カテゴリー「リチャード・マシスン」の3件の記事

2020年11月17日

リチャード・マシスンの「二万フィートの悪夢」の3度目の映像化作品「三万フィートの戦慄」が独占日本初放送

Twilightzone_20201116153101 2020年11月23日からスーパードラマTVで独占日本初放送される「トワイライト・ゾーン」(2019)の第2話として、リチャード・マシスンの短篇「二万フィートの悪夢」("Nightmare at 20,000 Feet")の3度目の映像化作品「三万フィートの戦慄」("Nightmare at 30,000 Feet")が11月30日に独占日本初放送される。

「二万フィートの悪夢」
著者:リチャード・マシスン
訳者:尾之上浩司
出版社:早川書房 ハヤカワ文庫NV「運命のボタン」に収録。
初出:"Alone by Night"(1961) "Nightmare at 20,000 Feet"

「三万フィートの戦慄」
監督:グレッグ・ヤイタネス
原作:リチャード・マシスン
脚本:マルコ・ラミレス
出演:アダム・スコット、クリス・ディアマントポロス、ケイティー・フィンドレイ

あらすじ:ジャーナリストのジャスティン(アダム・スコット)は取材のため、飛行機でワシントンDCからテルアビブへ向かおうとしていた。空港から妻に電話すると渡航に反対だと言う。実はジャスティンは以前、イエメンでの取材で精神的ショックを受けPTSDに苦しんでいた。精神科医から教わった「過去は過去」という言葉を呪文のように唱えジャスティンは機内に乗り込む。

さて先ほどお話ししたように今回の「トワイライト・ゾーン」(2019)の第2話「三万フィートの戦慄」はリチャード・マシスンの短篇小説「二万フィートの悪夢」の3度目の映像化である。 

1度目の映像化は、日本国内では「未知の世界」または「ミステリー・ゾーン」と言うタイトルで放送された"Twilight Zone"(1959-1964)の第123話(シーズン5 第3話)「二万フィートの戦慄」("Nightmare at 20,000 Feet")。

Nightmareat20000feet1963 「二万フィートの戦慄」("Nightmare at 20,000 Feet") (1963)
監督:リチャード・ドナー
原作:リチャード・マシスン
脚本:リチャード・マシスン
出演:ウィリアム・シャトナー、クリスティン・ホワイト

あらすじ:6か月の入院を終え、退院したばかりの男(ウィリアム・シャトナー)は、飛行機で家路につく。だが、窓の外を見ると、翼の上に生き物が乗っているのを目にする。男は驚いて妻(クリスティン・ホワイト)に話すのだが・・・・。

本作「二万フィートの戦慄」(1963)は、クリーチャーの造形は残念ながら今ひとつなのだが、ウィリアム・シャトナーの鬼気迫る演技が大変素晴らしく、現在までも非常に評価が高い作品である。

Nightmareat20000feet1963_2 「宇宙大作戦」("Star Trek")(1966-1969)においてエンタープライズ号のカーク船長を演じたウィリアム・シャトナーの狂気に満ちた演技が素晴らしい。特にこの目がギラギラとした感じが素晴らしい。

興趣をそぐのでクリーチャーの写真は紹介しないが、ウィリアム・シャトナーの演技が良い分、クリーチャーの造形といい動きといい、もうちょっとなんとかならなかったのか、と思えてならない。

さて2度目の映像化だが、これはなんとスティーブン・スビルバーグ、ジョン・ランディス製作の映画「トワイライトゾーン/超次元の体験」(1983)の第4話「2万フィートの戦慄」("Nightmare at 20,000 Feet") (1983)。

Nightmareat20000feet1983 「2万フィートの戦慄」("Nightmare at 20,000 Feet") (1983)
製作:スティーブン・スピルバーグ、ジョン・ランディス
監督:ジョージ・ミラー
原作:リチャード・マシスン
脚本:リチャード・マシスン
出演:ジョン・リスゴー、アビー・レーン、ドナ・ディクソン、ジョン・デニス・ジョンストン、クリスティナ・ニグラ、チャールズ・ナップ、ダン・エイクロイド

あらすじ:飛行機恐怖症のジョン・ヴァレンタイン(ジョン・リスゴー)は、飛行中の旅客機内でパニックに襲われていた。気遣うスチュワーデスに大丈夫だと言ったものの、恐怖感は鎮まらない。落ち着くための喫煙は咎められ、新聞を開けば見出しは「史上最悪の飛行機事故」。周囲の客は彼の神経をいら立たせ、外では雷鳴が轟き、稲光が走る。気分転換に窓の外を覗いた彼は、異様なものを目にする。

