カテゴリー「■児童書」の10件の記事

2015年2月 9日

#翻訳書でしつこく繰り返される表現 が激オモ 

いまツイッターで流行っているハッシュタグ #翻訳書でしつこく繰り返される表現 が激オモ。

#翻訳書でしつこく繰り返される表現 ツイッターのハッシュタグ検索

このハッシュタグの仕掛人は翻訳家の越前敏弥(@t_echizen)。

翻訳書でしつこく繰り返される表現 越前敏弥氏によるトゥギャッターのまとめ。

翻訳書に出てくるよくわからない名詞も楽しそう。

フランス窓
アルコーブ
火かき棒
外套

翻訳書に出てくる食べたいものとか。

パンの実
プリン(「ナルニア国」シリーズのターキュッシュ・デライト)
レンバス(「指輪物語」
バタつきパン

@tkr2000
@honyakmonsky


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年1月31日

「はじめての海外文学フェア」はじまってます

『50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア』
2015年1月26日頃から全国14書店でじわじわと始まっている模様。

『50人に聞きました!老いも若きもまずはこの1冊から はじめての海外文学フェア』についてはこちらをご覧ください。

「はじめての海外文学フェア」開催!(執筆者・酒井七海[丸善津田沼店])

このフェアで興味深いと思ったのは、

従来の入門フェアに入るような古典的なものは避けること。

これは素晴らしいコンセプトですね。

なんとか文庫の100冊とかも本来はおそらく同様のコンセプトで企画したいのではないかな、と想像していますが、まあ大人の事情と言うかどこかの誰かの何かしらの思惑で古典的でスタンダードな作品が選出されているケースがあります。

2015年の現代に生きる人たちに古典的でスタンダードな作品を薦めるのはやはり問題があるのではないか、と考えています。

もちろん良い作品は良いし、時代を感じさせないエバーグリーンな作品はたくさんありますが、そんな作品はあとで読めば良いのです。

と言うのも、日本の国語教育の中で古典的でスタンダードな作品を教科書や読書感想文の課題書として読まされて、それが原因で文学や海外文学に親しめなくなってしまった人々が多い、と言う可能性が否定出来ない、と考えるからです。

余談ですが、以前「バトル・ロワイヤル」(2000)と言う映画の指定(R18+とかR15+とかPG12とか)をどうこうする際に「バトル・ロワイヤル」の指定を上げるべきだと言っていたある政治家がマスコミにどんな映画が好きですか、と質問され、どや顔で「風と共に去りぬ」と答えたことを思い出します。

2000年当時に1939年の作品をベストだとして推す神経と無知に脱力したのを覚えています。こんな人たちが日本の文化をレイティングしているのか、と。

もちろん今回の「はじめての海外文学フェア」にもちょっと古い作品やスタンダードな作品も入っていますが、これを機に、はじめての海外文学に挑戦していただければ、と思います。

開催書店はこちらでご確認願います。

50人が選んだ、2500円以下のオススメ海外文学。「はじめての海外文学」フェア 

余談ですがジャック・ケッチャムの「オフシーズン」「はじめての海外文学フェア」に入っているのは、古典的な作品が入っているのとは逆の意味でまずいんじゃないかな、と思いました。

まあ「隣の家の少女」が入っているより随分とましだと思いますが。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年6月22日

THE WIZARDING WORLD OF Harry Potterのダイアゴン横丁の写真公開

O450815278900

2014年7月8日に、ユニバーサル・オーランド・リゾートにオープンする、THE WIZARDING WORLD OF Harry PotterのDiagon Alleyの写真がThe Huffington Postで公開された。どうやらDiagon Alleyの内覧会があった模様。

First Photos Of Universal's Diagon Alley Are A Harry Potter Nerd's Dream Come True

関心がある方は是非。

因みに、THE WIZARDING WORLD OF Harry Potterのオフィシャルサイトが本気感あふれる素晴らしいサイトになっている。

なお、2014年7月15日に、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにオープンするウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターのサイトもほぼ同様のクオリティのコンテンツになっている。

