2012年7月14日 マイクル・コナリー原作、ブラッド・ファーマン監督作品「リンカーン弁護士」が日本国内で公開された。
「リンカーン弁護士」
監督:ブラッド・ファーマン
原作:マイクル・コナリー 「リンカーン弁護士」(講談社文庫)
脚本:ジョン・ロマーノ
出演: マシュー・マコノヒー(ミック・ハラー)、マリサ・トメイ(マギー・マクファーソン)、ライアン・フィリップ(ルイス・ルーレ)、ジョシュ・ルーカス(テッド・ミントン)、ジョン・レグイザモ(ヴァル・ヴァレンズエラ)、マイケル・ペーニャ(ジーザス・マルティネス)、フランシス・フィッシャー(メアリー・ウィンザー)、ボブ・ガントン(セシル・ドブス)、ブライアン・クランストン(ランクフォード刑事)、ウィリアム・H・メイシー(フランク・レヴィン)
あらすじ:大都市ロサンゼルスを日々慌ただしく駆けめぐるミック・ハラーは、麻薬の売人や娼婦などの犯罪者を顧客とするやり手弁護士だ。そんなミックのもとに、ひょっこりと “でかい儲け話” が転がり込んでくる。
ルイス・ルーレというビバリーヒルズの資産家の御曹司が女性への殺人未遂容疑で告発された事件は、司法取引で丸く収めれば報酬をがっぽりと得られるはずだっだが・・・・(オフィシャル・サイトよりほぼ引用)
「リンカーン弁護士」
著者:マイクル・コナリー
翻訳者:古沢嘉通
出版社:講談社(講談社文庫)
内容紹介:名手コナリーが挑む初のリーガル・サスペンス
職業、弁護士 オフィスは高級車
スティーヴン・キング激賞!「本書は、ほんものの極上品(キャデラック)だ」
高級車の後部座席を事務所代わりにロサンジェルスを駆け巡り、細かく報酬を稼ぐ刑事弁護士ミッキー・ハラー。収入は苦しく誇れる地位もない。そんな彼に暴行容疑で逮捕された資産家の息子から弁護依頼が舞い込んだ。久々の儲け話に意気込むハラーだが……警察小説の名手が挑む迫真のリーガル・サスペンス。
と言う訳で、2012年7月15日 東京有楽町「丸の内ピカデリー2」で「リンカーン弁護士」を観た。
先ずは「リンカーン弁護士」は大変面白い作品だった。
脚本は、本編自体が119分と尺が短かめのため、まあ当り前と言えば当り前なのだが、本編には物語に必要なシーンしか存在せず、そのためか、伏線が明確になりすぎていたのがちょっと残念だったが、それ以外は大変素晴らしく非常に楽しい作品だった。
そして、何と言っても法廷シーンが素晴らしかった。陪審員制と物語のキーとなる秘匿特権が興味深かった。
いやぁ、きちんと考えられた法廷ものは面白いですね。
で、驚いちゃうのは監督のブラッド・ファーマンですが、本作「リンカーン弁護士」が監督2作目らしいんですよ。凄い手腕ですよね。
キャストはなんといっても、ミック・ハラーの元で様々な調査活動を行うフランク・レヴィンを演じたウィリアム・H・メイシーが良かった。
調査係フランク・レヴィンを演じたウィリアム・H・メイシー。
「ファーゴ」(1996)以降ウィリアム・H・メイシー推しのわたしだが、こんなに格好良いウィリアム・H・メイシーは観たことないぞ。
また、主演のマシュー・マコノヒー(ミック・ハラー役)は、目的のためには手段を選ばないやり手弁護士を見事に演じている。もしかして「評決のとき」(1996)以来の弁護士役かな。
キャラクター的には、はっきりしない部分もあるのだが、その得体の知れない、こいつ何考えてるんだよ、不利になってるじゃん、的な部分も見事な伏線になっている。
主演のマシュー・マコノヒー(左)と原作者のマイクル・コナリー(右)。
あとは、少ない出番ながら圧倒的な存在感から作品に格調を与えるボブ・ガントン(ウィンザー家の顧問弁護士セシル・ドブス役)。物語上は蚊帳の外の役柄なのだけどね。
そしてジョン・レイグザモ(ヴァル・ヴァレンズエラ)やマイケル・ペーニャ(ジーザス・マルティネス)、そして最近よく見るブライアン・クランストン(ランクフォード刑事)が印象的に脇を固めている。
左から、ボブ・ガントン、ライアン・フィリップ、マシュー・マコノヒー、ウィリアム・H・メイシー。
さらに、密告屋を演じたシェー・ウィガムが印象的だった。
曲者でしたよ。
密告屋を演じたシェー・ウィガム。
女優陣は、ルイス・ルーレの母親であるメアリー・ウィンザーを演じたフランシス・フィッシャーが良かった。作品のキーとなる役柄を見事に演じていた。
公開直後なので、物語については書かないが、感覚的には「瞳の奥の秘密」(2009)を思い出した。
本作「リンカーン弁護士」は是非劇場で観ていただきたい大変素晴らしいミステリー作品だといえる。関心がある方は是非劇場へ。
@tkr2000
@honyakmonsky
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