カテゴリー「■冒険小説」の22件の記事

2015年10月26日

リー・チャイルドとスティーヴン・キング、ジャック・リーチャーについて語る

リー・チャイルドとスティーヴン・キングが、ジャック・リーチャーシリーズの最新作「Make Me」について語ったトーク・ショーの映像が公開されている。

Lee Child and Stephen King talk Jack Reacher

キングがいきなり「アンダー・ザ・ドーム」の主人公デイル・バーバラについて語りはじめてビビる。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2015年9月19日

「ハヤカワ文庫の100冊フェア 2015」小冊子公開中

「凛々しい物語。」 2015年9月15日 ハヤカワオンラインにおいて、全国書店にて開催中の「ハヤカワ文庫の100冊フェア 2015」の無料配布の特製小冊子「凛々しい物語。」が全ページ公開されている。

ハヤカワ文庫の100冊フェア2015小冊子

実物は全国書店にて配布中。

装画はイラストレーターの丹地陽子。 @yokotanji

なお早川書房は2015年8月に創立70周年をむかえた。

これに伴い、ハヤカワ文庫〈トールサイズ〉対応のブックカバーを抽選で700名にプレゼント企画が実施されている。

応募方法はこちら

なんと〈トールサイズ〉対応だよ!

@tkr2000
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2015年2月 9日

#翻訳書でしつこく繰り返される表現 が激オモ 

いまツイッターで流行っているハッシュタグ #翻訳書でしつこく繰り返される表現 が激オモ。

#翻訳書でしつこく繰り返される表現 ツイッターのハッシュタグ検索

このハッシュタグの仕掛人は翻訳家の越前敏弥(@t_echizen)。

翻訳書でしつこく繰り返される表現 越前敏弥氏によるトゥギャッターのまとめ。

翻訳書に出てくるよくわからない名詞も楽しそう。

フランス窓
アルコーブ
火かき棒
外套

翻訳書に出てくる食べたいものとか。

パンの実
プリン(「ナルニア国」シリーズのターキュッシュ・デライト)
レンバス(「指輪物語」
バタつきパン

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2015年2月 1日

スーパーボウルのためのドローン禁止区域が巨大

2015年2月1日のギズモードのエントリーが興味深い。

スーパーボウルの為に米政府が設定した、あまりに大きすぎるドローン禁止区域

The FAA's Drone Ban at the Super Bowl Is Absurd

ギズモードの記事の論調は、このFAA(アメリカ連邦航空局)の対策は事故を防止することを目的としている、と考え、そこまでやる必要はないのではないか、と言っています。

しかし、これはどう考えても事故防止ではなくテロ対策です。従ってFAAのドローン禁止区域の設定は決してやり過ぎではないとわたしは考えます。

と言うのは、トマス・ハリスの「ブラック・サンデー」(1975)に時代が完全に追いついてきているから。

そのプロットをWikipediaから引用します。

ベトナム戦争で捕虜となったマイケル・ランダーは屈辱の境遇で精神的に切り刻まれる。さらに解放され帰国した彼を祖国で待っていたのは、妻の裏切りと世間の冷たい視線だった。

裏切られた事実に静かな怒りを燃やす彼が思いついたのは、アメリカ最大の娯楽であるフットボールの最高峰、スーパーボウルの観客皆殺しだった。すり 鉢型の観客席の上空を飛ぶコマーシャル用の飛行船を操船するランダーは船の下部に船底型に成型したプラスチック爆弾を取り付け、爆発の威力で外側に埋め込 んだ22万のライフルダーツ(フレシェット弾)が隙間なく客席へ飛来し、同時に人間の体を破壊するアイデアを着想する。

しかし国内で強い爆発力を持つプラスチック爆弾を入手するのは困難であり、伝手を辿ったランダーが実行したのは黒い九月の指導者への協力要請だった。一方、カバコフ少佐はアメリカ国内でのテロ活動を察知、正体不明の男の影を追ってアメリカに渡る。

ここから、追う者と追われる者の死闘が始まろうとしていた。

因みに、このトマス・ハリスの「ブラック・サンデー」をもとに1977年にジョン・フランケンハイマーが映画化した「ブラック・サンデー」は、1977年の日本公開の際、上映すれば映画館を爆破する、と言う脅迫のため上映が中止となった作品。

これらを背景として考えると、どう考えても、テロ対策としてFAA(アメリカ連邦航空局)がとったドローン禁止区域の設定は正しい。

また、イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件を正に今経験しているわれわれ日本人にとっても、そしてテロのターゲットとして誰もが容易に考える2020年の東京オリンピック・パラリンピックを考えても、もはや人ごとではない、と言わざるを得ません。

@tkr2000
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2015年1月31日

「はじめての海外文学フェア」はじまってます

『50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア』
2015年1月26日頃から全国14書店でじわじわと始まっている模様。

『50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア』についてはこちらをご覧ください。

「はじめての海外文学フェア」開催!(執筆者・酒井七海[丸善津田沼店])

このフェアで興味深いと思ったのは、

従来の入門フェアに入るような古典的なものは避けること。

これは素晴らしいコンセプトですね。

なんとか文庫の100冊とかも本来はおそらく同様のコンセプトで企画したいのではないかな、と想像していますが、まあ大人の事情と言うかどこかの誰かの何かしらの思惑で古典的でスタンダードな作品が選出されているケースがあります。

2015年の現代に生きる人たちに古典的でスタンダードな作品を薦めるのはやはり問題があるのではないか、と考えています。

もちろん良い作品は良いし、時代を感じさせないエバーグリーンな作品はたくさんありますが、そんな作品はあとで読めば良いのです。

と言うのも、日本の国語教育の中で古典的でスタンダードな作品を教科書や読書感想文の課題書として読まされて、それが原因で文学や海外文学に親しめなくなってしまった人々が多い、と言う可能性が否定出来ない、と考えるからです。

余談ですが、以前「バトル・ロワイヤル」(2000)と言う映画の指定(R18+とかR15+とかPG12とか)をどうこうする際に「バトル・ロワイヤル」の指定を上げるべきだと言っていたある政治家がマスコミにどんな映画が好きですか、と質問され、どや顔で「風と共に去りぬ」と答えたことを思い出します。

2000年当時に1939年の作品をベストだとして推す神経と無知に脱力したのを覚えています。こんな人たちが日本の文化をレイティングしているのか、と。

もちろん今回の「はじめての海外文学フェア」にもちょっと古い作品やスタンダードな作品も入っていますが、これを機に、はじめての海外文学に挑戦していただければ、と思います。

開催書店はこちらでご確認願います。

50人が選んだ、2500円以下のオススメ海外文学。「はじめての海外文学」フェア 

余談ですがジャック・ケッチャムの「オフシーズン」「はじめての海外文学フェア」に入っているのは、古典的な作品が入っているのとは逆の意味でまずいんじゃないかな、と思いました。

まあ「隣の家の少女」が入っているより随分とましだと思いますが。

@tkr2000
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2014年6月28日

「かもめのジョナサン」完全版が出版!

2014年6月27日にNHK WEBが伝えるところによると、リチャード・バックの「かもめのジョナサン」完成版が出版される模様。

「かもめのジョナサン」 完成版が出版

1970年代に世界的なベストセラーとなったアメリカの小説「かもめのジョナサン」がおよそ40年ぶりに完結し出版されました。作者が飛行機事故で重傷を負ったのをきっかけに過去の作品を見直し、発表を見送っていた結末の部分を世に送り出すことを決めたということです。

「かもめのジョナサン」は、アメリカ人作家のリチャード・バックさんが1970年に発表した小説で、1羽のカモメが餌を探すだけの生き方に疑問を持ち、「飛ぶ」という行為を追究する姿を第1章から第3章までの構成で描いていました。

自分の信じる価値観に従って生きる主人公のカモメ「ジョナサン」の姿は、当時の人々の共感を呼び、作品は全世界で4000万部以上発行されたほか、1973年に映画にもなりました。