THE WIZARDING WORLD OF Harry Potter

サイトを見る限りだが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッターの規模は、ユニバーサル・オーランド・リゾートの、THE WIZARDING WORLD OF Harry Potterの半分くらいの規模である模様。マップで言うと今回本国でオープンするダイアゴン横丁が日本にはない様子。日本でも2年後くらいにダイアゴン横丁がオープンするのかしらね。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年6月 7日

「ムーミン」母国フィンランドで初の映画化

Moomins on the Riviera - 1st Sneak Peek

2014年6月7日のCinemacafe.netの記事によると、トーベ・ヤンソン生誕100周年を迎える2014年に「ムーミン」が、フィンランド初のアニメーション長編作品として映画化される模様。

ムーミン、母国フィンランド製作で初の映画化

近年、アニメや展覧会、グッズなど“癒し系”として日本の女子から絶大な人気を誇るキャラクター「ムーミン」。そんな世界中から愛されるムーミンの生みの親トーベ・ヤンソンが今年で生誕100周年を迎える。この記念すべき年にムーミンが長編アニメーション映画としてスクリーンに登場することが明らかとなった。

リビエラにバカンスにやって来たムーミン一家だったが、すっかり現地のプレイボーイの虜になってしまったフローレンと、そんな彼女に焼きもちを焼くムーミン。また、貴族と友達になり自らを「ムーミン伯爵」と呼ぶようになったムーミンパパに腹を立てたムーミンママは、親戚が暮らす静かで落ち着いた古いボートで過ごすことを決め、家族がバラバラになってしまうのだった…。

今回公開が決定した『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は、地中海沿岸に位置する魅惑的な地リビエラへとやってきたムーミン一家の愉快な冒険を描く全編手書きの長編アニメーション。ムーミンの母国フィンランドで製作された初の劇場用長編アニメーションとして世界中のムーミンファンから熱い注目を浴びている。

過去の劇場版としては日本で描き直され放映されていたテレビアニメの劇場版『劇場版ムーミン谷の彗星』(’92)やパペット・アニメーション『劇場版ムーミン パペット・アニメーション ~ムーミン谷の夏まつり~』(’09)などがある。

本作の監督を務めたグザヴィエ・ピカルドは「本作を製作するにあたって意識したしたことは、トーベ・ヤンソンのオリジナル作品に敬意を払い、昔から『ムーミン』を愛する人々のためにも映画に原作を取り入れることでした。そして、どんな大人も持っているはずの子ども心を刺激したかったのです。本作ではすべてどのシーンも手書きです。どのシーンを切り取っても、原作の雰囲気を決して崩さないように色味や音楽などにもとてもこだわりました」「私がこの作品を通じて強く思うことは、トーベ・ヤンソンの作品を今後も後世に残し続けることであり、『平和に暮らし、植物と夢を育て続ける』という彼女のモットーを持ち続けたいと思っています」と語った。

日本初公開のオリジナル作品を200点あまり展示する「ムーミン展」や、アパレルブランド「UNIQLO」でムーミンTシャツが販売されるなど、各地各業界で賑わいをみせている。トーベの誕生日である8月9日にはムーミンファンが参加できるイベントも企画されており、今年は「ムーミンの年」となりそうだ。

『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は、2015年2月より全国にて公開。

なんとなく不安を感じる。

と言うのも、本作『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は、原作を近代的、と言うか現代的な解釈をしているような印象を受けるため。

また、舞台がムーミン村ではなく文明社会である点にも不安を感じてしまう。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年6月 1日