Nightmareat20000feet1983_2 本作「2万フィートの戦慄」(1983)は映画「トワイライトゾーン/超次元の体験」(1983)のトリを飾る作品でもあり、これまた評価が高い作品である。オリジナル版のウィリアム・シャトナー顔負けの鬼気迫る演技のジョン・リスゴーが素晴らしい。

また、オリジナル版にあった若干おかしな点を修正し、かつクリーチャーの造形も動きも素晴らしい作品に仕上がっている。

また例によってクリーチャーの写真は紹介しないが、本作「2万フィートの戦慄」(1983) では映画史に残る素晴らしいクリーチャーの仕草が楽しめる。

さて今日の本題3度目の映像化は、前述のように「トワイライト・ゾーン」(2019)の第2話「三万フィートの戦慄」("Nightmare at 30,000 Feet")。

Nightmareat30000feet 「三万フィートの戦慄」("Nightmare at 30,000 Feet")
監督:グレッグ・ヤイタネス
原作:リチャード・マシスン
脚本:マルコ・ラミレス
出演:アダム・スコット、クリス・ディアマントポロス、ケイティー・フィンドレイ
ホスト:ジョーダン・ピール

あらすじ:ジャーナリストのジャスティン(アダム・スコット)は取材のため、飛行機でワシントンDCからテルアビブへ向かおうとしていた。空港から妻に電話すると渡航に反対だと言う。実はジャスティンは以前、イエメンでの取材で精神的ショックを受けPTSDに苦しんでいた。精神科医から教わった「過去は過去」という言葉を呪文のように唱えジャスティンは機内に乗り込む。

今回の「トワイライト・ゾーン」(2019)の特筆すべき点は米CBSの配信サイトCBS All ACCESSで配信限定で製作されている点とホスト役として「ゲットアウト」(2017)、「アス」(2019)等のジョーダン・ピールが全エピソードに登場する点。

イメージとしては「世にも奇妙な物語」のタモリのようなホスト役をジョーダン・ピールがつとめていると考えるとわかりやすいと思う。

さらに驚いたことに、今までは高度2万フィートだったのに、今回はなんと高度3万フィートになってしまっている。

そして、もちろんわたしはまだ本編を観ておらず、予告編を観る限りなので確かな事は言えないのだが、どうやら今回の「三万フィートの戦慄」はウィリアム・シャトナーのオリジナル版、ジョン・リスゴーのリメイク版とは全く異なったアプローチをしているようなのだ。

これはたいへん楽しみな状況である。

関心がある方はぜひスーパードラマTVで。

放送予定は次の通り。

2020/11/30(月) 22:00
[二]「トワイライト・ゾーン」第2話「三万フィートの戦慄」/"Nightmare at 30,000 Feet"

2020/11/30(月) 24:00
[字][5.1ch]「トワイライト・ゾーン」第2話「三万フィートの戦慄」/"Nightmare at 30,000 Feet"

Photo_20201117193101 最後にわたしが体験した「二万フィートの悪夢」 を紹介する。

あの日はちょっとヤバかった。

 

 

 

 

 

 

| | コメント (1)

2013年9月 5日

マシスンの「縮みゆく人間」が新訳「縮みゆく男」に!

2013年8月31日に扶桑社ミステリー文庫からリチャード・マシスンの「縮みゆく男」の新訳決定版が出版された。

なお、同作の旧タイトルは「縮みゆく人間」。原題は"The Shrinking Man"

「縮みゆく男」 「縮みゆく男」
著者:リチャード・マシスン
訳者:本間有
出版社:扶桑社 扶桑社ミステリー文庫

今回の「縮みゆく男」の新訳決定版の出版は、「縮みゆく男」の3度目の映画化と、リチャード・マシスンの追悼企画である模様。

因みに、旧「縮みゆく人間」は早川書房から出版されていた。

余談と言うかわたしの妄想だが、手塚治虫の「ブラック・ジャック」「ちぢむ!」は、本作「縮みゆく男」を元にしていると思うし、映画「ミクロキッズ」の原題は"Honey, I Shrunk the Kids"なので、これも同様に「縮みゆく男」の影響下にあると思っている。

また、スティーヴン・キングの「痩せゆく男」「縮みゆく男」を意識していると思う。

とにかく、マシスンの「縮みゆく男」の新訳が出たことを素直に喜びたい。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年6月26日

【訃報】リチャード・マシスン

リチャード・マシスン
2013年6月25日に各メディアが伝えるところによると、現地時間23日にリチャード・マシスンが亡くなった模様。

つつしんでご冥福をお祈りします。

Richard Matheson, sci-fi author, dies aged 87

The science fiction and horror author Richard Matheson – whose novels and stories including I Am Legend and The Shrinking Man were adapted for the big screen and television – has died at the age of 87.