当時、作者のバックさんは、結末の部分に当たる「第4章」を書き上げていましたが、仲間のカモメたちがジョナサンを偶像化し堕落していく内容が、このときは作品にそぐわないと考え、第3章を結末としました。

しかし、おととし、バックさんが飛行機事故で重傷を負ったのをきっかけに過去の作品を見直した結果、40年以上前に書いた「第4章」の内容が権威や規則に縛られる現代社会への警告になると考え、「完成版」として世に送り出すことを決めたということです。

完成版は、40年前と同様に五木寛之さんが日本語に訳し、27日から書店に並ぶということです。

世代的に「かもめのジョナサン」に対する感慨は深い。

これは買い。

良い機会なので、リチャード・ハリスによる「かもめのジョナサン」を紹介する。

Jonathan Livingston Seagull, narrated by Richard Harris

この「かもめのジョナサン」、テリー・ジェームズのスコアが引っ切りなしにかかるし、リチャード・ハリスの朗読はオーバーアクトだけど、リチャード・ハリス好きとしては非常に興味深いし、非常に感動的。

Speed was power, Speed was joy, Speed was pure beauty.

@tkr2000
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2013年9月29日

ウィリアム・ボイドはボンド役にダニエル・デイ=ルイスを希望!?

「SOLO」/ウィリアム・ボイド著 以前のエントリー『「007シリーズ」の新作はウィリアム・ボイドが!』で、「007シリーズ」の新作小説をウィリアム・ボイドが執筆することになったはお伝えしたが、2013年9月28日にシネマトゥデイが伝えるところによると、ウィリアム・ボイドは、2013年9月26日に発売された自作の「007シリーズ」である「SOLO」が映画化されるとしたら、ボンド役にはダニエル・デイ=ルイスを希望している模様。

「007」小説シリーズ最新作の著者、ボンド役にダニエル・デイ=ルイスを希望

[シネマトゥデイ芸能ニュース] 今秋発刊となる「007」小説シリーズ最新作「ソロ(原題) / Solo」の著者であるウィリアム・ボイドは、自分が手掛ける小説が映画化されるとしたら、ボンド役にダニエル・デイ=ルイスを希望しているとThe Independenceの取材で明かした。

「ソロ(原題)」は、1969年を舞台に、「007」小説シリーズのオリジナル著者であるイアン・フレミングのスタイルで描かれる作品になると言われている。

ボイドは、「ダニエル・デイ=ルイスは、フレミングが描き出したボンド像に近い。彼は長身で細く、手足が長くて濃い黒髪の美男子だ。それこそ、フレミングがボンドに描いていた通りのイメージなんだ」とコメント。

1989年の『マイ・レフトフット』、2007年の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』、そして、今年の『リンカーン』で3度のアカデミー賞主演男優賞に輝いているデイ=ルイスは、ボイドが脚本を手掛けた1988年の映画『イングリッシュマンinニューヨーク』(日本未公開)に出演している。

現在、ボンド役を続投し続けているダニエル・クレイグは、以前にBBCの取材で「可能な限りボンドを演じ続ける」とコメントし、少なくともあと5作への続投が決まっていると報じられており、デイ=ルイス版のボンドの姿を見られるのは、かなり先のことになりそうだ。(鯨岡孝子)

まあ、これは作家が好きな事を言っているだけ、だとは思うが、個人的にはダニエル・デイ=ルイスのジェームズ・ボンドも見たいとは思う。

しかしながら、ダニエル・クレイグより10歳位年上ダニエル・デイ=ルイスに、近年の肉体的なアクション指数が高まっている「007シリーズ」でボンドを演じる事が出来るのか、と言う問題もあるだろう。

しかし、もしかしたらアクションをしない「007シリーズ」をウィリアム・ボイドが書いている、のかも知れないですね。

それならそれでも良いと思いますが、大人の事情を考えると、ダニエル・クレイグであと何本か撮って、その次はダニエル・クレイグより若い俳優をボンド役に、と言うことになるのだと思いますけど。