今すぐ買える著名小説家の家

2014年5月25日のFlavorwireの記事『8 Literary Homes You Can Buy Right Now』が興味深い。

『8 Literary Homes You Can Buy Right Now』

ここでは、次のような不動産が紹介されています。

《ドラキュラの城》
・ブラン城。現在は博物館。
・57部屋、22エーカー、バスルーム無し。

《レイ・ブラッドベリの家》
・$149万5千ドル

《ビバリー・クリアリーが子どもの頃住んでいた家》

《ノーマン・メイラーの家》
・海辺の家
・$390万ドル

《アーネスト・ヘミングウェイが子どもの頃に住んでいた家》

《ラドヤード・キップリングが30代に住んでいた家》
・「見よ、灰色の石で覆われた家の所有者、それは1634年への扉であり、梁、羽目板、古いオーク材の階段、すべてが変わっておらず、本物だ。よい、そして平穏な場所だ。」「我々がそれを最初に見たときからずっと愛している。」と語ったサセックス時代の家。

《トーマス・マンが1940年代に住んでいた家》
・スカーフェイスの家として知られる邸宅
・$3500万ドル
・4ベッドルーム、9バスルーム

《エリザベス・ビショップが子どもの頃に住んでいた家》

関心がある方は、是非。

リンク先ではいろいろと貴重な写真も公開されていますよ。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年5月27日

最も祟られている文学キャラクター!?

2014年5月19日のInternatinal Business Timesの記事で最も祟られている文学キャラクター(Most Haunting Literary Characters)にが発表された模様。

Heathcliff, Miss Havisham and The Woman in Black: Most Haunting Literary Characters

Top ten most haunting female characters

1. Miss Havisham - Great Expectations, Charles Dickens

2. The ghost - The Woman in Black, Susan Hill

3. Lady Macbeth - Macbeth, William Shakespeare

4. White Witch - Chronicles of Narnia, C.S. Lewis

5. Annie Wilkes - Misery, Stephen King

6.Mrs De Winter - Rebecca, Daphne Du Maurier

7. Nuse Ratched - One Flew Over the Cuckoo's Nest, Ken Kesey

8. Mrs Coulter -  Northern Lights, Philip Pullman

9. Miss Trunchball - Matilda, Roald Dahl

10. Miss Hardbroom - The Worst Witch, Jill Murphy

Top ten most haunting male characters

1. Heathcliff - Wuthering Heights, Emily Brontë

2. Count Dracula - Dracula, Bram Stoker

3. Jack Torrance - The Shining, Stephen King

4. Mr Rochester - Jane Eyre, Charlotte Brontë

5. Alex - A Clockwork Orange, Anthony Burgess

6. Frankenstein's monster - Frankenstein, Mary Shelley

7. Pennywise the clown - It, Stephen King

8. President Coriolanus Snow - The Hunger Games, Suzanne Collins

9. Caliban - The Tempest, William Shakespeare

10. Kevin - We Need to Talk About Kevin, Lionel Shriver

Most Haunting Literary Characters って日本語だと難しいですね。

最も頭から離れない文学キャラクター、最もまとわりついてくる文学キャラクター、地縛霊のように頭から離れてくれない文学キャラクターと言う感じでしょうか。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月27日

トーベ・ヤンソン生誕100周年記念「MOOMIN!ムーミン展」大盛況

「トーベ・ヤンソン生誕100周年記念 MOOMIN! ムーミン展」 2014年4月27日 松屋銀座で開催されている「トーベ・ヤンソン生誕100周年記念 MOOMIN! ムーミン展」に行ってきた。

まあ、混んでると思っていたよ。

27日(日)13時30分頃に会場入り。「MOOMIN! ムーミン展」の会場は松屋銀座8階だったのだが、階段に列を作っていると言う掲示があったので、とりあえず6階までエスカレーターで上り、階段に向かう。

ビンゴ!

