「23分間の奇跡」
と言うのも、どこで話が出たのか、誰に勧められたのか記憶にないのだが、最近どこかで「23分間の奇跡」の話が出て、再読すべきだ、と思っていたのだ。
そんな中、たまたま書店で《ナツイチ2013/集英社文庫》の棚を眺めていたら、AKB48の高橋みなみが「23分間の奇跡」を勧めていたのだ。
わたしはAKB48に全く関心がないこともあり、高橋みなみのことはほとんど知らない。
どうせ、高橋みなみが「23分間の奇跡」を勧めているのは大人の事情だろ、と思いながらも、もしかして本当に「23分間の奇跡」を高橋みなみが勧めているのだとしたら、わたしの中の高橋みなみの株は暴騰する。
と言うのは、2012年の12月頃に、元AKB48の前田敦子に配給会社の宣伝マンが「本当に映画がお好きなのか疑っていたのですが、シネパトスに行かれた事や「ダークナイト~」等のソフトを購入されてたのを見て信じました。すみません! 」とかツイートして炎上した事件があったのだが、その経緯を見ているとどうやら前田敦子は本当に映画好きみたいで、それだけで、つまり映画好きだ、と言うだけで、わたしの中の前田敦子の株は現在絶賛暴騰中である。
しかしながら【4カ月で前田敦子が観た120本に及ぶ映画リストから、特に印象に残った、お気に入りの作品をみずから紹介】/『浴びるように映画を観たい』で紹介された作品が普通過ぎて困る。
もうちょっと尖った作品をあげてくれよ、と。
そんな中、高橋みなみが「23分間の奇跡」をあげているのだ。
これは興奮する。
「23分間の奇跡」
著者:ジェームズ・クラベル
訳者:青島幸男
出版社:集英社/集英社文庫
さて「23分間の奇跡」だが、物語の背景は、英語を公用語にしている国と、他の言語を公用語としている国が戦争をしていたのだが、英語を公用語としている国が戦争に負け、勝った国の教員が負けた国の小学校で最初の授業を行う、と言うものである。
戦争に勝った国は、社会主義国なのか共産主義国なのかわからないが全体主義国家で、負けた国は資本主義なのかおそらく自由主義国家のようである。
誰もが思うように、本作「23分間の奇跡」は、訳者あとがきでも明記されているように《フランス万歳》でお馴染みのアルフォンス・ドーテの「最後の授業」に対する《最初の授業》とも言える作品である。
また本作を考える上ではジョージ・オーウェルの「一九八四年」や「動物農場」をひいてみるのも面白いし、スティーヴン・キングの「ハイスクール・パニック」と並べて読むのも興味深いだろう。
と言うのも、本作「23分間の奇跡」は、小学生たちが、戦勝国の教師にいとも簡単に、つまりわずか《23分間》の間に洗脳されてしまう様を描いているのだ。
こんなに恐ろしい小説はない。
機会があれば是非。
ところで、《ナツイチ2013》のサイトで高橋みなみの「23分間の奇跡」の感想が公開されていた。
おいらがっかりだよ。
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