カテゴリー「ジョン・ル・カレ」の8件の記事

2015年2月 8日

カズオ・イシグロは「裏切りのサーカス」を理解できなかった!?

「村上さんのところ」

公募した質問や相談に村上春樹が返事を書くサイト「村上さんのところ」で、ホンヤクモンスキー的に興味深いやりとりがあった。

おすすめの海外若手作家は?

英語で小説を読むのが好きな44歳の男性です。新作を楽しみに待っている作家は、バルガス・リョサ(1936-)、ラッセル・バンクス(1940-)、ポール・オースター(1947-)、カズオ・イシグロ(1954-)といったところです。年上の作家ばかりで、そのうち新作を読む楽しみがなくなってしまうのではと恐れています。そこで村上さんにお願いです。おすすめの若手作家がいたら教えて下さい。 (オダンゴパン、男性、44歳、会社員)

ぜんぜん関係ないんですが、このまえイシグロと話していて、映画の話になって、『裏切りのサーカス(Tinker Tailor Soldier Spy)』の話になりました。で、「ハルキ、あの映画の筋わかった?」と言うから、僕は「あの原作 (ル・カレ)を二度読んでいるから、だいたいわかるよ」と言うと、「ぼくはあれ、筋がほとんどよくわかんなかったよ」と少し悲しそうな顔で言いました。あの映画、僕のまわりでも「よくわからん」という人が多かったけど、イシグロさんでもわからないんだと妙に感心しました。

あなたの好きな作家の中で僕が会ってないのはリョサだけですね。最近の若手の作家、僕もあまりよく知らないんです。だんだん年寄り専門になっているんで。 ああ、そうだ、やっぱりジュノ・ディアスが面白いですね。ずっと昔、彼が僕をMITに呼んでくれて、朗読会での紹介スピーチまでやってくれました。そのときは「好青年」という感じだったんだけど、今はずいぶん立派になりました。     村上春樹拝

確かにジョン・ル・カレの「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」は難しいし、その映画か作品「裏切りのサーカス」も難しい。

映画の背景や描かれている環境もわからないし、伏線や暗喩も難解である。
実際のところ多くの観客はスクリーン上で、一体何が起きているのか、よくわからなかったのかも知れない。

映画の雰囲気やニュアンスで映画がわかったような、面白かったような、感動したような気持ちになってしまっているのではないだろうか。

しかし振り返ってみると、「裏切りのサーカス」はわからない。

そんな映画のような気がする。

カズオ・イシグロが村上春樹に対し、映画「裏切りのサーカス」の筋がよくわからない、と言ったのも、凄い勇気がある言葉だと思うし、カズオ・イシグロの正直さも感じられる。

そんな印象を受けた。

@tkr2000
@honyakmonsky


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2014年10月14日

ル・カレ原作「誰よりも狙われた男」は10月17日公開

当ブログでも何度か紹介したジョン・ル・カレ原作、アントン・コービン監督作品「誰よりも狙われた男」("A Most Wanted Man")の日本公開は2014年10月17日。


「誰よりも狙われた男」
監督:
アントン・コービン
脚本:アンドリュー・ボーヴェル
原作:ジョン・ル・カレ 「A Most Wanted Man」「誰よりも狙われた男」ハヤカワ文庫刊)
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、レイチェル・マクアダムス、ウィレム・デフォー、ロビン・ライト、グレゴリー・ドブリギン、ニーナ・ホス、ダニエル・ブリュール、ホマユン・エルシャディ

@tkr2000
@honyakmonsky

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2013年6月13日

ジョン・ル・カレ原作の「A Most Wanted Man」の予告編が!?

