョーダン・ピールがつとめる、と言うとわかりやすいかも知れない。

そんな「トワイライト・ゾーン」は、2020年11月23日より日本最大規模の海外ドラマ専門チャンネルスーパードラマTVで放送が開始される予定である。

Comedian 「コメディアン」  「トワイライト・ゾーン」 
監督:オーウェン・ハリス
脚本:アレックス・ルーベンス
出演:クメイル・ナンジアニ、アマラ・カラン、ディアラ・キルパトリック、ライアン・ロビンズ、トレイシー・モーガン
ホスト:ジョーダン・ピール

あらすじ:コメディアンのサミールはある日、観客からほとんど笑いを取れないまま自分の出番を終える。その後、憧れの芸人J・C・ウィーラーと出会い、舞い上がったサミールは、自分のネタやパフォーマンスのアドバイスをもらおうとする。するとJ・C・ウィーラーは、今のネタよりももっと個人的な話題をネタにするといいと助言する。

さて、この「コメディアン」のどのあたりがスティーヴン・キングの影響を受けているのか、と言う話だが、この「コメディアン」の物語は、売れないスタンダップ・コメディアンであるサミール(クメイル・ナンジアニ)が、偶然出会った著名なコメディアンJ・C・ウィーラー(トレイシー・モーガン)のアドバイスを受けた結果、ばかうけのコメディアンとなってしまうが、そのネタで取り上げた人物が次々と・・・・と言う物語。

そしてなんと、このコメディアンが体験する不思議な出来事の着地点がまるでスタンリー・キューブリックの「シャイニング」(1980)とおんなじなのだ。

「トワイライト・ゾーン」(2019)は、2020年11月23日よりスーパードラマTVで<独占日本初公開>となる作品であるため、具体的な影響については明確には語らないが、本作「コメディアン」「シャイニング」の影響を受けていることはわたしの妄想ではない、と言わざるを得ない。まあ影響を受けている、と言うよりはオマージュを捧げている、と言った方が正しいとは思うのだが。

ところで、この「コメディアン」は2019年4月にCBS ALL ACCESSで配信が開始されているのだが、2019年10月公開のトッド・フィリップス監督作品 「ジョーカー」(2019)との類似点も興味深い。

もしかしたら「シャイニング」に影響を受けている「コメディアン」は、回り回って「ジョーカー」に影響を与えているのかも知れない。

関心がある方はぜひ!
「コメディアン」はめちゃくちゃ面白いよ。

 

 

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2020/11/01

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のタイトルデザインもキングの影響を

少し古い記事だが、2016年8月のArt of the Titleの記事が興味深い。

映画のタイトルデザインを扱うサイトである Art of Title が行った「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016)のメインタイトル・シークエンスのクリエイティブ・ディレクターであるミッチェル・ドゥハティへのインタビューを記事にしている。
なお「ストレンジャー・シングス 未知の世界」 のメインタイトルは2017年エミー賞のメインタイトルデザイン賞を受賞している。 

Stranger Things Art of Title


Stranger Things | Title Sequence [HD] | Netflix

今回紹介する記事は「ストレンジャー・シングス」のメインタイトルについてなのだが、ご存知の通り「ストレンジャー・シングス」の物語自体は1980年代のポップカルチャーの影響を大きく受けており、そのポップカルチャーの大きな潮流の一つとしてスティーヴン・キング作品の影響がある。

さてそれではどのあたりがスティーヴン・キングの影響を受けているのか、と言う話だが、「ストレンジャー・シングス」のメインタイトル・シークエンスのクリエイティブ・ディレクターであるミッチェル・ドゥハティはメインタイトルの製作について次のように語っている。

タイトル・シークエンスの製作に関する最初の電話会議は「ストレンジャー・シングス」の製作総指揮のショーン・レヴィがセッティングし、本作のショーランナーであるザ・ダファー・ブラザーズ(マット・ダファー、ロス・ダファー)が持っているイメージについて話し合われた。

その中で彼らは「ストレンジャー・シングス」 メインタイトルのイメージは、著名なタイトル・デザイナーであるリチャード・グリーンバーグが製作した次の作品のメインタイトルを例示した。「グーニーズ」(1985)、「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」(1980)、「エイリアン」(1979)、「アンタッチャブル」(1987)、「デッド・ゾーン」(1983)等々。