見事に的中。6階から列に並び始める。
10分程度で7階に進むが、その時点で、列は4階まで伸びていた。

「MOOMIN! ムーミン展」
会場:松屋銀座8階イベントスクエア
会期:2014年4月16日(水)〜5月6日(火)
入場料:一般1,000円

概要:世代を超えて多くの人々に愛され続けるムーミン。今年、ムーミンの原作者と知られるトーべ・ヤンソン(1914~2001年)の生誕100年を迎えます。 ムーミンはトーべが書いた9冊の童話に“ムーミントロール”として登場し、その後コミックや絵本、アニメーションなどを通して世界中に広がっていきまし た。ちびのミイやスナフキン、ムーミンママなど、そこに登場する人物たちは自由で個性にあふれ、その言動には思わず共感を覚えずにはいられません。作者 トーベ・ヤンソンが暮らした北欧・フィンランドの厳しくも豊かな自然、そしてトーベ自身の体験や身近な人々の存在が、この愛すべきファンタジーに色濃く反 映され、作品に奥行と説得力を添えています。本展では、ムーミン童話の挿絵原画を中心にスケッチや習作など日本初公開作品約150点を含む約200点のオリジナル原画、ムーミン立像、ムーミン谷のジオラマや映像など、ムーミンとその仲間たちの魅力に満ちた世界をご紹介します。

わたしは原作の熱心な読者ではないが、講談社文庫版(旧版)を何冊か読んでおり、子どもの頃は1969年版と1972年版のアニメーション「ムーミン」を熱心に観ていた。

そんな中で「MOOMIN! ムーミン展」を観た訳。

「MOOMIN! ムーミン展」では、「ムーミン」シリーズの書籍で使用されたトーベ・ヤンソンの表紙絵、挿絵等、そして習作を含めた原画が200点程展示されていた。

それぞれの作品は非常に小さく、また会場の関係なのか、所狭しとレイアウトされ、隣の作品との間が非常に狭い展示に若干の問題を感じたが、それぞれの作品自体は非常に細密で、非常に濃厚で芳醇な印象を受けた。

アニメーション作品に描かれている数多くのイメージ全てがトーベ・ヤンソン一人の頭の中から出て来ているとは思えない程のビジュアル・イメージの洪水に驚かされる。

感覚的には、『三鷹の森ジブリ美術館企画展示 「挿絵が僕らにくれたもの」展』にも似た印象を受けた。

混んでいるのは混んでいるのだが、関心がある方は是非会場へ。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月13日

トーベ・ヤンソンの落書き発見!

トーベ・ヤンソンが1971年に来日した際に残した落書き
2014年4月12日の毎日新聞の記事によると、トーベ・ヤンソンが1971年に来日した際に残した落書きが見つかった模様。

ムーミン:ワイングラス傾けて 作者が来日時に落書き

◇ヤンソンさん、43年前に鳥羽のホテル

人気の童話「ムーミン」シリーズを創作したフィンランドの作家、トーベ・ヤンソンさん(1914〜2001年)が1971年に来日した際に残した「落書き」が見つかった。当時はヤンソンさんが児童文学から大人向け小説へと創作の場を移した時期で、ムーミンがお酒を飲む姿など、本シリーズにはない絵柄が描かれた貴重な資料。今年生誕100年を迎えた記念展で初公開される。

来日中の旅行に同行した当時の講談社の担当編集者、鈴木良平さん(75)がヤンソンさんから贈られ、自宅に保管していた。

ヤンソンさんは、日本でテレビアニメの放映が始まった翌々年の71年5月に来日。パートナーのトゥーリッキ・ピエティラさんと神奈川県箱根町や三重県鳥羽市を訪れた。

落書きは同市の鳥羽国際ホテルに宿泊時のもの。A3サイズほどの紙のランチョンマットに、ムーミンが「Sake」と書かれたボトルのお酒を飲む様子や、真珠の産地である鳥羽にちなみ、光り物が好きな「スニフ」が真珠のネックレスを作る絵柄などがインクで描かれている。

