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2019年12月14日

「トイ・ストーリー4」のウッディは人魚姫だったのか

ちょっと前の話だが2019年7月日本公開の「トイ・ストーリー4」(2019)を観て驚いた。これじゃまるでウッディは人魚姫みたいじゃないか。

「トイ・ストーリー4」のウッディのどのあたりが人魚姫なのか、と言う話なのだが、その前に気になるアンデルセンの「人魚姫」をモチーフとしたと思われる作品を何点か紹介したい。アンデルセンの「人魚姫」の物語はみなさんご存知ですよね。物語の紹介は割愛します。

先ずは「ジョゼと虎と魚たち」(2003)。

「ジョゼと虎と魚たち」のヒロインであるジョゼは足が不自由で、言葉使いが悪く関西弁を話す。

なぜジョゼは足が不自由で言葉使いが悪いのか。
それはジョゼが元々は人魚姫で王子様に出逢うために、魔法で魚の尻尾を足にしてもらい、きれいな言葉を失ったから。

続いて「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017)。

「シェイプ・オブ・ウォーター」のヒロインであるイライザは言葉が不自由で手話で会話をする。

「シェイプ・オブ・ウォーター」の予告編やポスターを観て、どうやら人間が半魚人のようなクリーチャーと恋をする物語だと言うことがわかる。監督のギレルモ・デル・トロは「大アマゾンの半魚人」をモチーフにして、半魚人と人間の女性はなぜ恋に落ちないのか、そのあたりを含めて、この物語を発案している。

なぜイライザは言葉が不自由なのか。
それはイライザが元々は人魚姫で王子様に出逢うために、魔法で魚の尻尾を足にしてもらい、言葉を失ったから。

なんと、その解釈は驚くべき事にあたってしまう。

さて「トイ・ストーリー4」(2019)のウッディである。

「トイ・ストーリー4」の物語を「人魚姫」的に解釈すると、ウッディは持ち主がいないおもちゃと言う生き方を選択したボー・ピープに憧れ、トーキング・ボックス、つまり声を失う事で自由(ここでは足のメタファ)を手に入れる。

私はかねがね、海外の作品を解釈する上で、「聖書」「オズの魔法使い」「スター・トレック」の知識が不可欠だ、という話を折あるごとにしているが、近年は「人魚姫」の知識が必要な時代になって来たようである。

「ジョゼと虎と魚たち」「シェイプ・オブ・ウォーター」「トイ・ストーリー4」の3本は素晴らしい作品である。
機会があれば「人魚姫」の事を考えながら観てみていただきたい。

 

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