@tkr2000
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2013年4月29日

紀伊國屋書店新宿本店の《「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア》が凄い

「PSYCHO-PASS」最終話/第22話「完璧な世界」のラストカットより
「PSYCHO-PASS」最終話/第22話「完璧な世界」のラストカットより。
但し、「正義(システム)の連鎖は、終わらない」のタイトルカードを除く

「失われた時を求めて 第一篇 スワン家の方へ」がテーブルの上に伏せられている。

先日のエントリー『「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア』で紹介した《「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア》だが、既にお知らせしたように、ハヤカワ文庫が同「紙の本を読みなよ」フェアのラインナップに挙げているのは「一九八四年」「深夜プラス1」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「ニューロマンサー」の4作品。

しかしながら「PSYCHO-PASSサイコパス」作品中では非常に多くの作品への言及が行われている。

そんな中、たまたま紀伊國屋書店新宿本店に行ったところ、驚いた事に紀伊國屋書店新宿本店の《「PSYCHO-PASSサイコパス」「紙の本を読みなよ」フェア》は30作品以上の作品で展開されていた。

わたしは書店で同フェアのラインナップに挙っていた作品タイトルのメモをとってきたのだが、なんと紀伊國屋書店のサイトで全ラインナップが紹介されているので、そちらを参照いただきたい。

【新宿本店】 好評につき延長!PSYCHO-PASSフェア「紙の本を読みなよ」

気になる作品は次の通り。

【新宿本店】 好評につき延長!PSYCHO-PASSフェア「紙の本を読みなよ」 「ニューロマンサー」
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
「深夜プラス1」
「一九八四年」
「大衆の反逆」
「シェイクスピア全集」
(「十二夜」「マクベス」「タイタス・アンドロニカス」)
「ハムレット」
「闇の奥」
「創世記 旧約聖書」
「ガリヴァ旅行記」
「赤と黒」
「善悪の彼岸」
「裁きの門」
「吸血鬼カーミラ」
「方法序説/情念論」
「パンセ」
「失われた時を求めて」
「人間不平等起源論」
「毛皮のマリー」
「権力と支配」
「バトルランナー」
「感情教育」
「父と子」
「ドラえもん」
(「手足七本目が三つ」「ドラえもんだらけ」「のろのろ、じたばた」「タイムマシンで犯人を」)
「新宿鮫」
「ジョジョの奇妙な冒険」
「死にいたる病」
「悪霊」
「哲学原理」
「悪徳の栄え」
「書を捨てよ、町へ出よう」
「福音書 新約聖書」

これは驚き。
紀伊國屋書店新宿本店のスタッフが「PSYCHO-PASSサイコパス」全話を観たんでしょうか。

ところで余談だが、次の画像を見て欲しい。

「PSYCHO-PASS」第3話「飼育の作法」より
「PSYCHO-PASS」第3話「飼育の作法」より。 

男が持つ記録メディアのラベルに「Johnny Mnemonic」の文字が確認できる。

これは言わずと知れたウィリアム・ギブスンの短篇小説「記憶屋ジョニィ」の原題である。

ところで、そんな「記憶屋ジョニィ」は1995年に「JM」として映画化され、2013年にはなんとテレビシリーズ化される可能性が出てきている。

なお、そんな「記憶屋ジョニィ」は短篇集「クローム襲撃」に収録されているのだが、紀伊國屋書店新宿本店の《「PSYCHO-PASSサイコパス」「紙の本を読みなよ」フェア》には残念ながら含まれてはいない。

関連エントリー
『ウィリアム・ギブスンの「記憶屋ジョニィ」がテレビシリーズに!?』 2013/04/27

『「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア』
2013/03/31

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2013年3月31日

「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア

「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア
2013年3月21日にハヤカワ・オンラインが伝えるところによると、2013年4月上旬より、全国の書店・アニメ専門店で、『「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア』が開催される模様。

「PSYCHO-PASSサイコパス」オフィシャル・サイト

「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫「紙の本を読みなよ」フェア実施!

【フェアのご案内】
フジテレビ系アニメ「PSYCHO-PASSサイコパス」×ハヤカワ文庫 「紙の本を読みなよ」フェア実施!

