原作者が気に入っている自作の映画化作品って!?
2013年4月14日に映画.comが伝えるところによると、米Flavorwireが「原作者が気に入っている映画化作品10本」を発表した模様。
P・K・ディック、エルロイほか原作者が気に入っている自作の映画化10本
[映画.com ニュース] 米カルチャーサイトFlavorwireが、「原作者が気に入っている自作の映画化作品10本」を特集している。
スタンリー・キューブリック監督が映画化した「シャイニング」をスティーブン・キングが酷評した話など、原作者が自身の小説の映画化作品を嫌いだという話はよく聞くが、一方で、気に入っているという話についてはあまり取り上げられないかもしれない。
「ブレードランナー」の原作者フィリップ・K・ディックは、同作の公開を待たずに死去したが、映画の一部を鑑賞した時点で、プロデューサーに対して次のような手紙を送っていたという。「『ブレードランナー』は、一般大衆、表現者、そしてSFというジャンルに対して、とてつもない影響を与えるだろう。(中略)私の人生も作品も、『ブレードランナー』によって正当化され、完成された」
原作者が気に入っていることを表明している10作品は以下の通り。
▽ フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」→「ブレードランナー」(1982/リドリー・スコット監督)
「ラム・パンチ」 ▽ エルモア・レナード
→「ジャッキー・ブラウン」(1997/クエンティン・タランティーノ監督)▽ジェームズ・エルロイ「L.A.コンフィデンシャル」
→「L.A.コンフィデンシャル」(1997/カーティス・ハンソン監督)▽デニス・ルヘイン「ミスティック・リバー」
→「ミスティック・リバー」(2003/クリント・イーストウッド監督)▽ジョン・グリシャム「原告側弁護人」
→「レインメーカー」(1997/フランシス・フォード・コッポラ監督)▽P・D・ジェームズ「人類の子供たち」
→「トゥモロー・ワールド」(2006/アルフォンソ・キュアロン監督)▽J・G・バラード「太陽の帝国」
→「太陽の帝国」(1987/スティーブン・スピルバーグ監督)▽デビッド・ミッチェル「クラウド・アトラス」
→「クラウド アトラス」(2012/ラナ&アンディ・ウォシャウスキー、トム・ティクバ共同監督)▽アン・ライス「夜明けのヴァンパイア」
→「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994/ニール・ジョーダン監督)▽スーザン・オーリアン「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」
→「アダプテーション」(2002/スパイク・ジョーンズ監督)(映画.com速報)
まあ、あがっている作品は全て映画史に残るような素晴しい作品なので、原作者も納得、と言うところでしょうか。
「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」は読んでいないのですが、スーザン・オーリアンが「アダプテーション」に満足している、と言う事は、「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」もぶっ飛んだ作品なんでしょうね。
冒頭で紹介されている「ブレードランナー」は、原作の「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と全然違っているのですが、フィリップ・K・ディックがプロデューサーに感謝の手紙を送った件は、良い話ですよね。
映画「クラウド アトラス」に原作者のデイヴィッド・ミッチェルが満足している、と言う話も嬉しい話ですね。
個人的には「ブレードランナー」、「ジャッキー・ブラウン」、「L.A.コンフィデンシャル」、「ミスティック・リバー」、「クラウド アトラス」、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」あたりがお気に入りです。
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コメント
こんにちは。いつも興味深く拝見しております。
「アダプテーション」が出てきたので思わずコメントさせていただきました。
>「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」もぶっ飛んだ作品なんでしょうね。
私の印象に最も残っている原作映画がこれです。
本は、蘭コレクターの歴史から現在のコレクターのエクストリームな生態までを伝えたとてもまともなノンフィクションです。
私は本を先に読んでいたので、映画を見てライターとコレクターができちゃうんかい!ってびっくりしました。
ジョンズとカウフマンなのでまともになるとは思いませんでしたが、こんな風に脚色しちゃったんだと(まさに「アダプテーション」)。原作と二度楽しめて得した映画でした。
原作者はこれにOK出したんだ~冗談がわかる人なんだな~と思ったのですが、気に入っていたのですね。なんたって自分をメリル・ストリープが演じてくれるなんてことは普通ないですから。
トマス・ハリス「羊たちの沈黙」もリストに載るかと思いましたが入りませんでした。
キングもですが、ジョン・アーヴィングも昔からよく映画化にケチつけてますよね。「ガープの世界」なんてクドクドした原作をよくぞここまで素晴らしい映画にしてくれた(俳優陣もいいけど)と思いましたが「neatすぎる」と文句たれたらしいです。
長々と失礼しました。これからも翻訳もの&映画の面白い情報を楽しみにしています。
投稿: uribon | 2013年4月14日 23時05分
コメントありがとうございます。
わたしも「アダプテーション」の原作は、公開当時の映画ニュースとかを読み、ノンフィクションっぽい作品だったんじゃないかな、と思ってたのですが、やはりノンフィクションでしたか。
やはり、あの脚色はある意味異常だったんですね。
仰る通り、洒落のわかる原作者だったんですね。
これからもよろしくお願いします。
投稿: tkr | 2013年4月15日 18時37分