2010年11月12日 東京渋谷区代官山のギャラリー「GALLERY SPEAK FOR」で開催されているイラストレーター松尾たいこ(敬称略)の個展「松尾たいこ My Life with a DOG」に行ってきた。
「松尾たいこ My Life with a DOG」
会場:GALLERY SPEAK FOR
会期:2010年11月12日(金)~24日(水)
松尾たいこ アーティスト/イラストレーター
広島県生まれ。第16回ザ・チョイス年度賞鈴木成一賞受賞。著作に「空が高かったころ」、江國香織との共著「ふりむく」、角田光代との共著「Presents」「なくしたものたちの国」がある。手がけた書籍装画に「奇想コレクション」シリーズ、「日本の古典をよむ」シリーズ、「スティーブン・キング」シリーズ、横山秀夫「クライマーズハイ」、桐野夏生「白蛇教異端審問」、カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」など。雑誌、広告、ジュエリーデザインなども手がけている。
TAIKO MATSUO ART-WORKS
松尾たいこと言えば、スティーヴン・キングファンとしてはご承知のように「リーシーの物語」、新版「シャイニング」、新版「ミザリー」の表紙の装画でおなじみだと思うが、それ以外にも、現在まで190冊以上の書籍の装画を手がけ、今回の個展のテーマ「My Life with a DOG」のコンセプトになっている集英社の文芸雑誌「小説すばる」の表紙にいたっては4年にわたり表紙を描き後年はエッセイも担当している。
また、先般、松尾たいこは、NHKの「トップランナー」でも紹介され、現在日本で最も多忙なイラストレーターの一人だと言えるのではないだろうか。
書店に足を運んだ場合、松尾たいこのイラストを見ない事があり得ない程の超売れっ子振りである。
そんな中、東京渋谷区代官山のギャラリーGALLERY SPEAK FORで個展が開催され、その初日にはオープニング・パーティとトーク・イベントがある、と言うことなので行ってみた訳である。
わたしが会場入りしたのは、トーク・イベントの開始直前の18時45分頃だったろうか、会場は立錐の余地がない程の大盛況で、松尾たいこの人気の高さを再確認させられた。
トーク・イベントは「小説すばる」の編集長である徳永真(敬称略)を聞き手に迎え、「小説すばる」の表紙の制作秘話が次々と披露された。
「小説すばる」の表紙は当初は風景画の予定だったがたまたま犬をワンポイントで描いたらそれが恒例になったとか、約50枚の表紙があるが、原則的に同じ犬種は描かないとか、月刊誌なので先月号と色彩を変えていたとか、例えば4月号を4回描かなければならない苦労だとか、「小説すばる」の特集テーマを如何にして描くかとか、犬好きの2人の軽妙な話が興味深かった。
ところで、今回の個展のテーマは「My Life with a DOG」と言う事で、展示されている作品の半数は4年以上にわたって担当した「小説すばる」の表紙で、残りの半数はツイッター上で「今日の一枚」として毎日のように描いていたイラストのうち、犬を題材にしたイラスト。
また、恐縮だがトーク・イベントが終わってから、サインをいただいた。
本来ならば、今回の個展のテーマ「My Life with a DOG」に関するサインをいただくべきだったとは思うのだが、スティーヴン・キングファンとしては、2008年に開催された個展「松尾たいこ Parallel World 〜私の視線〜」の際の「シャイニング(新装版)」のポストカードにサインをいただいた。
余談だが、松尾たいこさんは最近金髪にしたのだが、本人的には新装版「シャイニング」の表紙に描いたダニーに雰囲気が似ていると思っている模様。確かに、似ているとわたしも思った。
個展の会期は、11月24日(水)までなので、関心がある方は是非行ってみて下さい。
余談ですが、ギャラリーとか画廊とかには行った事がないので敷居が高いな、と思っている人も中にはいるんじゃないかと思いますが、全然そんなことはありませんし、絵を売りつけられそうになる事もありませんし、一見さんお断りでもありません。ただ単に無料で絵が見られる美術展みたいなものですので、臆せず挑戦してみましょう。
最近のコメント