A spokesman for the Academy of Science Fiction, Fantasy and Horror Films said Matheson died on Sunday in Los Angeles. The Writers Guild of America also announced Matheson's death.

Matheson, who was born in Allendale, New Jersey, in 1926 and raised in Brooklyn, New York, first began publishing science fiction and horror stories in the 1950s.

His 1954 horror novel I Am Legend is considered a landmark work in the genre, ushering in zombies and apocalyptic themes to post-second world war America.

The novel was adapted three times as a film, most recently in 2007 as a big-budget thriller of the same name starring Will Smith, but earlier in 1964 as The Last Man on Earth and in 1971 as Omega Man.

Matheson also wrote the teleplay Nightmare at 20,000 Feet in 1963 for television series The Twilight Zone.

The episode, which stars William Shatner, has become a much-referenced TV classic with a famous shot of a gremlin peering into the window of the plane from its wing.

Other movie adaptations have included Hell House and What Dreams May Come.

The author wrote the screenplay for 1971's Duel, one of director Stephen Spielberg's first films. He was credited as a writer on at least 80 film and television productions over his career spanning seven decades.

わたしがリチャード・マシスンの訃報に接したのは6月25日の朝、通勤途中の駅のホーム。わたしは周りの人が驚いて振り返る程に大きな声を発してしまっていた。

わたしにとってリチャード・マシスンは、映画やテレビムービーの原作者や脚本家としての印象が強く、最初に意識したのはスティーヴン・スピルバーグの「激突!」(1972)だったと思う。

そして「ある日どこかで」(1980)である。

小説については長編は現在では「アイ・アム・レジェンド」「ある日どこかで」以外は書店で見かける事はあまりないのだが、短篇集は映画「リアル・スティール」「運命のポタン」等のおかげか、現在でも比較的手に入りやすいと思う。

またトリビュート短篇集「ヒー・イズ・レジェンド」も翻訳が出ているので短篇集から読んでいくのが面白いと思う。

しかしながら、そのあたりを考えても、日本国内では小説家というより映画の原作者として知られているようで、日本国内のメディアでリチャード・マシスンの訃報を伝えているのは、朝日新聞デジタルシネマトゥデイ映画.com程度である。

