カテゴリー「映画」の148件の記事

2017年10月29日

ジョー・ヒルのホラー映画オールタイムベストが更新される

2017年10月28日 ジョー・ヒルがホラー映画のオールタイムベストについてツイートした。

おそらくこれは、父親であるスティーヴン・キング原作の映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」を観たため、ランキングが変わったものだと思われる。

念のため邦題を記しておく。

1.「ジョーズ」(1975)
2.「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008)
3.「デビルズ・バックボーン」(2001)
4.「遊星からの物体X」(1982)
5.「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」(2017)
6.「エクソシスト」(1973)
7.「ゾンビ」(1978)

因みに、ジョー・ヒルは1972年生まれ。
そのわりに比較的古い作品も多いが、ピックアップされた映画は順当で、ジョー・ヒルのホラー映画に対する感性は信頼できる。

余談だが、ジョー・ヒルはジョージ・A・ロメロの「クリープショー」(1982)に出演している。
また「クリープショー」でスティーヴン・キングは脚本を担当しているが、同時に第2話「ジョディ・ベリルの孤独な死」でキングは主演を務めている。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2016年6月27日

「猿の惑星」をめぐる冒険

「猿の惑星」
故あって、ピエール・ブールの「猿の惑星」(1963)を読んだ。

わたしの「猿の惑星」(創元推理文庫)は、1975年6月の28版で価格は220円。と言う事は、わたしは「猿の惑星」をずっと前に買ったものの全然読んでいなかったことになる。

《アラン・バートン、ピート・バーグ、そしてゲイランの三人は、苦難に満ちた逃亡の道を歩き始める。 だが、三人の行く手には、必ず何かが待ち受けている。 ここは、猿の惑星なのだ》のナレーションでおなじみのテレビシリーズ「猿の惑星」のジョージ・A・エフィンガーのノベライズは「逃亡者人間」「明日への脱出」「疫病をやっつけろ」は読んでいるのだが、そもそものピエール・ブールの「猿の惑星」は恥ずかしながら読んだことがなかったのだ。

一読して驚いた。
「猿の惑星」に登場する猿たちは、知的で文化的な生活をおくっており科学水準も人類を凌駕しているのだ。

と言うのも、「猿の惑星」の物語の中盤以降、人工衛星(猿工衛星)に動物(人間)を乗せる計画が語られるところを見ると、われわれ人類の文明レベルと比較すると、ライカ犬を乗せたスプートニク2号が打ち上げられたのが1957年であるから、「猿の惑星」における猿たちは、おそらく1950〜1960年代の人類と同程度の文明レベルだと推測する事が出来る。

なぜこんな話をしているのかと言うと、どうしても映画「猿の惑星」(1968)と比較してしまう自分がいるのだ。

映画「猿の惑星」で描かれた猿たちは、ライフル銃を使ってはいるものの、洞窟のようなものの中で暮らしているところを見ると、人類における中世(5〜16世紀)の文明レベルのような印象を受け、猿は猿なりに文化的な生活をおくっているものの、暴力と権力がニアリーイコールな世界。そんな猿たちが支配階級にいる、比較的野蛮な世界観を観客に与えてしまっているのだ。

また、興味深いのはチャールトン・ヘストン演じる宇宙飛行士テイラー大佐もどちらかと言うと野蛮な人物として描かれている。

映画「猿の惑星」は、野蛮な猿の世界に投げ込まれた野蛮な人間テイラー、と言う構造を持っているのだ。

それと比較すると小説「猿の惑星」に登場する猿たちの文化的で科学的な姿には愕然とする。

もっとも、本作「猿の惑星」が文明批判をしている以上、物語構造上、猿が野蛮であってはいけないのである。

残念ながら映画「猿の惑星」はそのあたりについて配慮が足りないと言わざるを得ない。もちろんそのあたりについて意図的である可能性は高いが。

個人的には映画「猿の惑星」は映画史に残る素晴らしい作品だと思っているが、原作と比較すると残念な気持ちがする。

おそらくだが制作者サイドは、意図的に知的なアメリカより、強いアメリカに舵をきったのではないか、と思えてならない。これは1968年と言う時代背景がそうさせている可能性が高い。

