熊本旅行 黒川温泉御処 月洸樹
2019年3月 熊本に行ってきた。宿泊は黒川温泉御処 月洸樹。
月洸樹は『美しい月を望む森に、時を忘れる宿を』をコンセプトとして、2016年10月に実に十数年ぶりの黒川温泉への新規参入をはたした高級温泉宿。
そんな月洸樹だが、そのホスピタリティの高さに驚いた。
月洸樹に到着すると、まるで映画にでも出てくるような見事な山門がわたしたちを迎える。
聞くところによると、その門は通常は閉ざされている、とのことだったが、宿泊客が到着する度ごとに門を開き宿泊客を迎え入れる。
そして宿泊客到着の情報はインカムで宿中に伝わり、門をくぐりエントランスへと向かうわずかな間にスタッフが整列してわたしたちを迎えると言う趣向であった。
案内されたのはレストラン。チェックインはフロントではなくレストランで行なわれた。お茶とお菓子をいただきながらのチェックイン。
2016年4月の熊本地震から3年が経過しているのだが未だ交通機関は従前レベルまで復旧しておらず、阿蘇くまもと空港から月洸樹までは主要幹線道路ではなく迂回路を使わざるを得ないため、自動車で80分ほどかかったこともあり、フロントで立ったままのチェックインではなく、レストランでゆっくりとチェックインを行う、と言うのは良い趣向だったと感じた。
チェックインをしている間に荷物は部屋に移され部屋の準備が整っていた。
月洸樹の客室数はわずか8室。その客室は部屋と言うよりは隠れ家のような離れで、わたしたちが宿泊したのは弓張と言う部屋。
月洸樹 弓張の全景。通路から階段を登って玄関へ。もちろんバリアフリー用の傾斜路もあり、カートのような車両で行き来できるようだった。
月洸樹 弓張の平面図。平面図を見ていただければ一目瞭然だと思うが、驚いたのは部屋の広さと豪華さ。
玄関から広めの土間の向こうにはリビング。その奥は洞窟風露天風呂。露天風呂へは全面開放できる窓からと内湯から行く事ができる。
リビングのわきには蓋つきの足湯。先ずは足湯を使い、旅の疲れをいやす。
ベッドルームには複数の寝間着が用意してあり、そのまま黒川温泉の温泉巡りができるよう綿入りの羽織りが用意されていた。
部屋は全面床暖房が入っていた。宿泊したのは3月中旬だったが、温泉地とはいえ山の気候は厳しく、床暖房が心地良かった。
囲炉裏がある和室にはお茶のセットがあり、リビングのテレビはNetflix等の配信は完備。もう部屋の外に出たくなくなる素晴らしい環境で、Wi-Fiも複数の系統があった。
そして食事。わたしたちは2泊したので、夕食、朝食、夕食、朝食の4食だったのだが、食事はレストランでも自分の部屋でもどちらでもとれるシステムになっていた。
聞いてみると自分の部屋で食事をとる方が多いとのことだったが、隠れ家と言うコンセプトもあり、誰とも、つまり他の宿泊客とも会いたくない、お忍びの方々にもぴったりだろうし、そういった使い方をしている人もいるのだろう。
そして驚いたのは、夕食のメニューが宿泊客の名前付きで印刷されていたこと。
献立が印刷されているのは一般的だが名前が入った献立に特別感を感じた。
わたしたちは夕食はレストランでいただいたのだが、他の宿泊客は全て部屋で食事をしていたため、二日ともレストランは貸切で全てのスタッフがわたしたちのためにサーブしてくれた。料理長直々の料理や食材の説明から、コース料理なのにおかわりをいただいたり、食材の蘊蓄や熊本料理の話やお酒について色々なお話をうかがった。
月洸樹にはお酒やつまみを売る設備が無いので、夕食後、近くに店は無いかとフロントに相談したところ、すぐに自動車を出してくれて、近くの酒屋に連れて行ってくれた。
また夜食用にお結びと漬物を用意してくれていたのが嬉しかった。
一方、朝食は部屋でいただいた。場所は囲炉裏のある和室。
囲炉裏の部屋はこんな感じ。
朝食は一見一般的だが、食材へのこだわりもあり、優雅なひと時を過ごす事ができた。
また朝食後には、昼食用として、お茶と赤牛のハンバーガーを用意してくれた。
これも嬉しかった。
さて洞窟風露天風呂だが、写真だとよくわからないかも知れないが、いっぺんに10名以上入れるほどの広さを持っていた。一般の旅館の露天風呂レベルの広さの露天風呂が全ての部屋についているようなイメージである。
リビングの隣に露天風呂があると言うこともあり、1日に何度もなんども温泉に入れる幸せさを感じた。
また、これら以外にも月洸樹のスタッフの細かいサービスはたくさんあり、それらを一つひとつ紹介はしないが、スタッフの細かい気遣いやサービスを受け月洸樹のホスピタリティの高さに感動してしまった。
月洸樹はなかなか簡単に行ける宿ではないが、ずっと宿泊していたい、なんども何度も投宿したい、そんな素晴らしい経験だった。
ありがとうございました。
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