その電話会議の後、彼らは彼らが、1980年代当時楽しみ親しんだ何冊かのペーパーバックをメインタイトルのタイポグラフィの参考にするように送ってきたが、それらの大半はスティーヴン・キング作品のものだった。

これらによって彼らは「ストレンジャー・シングス」 のタイトルに、1980年代のノスタルジックなイメージを求めていることがわかった。

Paperback インタビュー記事では明示されていないが、画像で紹介されている作品は次の通り。

「デッドゾーン」スティーヴン・キング
「ザ・スタンド」スティーヴン・キング
「キャリー」スティーヴン・キング
「Killer Crabs」ガイ・N・スミス
「The Cats」ニック・シャーマン
「ニードフル・シングス」スティーヴン・キング

彼らは、これらのペーパーバックのタイポグラフィのシンプルさだけではなく、リチャード・グリーンバーグが手がけた作品のメインタイトルを愛していることがわかり、彼らはフォントで勝負することを求めていることがわかった。

これはデザイナーにとって夢のような仕事だと感じた。

その後、彼らは第一話の脚本を送ってきて、撮影はまだ始まっていない中、シリーズ全体の詳細な説明を行った。彼らが求めているのは不気味さや不安さであることがわかり、バラバラになっているタイトルの文字が音楽に合わせて動く案の検討を始めた。

撮影前にタイトルデザインを検討する時間があることは珍しいことでかつ素晴らしいことだった。

彼らは撮影を始め、一区切りついたところでタイトルデザインの検討に戻る、と言う流れを繰り返した。

ミッチェル・ドゥハティが属している制作会社はグリーンバーグの制作会社から派生していることもあり、今回の「ストレンジャー・シングス」のタイトルデザインは、グリーンバーグの系譜にあたることについては、特に問題とは考えておらず、リスペクトすることはむしろ光栄なことだと感じていた。以前はオフィスでグリーンバーグを何度も見かけたことがあるし。

グリーンバーグの作品以外で影響を受けた作品としては、もちろんグリーンバーグの「デッドゾーン」については詳細に分析したが、それ以外にはパブル・フェロがデザインした「ブリット」(1968)を参考にした。

このあとのインタビュー記事は技術的な話になって行くので、簡単にまとめます。

タイトルデザインの文字の動きについてはダファー・ブラザーズの感触がよくなく、何回もやり直しを行い、1980年代のクリエイターの助言を受けて、デジタル製作(MAXON CINEMA 4Dを少し使用したが、ほとんどはAdobe After Effectsを使用)だが1980年代の技術をベースにした光学的な表現に落ち着いた。

1980年代の作品でお気に入りの不気味な作品は、「グーニーズ」(1985)、「E.T.」(1982)、「スター・ウォーズ」(1977-1983)、特に「エイリアン」(1979)。

インタビュー記事についてはやっつけ仕事の意訳なので関心がある方は是非【Stranger Thing】を参照願います。

製作途中のタイトルの動画や静止画も掲載されているので、いろいろと興味深いです。

また「ストレンジャー・シングス 未知の世界」自体はキングファンに超おすすめの作品です。

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」は現在のところ、全3シーズン。全25話。シーズン4の製作が発表されている。

関心がある方は是非、Netflixで。

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」 Netflix


「ストレンジャー・シングス 未知の世界」第1話 特別映像 - Netflix [HD]

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2020/10/21

コロンビアスポーツウェアのキャッスルロックって

Castlerock まあどうでも良い話なんだけど、アウトドアグッズのコロンビアスポーツウェアにキャッスルロックと言うバックパックのシリーズがある。

まあ説明不要だと思うけどメイン州キャッスルロック(Castle Rock)はスティーヴン・キングの多くの小説の舞台となっている架空の町。

キャッスルロック15L バックパック

キャッスルロック20L バックパック

キャッスルロック25L バックパック

サイズ展開は、15リットル、20リットル、25リットルで、カラーバリエーションは、ダーク・プラム、ブラック、チタニウムII、エーゲブルー、アジュール、リッチワインの6色展開。

ちなみに、このキャッスルロックと言うバックパックのシリーズは、コロンビアスポーツウェアジャパンでは販売されているが、本国アメリカのコロンビアスポーツウェアでは販売されていない。