このたびフジテレビ系ノイタミナ枠で放送され人気を博したアニメ「PSYCHO-PASS」とハヤカワ文庫のコラボレーションフェアを実施いたします。
作中では弊社より刊行されている小説が登場し、放送終了後twitterやネットで話題となりました。

今回のフェアでは登場した小説の文庫4作品にキャラクターを刷り込んだ個別帯を作成。主要キャラクターの槙島聖護の印象的な台詞「紙の本を買いなよ」を「紙の本を読みなよ」と置き換えたメインコピーを配した幅広帯付きで、全国の書店・アニメ専門店で展開致します。

また、帯裏では3月22日発売のBlu-ray第4巻の発売(発売:フジテレビ/東宝、販売:東宝)と連動したプレゼントキャンペーンも実施。帯に付いている応募券を切り取ってご応募いただくと、抽選の上、Blu-ray第4巻[初回生産限定版]を5名に、またメインキャストの声優8名のサイン入り色紙を1名にプレゼントいたします。

【対象作品】
フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
ウイリアム・ギブスン「ニューロマンサー」
ギャビン・ライアル「深夜プラス1」
ジョージ・オーウェル「一九八四年[新訳版]」

【開始時期】
4月上旬より順次開催

アニメーション作品「PSYCHO-PASSサイコパス」は、本広克行が総監督を務めていることもあるのか、様々な作品からの引用や言及が非常に多い。

そもそも本作「PSYCHO-PASSサイコパス」のタイトル自体も《PSYCHOPATH サイコパス》からの引用で、ジョークみたいなものである。

今回のフェアの対象作品にあがっている4作品は、(おそらく)本編の中でセリフでタイトルが語られた作品だが、それら以外にもビジュアルイメージはもちろん、画面に一瞬映る文字が小説のタイトルだったり、ラストカットが机に伏せられた小説の画像で終わったりと、本広克行作品らしくわかりやすく元ネタが羅列されている。

事実、当ブログ「ホンヤクモンスキーの憂鬱」でも、「PSYCHO-PASSサイコパス」が引用及び言及した小説や映画をまとめてみようかな、と思っていたところでもある。

今回のフェアの対象4作品は古典的と言っても良い程のスタンダードな作品である。おそらく多くの方々は全4作品をお読みだとは思うが、これを機に再読してみてはいかがだろうか。

参考までに4作品の発表年を紹介する。

「一九八四年」(1949)
「深夜プラス1」(1965)
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(1968)
「ニューロマンサー」(1984)

いやぁ、驚いた事に「ニューロマンサー」からもう30年なんですね。
あの世界中で巻き起こった「ニューロマンサー」への熱狂から30年ですか、隔世の感を禁じ得ませんね。

@tkr2000
@honyakmonsky

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2013年3月27日

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」 2013年3月20日 ユナイテッド・シネマとしまえんで「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」を観た。

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」は、英国ブッカー賞を受賞したヤン・マーテルの「パイの物語」を原作にアン・リーが映画化した作品。

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」
監督:アン・リー
脚本:デヴィッド・マギー
原作:ヤン・マーテル 「パイの物語」(竹書房刊)
出演:スラージ・シャルマ(パイ・パテル/青年)、イルファン・カーン(パイ・パテル/壮年)、アディル・フセイン(サントッシュ・パテル/パイの父)タブー(ジータ・パテル/パイの母)、レイフ・スポール(カナダ人ライター)

実はわたし「ライフ・オブ・パイ」を見逃しかけていました。
と言うのも、なんとなく観る気がしなかったのです。

それは「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日のタイトルや予告編を見る限り、映画の尺の大半を漂流後の物語が占めていると思っていたから。

クジラが出たり、トビウオが出たり、雨が降ったり、凪ったり、漂流シーンは予告編で散々見せられていたし、個人的には漂流後よりは、漂流前のパイの少年時代を見たいと思っていたからです。

