カテゴリー「米澤穂信」の2件の記事

2012年12月30日

「古典部」シリーズ(「氷菓」)折木奉太郎の本棚に翻訳作品が!?

米澤穂信の「古典部」シリーズの主人公である折木奉太郎の本棚に多くの翻訳作品が並んでいる模様。

これは、米澤穂信のブログ汎夢殿で公開されたもので、「古典部」シリーズのメディアミックスの際に作画の参考にと作成されたものである模様。

なお、「古典部」シリーズは米澤穂信の日常の謎に挑むミステリーで、現在までに、「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠まわりする雛」「ふたりの距離の概算」の5作品(長編4冊、短編集1冊)が刊行されており、2012年には「氷菓」と言うタイトルでテレビアニメーション化されている。

掘り出し物です

『悪魔の辞典』(アンブローズ・ビアス 岩波文庫)
『図画百鬼夜行全画集』(鳥山石燕 角川ソフィア文庫)
『氷壁』(井上靖 新潮文庫)
『北壁の死闘』(ボブ・ラングレー 創元推理文庫)
『遥かなり神々の座』(谷甲州 ハヤカワ文庫)
『夜間飛行』(サン=テグジュペリ 新潮文庫)
『図書館警察』(スティーヴン・キング 文春文庫)
『大誘拐』(天藤真 創元推理文庫)
『とんでもねえ野郎』(杉浦日向子 ちくま文庫)
『二つ枕』(杉浦日向子 ちくま文庫)
『ちょっとピンぼけ』(ロバート・キャパ 文春文庫)
『悪魔とプリン嬢』(パウロ・コエーリョ 角川文庫)
『ホット・ロック』(ドナルド・E・ウェストレイク 角川文庫)
『強盗プロフェッショナル』(ドナルド・E・ウェストレイク 角川文庫)
『怪盗ニックを盗め』(エドワード・D・ホック ハヤカワ文庫)
『犯罪王カームジン』(ジェラルド・カーシュ 角川書店)
『百万ドルをとり返せ!』(ジェフリー・アーチャー 新潮文庫)
『大統領に知らせますか?』(ジェフリー・アーチャー 新潮文庫)
『ご冗談でしょうファインマンさん』(ファインマン 岩波現代文庫)
『国語入試問題必勝法』(清水義範 講談社文庫)
『秘湯中の秘湯』(清水義範 新潮文庫)
『Spirit of wonder』(鶴田謙二 講談社)
『華氏四五一度』(レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫)
『木曜の男』(G・K・チェスタトン 創元推理文庫)
『七胴落とし』(神林長平 ハヤカワ文庫)
『宇宙探査機 迷惑一番』(神林長平 ハヤカワ文庫)
『心地よく秘密めいたところ』(ピーター・S・ビーグル 創元推理文庫)
『秘太刀馬の骨』(藤沢周平 文春文庫)
『隠し剣孤影抄』(藤沢周平 文春文庫)
『用心棒日月抄』(藤沢周平 文春文庫)
『堕落論』(坂口安吾 角川文庫)
『コンスタンティノープルの陥落』(塩野七生 新潮文庫)
『ロードス島攻防記』(塩野七生 新潮文庫)
『もの食う人びと』(辺見庸 角川文庫)
『自由からの逃走』(エーリッヒ・フロム 東京創元社)
『せどり男爵数奇譚』(梶山季之 ちくま文庫)
『東亰異聞』(小野不由美 新潮文庫)
『夏の災厄』(篠田節子 文春文庫)
『本覚坊遺文』(井上靖 講談社文庫)
『渚にて』(ネビル・シュート 創元推理文庫)
『眼下の敵』(D・A・レイナー 創元推理文庫)
『死言状』(山田風太郎 富士見書房)
『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』(ランス・アームストロング 講談社)
『ゲイルズバーグの春を愛す』(ジャック・フィニイ ハヤカワ文庫)
『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス 早川書房)
『無門関』(岩波文庫)
『寒い国から帰ってきたスパイ』(ジョン・ル・カレ ハヤカワ文庫)
『女王陛下のユリシーズ号』(アリステア・マクリーン ハヤカワ文庫)
『ナヴァロンの要塞』(アリステア・マクリーン ハヤカワ文庫)
『荒鷲の要塞』(アリステア・マクリーン ハヤカワ文庫)
『交通死』(二木雄策 岩波新書)
『死因事典』(東嶋和子 講談社ブルーバックス)
『ラストコンチネント』(山田章博 東京三世社)
『人外魔境』(小栗蟲太郎 桃源社)
『聊斎志異考』(陳舜臣 中公文庫)
『鷲は舞い降りた』(ジャック・ヒギンズ ハヤカワ文庫)
『鷲は飛び立った』(ジャック・ヒギンズ ハヤカワ文庫)
『ゼロの発見』(吉田洋一 岩波新書)
『ある首切り役人の日記』(フランツ・シュミット 白水社)
『仏師』(下村富美 小学館)
『無頼船』(西村寿行 角川文庫)
『風流冷飯伝』(米村圭吾 新潮文庫)
『退屈姫君伝』(米村圭吾 新潮文庫)
『面影小町伝』(米村圭吾 新潮文庫)
『毒の歴史』(ジャン・ド・マレッシ 新評論)
『ジャッカルの日』(フレデリック・フォーサイス 角川文庫)
『極大射程』(スティーヴン・ハンター 新潮文庫)
『狙撃手』(ピーター・ブルックスミス 原書房)
『鉄砲を捨てた日本人』(ノエル・ペリン 中公文庫)
『どぶどろ』(半村良 新潮文庫)
『産霊山秘録』(半村良 角川文庫)
『破獄』(吉村昭 新潮文庫)
『羆嵐』(吉村昭 新潮文庫)
『八甲田山死の彷徨』(新田次郎 新潮文庫)
『死因不明社会』(海堂尊 講談社ブルーバックス)
『五瓣の椿』(山本周五郎 新潮文庫)
『新明解国語辞典』(三省堂)