また、もう一点興味深いのは、本作「猿の惑星」の物語の構造は、所謂ブックエンド形式で、かつ叙述トリックが採用されている点である。

物語の冒頭、レジャーとして恒星間旅行を楽しんでいる2人の恋人たちが、その旅行中に宇宙空間を漂うひとつの瓶を見つけ、その中に、われわれが知っている「猿の惑星」の物語を記した手記が入っていた、と言う構造を持っているのだ。

そこでは、映画「猿の惑星」に存在する《英語問題》について、登場人物の1人が地球に留学していた経験があるため、地球の言語をマスターしている、と言う設定で物語が描かれている。そして2人の恋人たちの一方が、他方に「猿の惑星」の手記を読み聞かせる、と言う構造をもっているのだ。

そしておそらくだが、小説「猿の惑星」における地球の言語は、英語ではなくフランス語だと考えることができ、その場合、この小説がフランス語で書かれている点に大きな意義を感じる。

つまり、「猿の惑星」の物語では、地球の共通言語は英語から、何らかの事由でフランス語に変わっている、と言う背景を読み取る事ができる。

これは「猿の惑星」の物語にとって大きな意義がある。

また叙述トリックの内容については、趣向を削ぐので解説はしないが、エピローグにあたる部分で非常に興味深い描写が楽しめる。

尤も、「猿の惑星」が採用している叙述トリックは、レベルとしてはあなり高度ではなく、注意深い読者なら早いタイミングで、もしや、と思うと考える。

そんな訳で本作「猿の惑星」は、今読んでも大変面白く、大変興味深く、いろいろと考えさせる作品だと言える。

今更だが、関心がある方は是非、ご一読いただきたい。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2016年5月 8日

「ルーム ROOM」をめぐる冒険

2016年5月8日、エマ・ドナヒューの小説「部屋(上・下)」を映画化した「ルーム ROOM」を観た。

「ルーム ROOM」
監督:レニー・アブラハムソン
原作・脚本:エマ・ドナヒュー
出演:ブリー・ラーソン(ママ/ジョイ)、ジェイコブ・トレンブレイ(ジャック)、ジョーン・アレン(ばあば/ナンシー)、ウィリアム・H・メイシー(じいじ/ロバート)、トム・マッカムス(レオ)、ショーン・ブリジャー(オールド・ニック)

 5歳の誕生日を迎えたジャックは、狭い部屋に母親と2人で暮らしていた。外の景色は天窓から見える空だけ。母親からは部屋の外には何もないと教えられ、部屋の中が世界の全てだと信じていた。2人はある男によってこの部屋に監禁されていたのだった。

 しかし母親は真実を明かす決断をし、部屋の外には本物の広い世界があるのだとジャックに教える。そしてここから脱出するために、ついに行動を開始するのだったが・・・・。

本作「ルーム ROOM」は、非常にエモーショナルな素晴らしい作品に仕上がっている。作品が取り上げた題材、つまり少女の拉致・監禁事件は、現代的でセンセーショナルであり、その辺りに真っ向から勝負を挑んだ意欲的な作品である。

また原作者のエマ・ドナヒューが本作の脚本を担当し、米アカデミー賞脚本賞にノミネートされているのも興味深い。(脚本賞以外では、作品賞ノミネート、主演女優賞受賞、監督賞ノミネート)

キャストはジョイ役のブリー・ラーソン、ジャック役のジェイコブ・トレンブレイの天才ぶりに舌を巻くし、じいじ役のウィリアム・H・メイシーの登場に拍手喝采である。

17歳の娘が誘拐され暴行された事実を受け止められない父親の震えが悲しい。

そんな本作「ルーム」だが、理解する上でのヒントを少々。

◆オールド・ニック
 17歳のジョイを拉致・監禁した犯人のことをジョイとジャックはオールド・ニックと呼んでいる。オールド・ニック( Old Nick )は英語(口語)では《悪魔》を意味する。