フィンランド在住のムーミン研究家、森下圭子さんは「日本では孤高の作家というイメージのあるヤンソンだが、気さくな一面があったことがよくわかる資料」と話す。

落書きが公開される「MOOMIN!ムーミン展」は、東京・銀座の松屋銀座で16日から5月6日まで。大阪など全国9カ所を巡回する予定。【野村房代】

これは非常に興味深い落書きですね。

ともかくこれは鳥羽国際ホテルのランチョンマットに最初からイラストが入っていたおかげだと思います。

特に左上のタツノオトシゴのイラストのおかげのような気がしてなりません。

ネタとしては、テレビ東京の「開運! なんでも鑑定団」に登場するような非常に興味深いネタだと思います。

世の中、何が起きるかわかりませんね。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年1月 3日

「ゼロ・グラビティ」は「オズの魔法使い」の影響を!?

「ゼロ・グラビティ」 さて、今日は全ての事象は翻訳小説の影響を受けている、と言うホンヤクモンスキーの妄想的エントリー。

今日、俎上に乗せるのは、アルフォンソ・キュアロン監督作品「ゼロ・グラビティ」

「ゼロ・グラビティ」は、2013年12月13日に日本公開となったSF・ヒューマン・サスペンス映画。

「ゼロ・グラビティ」"Gravity"
監督:アルフォンソ・キュアロン
脚本:アルフォンソ・キュアロン、ホナス・キュアロン
撮影:エマニュエル・ルベツキ
出演:サンドラ・ブロック(ライアン・ストーン)、ジョージ・クルーニー(マット・コワルスキー)、エド・ハリス(ミッション・コントロール)

本作「ゼロ・グラビティ」は、みなさんお気付きのように、どう考えても様々なSF作品への暗喩や言及に満ちていると思えてならない。
作品名をあげるならば「2001年宇宙の旅」「猿の惑星」「アポロ13」「バーバレラ」「エイリアン」「アビス」等々。

しかし、当ブログ『ホンヤクモンスキーの憂鬱』としては「ゼロ・グラビティ」と言う作品は、翻訳作品の影響を、その中でも特にライマン・フランク・ボームの「オズの魔法使い」の影響を受けている、と言う方向にお話を持って行きたいと考えている。

わたしが最初に「オズの魔法使い」の影響を感じたのは、サンドラ・ブロック演じるライアン・ストーン博士が、事故死した娘の赤い靴を見つけた話をするシーン。
赤い靴は当然ながら「オズの魔法使い」の《ルビーの靴》のメタファーである。

そして、赤い靴を見つけた、ということは、我が家(Home)への、つまり地球への帰還の方法を見つけた、ということに他ならない。

ライアンが赤い靴を見つけた話をする背景には、ジョージ・クルーニー演じるマット・コワルスキーが、宇宙を漂流するライアンを元気づけるため、家族の話をしたことに端を発するのだが、そのマットはジョークやほら話が好きなキャラクターとして設定されており、いい加減なことを常々つぶやいている。

「ゼロ・グラビティ」より
命綱で繋がれたライアンとマットはマットのMMUを使ってISSに向かう。

赤い靴の発見までの「ゼロ・グラビティ」のストーリーは概ね次の通り。

ライアン・ストーン博士はミッション・スペシャリストとしてスペースシャトル・エクスプローラー号に乗り込み、地上約600kmの衛星軌道上を周回するハッブル宇宙望遠鏡(HST)の修理を行っていた。そこにロシアが破壊した人工衛星の大量の破片がスペースデブリとなり高速で接近しつつある、という通信が地球のミッション・コントロールから入る。

エクスプローラー号に避難しようとするライアンとマットだったが、大量のスペースデブリがエクスプローラー号を直撃、ライアンとマットは宇宙空間に別々に放り出されてしまう。

離ればなれになった二人は、有人機動ユニット(MMU)を装着しているマットの機転と行動力でなんとか合流し自分たちを命綱で繋ぎ、一時はエクスプローラー号に帰還する。しかし被害状況が芳しくなく二人は国際宇宙ステーション(ISS)に向かう決断をする。

