「アンネの日記」都内公立図書館で250冊以上が破られる
2014年2月20日にハフィントンポストが伝えるところによると、東京都内の公立図書館において、250冊以上の「アンネの日記」やその関連図書が破られる被害にあっている模様。
「アンネの日記」 都内の公立図書館で250冊以上が破られる被害
「アンネの日記」やその関連図書のページが大量に破られるという被害が昨年から今年にかけ、東京都内の公立図書館で相次いでいる。被害は少なくとも250冊以上になるとみられ、範囲も23区だけでなく市部にも及ぶ。
「アンネの日記」は第二次世界大戦中にオランダでナチスのユダヤ人迫害から逃れるために屋根裏に住んだ少女、アンネ・フランク(1929〜1945)がつづった日記。世界的なベストセラーとなっており、児童書コーナーに置かれているものもあることから、図書館側では警察に被害届を出すなど警戒を強めている。
ハフィントンポストが2月20日現在、確認できただけでも、新宿区、杉並区、豊島区、中野区、練馬区、東久留米市、西東京市の各図書館で、合計250冊以上の本が被害にあったとみられる。いずれも「アンネの日記」やその関連図書などで、本の内部が何十ページにわたって破られるという手口だった。書籍にある特定の記述を狙ったものではないようだ。
新宿区立図書館では、区内3館で合計39冊が被害にあった。新宿区立中央図書館によると、ハードカバーの書籍で表からは見えないように、内部を十数ページ、中には二十ページ以上を一気に手で破ったような跡があったという。貸出や返却時には本の状態を確認していることから、書架に並んでいる時に被害にあったと思われる。新宿区立図書館では、警察に被害届を出し、アンネ・フランクに関する書籍については、書架ではなく、カウンターに置くなどの措置をとっている。
練馬区立図書館でも、区内9館で合計41冊が被害にあっていることが1月から2月にかけて判明した。警察に被害届を出し、「こうしたことで本を撤去することがないようしたい」として、破損された本はあらためて購入、貸出や閲覧については通常通り行っている。
また、豊島区立図書館では、2013年2月と5月の2回にわたり、区内の図書館で合計8冊が被害にあった。やはり、何十ページにわたって下半分が破られるなど、貸出できない状態という。豊島区立図書館では直後に警察へ被害届を出したが、今年1月にも再び、5冊の被害があったことが判明。再度、警察に届け出るなど警戒を強めている。
ハフィントンポストの調査で最も被害が多かったのが杉並区立図書館で、少なくとも113冊が破損されたが、さらに被害が拡大している可能性があり、現在詳しい状況を調べているという。各地で被害が相次いで発覚したことから、都内23区の区立中央図書館長で構成する「特別区図書館長会」では2月6日に各区の図書館に対し注意を呼びかけた。
これについては、2月21日にNHKでも報道されている。
NHKの取材によると、この被害は、7つの区と市の36の図書館で282冊に上っている模様。
また同様に、NHKの取材に対し、アンネ・フランクの親族と40年以上にわたって親交を続けている「ホロコースト記念館」の大塚信館長は、「社会にはいろいろな考えを持つ人がいますが、みんなが読む図書館の本を破る行為はひきょうで心が痛みます」と語り、またイスラエル大使館の広報担当者は「報道に触れてショックを受けています。アンネの日記は、体験者の視点からホロコーストについてのよりよい理解が得られる作品で、日本でも広く、敬意を持って知られています。日本の捜査当局はこうしたひどい行為を犯した人物に対して速やかに対応し、裁きを受けさせるものと確信しています」とコメントしている模様。
わたしは本を損壊する行為自体に嫌悪感を覚えますが、それがよりによって「アンネの日記」であることに衝撃を受けています。
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