 これは当然ながらジャックではなくジョイの考えであろう。

◆サムソン
 髪を伸ばしているジャックは、力の源は髪の毛にある、と考えており、母親のジョイもそれはサムソンのことだと理解している。

 わたしは最初は、ジャックがテレビでアニメーションを観ていたので、ハンナ・バーベラの「怪力サムソン」( "Young Samson and Goliath" )の影響かな、と思ったのだが、「怪力サムソン」は髪が長くはない。

 と言う事は、これは「旧約聖書」「士師記」「サムソンとデリラ」の物語の引用であろう。

 サムソンの物語をWikipediaより一部引用する。 

 イスラエルの民がペリシテ人に支配され、苦しめられていたころ、ダン族の男マノアの妻に主の使いがあらわれる。彼女は不妊であったが、子供が生まれることが告げられ、その子が誕生する以前からすでに神にささげられたもの(ナジル人)であるため次のことを守るよう告げられた。それはぶどう酒や強い飲み物を飲まないこと、汚れたものを一切食べないこと、そして生まれる子の頭にかみそりをあてないことの三つであった。神の使いはマノアと妻の前に再び姿をあらわし、同じ内容を繰り返した。こうして生まれた男の子がサムソンであった。

 サムソンは長じた後、あるペリシテ人の女性を妻に望み、彼女の住むティムナに向かった。その途上、主の霊がサムソンに降り、目の前に現れたライオンを子山羊を裂くように裂いた。ティムナの女との宴席で、サムソンはペリシテ人たちに謎かけをし、衣を賭けた。ペリシテ人は女から答えを聞きだし、サムソンに答えた。サムソンは主の霊が下ってアシュケロンで30人のペリシテ人を殺害してその衣を奪い、謎を解いたペリシテ人たちに渡した。ティムナの女の父はこの一件の後、娘をほかの男性に与えた。サムソンはこれを聞いて、300匹のジャッカルの尾を結んで、それぞれに一つずつ松明をむすびつけ、畑などペリシテ人の土地を焼き払った。ペリシテ人はその原因がティムナの父娘にあると考えて二人を殺したが、サムソンはこれにも報復してペリシテ人を打ちのめした。ペリシテ人は陣をしいてサムソンの引渡しを求め、ユダヤ人はこれに応じた。ペリシテ人はサムソンを縛り上げて連行したが、途中で主の霊が降ると縄が切れて縄目が落ち、サムソンはろばのあご骨をふるってペリシテ人1000人を打ち殺した。

 サムソンは二十年間、士師としてイスラエルを裁いた。その後、サムソンはソレクの谷に住むデリラという女性を愛するようになったため、ペリシテ人はデリラを利用してサムソンの力の秘密を探ろうとした。サムソンはなかなか秘密を教えなかったが、とうとう頭にかみそりをあててはいけないという秘密を話してしまう。デリラの密告によってサムソンは頭をそられて力を失い、ペリシテ人の手に落ちた。彼は目をえぐり出されてガザの牢で粉をひかされるようになった。

 ペリシテ人は集まって神ダゴンに感謝し、サムソンを引き出して見世物にしていた。しかしサムソンは神に祈って力を取り戻し、つながれていた二本の柱を倒して建物を倒壊させ、多くのペリシテ人を道連れにして死んだ。このとき道連れにしたペリシテ人はそれまでサムソンが殺した人数よりも多かったという。

ジャックはおそらくだが、産まれてからの5年間、一切髪を切っていないのだと推測することが出来る。

なぜなら髪を切ってしまうとその力が失われる、とジャックは信じているから。

サムソンはデリラのために捕らえられ、髪を剃られるが、監禁されている間に髪が伸び、神に祈る事により怪力を取り戻す。この辺りも「ルーム」に生かされている。

また、ジャックが母親ジョイの抜けた歯を持って、人生に立ち向かったのは、サムソンがロバのあごの骨を使ってペリシテ人を1000人殺したからである。

◆ジャックの父親は

本作「ルーム」の後半部分で、テレビの取材を受けるジョイがジャックの父親についてインタビューに答える。

この回答が「聖書」的には象徴的な印象を観客に与える事になる。

この点を考えると、ジョイはキリスト教的な背景を持ったキャラクターだと考える事が出来、それは両親であるロバートとナンシーの教育によるものだと推測することができる。

オールド・ニック、サムソン、非生物学的な処女懐胎、そんなキーワードを基に本作「ルーム」を解釈してはいかがだろうか。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2016年1月27日