もしかするとキャッスルロックは日本国内限定のモデルなのかも知れない。

Strider 全くの余談だが、わたしが愛用しているモンベルのバックパックはストライダーパック。

ストライダー(Strider)とはご承知のように「指輪物語」(「ロード・オブ・ザ・リング」)に登場するアラゴルンの異称。ちなみに瀬田貞二の訳ではStraderは「馳夫(はせお)」と訳出されている。

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2020/10/15

「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」もキングの影響を

Vampiresvsthebronx さて、本日も全ての事象はスティーヴン・キングの影響を受けている、と言うキングファンの妄想的エントリー。

本日、俎上に乗せるのは2020年10月2日にNetflixで配信が開始された「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」(2020)。

「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」
監督・脚本:オズ・ロドリゲス
出演:ジェイデン・マイケル(ミゲル)、ジェラルド・W・ジョーンズ三世(ボビー)、グレゴリー・ディアス四世(ルイス)、サラ・ガドン(ヴィヴィアン)、クリフ・“メソッド・マン”・スミス(ジャクソン神父)、シェー・ウィガム(フランク・ポリドリ)、ココ・ジョーンズ(リタ)、アダム・デヴィッド・トンプソン(アレクシス)

本作「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」の物語は、ニューヨークのブロンクスにヴァンパイアのコロニー構築を目的として移住を企むヴァンパイア軍団とブロンクスに住む3人の少年たちが対決する物語。

しかもこの物語で描かれるヴァンパイアは、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」に登場する吸血鬼の設定をそのまま現代に持ち込んだものだと言える。

それではそもそもブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」 の物語はどのような物語だっのたかと言う話だが、端的に言うとトランシルヴァニアに住む吸血鬼がロンドンに合法的に移住しようとする物語。

そう考えた場合、本作「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」の物語は「吸血鬼ドラキュラ」の基本プロットと吸血鬼の生態の設定を踏襲した上で、現代のニューヨークのブロンクスにクラシックなヴァンパイアが移住しようとする物語である。

そのヴァンパイアは当然ながら日光やニンニク、聖水や聖体(聖餅)、十字架に弱く、鏡には映らないし、招待されないと建物に入ることができない。

ところで、ここで興味深いのは、「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」 に登場するヴァンパイアたちは、フランク・ポリドリと言う男が経営するムルナウ不動産にブロンクス内の不動産を次々と買収させ、その不動産の跡地にヴァンパイアのコロニー(映画ではネスト)を構築しようとするのだ。

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因みに、フランク・ポリドリが経営するムルナウ不動産のロゴマークには、串刺し公として知られ「吸血鬼ドラキュラ」のドラキュラのモデルの1人と言われているヴラド・ツェペシュの肖像画を図案化したイラストが使用されている。

また、フランク・ポリドリのポリドリは、世界最初の吸血鬼小説と言われる「吸血鬼」の作者ジョン・ポリドリからの引用であり、さらにムルナウ不動産のムルナウはドイツの映画監督F・W・ムルナウの引用である。ご承知の通りF・W・ムルナウは「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)を監督している。

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また、本作「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」には、登場人物がスティーヴン・キングの小説である「呪われた町」を読むシーンがある。

ご承知の通り「呪われた町」はキング自らが「吸血鬼ドラキュラ」 の文学的イミテーションだと語る作品で、アメリカの田舎町セイラムズ・ロットに吸血鬼が移住しようとする物語である。

つまり本作「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」は、ジョン・ポリドリ、F・W・ムルナウ、ブラム・ストーカー、スティーヴン・キング等に対するリスペクトに満ちたヴァンパイア映画だと言うことができる。

ところで本作「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」は、あえてジャンル分けをするとしたら、ティーン向けホラーコメディ作品であり、その雰囲気は「グーニーズ」(1985)やもちろんNetflix的には「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016-2019)に近いと言える。

本作「ヴァンパイアvsザ・ブロンクス」は、3人の少年たちが知恵と勇気で700年以上生きているヴァンパイア軍団に対峙する物語なのだ。

本作は繰り返しになるがティーン向けのホラーコメディ映画ではあるが、観るべきところはたくさんある楽しい作品に仕上がっている。

関心がある方はぜひ。

「呪われた町」もぜひ。

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2020/10/13

「シャイニング」のカーペットのデザイン[ヒックス・ヘキサゴン]について

先日のエントリー【「The Witch/魔女」もキングの影響を!?】でお話しした「シャイニング」のオーバールックホテルのカーペット柄の壁紙についてですが、東京都港区麻布台の[メゾン・ランドゥメンヌ 麻布台]のイートインコーナーの壁紙にも使用されていることから、一般的に販売されている商品だと言うことががわかりました。