「A Most Wanted Man」

以前のエントリー『フィリップ・シーモア・ホフマン、ル・カレ原作スリラーに出演!』でお伝えしたジョン・ル・カレの「A Most Wanted Man」をアントン・コービンが映画化する「A Most Wanted Man」の予告編がカンヌ国際映画祭のマーケットで上映されたらしい。

しかし、一度は「A Most Wanted Man」の予告編がWEBで公開されたらしいのだが、現在は削除されている模様。

First Trailer For Anton Corbijn’s ‘A Most Wanted Man’ With Philip Seymour Hoffman & Rachel McAdams

「A Most Wanted Man」
監督:アントン・コービン
脚本:アンドリュー・ボベル
原作:ジョン・ル・カレ 「A Most Wanted Man」(日本語版未訳)
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、レイチェル・マクアダムス、ウィレム・デフォー、ダニエル・ブリュール、ロビン・ライト

A MOST WANTED MAN by John le Carré

折角なので、ジョン・ル・カレの「A Most Wanted Man」のプロモーション映像を紹介しておきます。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2012年4月19日

「スマイリーと仲間たち」も映画化か!?

ポール・スミス(左)と成海璃子(右) 2012年4月19日の映画.comのニュース『成海璃子、ポール・スミス氏のファッションチェックに照れ笑い』によると、来日中のポール・スミスが「裏切りのサーカス」の次に映画化される「スマイリー三部作」について語った模様。

『成海璃子、ポール・スミス氏のファッションチェックに照れ笑い』

記録のため全文を引用する。

[映画.com ニュース] 女優の成海璃子が4月19日、東京・ポール・スミス丸の内店で行われた映画「裏切りのサーカス」写真展に、来日中のファッションデザイナー、ポール・スミス氏とともに出席。同ブランドのジャケットに身を包んだ成海は、1970年代のイギリスのスパイをイメージしたそうで「自分なりに着た」とニッコリ。スミス氏から「ポール・スミスの服を着てくれて誇らしい。でもスパイの場合、こんなに明るい青はダメかな」と茶目っけたっぷりに指摘され、照れ笑いをのぞかせた。

今作のクリエイティブサポートを担当したスミス氏は、「私の物の見方、考え方に興味を持ったトーマス・アルフレッドソン監督から電話をもらいました。色彩や撮影についてアイデアを求められたんです」。そして、「ざらざらした質感の映像、そしてバスなど“ロンドンと言えば”という赤を際立たせた」と話す。成海から今作のシリーズ化について問われると、「まずこの作品を2度、3度と見ないといけませんね。その先のシリーズ化については、スマイリーと仲間たちが……という噂は聞いています」と語るにとどめた。

同写真展は、主演のゲイリー・オールドマン、写真家ジャック・イングリッシュ氏が、舞台裏を撮影したモノクロ写真などを展示。映画撮影の合間の貴重なショットを見ることができる。写真好きの成海は、「映画の世界観の裏側を見られたことは非常に貴重。モノクロで非常に格好よかった」と絶賛。プライベートでオールドマンと親交があるスミス氏も、「今回の写真はすごく自然体なところが魅力」と太鼓判を押した。

「裏切りのサーカス」は、「ぼくのエリ 200歳の少女」のアルフレッドソン監督が、ジョン・ル・カレのスパイ小説の金字塔を映画化。英諜報機関サーカスを引責辞職したスマイリーが、組織に在籍する幹部のなかから2重スパイ探しを命じられる。主演のオールドマンが第84回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされ、話題を集めた。4月21日から全国で公開。

「裏切りのサーカス」写真展は、5月13日まで開催。

大事なところを繰り返す。

成海から今作のシリーズ化について問われると、「まずこの作品を2度、3度と見ないといけませんね。その先のシリーズ化については、スマイリーと仲間たちが……という噂は聞いています」と語るにとどめた。

とのこと。

なお、「スマイリー三部作」とは、今回「裏切りのサーカス」として映画化された「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(1974)、そして「スクールボーイ閣下」(1977)、「スマイリーと仲間たち」(1979)の三作品。

また、「死者にかかってきた電話」(1961)、「高貴なる殺人」(1962)を含めて「スマイリー五部作」とも呼ばれている模様。

ジョン・ル・カレ作品の今後の映画化作品としては未訳の「A Most Wanted Man」の映画化が予定されているが、ここにきて、驚くべき事に「スマイリーと仲間たち」が映画化されるかも知れないとは!