他人の本棚を見ると言うのは非常に興味深いものがある。
しかし、見られる側から考えると、自分の頭の中を何も隠さずに開陳しているようなもので、いささか面映い印象を受ける。

しかしながら、今回はフィクションの話。

このように、フィクションのキャラクターの本棚にどんな本が並んでいるのか知ることにより、そのキャラクターの理解が深まるし、もちろんそのキャラクターの言動の伏線になったりしていることが想像に難くない。

しかも、そのキャラクターを創造した作家本人がそれを行っているというのは、非常に興味深い。

つらつらと、折木奉太郎の本棚を眺めて見ると、なんとなく中二病の残滓が見え隠れしてくるし、そのジャンルやその作家の所謂代表作が並んでいるところも読書好きとしては、そのキャラクターの読書に対するスタンスや浅さや深さが見え隠れするところが興味深い。

また、メディアミックスされている作品と、その作家の他の作品が並んでいたりする点も面白いし、例えば『ジャッカルの日』、『極大射程』、『狙撃手』、『鉄砲を捨てた日本人』というような思考の流れも楽しい。

また同様に、ウエストレイクからジェフリー・アーチャーへの流れも読書好きとしてはニヤニヤしてしまう。

まあ、いろいろと興味深い本棚だな、と思った。

@tkr2000
@honyakmonsky

 

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2012年5月23日

「遠まわりする雛」(TVアニメ「氷菓」原作)をめぐる冒険

TVアニメ「氷菓」キービジュアル 2012年4月よりチバテレビ他にて絶賛放送中のTVアニメーション「氷菓」の原作である〈古典部〉シリーズ第4作目「遠まわりする雛」に関する余談。

TVアニメ「氷菓」オフィシャルサイト

早速で恐縮だが、ホンヤクモンスキーとして、米澤穂信の「遠まわりする雛」のあとがきが大変興味深い。

ところで、そもそも「遠まわりする雛」とは何ぞや、と言う話なのだが、同書は米澤穂信の〈古典部〉シリーズ第4作目であり、〈古典部〉シリーズ初の短篇集である。

それでは、その〈古典部〉シリーズとは一体どんなシリーズなのか、と言うところなのだが、このシリーズはフリー百科事典Wikipediaによると、

文化系部活動が活発なことで有名な進学校、神山高校で「古典部」という廃部寸前の部活に入部した男女4人が、学校生活に隠された謎に挑む。主に、主人公であり探偵役でもある折木奉太郎の一人称で語られる。

とのこと。

つまり、この〈古典部〉シリーズは、学校生活に隠された謎に挑むミステリー、つまり、人が死なないミステリーなのだ。

この殺伐とした世の中において、またミステリーの大前提と言うか宿命として、人が死んでしまうのが当り前のミステリー界において、人が死なないミステリーとは、なんとも心地良い。心からそう思う。

さて、それでは今日の本題である「遠まわりする雛」のあとがきについてだが、その興味深い部分を引用してみよう。

また、今回は短篇集ということで、さまざまなシチュエーションを使うことができました。そのためミステリの趣向もいろいろなものを試しています。このシリーズとミステリの両方をよくご存じの方であれば、「手作りチョコレート事件」が倒叙ミステリと言っていい作りになっていることに気づかれたかもしれません。

もし本書をきっかけにミステリを広く読んでみたいと思われる向きがありましたら、「心あたりのある方は」がハリイ・ケメルマン「九マイルでは遠すぎる」への、「あきましておめでとう」がジャック・フットレル「十三号独房の問題」への入り口になってくれれば嬉しいです。

いかがだろう。

つまり、ここで米澤穂信は本書「遠まわりする雛」を通じて、本書に関心を持った読者を海外ミステリーの世界へと招待しているのだ。

現代の若い世代は海外の小説や音楽にあまり関心を持っていないと言われている。
おそらく日本国内の小説や音楽で満足してしまっているのだろう。

もう少し上の世代だと、例えば国内の好きな作家やアーティストが影響を受けている海外の小説や音楽を遡りながら読んだり聴いたりすることが一般的なのではないかと思う。

そんな中、米澤穂信は自らの作品の読者を、特に若年層の読者を海外ミステリーの世界にいざなっているのだ。

ここにも一人、日本国内の読者が減少し、また日本国内の読者が関心を持たなくなっている海外ミステリーが置かれている状況について憂いている人がいたぞ。

これを機に、海外ミステリーの世界にも目を向けていただきたいと思う。

「遠まわりする雛」米澤穂信
お約束で恐縮だが「遠まわりする雛」も米澤穂信のサイン入りだよ。

なお、TVアニメーション「氷菓」は、現在のところ第五話「歴史ある古典部の真実」まで放送されている。そんな「氷菓」は第一話〜第五話までの五話を費やして〈古典部〉シリーズ第1作目である「氷菓」の物語を描いている。
しかし、第一話「伝統ある古典部の再生」の後半部分(Bパート)は原作の第4作目「遠まわりする雛」に収録されている短篇「やるべきことなら手短に」をアニメ化している。

@tkr2000
@honyakmonsky

なお、「十三号独房の問題」「世界短編傑作集 1」に収録されています。

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