まずはこの画像をご覧ください。

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これはテレビ朝日の「バラバラ大作戦」「秋山とパン」コーナーからの画像で、2020年10月7日に放送された際のものです。

なお「秋山とパン」と言うコーナーは、ロバートの秋山竜次が、毎回街の皆さんに愛されるパンの名店を訪れ、お店ご自慢のパンに舌鼓を打つ、と言うコーナーです。

因みに「秋山のパン」の動画はTVerで無料視聴することができます。

いかがでしょう
先日紹介した「The Witch/魔女」に登場した壁紙と同一の壁紙だと言うことが確認できます。

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さて、そもそもこの壁紙のデザインはどこからきているのか、と言う話なのですが、これはインテリアデザイナーであるデービッド・ヒックスのデザイン[ヒックス・ヘキサゴン]によるものです。

それではこの[ヒックス・ヘキサゴン] が「シャイニング」のオーバールックホテルのカーペットのデザインに採用されたのはどのような経緯だったのでしょう。

ご存知のように、スタンリー・キューブリックと言う映像作家は映画制作の際にありとあらゆる情報を収集し、それらを参考にすることで有名な映像作家です。その情報を収集する分野は多岐にわたり、例えばロケ地選定のために建築関係の業界誌の数年分のバックナンバーを取り寄せたり、もちろん既製の音楽を聴きまくったり、映画の原作となりそうな小説のゲラを読みまくったり、もちろん今回のようにセットのインテリアとなる既製のインテリア関係の業界誌を取り寄せたり。

そんな中、デービッド・ヒックスの[ヒックス・ヘキサゴン] が「シャイニング」に採用された経緯は、「シャイニング」制作時のリサーチの一環としてキューブリックが[ヒックス・ヘキサゴン]を発見、デービッド・ヒックスに無断でデザインを使用し、かつ色彩を変更した上でオーバールックホテルのカーペットを作成した、と言う話が定説になっています。 (色彩を変更した、と言うのは当ブログの推測)

そのあたりについてはこちらのブログエントリー【『シャイニング』に登場した六角形柄のカーペットをデザインしたインテリアデザイナー、デービッド・ヒックス】が詳しいのでぜひご参照願います。

ここまでは知識として知っていたのですが、先ほど紹介したメゾン・ランドゥメンヌ 麻布台]のイートインコーナーの壁紙が[ヒックス・ヘキサゴン]であることから、もしかしたらこの壁紙が普通に販売されているのではないかと、ちょっと検索してみたところ、この壁紙が一般的に販売されていることを発見しました。

Hickshexagon

しかもよくありがちな映画グッズや版権的にグレーな商品ではなく、デービッド・ヒックスの[ヒックス・ヘキサゴン]商品としてオフィシャルに販売されているのです。

まあこれは、インテリアデザイナーの作品なので、販売されていることは当たり前と言えば当たり前なのですが、オフィシャルな商品として一般を対象として販売されていることに若干驚きを感じました。

この流れで考えると、もしかしたらですが、TOHOシネマズ日本橋のカーペットが[ヒックス・ヘキサゴン]なのは、これもおそらくオフィシャルな商品なのだろう、と言うことに思いがおよびました。

ご参考【TOHOシネマズ日本橋はオーバールックホテル!?

せっかくなので[ヒックス・ヘキサゴン]の壁紙を販売しているサイトを紹介します。

Cole & Son イギリスの販売サイト

TECIDO Cole & Son の国内代理店

[ヒックス・ヘキサゴン] に関心があり、ご家族を説得できると言う幸運な方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

余談ですが、オーバールックホテルにはもうひとつ有名なデザインのカーペットが登場します。
それはオーバールックホテルの237号室のカーペットで、ギレルモ・デル・トロ の「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017)にも登場したデザインです。

ご参考 ギレルモ・デル・トロもキングの影響を

この237号室のカーペットのデザインは原作「シャイニング」に登場する[スズメバチの巣]を図案化したものだと言うのが定説ですが、デービッド・ヒックスのデザインにそれに似たデザインがあるのでこちらを紹介します。

237

いかがでしょうか。
オーバールックホテルの237号室のカーペットのデザインもデービッド・ヒックスのデザインの流用だったのではないでしょうか。そんな気がしてきました。

 

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