バッファロー・ビルの家売ります

映画「羊たちの沈黙」のシリアルキラー、バッファロー・ビルの家として撮影で使用された民家が売りに出されている模様。

「羊たちの沈黙」のシリアルキラーの家が約3000万円で販売中

[映画.com ニュース] 1991年の傑作サイコサスペンス「羊たちの沈黙」に登場するシリアルキラー、バッファロー・ビルが暮らす家として撮影で使用された民家が、現在売りに出されている。

米ピッツバーグから車で1時間ほどのファイエット郡レイトンにある、19世紀に建てられた古い3階建ての民家(4ベッドルーム&1バスルーム)。所有者のロイド夫妻は昨夏、この家を30万ドル(約3500万円)で売りに出したが、買い手がつかないため、今年1月に売値を25万ドル(約2950万円)に下げた。

「羊たちの沈黙」では、ジョディ・フォスター扮するクラリス・スターリングが、テッド・レビン扮するバッファロー・ビルと対峙するシーンなどで、同邸の玄関とダイニングルームが使用されたという。

米サイトRealtorで詳細を見ることができるが(www.realtor.com/realestateandhomes-detail/8-Circle-St_Perryopolis_PA_15473_M47256-72384)、周辺の一軒家の相場が15~20万ドルであることを考えると、やはり少し高すぎるのかもしれない。

サイトを見ると物件としては非常に素敵な物件のような印象を受ける。

撮影に使われたのは玄関とダイニングルームだけ、と言うことなので、例のプレシャスの井戸やなんかはないようですね。


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2016年1月25日

「高慢と偏見とゾンビ」の予告編公開

2016年1月22日、ジェイン・オースティン、セス・グレアム=スミスの「高慢と偏見とゾンビ」の同名の映画化作品 "Pride and Prejudice and Zombies" の予告編が公開された。

Pride and Prejudice and Zombies - Bloody Good Sneak Peek

「Pride and Prejudice and Zombies」
監督:バー・スティアーズ
出演:リリー・ジェームズ、サム・ライリー、ベラ・ヒースコート、ジャック・ヒューストン、チャールズ・ダンス、レナ・ヘディ

今回公開された予告編と昨年秋に公開された予告編とを比較すると今回の予告編は非常にコミカルな映画であるような印象を受ける。

同じカットでも音楽と編集のテンポで随分と印象が変わる。

作品の方向性が変わったのだろうか。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2015年11月14日

「火星の人」の映画化作品「オデッセイ」はコメディなのか!?

2015年11月13日に/Filmが伝えるところによると、アンディ・ウィアーの「火星の人」をリドリー・スコットが映画化した「オデッセイ」はスタジオである20世紀FOXの意向で第73回ゴールデングローブ賞においてはコメディ作品としてカテゴライズされる模様。

因みに、ゴールデングローブ賞は、映画部門、テレビドラマ部門に大きく分かれているが、それぞれもドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分かれており、それぞれに作品賞、主演女優賞、主演男優賞がある。

WTF: The Golden Globes Are Classifying ‘The Martian’ as a Comedy

The Martian | Official Trailer [HD] | 20th Century FOX

まあ、原作はともかく、予告編を観る限り「オデッセイ」はコメディっぽい演出がされているしね。

「オデッセイ」
監督:リドリー・スコット
脚本:ドリュー・ゴダード
原作:アンディ・ウィアー 「火星の人」(ハヤカワSF文庫)
出演:マット・デイモン(マーク・ワトニー飛行士/植物学者・エンジニア)、ジェシカ・チャスティン(メリッサ・ルイス准将/船長・地質学者)、クリスティン・ウィグ(アニー・モントローズ/NASA広報統括責任者)、マイケル・ペーニャ(リック・マルティネス少佐/操縦士)

なお、「オデッセイ」の日本公開は2016年2月5日。

因みに原題の "The Martian" は《火星人》の意。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2015年8月26日

ダンテの「神曲」が映画化か!?

