カテゴリー「P・G・ウッドハウス」の3件の記事

2015年1月15日

「ピパの唄」をめぐる冒険 #1 「でかした、ジーヴス!」

今日たまたまP・G・ウッドハウスの「でかした、ジーヴス!」を読んでいたら、またもやロバート・ブラウニングの「ピパの唄」"Pippa's Song")の最後の2行が引用されているのを発見した。

そんな「ピパの唄」だが、わたしが「ピパの唄」(の最後の2行)に関心を持ったのは、アニメーション作品「赤毛のアン」の最終回。サブタイトルは文字通り「ピパの唄」の最後の2行の翻訳「神は天にいまし、すべて世は事もなし」

この「ピパの唄」の最後の2行は「新世紀エヴァンゲリオン」に登場するネルフのロゴタイプで引用されていることでも有名だし、様々な欧米作品に引用されている。

God's in His heaven, All's right with the world.

原文は唯一無二だが、日本語では千差万別。
そんな千差万別の日本語訳を人力で検索して行きたいと思う。

そんな訳で、わたし自身が発見した「ピパの唄」の最後の2行の翻訳を集めてみることにした。

その第1回目は前述の通りP・G・ウッドハウスの短篇集「でかした、ジーヴス!」に収録されている「ビンゴ夫人の学友」。翻訳は森村たまき。

神、そらに知ろしめしてすべて世は事も無し

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年3月17日

「比類なきジーヴス」第3回札幌読書会をめぐる冒険 その2

こんにちは、ところてん2000です。(嘘)

と言う訳で、2013年2月16日に北海道札幌市で開催された《第3回札幌読書会》のレポートが出揃った模様。

『第3回札幌読書会レポート・前編(執筆者・畠山志津佳)』
2013/03/16 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」  

『第3回札幌読書会レポート・後編(執筆者・畠山志津佳)』
2013/03/17 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」

『2/16読書会 2次会レポート ~白い恋人編~』
2013/03/14 JUST FOR KICKS

『2/16読書会 2次会レポート ~黒革の手帖編~』
2013/03/17 JUST FOR KICKS

『「比類なきジーヴス」第3回札幌読書会をめぐる冒険』
2013/02/19 「ホンヤクモンスキーの憂鬱」 

余談ですが、『2/16読書会 2次会レポート ~黒革の手帖編~』 で、森村たまきさんがサインをしている際、森村さんがサインしやすいよう手が添えられていますが、その手はわたしの手ですね。見た事があると思いました。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月19日

「比類なきジーヴス」第3回札幌読書会をめぐる冒険

2013年2月16日に北海道札幌市で開催された《第3回札幌読書会》に参加した。

課題書は次の作品のいずれか。

「ジーヴズの事件簿/才知縦横の巻」
著者:P・G・ウッドハウス
訳者:岩永正勝、小山太一
出版社:文藝春秋(文春文庫)

内容紹介:20世紀初頭のロンドン。気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、アガサ叔母は次々面倒な縁談を持ってくる。だがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。どんな難題もそつなく解決する彼の名は、ジーヴズ! 世界的ユーモア小説の傑作選。

「比類なきジーヴス」
著者:P・G・ウッドハウス
訳者:岩永正勝、小山太一
出版社:文藝春秋(文春文庫)

内容紹介:これであなたもウッドハウス中毒!! 全世界が爆笑? 比類なき大名作連作短編集。

そんな訳でわたしは、「ジーヴズの事件簿/才知縦横の巻」「比類なきジーヴス」、kindle版「The Inimitable Jeeves」を拾い読みして参加した。

今回の札幌読書会には東京から3名、国書刊行会の「ジーヴスシリーズ」の翻訳家である森村たまきさん( @morimuratamaki )と、《ネタバレ円卓会議》からの刺客である花さん( @nahanohana )とわたし( @tkr2000 )が参戦した。

森村たまきさんは国内初の「ジーヴスシリーズ」の読書会に参加する、と言う重要な任務を帯びての参戦であった。

われわれ東京組が参加する事により、札幌在住の方々の参加枠を減らしてしまった事をお詫びしつつの読書会への参加であった。

CAFEサーハビーの想いが伝わるドーナツの山
CAFEサーハビーの想いが伝わるドーナツの山。

さて読書会。

第3回札幌読書会の参加者は女性9名、男性2名の総勢11名。

会場は、ザ・ビートルズや映画関係のフィギュアやポスターやムックが所狭しと並ぶCAFEサーハビー。個人的に一番驚いたのは「海底二万哩」のノーチラス号のブループリントが飾ってあった事。