MMUの燃料不足もあり、不可抗力からISSに衝突してしまった二人はその反動でISSからはじき飛ばされてしまいそうになる。ライアンは辛うじてISS上の宇宙船ソユーズのパラシュートのロープに引っかかるが、マットの命綱に引かれてライアンもソユーズから離れそうになってしまう。マットはライアンを助けるため、自ら命綱を切断する。

「ゼロ・グラビティ」より

辛くもISSに入ったライアンだったが、ISS内部で発生した火災のため宇宙船ソユーズに避難する。しかしソユーズは燃料切れのためエンジンが作動せず、ライアンは死を覚悟し船内の酸素供給を停止させる。

しかし、マットが突然ソユーズのハッチの向こう側に現れ、船外活動の新記録だ、とかなんとか言いながらソユーズに入ってくる。

マットは、ソユーズの燃料がなくても、自動制御の着陸時の逆噴射システムによりソユーズをISSから離脱させ、中国の宇宙ステーション天宮へ向かう推進力に使えるのではないか、と示唆する。つまり、マットはライアンに機械を騙す方法を考えろ、と言う訳だ。

しかしマットはライアンが見た幻に過ぎなかった。

そこで、ライアンは赤い靴を見つけた話をする。

亡くなった娘が生前探していた赤い靴を自宅で見つけたわよ、とライアンは亡き娘に独り言で報告するのだ。

「ゼロ・グラビティ」における赤い靴は前述のように「オズの魔法使い」に登場する《ルビーの靴》のメタファーであり、我が家(Home)に帰るための唯一の方法のメタファーである。

《ルビーの靴》
《ルビーの靴》 映画「オズの魔法使」より

ここで、ジョージ・クルーニー演じるマット・コワルスキーはオズの大魔王の役柄を振られている事が明らかになる。

マットがジョークやほら話が好きな理由はそういう訳なのである。

というのも、オズの大魔王は魔法使いでもなんでもなく、ただのほら吹きのペテン師で、機械装置で大魔王の威厳や魔法を演出していただけなのである。

ソユーズに入ってくるマットがライアンの幻に過ぎないのは、マットがオズの大魔王であり、その存在自体がいかさまであることを明示している。

《オズの大魔王》
《オズの大魔王》 映画「オズの魔法使」より

しかし、ここで考えなければならないのは、もしライアンの娘が事故に遭う前に赤い靴を見つけていたら、ライアンの娘はおそらくは事故死せず、我が家(Home)に帰る事が出来たであろう、ということ。その場合、つまり娘が生きていた場合はライアンは赤い靴を見つけられずに、地球(Home)へ帰る事が出来なかった、と推測することが出来る。

ライアンは亡き娘の代わりに、我が家(Home)へ帰る手段である《ルビーの靴》を見つけたのである。

つまり、娘の代わりに生き延びる事が出来た、娘の命の代わりに命を得た、と言う解釈が出来る。

ところで「オズの魔法使い」の物語の中で、ドロシーと旅をするブリキの木こりは《知恵》を、かかしは《心》を、臆病ライオンは《勇気》を手に入れる事を願っている。

「ゼロ・グラビティ」の物語は端的に要約すると、ライアンが《知恵》《心》《勇気》を取り戻し、オズの大魔王の助言で《ルビーの靴》を見つけ、《我が家》に帰る物語なのである。

そして、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)、スペースシャトル・エクスプローラー号、国際宇宙ステーション(ISS)、宇宙船・ソユーズ着陸船、宇宙ステーション天宮、宇宙船・神船、地球へと続く道は、スペースデブリで出来たイエロー・ブリック・ロードに他ならない。

どうだろう、「ゼロ・グラビティ」「オズの魔法使い」の影響を受けている事にはガッテンしていただけただろうか。

There is no place like home!