2015年8月26日に映画.comが伝えるところによると、なんとダンテの「神曲」「地獄篇」が映画化される模様。

米ワーナー・ブラザースがダンテ「神曲 地獄篇」を映画化

[映画.com ニュース] 米ワーナー・ブラザースが、イタリアの詩人ダンテの「神曲」の第1部「地獄篇」を下敷きにした映画「Dante’s Inferno(原題)」の製作を企画していることがわかった。

米Deadlineによれば、ワーナーはこのほど、新鋭ドウェイン・ウォレルの同名脚本を獲得。ジャンニ・ヌナリの製作会社Hollywood Gangと、アキバ・ゴールズマンの製作会社Weed Roadが共同でプロデュースを手がける。

「神曲」は、人生の道半ばにある35歳のダンテが、古代ローマの大詩人ウェルギリウスに導かれて、地獄・煉獄・天国をめぐる旅に出る一大叙事詩。今回の映画化は、ダンテと永遠の淑女ベアトリーチェの恋愛を中心に描くもので、ワーナーはウォレルの脚本の壮大さに、シリーズ化の可能性も見いだしているという。

これは凄い企画ですね。
後年の様々な文化に多大なる影響を与えた「神曲」の映画化。
是非実現して欲しいところです。

因みにニュースソースはこちら。

Warner Bros Buys ‘Dante’s Inferno’ Pitch From Scribe Dwain Worrell

@tkr2000
@honyakmonsky

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2015年8月 9日

「チャイルド44 森に消えた子供たち」

「チャイルド44 森に消えた子供たち」を観た。

「チャイルド44 森に消えた子供たち」
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:リチャード・プライス
原作:トム・ロブ・スミス 「チャイルド44」(新潮文庫刊)
製作:リドリー・スコット、マイケル・シェイファー、グレッグ・シャピロ
出演:トム・ハーディ(レオ・デミドフ)、ゲイリー・オールドマン(ネステロフ将軍)、ノオミ・ラパス(ラミーサ・デミドフ)、ジョエル・キナマン(ワシーリー)、バディ・コンシダイン(ヴラド)、ジェイソン・クラーク(ブロツキー)、ヴァンサン・カッセル(クズミン少佐)

あらすじ:1953年、スターリン政権下のソ連で、子供たちの変死体が次々と発見される。年齢は9歳から14歳、全裸で胃は摘出され、山間にもかかわらず死因は溺死。だが、“殺人は国家が掲げる思想に反する”ため、すべて事故として処理される。秘密警察の捜査官レオは親友の息子の死をきっかけに、事件解明に乗り出す。捜査が進むほどに、国家に行く手を阻まれ、さらに、愛する妻にも不当な容疑が。真実が容易に歪められるこの国で、レオは真犯人に辿り着けるのか──?

本作「チャイルド44 森に消えた子供たち」は、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」で大変なことになっているトム・ハーディが、旧ソ連の秘密警察官を演じている。「怒りのデス・ロード」と違うトム・ハーディが楽しめる素晴らしい作品。

原作は「このミステリーがすごい!」で2009年版海外編第一位に輝いたトム・ロブ・スミスのレオ・デミトフ三部作の最初の一作「チャイルド44」。チカチーロ連続殺人事件を題材にした「チャイルド44」は、CWAのスチール・ダガー賞をとったり、ロシアで発禁本となった問題作。

脚本は原作と比較して直線的でわかりやすくなっている。その分、ミステリー部分の謎解きや犯人の登場シーンの唐突さは否めない。だからと言って作品として問題がある訳ではなく、非常に素晴らしいサスペンス映画に仕上がっている。チカチーロ事件が題材となっていることもあり、当然ながらサイコホラー的な側面もあるし。

特にスターリン政権下の旧ソ連を舞台としていることから、「犯罪は資本主義の病。理想国家では殺人はあり得ない」と言うスターリンの言葉を受け、殺人事件は事故として処理されてしまう。

従って、連続殺人犯は、連続殺人事件そのものが起きていないのだから、野放しになってしまうのである。

中国では、犠牲者が35人以上の事故死は存在しない、と言うのと似ているのかも知れない。

さて、本作「チャイルド44 森に消えた子供たち」だが、脚本は前述のように原作より非常にわかりやすく、スターリン政権の恐さや、権力を持った悪い奴の恐さがよく出ていた。