今回の課題書である「比類なきジーヴス」(今回の読書会の課題書は2冊ありますが、便宜上「比類なきジーヴス」とします)は、議論や激論の題材となるような種類の作品ではないので、どちらかと言うと「ジーヴスシリーズ」への愛や想いを語る読書会になりました。

特に森村たまきさんのジーヴス愛や、国書刊行会からの「ジーヴスシリーズ」出版の裏話など、感涙ものの興味深いお話を聞く事が出来ました。

また、森村さんからは、ジーヴスグッズや、国書刊行会からの販促グッズ等のプレゼントをいただき、二次会では大ジャンケン大会が実施されました。

《ネタバレ円卓会議》からの刺客である花さんからは、東京からの《旅の栞》「よしきたジーヴス札幌読書会だホー」や、読書会向けのジーヴスiPhoneカバーが話題の的に。

一方、札幌読書会のメンバーは硬軟入り混じり、良い意味で主張の強い方が多く、個人的にはひやひやする瞬間もありました。

また札幌読書会メンバーは、それぞれの皆さんの得意分野が大体決まっているようでしたが、その得意分野の知識はもとより、驚く程多くの作品を体系的に読んでいらっしゃる方が多い印象を受けました。

ところで余談ですが、今回の読書会の参加者は女性が9名、男性2名と言う事もあり、男性陣は若干肩身が狭かったような印象を受けました。

さて、せっかくなので、《ネタバレ円卓会議》からのもう一人の刺客であるわたしが用意したお話を少しさせていただきたいと思います。

◆文藝春秋と国書刊行会

国書刊行会から「比類なきジーヴス」が出版されたのは2005年2月。文藝春秋から「ジーヴズの事件簿」(「ジーヴズの事件簿/才知縦横の巻」「ジーヴズの事件簿」の分冊)が出版されたのは2005年5月。

興味深い事に「比類なきジーヴス」には引用の注が各所にあるが、「ジーヴズの事件簿」には注がない。しかし3ケ月の出版時期の差は大きく、kindle版と両書を並べて見ると、具体的な指摘はしないが、「比類なきジーヴス」の訳を参考に「ジーヴズの事件簿」の翻訳に手が入っているような印象を受けた。

また、興味深いのは「ジーヴズの事件簿/才知縦横の巻」の帯。

「ジーヴズの事件簿/才知縦横の巻」の本文中でジーヴズは《従僕》と言う表現であるのにも関わらず、帯には《"スーパー執事"ジーヴズ》と表記されている。これは文庫化された2011年当時話題になっていた、東川篤哉の「謎解きはディナーのあとで」の影響と言うか、それを利用した手法だと思われる。

◆国書刊行会の想い

「比類なきジーヴス」の初版第1刷の発行日は2005年2月14日。わたしの「比類なきジーヴス」は、初版第6刷で、第6刷の発行日は2009年2月14日。

ご存知の方もいらっしゃると思うが、2月14日はP・G・ウッドハウスの命日なのである。

しかし「比類なきジーヴス」のどこを読んでも、2月14日に初版を発行した経緯の記載はない。

わたしはこの国書刊行会の《想い》に感じるものがあった。

国書刊行会は人知れずウッドハウスの命日に記念すべき「ジーヴスシリーズ」の第一巻「比類なきジーヴス」を出版したのだ。黙っている所もなんとも格好良い。

そして、その想いが読者に確実に届いている。

札幌読書会の中で、わたしは「比類なきジーヴス」がなぜ2月14日に出版されたのか、その経緯を森村たまきさんに質問したところ、「比類なきジーヴス」が2月に出る事になった、と担当編集者に言われたので、それなら14日にして下さい、と頼んだと言う事のようである。