※ 実際の「オズの魔法使い」の物語では《ルビーの靴》は《銀の靴/スリッパ》であり、ドロシーに《銀の靴》を使ってカンザスに戻る方法を教えるのは、《南の魔女・グリンダ》。「ゼロ・グラビティ」では、《オズの大魔王》と《グリンダ》のキャラクターを統合し、マット・コワルスキーのキャラクターとしていると解釈できます。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年12月14日

スタジオジブリの新作はジョーン・G・ロビンソンの「思い出のマーニー」に

「思い出のマーニー」
2013年12月12日に東宝は自社の配給作品のラインナップの一作として、スタジオジブリの新作はジョーン・G・ロビンソンの原作をもとにした「思い出のマーニー」になることを発表した。

「思い出のマーニー」
監督:米林宏昌
原作:ジョーン・G・ロビンソン 「思い出のマーニー」(岩波少年少女文庫刊)
脚本:丹羽圭子、安藤雅司、米林宏昌
音楽:村松崇継
公開:2014年夏

ジョーン・G・ロビンソンの「思い出のマーニー」は、海辺の村の老夫婦にあずけられた孤児の少女アンナが、不思議な少女マーニーとひかれ合い、無二の親友となる一夏の物語。

どういう訳か、米林宏昌の前作「借りぐらしのアリエッティ」も、静養のため郊外の屋敷に移り住んだ少年が不思議な少女アリエッティと出会い、友だちになる物語。

いろいろと大人の事情はあると思うが「思い出のマーニー」には注目していきたい。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

