「スマイリーと仲間たち」も映画化か!?
2012年4月19日の映画.comのニュース『成海璃子、ポール・スミス氏のファッションチェックに照れ笑い』によると、来日中のポール・スミスが「裏切りのサーカス」の次に映画化される「スマイリー三部作」について語った模様。
『成海璃子、ポール・スミス氏のファッションチェックに照れ笑い』
記録のため全文を引用する。
[映画.com ニュース] 女優の成海璃子が4月19日、東京・ポール・スミス丸の内店で行われた映画「裏切りのサーカス」写真展に、来日中のファッションデザイナー、ポール・スミス氏とともに出席。同ブランドのジャケットに身を包んだ成海は、1970年代のイギリスのスパイをイメージしたそうで「自分なりに着た」とニッコリ。スミス氏から「ポール・スミスの服を着てくれて誇らしい。でもスパイの場合、こんなに明るい青はダメかな」と茶目っけたっぷりに指摘され、照れ笑いをのぞかせた。
今作のクリエイティブサポートを担当したスミス氏は、「私の物の見方、考え方に興味を持ったトーマス・アルフレッドソン監督から電話をもらいました。色彩や撮影についてアイデアを求められたんです」。そして、「ざらざらした質感の映像、そしてバスなど“ロンドンと言えば”という赤を際立たせた」と話す。成海から今作のシリーズ化について問われると、「まずこの作品を2度、3度と見ないといけませんね。その先のシリーズ化については、スマイリーと仲間たちが……という噂は聞いています」と語るにとどめた。
同写真展は、主演のゲイリー・オールドマン、写真家ジャック・イングリッシュ氏が、舞台裏を撮影したモノクロ写真などを展示。映画撮影の合間の貴重なショットを見ることができる。写真好きの成海は、「映画の世界観の裏側を見られたことは非常に貴重。モノクロで非常に格好よかった」と絶賛。プライベートでオールドマンと親交があるスミス氏も、「今回の写真はすごく自然体なところが魅力」と太鼓判を押した。
「裏切りのサーカス」は、「ぼくのエリ 200歳の少女」のアルフレッドソン監督が、ジョン・ル・カレのスパイ小説の金字塔を映画化。英諜報機関サーカスを引責辞職したスマイリーが、組織に在籍する幹部のなかから2重スパイ探しを命じられる。主演のオールドマンが第84回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされ、話題を集めた。4月21日から全国で公開。
「裏切りのサーカス」写真展は、5月13日まで開催。
大事なところを繰り返す。
成海から今作のシリーズ化について問われると、「まずこの作品を2度、3度と見ないといけませんね。その先のシリーズ化については、スマイリーと仲間たちが……という噂は聞いています」と語るにとどめた。
とのこと。
なお、「スマイリー三部作」とは、今回「裏切りのサーカス」として映画化された「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(1974)、そして「スクールボーイ閣下」(1977)、「スマイリーと仲間たち」(1979)の三作品。
また、「死者にかかってきた電話」(1961)、「高貴なる殺人」(1962)を含めて「スマイリー五部作」とも呼ばれている模様。
ジョン・ル・カレ作品の今後の映画化作品としては未訳の「A Most Wanted Man」の映画化が予定されているが、ここにきて、驚くべき事に「スマイリーと仲間たち」が映画化されるかも知れないとは!
ところで、ポール・スミスに対し、今後の「スマイリー三部作」の映画化について尋ねた成海璃子は、実は映画ファンの中では、コアでディープな映画ファンとして知られている。
その成海璃子の映画に関する選択眼には、コアな映画ファンも舌を巻く程である。
と言うのも、メジャー作品ではなく、マニアックな作品が上映されている劇場で成海璃子がちょくちょく目撃されているのだ。
そんな訳で、映画ファンとしては、そしてジョン・ル・カレファンとしては、成海璃子が「裏切りのサーカス」関連イベントに登場していることに歓びを禁じ得ない。
ところで、ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化作品「裏切りのサーカス」については、当ブログ「ホンヤクモンスキーの憂鬱」でも次のエントリーで何度か紹介しているのはご承知の通りである。
関連エントリー
『新訳版「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」発売決定!』2012/02/05
『ポール・スミスが「裏切りのサーカス」の制作に特別協力!?』2012/02/14
『ポール・スミス丸の内店 Tinker Tailor Soldier Spy 写真展』2012/04/17
また、次に映画化が予定されているジョン・ル・カレの「A Most Wanted Man」についてはこちら。
『フィリップ・シーモア・ホフマン、ル・カレ原作スリラーに出演!』2012/02/11
@tkr2000
@honyakmonsky
余談だが、ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕」の刊行に合わせ、ハヤカワ文庫NVより「スマイリー三部作」の新装版が刊行されている。
そして、今回の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕」が刊行された事により、「スマイリー三部作」は村上博基訳がそろった事になる。
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