わたしはこの国書刊行会の粋なはからいに感涙だよ。

◆バーティーは本当に間抜けなのか

「比類なきジーヴス」は一人称小説である。

一人称小説には大きく分けて二つの種類がある。

その一つは、一人称の視点の持ち主が思った事や考えた事を著者が小説として書き留めた作品と、一人称の視点の持ち主自身が自ら小説を書いている設定の作品である。

本書はまぎれもなく後者である。

つまり、「比類なきジーヴス」と言う作品は、バーティー自身が小説を書いている設定の作品なのである。

そう考えた場合、バーティーは自分自身をおもしろおかしく間抜けに描いている、と言うが推測できる。

ところで本書の特徴の一つとして、様々な小説や戯曲の引用が多用されていることがあげられる。

これは貴族階級のバーティーの当り前の教養なのかも知れないが、わたしにはそうではなく、優秀な人物であるバーティーの知識がこぼれ落ちているのだと思えてならない。つまりバーティーは、小説を面白くするために、自分を間抜けに描いているのではないか、と思えるのだ。

ところで、「比類なきジーヴス」の最後に収録されている「大団円」は、バーティーにとっては最悪に酷い結末を迎える物語である。それを「大団円」("All's Well")とは何事か!

もうわたしは一読して怒り心頭状態である。

しかし、前述のようにバーティーが優秀な人物で、その優秀さを隠しておもしろおかしく小説を書いているとしたら、それはそれでありである。

つまり、その場合、バーティーとジーヴスは同等の優秀な小脳を持った人たちなのであろう、と。

ところで、読書会の後は、二次会と三次会で結局8時間くらい話し続けましたよ。

札幌読書会世話人のshizuka_lat43Nさん( @shizuka_lat43N )をはじめ、参加者の皆さんに感謝です。

ありがとうございました。

あと、CAFEサーハビーの粋なはからいにも感涙です。予約が読書会だと言う事と、みんなが同じ本を持っている所から類推し、その場で検索し、先程紹介した写真のようなサービスをしてくれたのです。