キャストは一件ぼくとつな印象を与えるトム・ハーディが、周りを上手にコントロールする様が興味深いし、本作をレオ・デミドフ三部作の第一作目として考えた場合、非常に興味深い役柄を演じているゲイリー・オールドマンが楽しい。なんとも「ダークナイト」三部作のジム・ゴードンを彷彿とさせる。

今後のシリーズ化に期待である。

ネタバレになるのであれだが、恐い役、悪い役に良い役者を使ってます。恐いですね。

この辺りになると、トム・ハーディは前述のぼくとつな印象ではなく、老獪で全てを自分の思い通りに利用する、恐い奴や、恐い奴を知っている奴の妄想をも利用し、思い通りに操るキャラクターに見えてくる。これも恐いですよね。

演出もツボを押さえて実直な印象を受ける。
犯人が子どもに声をかける部分や、疑心暗鬼なシーン、駅のサスペンスとか良いシーンが多い。

美術や衣装、ロケーション効果も良い印象。

そして考えなければならないのは、いわゆる全体主義的な世界の恐さ。
もしかしたら日本もそうなってしまうのではないか、と言う恐さもあるしね。

そんな訳で本作「チャイルド44 森に消えた子供たち」は是非劇場で。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2015年7月12日

「ウエストワールド」がテレビシリーズ化か

Westworld 現在サンディエゴで開催中のコミコン「ウエストワールド」の2016年のテレビシリーズ化が発表され、スチールが公開された模様。

Comic-Con: HBO Releases First-Look Photos at 'Westworld'

「ウエストワールド」は、マイケル・クライトン脚本・監督の1973年の映画で、砂漠に建造された巨大テーマパーク《デロス》にある一つのワールドでアメリカ西部開拓時代を体験できる「ウエストワールド」を舞台にした作品で「ターミネーター」の元ネタと言われている作品。

ユル・ブリンナー演じる人間に危害を加える事の出来ないガンスリンガーのロボット406号が執拗に登場人物が追いかけられる様が描かれている。

イメージとしては、《東京ディズニーランド》の《ウエスタンランド》で稼働しているロボットが人間を襲い始める、と言うもの。

因みにこの「ウエストワールド」で描かれた事件の後、一旦閉鎖されていた《デロス》はあらたなワールド「未来世界」が建設され事業を再開させる。
しかしながら《デロス》でまたひどい事件が起きる。

この流れは「ジュラシック・パーク」から「ジュラシック・ワールド」への流れに酷似している。

それもそのはず、「ジュラシック・パーク」はマイケル・クライトンが原作者であり、脚本も務めている。

そのマイケル・クライトンの原点とも言える「ウエストワールド」のテレビシリーズ化とは、興奮せざるを得ない。

しかし、2015年、2016年はなんという年なんだ。

@tkr2000
@honyakmonsky


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2015年5月31日

トム・クルーズの「アウトロー」の続篇が!?

2012年にトム・クルーズ主演、クリストファー・マッカリー監督によって映画化されたリー・チャイルド原作の映画「アウトロー」の続篇(ジャック・リーチャーシリーズ第二弾)が映画化される模様。

原作は「Never Go Back」

Tom Cruise’s ‘Jack Reacher 2′ Drawing Ed Zwick to Direct

概要は次の通り。

パラマウント・ピクチャーズとスカイダンス・プロダクションは、トム・クルーズ主演の「アウトロー」の続篇(ジャック・リーチャーシリーズ第二弾)のために、エドワード・ズウィックとマーシャル・ハースコヴィッツと交渉に入った模様。

監督はエドワード・ズウィック。

脚本はリチャード・ウェンクの脚本をエドワード・ズウィックとマーシャル・ハースコヴィッツがリライトする模様。

原作は2013年に発表された「Never Go Back」

映画「アウトロー」は良質な作品だったので、シリーズ化に期待する。

なんとかロバート・デュヴァルも出演して欲しいな、と思う。

@tkr2000
@honyakmonsky

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