と言うのも、原作であるヤン・マーテルの「パイの物語」は、漂流するまで結構時間がかかるのですが、その漂流前のページで語られるエピソードが大変興味深いのです。

そしてそんな「ライフ・オブ・パイ」を観るきっかけとなったのは、友人宅のホームシアターでいろんな作品を観た後の飲み会でした。

「なんでおまえが観ていないのよ」
その人にとっては、
「ライフ・オブ・パイ」はわたしが観るべき作品だと思えたのでしょう。わたしは心を入替えました。

で、東京都内ほぼラストチャンス、3月20日(祝)の9:20の回の「ライフ・オブ・パイ」を観るべくユナイテッド・シネマとしまえんに向かった。

ユナイテッド・シネマとしまえんに行った事がある方はご存知だと思うのですが、豊島園駅を降りてすぐ右側にユナイテッド・シネマとしまえんのエントランスがあり、チケット売り場まではエントランスから結構距離があるのですが、なんとその日はチケット売り場の列はエントランスまで延びていたのです。

この時点で時刻は9:00。
万事休す。おいらは「ライフ・オブ・パイ」を劇場で観ることが出来ないのか。

スタッフの人に、開映間近の作品の特設チケット売り場は作らないのかよ、と軽くクレームを入れながら列に並ぶ。しかし、列は遅々として進まず、背に腹は代えられず、スマートフォンでチケットを購入する事にした。

本来はその日は1,200円の割引チケットで観ようと思っていたのですが、結局は1,800円の当日券をスマホでおさえることにする。

予告編が始まっているとチケットが取れない可能性があるらしく、列から離れずスタッフに頼んで発券してもらう。

スマホ万歳!

チケットを発券してもらい、クラブスパイスカードのポイントもプラスしてもらい、なんとか予告編中に座席につく事が出来ました。

ユナイテッド・シネマとしまえんのスタッフの皆さんありがとう。
皆さんのおかげで「ライフ・オブ・パイ」を劇場で観ることが出来ました。

さて「ライフ・オブ・パイ」本編。

冒頭、3Dを意識した動物園の風景。
インドの彩度が高い素晴しい映像。
パリのスイミングプール。
見た事がない動物たちの動き。

あまりにも発色の良い素晴しい映像におじさん涙が出ちゃったよ。

そして、少年時代のパイの物語。

これが抜群に面白い。

そもそも、本作の原題は"Life of Pi"

物語が描いているのは、トラがどうしたこうしたではなく、《パイの人生》そのものなのだ。

つまりパイにとってはトラと漂流した事は人生の大きなページに違いないが、パイの長い人生から見ると、人生の1ページに過ぎないのである。

念の為だけどπの、つまり無理数の長い人生のね。

つまり、自分の名前がどうして名付けられたのか、宗教に傾倒する少年時代、動物園の生活、父母と兄との人生、そういった部分が、物語の、つまり《パイの人生》の中で重要な部分なのである。

だからわたしにとって、「ライフ・オブ・パイ」のトラと漂流している部分はそんなに印象深いものではなかった。

トラも海もCGIだし。

だからといって、冒頭のインドの風景がCGIだったらおじさんショックだけどね。

さて、物語は最近観た「テッド」(2012)と同様に自分の外にいる自分との出会いと別れを描いている。

だから、ラスト直前の作家との会話の中で語られるもう1つの物語のメタファーの部分は全く不要である。

何故なら、その台詞があるために、テーマがあまりにも明確になり過ぎてしまうから。少しは考えさせてくれよ。

そして魔法が解ける瞬間。
どっちの物語が良い?

なんと恐ろしい台詞なんだろうか。

自分の信じていたものが音を立てて崩れて行く。

あぁ「ライフ・オブ・パイ」はなんと恐ろしい映画なんだろうか。

「パイの物語」
著者:ヤン・マーテル
訳者:唐沢則幸
出版社:竹書房
あらすじ:1977 年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日本の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘し かない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちを連れカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後脚を骨折した シマウマ、オランウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣―ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ 命の舟。残されたのはわずかな非常食と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。2002年度ブッカー賞受賞作。

@tkr2000
@honyakmonsky

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