このCAFEサーハビーの《想い》にも感謝です。

@tkr2000
@honyakmonsky

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

A・E・ヴァン・ヴォークト C・S・ルイス E・E・スミス E・L・ジェームズ F・スコット・フィッツジェラルド Gary L. Stewart H・G・ウェルズ J・D・サリンジャー J・G・バラード J・K・ローリング J・R・R・トールキン Matthew De Abaitua P・D・ジェームズ P・G・ウッドハウス S・J・ボルトン S・S・ヴァン・ダイン ■SF ■コメディ ■ノンフィクション ■ファンタジー ■ホラー ■ミステリー ■児童書 ■冒険小説 ■叙事詩 ■幻想 ■文芸 ■漫画 ■美術 ■詩歌 ●tkr ●unyue 「ピパの唄」 はじめに アイザック・アシモフ アイラ・レヴィン アガサ・クリスティ アゴタ・クリストフ アニメーション アラン・グレン アルフォンス・ドーテ アルフレッド・ウーリー アルフレッド・ベスター アンソニー・ドーア アンソニー・バージェス アンディ・ウィアー アントニイ・バークリー アンネ・フランク アン・ライス アーサー・C・クラーク アーサー・コナン・ドイル アーナルデュル・インドリダソン アーネスト・ヘミングウェイ イアン・フレミング イアン・マクドナルド イーユン・リー ウィリアム・ギブスン ウィリアム・シェイクスピア ウィリアム・ピーター・ブラッティ ウィリアム・ボイド ウィリアム・リンク ウォルター・ウェイジャー ウラジミール・ソローキン エドガー・アラン・ポー エドガー・ライス・バローズ エドワード・D・ホック エド・ファルコ エマ・ドナヒュー エミリー・ブロンテ エラリー・クイーン エリザベス・ビショップ エリック・シーガル エルモア・レナード オースン・スコット・カード カズオ・イシグロ カレル・チャペック カート・ヴォネガット カート・ヴォネガット・ジュニア ガレス・L・パウエル キャロル・オコンネル ギャビン・ライアル ギレルモ・デル・トロ クリストファー・プリースト グレアム・グリーン ケイト・アトキンソン ケイト・モートン ケン・キージー コニー・ウィリス コーマック・マッカーシー サルバドール・プラセンシア シャルル・ボードレール シャーロット・ブロンテ ジェイムズ・P・ホーガン ジェイムズ・エルロイ ジェイン・オースティン ジェニファー・イーガン ジェフリー・ディーヴァー ジェフ・キニー ジェラルディン ・ブルックス ジェームズ・クラベル ジェームズ・パターソン ジェームズ・マクティーグ ジム・トンプスン ジャック・ケッチャム ジャック・フィニィ ジャック・フットレル ジャネット・イバノビッチ ジュディ・ダットン ジュール・ヴェルヌ ジョイス・キャロル・オーツ ジョナサン・キャロル ジョナサン・サフラン・フォア ジョナサン・フランゼン ジョン・クリストファー ジョン・グリシャム ジョン・スコルジー ジョン・スラデック ジョン・ル・カレ ジョン・W・キャンベル・ジュニア ジョージ・A・エフィンガー ジョージ・オーウェル ジョージ・ルーカス ジョーゼフ・キャンベル ジョーン・G・ロビンソン ジョー・ヒル ジル・マーフィ ジーン・ヘグランド スコット・ウエスターフェルド スコット・スミス スコット・トゥロー スタンリー・キューブリック スティーグ・ラーソン スティーヴン・キング スティーヴ・ハミルトン スーザン・D・ムスタファ スーザン・オーリアン スーザン・コリンズ スーザン・ヒル セス・グレアム=スミス ダグラス・アダムス ダシール・ハメット ダニエル・キイス ダニエル・スティール ダフネ・デュ・モーリア ダンテ・アリギエーリ ダン・ブラウン チャイナ・ミエヴィル チャック・ホーガン チャールズ・M・シュルツ チャールズ・ディケンズ テオ・オブレヒト テレビムービー ディミトリ・フェルフルスト ディーン・クーンツ デイヴィッド・ゴードン デイヴィッド・ピース デイヴィッド・ホックニー デイヴィッド・ミッチェル デニス・ルヘイン デヴィッド・セルツァー トマス・H・クック トマス・ハリス トマス・ピンチョン トム・クランシー トム・ロブ・スミス トーベ・ヤンソン トーマス・マン ドナルド・E・ウェストレイク ドン・ウィンズロウ ナーダシュ・ペーテル ニール・スティーヴンスン ネビル・シュート ネレ・ノイハウス ノーマン・メイラー ノーラ・ロバーツ ハリイ・ケメルマン ハワード・フィリップス・ラヴクラフト ハンナ・ジェイミスン ハーマン・メルヴィル バルガス=リョサ バーナード・マラマッド パオロ・バチガルピ パトリシア・ハイスミス ビバリー・クリアリー ビル・S・バリンジャー ピエール・ブール フィリップ・K・ディック フィリップ・プルマン フィリップ・ロス フェルディナント・フォン・シーラッハ フランク・ハーバート フランツ・カフカ フリオ・リャマサーレス フリードリヒ・ニーチェ フレデリック・フォーサイス フレドリック・ブラウン ブライアン・セルズニック ブラム・ストーカー ホンヤクモンスキー ホンヤクモンスキーの憂鬱 ポール・オースター マイクル・コナリー マイケル・クライトン マイケル・コックス マザー・グース マックス・バリー マックス・ブルックス マック・レナルズ マリオ・バルガス=リョサ マリオ・プーゾ マーセル・セロー マーティン・スコセッシ メアリー・シェリー モーパッサン ヤン・マーテル ユッシ・エーズラ・オールスン ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト ライオネル・シュライバー ライマン・フランク・ボーム ライヤード・キップリング ラジオ ラッキー・マッキー ラムジー・キャンベル リチャード・スターク リチャード・バック リチャード・マシスン リチャード・レビンソン リー・チャイルド ルイス・キャロル ルシアン・ネイハム レイモンド・チャンドラー レイ・ブラッドベリ レオ・ペルッツ レビュー ロアルド・ダール ロバート・A・ハインライン ロバート・B・パーカー ロバート・ブラウニング ロバート・ラドラム ロベルト・ポラーニョ ローレンス・ブロック ヴィクトル・ユーゴー 吾妻ひでお 図書館 手塚治虫 文学賞 映画 村上春樹 栗本薫 池井戸潤 湊かなえ 瀬名秀明 竹本泉 米澤穂信 翻訳作品の影響 舞台 董啓章 読書会 貫井徳郎 越前敏弥 黒史郎