「世界が終わるわけではなく」をめぐる冒険 その1
2013年4月20日 第6回ネタバレ円卓会議「世界が終わるわけではなく」に参加した。
「世界が終わるわけではなく」
著者:ケイト・アトキンソン
訳者:青木純子
出版者:東京創元社
先ずはこちら、ネタバレ円卓会議向けにPreziで作成したプレゼンテーションをご覧ください。
ネタバレ円卓会議と言う読書会は、参加者の妄想まじりのアカデミックな考察が楽しめる読書会なのだが、今回の課題書「世界が終わるわけではなく」に対する参加者の妄想半分のアカデミックな考察も興味深かった。
例えばこんな具合。
◆ヴンダーカンマー(驚異の部屋/不思議の部屋)
@momoto_uさんの「世界が終わるわけではなく」に頻発するヴンダーカンマー的な博物学的な描写を基に作品を読み解こうとするアプローチ。
◆ギリシア神話
@varietasdelectさんと@nahanohanaさん、そして@yoshida222320さんの原書「Not the End of the World」の扉絵にもなっているギリシア神話のエピソードから作品を読み解こうとするアプローチ。
◆夢中の夢/胡蝶の夢
@gya_sanさんの夢中の夢、胡蝶の夢から作品を読み解こうとするアプローチ。
◆黄道十二星座
@yoshida222320さんの西洋占星術というか、黄道十二宮から作品を読み解こうとするアプローチ。
◆映画とゲーム
これはわたしのアプローチ。
なぜ、こんなに多くの映画やゲームへの言及が、しかも作品の本質をついた言及が執拗に繰り返されているのか。
◆アルファベット
これもわたしのアプローチ。
検証していないので恐縮だが、作品に登場するキャラクターの頭文字はA〜Zになっているのではないか。
◆繰り返し
これもわたしのアプローチ
なぜ、同じような描写が何度もなんども執拗に繰り返されるのか。
参加者が持ち寄った「世界が終わるわけではなく」考察資料の山。
参加者が美味しくいただきました。
因みに今回のネタバレ円卓会議には、スペシャル・ゲストとして「世界が終わるわけではなく」の翻訳家である青木純子さんにご参加いただき、同書の翻訳の裏話や、翻訳業界の現状等、いろいろな興味深いお話を伺う事が出来ました。
お忙しいのにも関わらず、
ネタバレ円卓会議は3時間。
二次会の懇親会も3時間強。
三次会の懇親会は1時間強。
なんと14時から23時くらいまでお付合いいただきました。
大変お疲れさまでした。
余談ですが、ネタバレ円卓会議では、参加者の中には原書をちょぼちょぼと読んで来ている人もたまにいるので、翻訳ではこうなっているけど、原書ではどうなっているのか、と、そのあたりの表現の相違を円卓会議の俎上に乗せる事もままあるのですが、それも円卓会議の楽しみのひとつだと言えます。
また、先程紹介した@yoshida222320さんは、わたしたちの中では《吉田探偵》と呼ばれていて、作品の背景に潜む様々な闇を白日の下に引きずり出す事に喜びを感じ、わたしたちはそれを彼に半ば強要しているのですが、今回は黄道十二星座からの考察で、ある画像をプロジェクターでスクリーンに映した瞬間の、参加者の絶叫の渦と言うか阿鼻叫喚と言うか、は恐ろしいものがありました。
そしてここからがわたしの結論。
実はこれらのアプローチが全て一つの結論、つまり「世界が終わるわけではなく」でケイト・アトキンソンがやろうとした事を指し示しているのです。
残念ながら@unyueさんの結論とほとんど同じになってしまいました。
まあ、途中経過は異なっているんですけど。
長くなってきましたので、つづきは次回。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント