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2012年5月12日

パオロ・バチガルピのインタビュー

2012年4月26日 Publishers Weeklyで、パオロ・バチガルピのインタビュー記事が掲載された。

Q & A with Paolo Bacigalupi
By Carolyn Juris

ご存知のように、パオロ・バチガルピの「ねじまき少女」(2009)はヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞等のSF文学賞を総なめし、続く初めてのヤング・アダルト小説「Ship Breaker」(2010)はYALSA(全米図書館協会ヤングアダルト図書館サービス部会)マイケル・L・プリンツ賞を受賞、2012年5月に新作「The Drowned Cities」を出版している。

また、日本国内では「ねじまき少女」と短篇集「第六ポンプ」が出版されており、パオロ・バチガルピについては世界中が大絶賛している。

今回のインタビュー記事はあまりにも長いインタビュー記事なので全てを紹介する事はできませんが、気になった部分を紹介したいと思います。

Q:あなたの小説はSF、推測的なフィクション(speculative fiction)、バイオ・パンクと紹介されていますが、自作のジャンル分けについてはどう考えていますか?

A:自分の作品を明確にジャンル分けしている訳ではないが、どちらかと言えばSFを書いている。

しかし、陰鬱なフィクションをSFに分類する事には違和感を持っている。と言うのは、SFと言う言葉は、ある意味ポップで、未来に対する前向きなイメージを持っているから。

(ディストピア小説について)「われら」(エフゲニー·ザミャーチン)、「一九八四年」(ジョージ・オーウェル)、「すばらしい新世界」(オルダス・ハクスリー)等の古典的なディストピア小説は素晴らしい。

Q:あなたの小説はSFのSienceを強調しているような印象を受けますが、そのあたりについてはどう考えていますか?

A:わたしはハイ・カントリー・ニュースというオンライン新聞で、科学ジャーナリストをやっていました。科学ジャーナリストや環境ジャーナリストとして活動していると、地球温暖化の問題や珊瑚の死、または絶滅危惧種についての記事を書く事ができます。そしてわたしは例えば珊瑚の最後のDNAを持っていると言う設定で数百年後の物語を書く事が出来ます。科学ジャーナリストは一般の人々がスルーしてしまうようなことについて気づいています。それを一般の人々の悪夢として描く事ができるのです。

Q:あなたの作品は、湾岸地方(「Ship Breaker」)、東南アジア(「ねじまき少女」)、ワシントンD.C.(「The Drowned Cities」)等、様々な地域を舞台にしていますが、それについて何か特別な理由はありますか?

A:キャラクターにしろプロットにしろ全てに関連性があり、物語の舞台となる地域もランダムに設定されている訳ではありません。

最近の作品でも、実際その地域で発生した自然災害、政治経済、問題となっている自然環境の変化を参考にしています。

その地域が物語の舞台とするには、常に物語の大きなテーマを与えてくれているのです。

Q:あなたは2009年9月に「ねじまき少女」を、2010年5月に「Ship Breaker」を出版しています。最初に書かれた作品はどちらですか?

A:わたしはそれらの作品を同時に書いています。「ねじまき少女」を書くのに3年かかりました。

インタビューの後半については、ヤング・アダルト小説「Ship Breaker」と同世界の物語「The Drowned Cities」に関するものなので割愛します。

@tkr2000
@honyakmonsky


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