ところで、ポール・スミスに対し、今後の「スマイリー三部作」の映画化について尋ねた成海璃子は、実は映画ファンの中では、コアでディープな映画ファンとして知られている。

その成海璃子の映画に関する選択眼には、コアな映画ファンも舌を巻く程である。

と言うのも、メジャー作品ではなく、マニアックな作品が上映されている劇場で成海璃子がちょくちょく目撃されているのだ。

そんな訳で、映画ファンとしては、そしてジョン・ル・カレファンとしては、成海璃子が「裏切りのサーカス」関連イベントに登場していることに歓びを禁じ得ない。

ところで、ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化作品「裏切りのサーカス」については、当ブログ「ホンヤクモンスキーの憂鬱」でも次のエントリーで何度か紹介しているのはご承知の通りである。

関連エントリー
『新訳版「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」発売決定!』2012/02/05
『ポール・スミスが「裏切りのサーカス」の制作に特別協力!?』2012/02/14
『ポール・スミス丸の内店 Tinker Tailor Soldier Spy 写真展』2012/04/17

また、次に映画化が予定されているジョン・ル・カレの「A Most Wanted Man」についてはこちら。

『フィリップ・シーモア・ホフマン、ル・カレ原作スリラーに出演!』2012/02/11

@tkr2000

@honyakmonsky

余談だが、ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕」の刊行に合わせ、ハヤカワ文庫NVより「スマイリー三部作」の新装版が刊行されている。

そして、今回の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕」が刊行された事により、「スマイリー三部作」は村上博基訳がそろった事になる。

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2012年4月17日

ポール・スミス丸の内店 Tinker Tailor Soldier Spy 写真展

ポール・スミス丸の内店 Tinker Tailor Soldier Spy 写真展

2012年4月14日、4月21日に日本公開が予定されている、ジョン・ル・カレ原作、トーマス・アルフレッドソン監督作品「裏切りのサーカス」の写真展「Tinker Tailor Soldier Spy 写真展」が、ポール・スミス丸の内店で開幕した。

丸の内店 Tinker Tailor Soldier Spy 写真展

TINKER TAILOR SOLDIER SPY:
An Exhibition of photography by Gary Oldman and Jack English

2012年4月14日(土)~5月13日(日)
11:00~20:00(不定休)
ポール・スミス丸の内店
東京都千代田区丸の内3-3-1
TEL: 03-3240-0223

この写真展「TINKER TAILOR SOLDIER SPY: An Exhibition of photography by Gary Oldman and Jack English」は、以前のエントリー『ポール・スミスが「裏切りのサーカス」の制作に特別協力!?』でお伝えした通り、2011年9月にロンドンで、2012年1月にベルリンで開催されたものとおそらく同様の展示だと思われる。

ポール・スミスによるこのような展開は、映画「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」の制作初期段階からポール・スミスが特別協力していることから実現したもので、これ以外にも同作に関連し様々なイベントを行っているのは以前お伝えした通りである。

折角なのでポール・スミスのコメントを引用する。

トーマスの新作「裏切りのサーカス」への協力を依頼されたことを光栄に思います。前作の「ぼくのエリ 200歳の少女」は素晴らしい作品で数々の賞も受賞しました。トーマスからのブリーフィングはとても簡単なもので、私の考えを尊重してくれました。聞くと、きっかけはストックホルムで私が行なった講演会に彼が出席して私の物事に対する視点を面白いと感じてくれたことのようでした。その後、台本を読み、映画を取り巻くムード、色、撮影方法などいろいろなことへ思いを巡らせました。今までこのようなことは行なったことがなかったので、果たして自分が正しいことをしているのか全く分かりませんでした。しかし、トーマスが私のプレゼンテーションに満足してくれたことを非常にうれしく思います。” ― ポール・スミス

今回の写真展「TINKER TAILOR SOLDIER SPY: An Exhibition of photography by Gary Oldman and Jack English」は、基本的に非常に興味深い内容だと思う。
関心がある方は是非。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2012年2月14日

ポール・スミスが「裏切りのサーカス」の制作に特別協力!?