A・E・ヴァン・ヴォークト C・S・ルイス E・E・スミス E・L・ジェームズ F・スコット・フィッツジェラルド Gary L. Stewart H・G・ウェルズ J・D・サリンジャー J・G・バラード J・K・ローリング J・R・R・トールキン Matthew De Abaitua P・D・ジェームズ P・G・ウッドハウス S・J・ボルトン S・S・ヴァン・ダイン ■SF ■コメディ ■ノンフィクション ■ファンタジー ■ホラー ■ミステリー ■児童書 ■冒険小説 ■叙事詩 ■幻想 ■文芸 ■漫画 ■美術 ■詩歌 ●tkr ●unyue 「ピパの唄」 はじめに アイザック・アシモフ アイラ・レヴィン アガサ・クリスティ アゴタ・クリストフ アニメーション アラン・グレン アルフォンス・ドーテ アルフレッド・ウーリー アルフレッド・ベスター アンソニー・ドーア アンソニー・バージェス アンディ・ウィアー アントニイ・バークリー アンネ・フランク アン・ライス アーサー・C・クラーク アーサー・コナン・ドイル アーナルデュル・インドリダソン アーネスト・ヘミングウェイ イアン・フレミング イアン・マクドナルド イーユン・リー ウィリアム・ギブスン ウィリアム・シェイクスピア ウィリアム・ピーター・ブラッティ ウィリアム・ボイド ウィリアム・リンク ウォルター・ウェイジャー ウラジミール・ソローキン エドガー・アラン・ポー エドガー・ライス・バローズ エドワード・D・ホック エド・ファルコ エマ・ドナヒュー エミリー・ブロンテ エラリー・クイーン エリザベス・ビショップ エリック・シーガル エルモア・レナード オースン・スコット・カード カズオ・イシグロ カレル・チャペック カート・ヴォネガット カート・ヴォネガット・ジュニア ガレス・L・パウエル キャロル・オコンネル ギャビン・ライアル ギレルモ・デル・トロ クリストファー・プリースト グレアム・グリーン ケイト・アトキンソン ケイト・モートン ケン・キージー コニー・ウィリス コーマック・マッカーシー サルバドール・プラセンシア シャルル・ボードレール シャーロット・ブロンテ ジェイムズ・P・ホーガン ジェイムズ・エルロイ ジェイン・オースティン ジェニファー・イーガン ジェフリー・ディーヴァー ジェフ・キニー ジェラルディン ・ブルックス ジェームズ・クラベル ジェームズ・パターソン ジェームズ・マクティーグ ジム・トンプスン ジャック・ケッチャム ジャック・フィニィ ジャック・フットレル ジャネット・イバノビッチ ジュディ・ダットン ジュール・ヴェルヌ ジョイス・キャロル・オーツ ジョナサン・キャロル ジョナサン・サフラン・フォア ジョナサン・フランゼン ジョン・クリストファー ジョン・グリシャム ジョン・スコルジー ジョン・スラデック ジョン・ル・カレ ジョン・W・キャンベル・ジュニア ジョージ・A・エフィンガー ジョージ・オーウェル ジョージ・ルーカス ジョーゼフ・キャンベル ジョーン・G・ロビンソン ジョー・ヒル ジル・マーフィ ジーン・ヘグランド スコット・ウエスターフェルド スコット・スミス スコット・トゥロー スタンリー・キューブリック スティーグ・ラーソン スティーヴン・キング スティーヴ・ハミルトン スーザン・D・ムスタファ スーザン・オーリアン スーザン・コリンズ スーザン・ヒル セス・グレアム=スミス ダグラス・アダムス ダシール・ハメット ダニエル・キイス ダニエル・スティール ダフネ・デュ・モーリア ダンテ・アリギエーリ ダン・ブラウン チャイナ・ミエヴィル チャック・ホーガン チャールズ・M・シュルツ チャールズ・ディケンズ テオ・オブレヒト テレビムービー ディミトリ・フェルフルスト ディーン・クーンツ デイヴィッド・ゴードン デイヴィッド・ピース デイヴィッド・ホックニー デイヴィッド・ミッチェル デニス・ルヘイン デヴィッド・セルツァー トマス・H・クック トマス・ハリス トマス・ピンチョン トム・クランシー トム・ロブ・スミス トーベ・ヤンソン トーマス・マン ドナルド・E・ウェストレイク ドン・ウィンズロウ ナーダシュ・ペーテル ニール・スティーヴンスン ネビル・シュート ネレ・ノイハウス ノーマン・メイラー ノーラ・ロバーツ ハリイ・ケメルマン ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ハンナ・ジェイミスン ハーマン・メルヴィル バルガス=リョサ バーナード・マラマッド パオロ・バチガルピ パトリシア・ハイスミス ビバリー・クリアリー ビル・S・バリンジャー ピエール・ブール フィリップ・K・ディック フィリップ・プルマン フィリップ・ロス フェルディナント・フォン・シーラッハ フランク・ハーバート フランツ・カフカ フリオ・リャマサーレス フリードリヒ・ニーチェ フレデリック・フォーサイス フレドリック・ブラウン ブライアン・セルズニック ブラム・ストーカー ホンヤクモンスキー ホンヤクモンスキーの憂鬱 ポール・オースター マイクル・コナリー マイケル・クライトン マイケル・コックス マザー・グース マックス・バリー マックス・ブルックス マック・レナルズ マリオ・バルガス=リョサ マリオ・プーゾ マーセル・セロー マーティン・スコセッシ メアリー・シェリー モーパッサン ヤン・マーテル ユッシ・エーズラ・オールスン ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト ライオネル・シュライバー ライマン・フランク・ボーム ライヤード・キップリング ラジオ ラッキー・マッキー ラムジー・キャンベル リチャード・スターク リチャード・バック リチャード・マシスン リチャード・レビンソン リー・チャイルド ルイス・キャロル ルシアン・ネイハム レイモンド・チャンドラー レイ・ブラッドベリ レオ・ペルッツ レビュー ロアルド・ダール ロバート・A・ハインライン ロバート・B・パーカー ロバート・ブラウニング ロバート・ラドラム ロベルト・ポラーニョ ローレンス・ブロック ヴィクトル・ユーゴー 吾妻ひでお 図書館 手塚治虫 文学賞 映画 村上春樹 栗本薫 池井戸潤 湊かなえ 瀬名秀明 竹本泉 米澤穂信 翻訳作品の影響 舞台 董啓章 読書会 貫井徳郎 越前敏弥 黒史郎