ちょっと寂しい気がする。

わたしも少しリチャード・マシスンを読み直してみようかと思う。

@tkr2000
@honyakmonsky


| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

A・E・ヴァン・ヴォークト C・S・ルイス E・E・スミス E・L・ジェームズ F・スコット・フィッツジェラルド Gary L. Stewart H・G・ウェルズ J・D・サリンジャー J・G・バラード J・K・ローリング J・R・R・トールキン Matthew De Abaitua P・D・ジェームズ P・G・ウッドハウス S・J・ボルトン S・S・ヴァン・ダイン ■SF ■コメディ ■ノンフィクション ■ファンタジー ■ホラー ■ミステリー ■児童書 ■冒険小説 ■叙事詩 ■幻想 ■文芸 ■漫画 ■美術 ■詩歌 ●tkr ●unyue 「ピパの唄」 はじめに アイザック・アシモフ アイラ・レヴィン アガサ・クリスティ アゴタ・クリストフ アニメーション アラン・グレン アルフォンス・ドーテ アルフレッド・ウーリー アルフレッド・ベスター アンソニー・ドーア アンソニー・バージェス アンディ・ウィアー アンデルセン アントニイ・バークリー アンネ・フランク アン・ライス アーサー・C・クラーク アーサー・コナン・ドイル アーナルデュル・インドリダソン アーネスト・ヘミングウェイ イアン・フレミング イアン・マクドナルド イーユン・リー ウィリアム・ギブスン ウィリアム・シェイクスピア ウィリアム・ピーター・ブラッティ ウィリアム・ボイド ウィリアム・リンク ウォルター・ウェイジャー ウォルター・テヴィス ウラジミール・ソローキン エドガー・アラン・ポー エドガー・ライス・バローズ エドワード・D・ホック エド・ファルコ エマ・ドナヒュー エミリー・ブロンテ エラリー・クイーン エリザベス・ビショップ エリック・シーガル エルモア・レナード オースン・スコット・カード カズオ・イシグロ カレル・チャペック カート・ヴォネガット カート・ヴォネガット・ジュニア ガレス・L・パウエル キャロル・オコンネル ギャビン・ライアル ギレルモ・デル・トロ クリストファー・プリースト グレアム・グリーン ケイト・アトキンソン ケイト・モートン ケン・キージー コニー・ウィリス コーマック・マッカーシー サルバドール・プラセンシア シャルル・ボードレール シャーリイ・ジャクスン シャーロット・ブロンテ ジェイムズ・P・ホーガン ジェイムズ・エルロイ ジェイン・オースティン ジェニファー・イーガン ジェフリー・ディーヴァー ジェフ・キニー ジェラルディン ・ブルックス ジェームズ・クラベル ジェームズ・パターソン ジェームズ・マクティーグ ジム・トンプスン ジャック・ケッチャム ジャック・フィニィ ジャック・フットレル ジャネット・イバノビッチ ジュディ・ダットン ジュール・ヴェルヌ ジョイス・キャロル・オーツ ジョナサン・キャロル ジョナサン・サフラン・フォア ジョナサン・フランゼン ジョン・クリストファー ジョン・グリシャム ジョン・スコルジー ジョン・スラデック ジョン・ル・カレ ジョン・W・キャンベル・ジュニア ジョージ・A・エフィンガー ジョージ・オーウェル ジョージ・ルーカス ジョーゼフ・キャンベル ジョーン・G・ロビンソン ジョー・ヒル ジル・マーフィ ジーン・ヘグランド スコット・ウエスターフェルド スコット・スミス スコット・トゥロー スタンリー・キューブリック スティーグ・ラーソン スティーヴン・キング スティーヴ・ハミルトン スーザン・D・ムスタファ スーザン・オーリアン スーザン・コリンズ スーザン・ヒル セス・グレアム=スミス ダグラス・アダムス ダシール・ハメット ダニエル・キイス ダニエル・スティール ダフネ・デュ・モーリア ダンテ・アリギエーリ ダン・ブラウン チャイナ・ミエヴィル チャック・ホーガン チャールズ・M・シュルツ チャールズ・ディケンズ テオ・オブレヒト テレビムービー ディミトリ・フェルフルスト ディーン・クーンツ デイヴィッド・ゴードン デイヴィッド・ピース デイヴィッド・ホックニー デイヴィッド・ミッチェル デニス・ルヘイン デヴィッド・セルツァー トマス・H・クック トマス・ハリス トマス・ピンチョン トム・クランシー トム・ロブ・スミス トーベ・ヤンソン トーマス・マン ドナルド・E・ウェストレイク ドン・ウィンズロウ ナーダシュ・ペーテル ニコライ・ゴーゴリ ニール・スティーヴンスン ネビル・シュート ネレ・ノイハウス ノーマン・メイラー ノーラ・ロバーツ ハリイ・ケメルマン ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ハンナ・ジェイミスン ハーマン・メルヴィル バルガス=リョサ バーナード・マラマッド パオロ・バチガルピ パトリシア・ハイスミス ビバリー・クリアリー ビル・S・バリンジャー ピエール・ブール フィリップ・K・ディック フィリップ・プルマン フィリップ・ロス フェルディナント・フォン・シーラッハ フランク・ハーバート フランツ・カフカ フリオ・リャマサーレス フリードリヒ・ニーチェ フレデリック・フォーサイス フレドリック・ブラウン ブライアン・セルズニック ブラム・ストーカー ホンヤクモンスキー ホンヤクモンスキーの憂鬱 ポール・オースター マイクル・コナリー マイケル・クライトン マイケル・コックス マザー・グース マックス・バリー マックス・ブルックス マック・レナルズ マリオ・バルガス=リョサ マリオ・プーゾ マーセル・セロー マーティン・スコセッシ メアリー・シェリー モーパッサン ヤン・マーテル ユッシ・エーズラ・オールスン ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト ライオネル・シュライバー ライマン・フランク・ボーム ライヤード・キップリング ラジオ ラッキー・マッキー ラムジー・キャンベル リチャード・スターク リチャード・バック リチャード・マシスン リチャード・レビンソン リリー・ブルックス=ダルトン リー・チャイルド ルイス・キャロル ルシアン・ネイハム レイモンド・チャンドラー レイ・ブラッドベリ レオ・ペルッツ レビュー ロアルド・ダール ロバート・A・ハインライン ロバート・B・パーカー ロバート・ブラウニング ロバート・ラドラム ロベルト・ポラーニョ ローレンス・ブロック ヴィクトル・ユーゴー 吾妻ひでお 図書館 手塚治虫 文学賞 映画 村上春樹 栗本薫 池井戸潤 湊かなえ 瀬名秀明 竹本泉 米澤穂信 翻訳作品の影響 舞台 董啓章 読書会 貫井徳郎 越前敏弥 黒史郎