2012年4月12日に日本国内で公開される映画「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」の制作初期段階から特別協力しているポール・スミスだが、同作に関連し様々な企画やイベントを開催している。

ポール・スミスは「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」の 制作初期段階に、クリエイティブ面の立場から参加し、トーマス・アルフレッドソンとミーティングを重ねる中で、70年代ロンドンに対する彼の思いや見識について語り、特にその時代の雰囲気や色彩、撮影アプローチに関してのアイディアを監督と話し合った模様。

先ずは、ポール・スミスがデザインしたポスター。

ポール・スミスによる「裏切りのサーカス」公開を記念したシルクスクリーンポスター
これは、イギリスとアイルランドでの「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」の公開を記念したシルクスクリーンポスター。

デザインは全4種類。
各デザインとも50枚の限定生産。
ポール・スミスのサイン入りで定価100ポンド。
全ての売上は、がん治療をサポートするマギー・キャンサー・ケアリング・センターに寄付される模様。

詳細はこちら【『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 限定ポスター】

次は、ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」リミテッド・エディション。
ポール・スミスの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」リミテッド・エディション
デザインはポール・スミス。
ジョン・ル・カレの直筆サイン入り。
250部限定。
100ポンド。
出版はHODDER & STOUGHTON

ポール・スミスのオンラインショップ(UK)で、まだ購入はできるようですが、日本国内へは発送してくれない模様。個人的にはとっても欲しいです。

詳細はこちら【『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 リミテッド・エディション】

また、2011年9月17日にロンドンでゲストを迎えた「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」の写真展が開催されました。

左から、トーマス・アルフレッドソン、ポール・スミス、ゲイリー・オールドマン
写真左から、トーマス・アルフレッドソン、ポール・スミス、ゲイリー・オールドマン。

ゲストは、ゲイリー・オールドマン、トーマス・アルフレッドソン、ロジャー・ロイド・パック、ハロルド・ティルマン、スティーブン・マックレー等。

200名程のプレス関係者やゲストが来場し、前述の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」リミテッド・エディションの販売も行われた模様。

詳細はこちら【ロンドン – 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 エキシビション】

さらに、2012年1月16日〜27日の期間、ベルリンで「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」の特別写真展が開催されました。

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撮影は写真家のジャック・イングリッシュ。
写真は、撮影現場のスナップやポートレイト。

詳細はこちら【ベルリン – Tinker Tailor Solider Spy写真展】

いやぁ、ポール・スミスさん、いろいろやってますね。

こんなニュースは一般の映画ニュースには出てきませんよね。

ところで、ポール・スミスは「裏切りのサーカス("Tinker Tailor Soldier Spy")」に特別協力としてクレジットされています。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2012年2月11日

フィリップ・シーモア・ホフマン、ル・カレ原作スリラーに出演!

2012年2月10日に映画.comが伝えるところによると、フィリップ・シーモア・ホフマンがジョン・ル・カレ「A Most Wanted Man」の映画化作品の主演を務める模様。

フィリップ・シーモア・ホフマン、ル・カレ原作スリラーに出演

「A Most Wanted Man」
写真左より、「A Most Wanted Man」UK版、フィリップ・シーモア・ホフマン、アントン・コービン。

記録のため全文を引用する。

[映画.com ニュース] スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの2008年の長編小説「A Most Wanted Man」(日本語版未訳)が映画化され、オスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマンが出演することがわかった。

原作の舞台は独ハンブルク。半死の状態でドイツに密入国し、同市内のイスラム人コミュニティに現れたチェチェンとロシアのハーフの青年を主人公に、人権派の女弁護士やドイツの諜報機関との関係、対テロ戦争の裏側などが描かれる。ホフマンは諜報機関のチーフを演じる。

映画版のメガホンをとるのは、オランダ出身のアントン・コービン監督(「ラスト・ターゲット」「コントロール」)。「復讐捜査線」の脚本家アンドリュー・ボベルが脚色にあたった。

なお、ル・カレの小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」を映画化した最新作、トーマス・アルフレッドソン監督、ゲイリー・オールドマン主演の「裏切りのサーカス」は、4月21日から日本公開される。
(映画.com速報)

「A Most Wanted Man」
監督:アントン・コービン
脚本:アンドリュー・ボベル
原作:ジョン・ル・カレ 「A Most Wanted Man」(日本語版未訳)
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン

て言うか、「A Most Wanted Man」(日本語版未訳)ってどうゆうことよ!

で、軽く調べたら、2008年発表の「A Most Wanted Man」と2010年発表の「Our Kind Of Traitor」が未訳らしい。

2010年の「Our Kind Of Traitor」が未訳なのは、まあ時間的に仕方がないとしても、2008年の「A Most Wanted Man」が未訳なのは一体なぜ?

う〜ん。
ジョン・ル・カレのクラスでさえ未訳の作品があったり、多くの作品が絶版(版元在庫なし、店頭在庫のみ)になっている、と言う状況は恐ろしいですな。

まあ、映画「裏切りのサーカス」の公開と同時期に、ジョン・ル・カレの翻訳がいろいろと再版されるとは思いますが、ジョン・ル・カレで、こんな状況だとは、やはり翻訳を取り巻く状況は、本当に恐ろしいものがありますね。

因みにニュースソースはおそらくここ。

Phillip Seymour Hoffman In Talks For Anton Corbijn’s A Most Wanted Man

@tkr2000
@honyakmonsky

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2012年2月 5日

新訳版「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」発売決定!

2012年4月21日に日本公開される映画「裏切りのサーカス」の原作「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の新訳が早川書房から出版される事が、早川書房公式アカウント(@Hayakawashobo)によってアナウンスされた。

曰く、

映画「裏切りのサーカス」原作のジョン・ル・カレ「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」、名翻訳家・村上博基さんによる新訳版が3月下旬に刊行予定です。刊行が近づいたらハヤカワ・オンラインやメールマガジン等でもお知らせしますので、もう少しお待ちくださいね。

とのこと。

「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」
■著者:ジョン・ル・カレ
■翻訳:村上博基

■出版:早川書房(ハヤカワ文庫)

ところで、映画「裏切りのサーカス」は、皆さんご承知のようにジョン・ル・カレのスパイ小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化作品で、細かい話だが、映画の原題は「Tinker Tailor Soldier Spy」、原作小説の原題は「Tinker, Tailor, Soldier, Spy」である。

このような状況下において、映画の邦題が  「裏切りのサーカス」になることが公表されるとWEB上ではその邦題について賛否両論の議論が交わされた。

その論旨の多くは、原作を知らないであろう観客に対し「裏切りのサーカス」、つまり「サーカス」と言う言葉を邦題に使うことによることから派生する、ミスデレクションを問題視するものだった。

因みにこの「サーカス」とは、動物を使った芸や人間の曲芸などを見せる所謂「サーカス」の意味ではなく英国諜報部の通称である。これは英国諜報部の所在地がケンブリッジ・サーカスだったことに由来する。

つまり、CIA本部を通称「ラングレー」と呼ぶのと同じような由来である、と言える。

ところで、先日オープンした映画「裏切りのサーカス」公式サイト(画像参照)をよく見ていくと、次のような表記がある。

原作:「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」ジョン・ル・カレ著(ハヤカワ文庫刊)

スクリーンショット:映画「裏切りのサーカス」公式サイト

ここで言う「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ」と言う表記(・/ナカグロ)はおそらく「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(、/読点)の単純な誤りだと思うが、冒頭のアナウンスと合わせて考えると、どうやら「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」と言うタイトルで映画タイアップ版の新訳版がハヤカワ文庫から出版される模様。

因みにわたしの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」はこんな表紙。
「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」
■著者:ジョン・ル・カレ
■翻訳:菊池光

■出版:早川書房(ハヤカワ文庫NV)

現行版の表紙。
絶版状態(版元在庫なし、店頭在庫のみ)。

@tkr2000
@honyakmonsky

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