お宝

2012年11月25日

クリストファー・ロイドのサイン会をめぐる冒険

「BTTF3」のLDジャケットにサインするクリストファー・ロイド
「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」のLDジャケットにサインをするクリストファー・ロイド

2012年11月24日 Hollywood Collector's Gallery主催のクリストファー・ロイドのサイン会に行ってきた。

ハリウッドコレクターズコンベンション開催決定!!

日時:2012年11月24日 10:00〜18:00
会場:ホテル グランドパレス B1 イベントルーム四季 (東京九段下)

◆11月23日夜
同行する友人と当日の予定を決定する。

当日は8:30から会場で整理券が配付されることはわかっていたので、その前に集合するか、または、適当にゆっくり集合するか。

わたしは当日9:00に通院の予約が入っていたので、8:00に一旦集合し整理券をゲット、その後通院し、戻ってサインをもらう、と言う案もあったのだが、おそらくは10:00〜18:00の間に継続的にサイン会を実施するだろうと考えられたし、また失敗したら翌日、浦安のサイン会に行けば良いや、と言う事で11:00に会場で集合する事にした。

◆11月24日 11:00
会場で友人と落ち合う。
既に友人はわたしの分を含めて整理券をゲットしていてくれたのだが、その整理番号は516番だった。

その時点で集合がかかっていたのは整理番号150番台だったので、これは長くなるな、と言う事で食事に行くことにする。

会場ではホテルロビー、B1イベントルームへの階段、B1で営業中のレストラン前等の床に座り込むファンが多く、少なからずホテルに迷惑をかけていた。

また、ショップはイベントルーム四季内に15店舗ほどオープンしており、大盛況だったが、特に目を惹く商品の販売はなかった。個人的な印象では、在庫一斉処分のような様相を呈していた、と思った。

興味深かったのは、話題のSFバー神田FLUXのブースがあったこと。今度是非行きたいと思った。

◆11月24日 12:00
飯田橋のハンバーグ屋で食事をして会場へ戻る。

招集されている整理番号は230番台まで動いていた。つまり約1時間で50〜70番位動いている模様。

会場にはなぜか赤いダウンベストを着た人が多い。

またショップをめぐって大きな買物袋を抱えた人も増えてきている。

また、クリストファー・ロイドとツーショット写真を撮影し、それをデジタル出力したものにサインをもらおうと考えている人が非常に多い事に驚く。

これは個人的にはあまり理解できない行動だと思った。わたしはサインをもらう際に握手でもしてそのサイン取得時の写真とサインがあれば良いのではないか、と言う考えで、同行した友人もそう言った考えだった。

一般的にサイン会には転売目的やオークションへの出品を目的とする人も多く参加すると想像できるが、業者サイドからすると、ツーショット写真へのサインは、一般的に市場になかなか流出しないし、仮に流出したとしても一般人とのツーショット写真の市場価値は低いので、こんなサービスを企画したのかな、と邪推してしまう。

また、デロリアン等のトイにサインをもらおうとしている人も比較的多いと思った。

これもあまり理解できない行動だと思う。

もしデロリアンにサインを貰うとしたら、クリストファー・ロイドではなく、マイケル・J・フォックスからだろうと思うし、そのサイン入りのトイの展示や保管が大変だし、その際に紛失したり、破損してしまう可能性が高いと思うから。

まあ、わたしもR2-D2のブリスター・パック入りのフィギュアにケニー・ベイカーのサインが入ったものを持っているけどね。

まだまだ時間があるので散歩に出掛ける。

◆11月24日 14:00
神保町を散策して会場へ戻る。

神保町界隈のサブカルチャー関連の古書店でいろんなものを物色する。
九段下から神保町へ向かう右側の通りにサブカルチャー関係の古書店が並んでいるので、そのあたりはオススメ。

また、14:00から神保町の書店で小原乃梨子の絵本かなにかの読み聴かせイベントがあったようだが、当然ながら子ども向けのイベントで、大きなお友だち向けのイベントではないので今回は遠慮した。

招集されている整理番号は340番台。

床に座り込むファンが多いのが目につく。

ホテルの床に直に座り込むのは多分アジア人だけだよね、と言う話をする。

これはあまり見栄えが良いものではないし、ホテル側としては、イベントルームだけの費用で、イベントルーム外の階段やロビーに人があふれ、また、そのため一般客が入りにくい環境になってしまい、イベントルームに隣接するレストランへの集客が減っているのではないかと推測できる。

次回のコンベンションは、このホテルでは開催できないのではないかな、といらぬ心配をしてしまう。

◆11月24日 15:00
時間があったので、靖国神社を参拝して会場に戻る。

靖国神社も結構な人出。

真正面から神社を撮影してはいけないのだが、撮影する人が多く、注意をする警備員が大活躍である。

また併設されている遊就館では、大東亜戦争開戦七十年展が開催されていた。

靖国神社はご承知のように靖国神社問題の議論の対象となり、靖国神社はA級戦犯が合祀されているが、ただの神社であると言う議論があるが、実際に靖国神社のお土産物コーナーをみるといろいろと興味深いものがあるし、遊就館の大東亜戦争開戦七十年展と言う表現もなかなか凄いなと思った。

会場に戻るが、招集されている整理番号は430番台。

まだ時間があるので、お茶をすることに決める。

◆11月24日 16:00
お茶から戻ると整理番号は530番台。

わたしの整理番号は前述のように516番なので、あわてて列の最後尾につく。

映画の雑談、特にクリストファー・ロイドについての雑談をしながら時間をつぶす。

友人はトレッカーで、「スタートレック」シリーズの布教活動をしていることもあり、クルーグ艦長の「チョイ・チュー」で盛り上がる。

ところで、サインの料金は5,500円、ツーショット写真(デジタル出力)を撮影しそれにサインをもらう料金も5,500円、その写真の焼き増しは1,500円。

これを高いと考えるかどうかは人それぞれだが、クリストファー・ロイドとマネージャーの来日費用、日本国内での滞在費用、もちろんイベント費用の多くはこの中から出ていることを申し添えておく。

また、ハリウッド・スターのサインについては、スターの格により一般的な相場や本人へのサイン1点あたりの歩合率も決まっているようで、5,500円と言うのは個人的には良心的な料金設定だと思う。

また、サインをしてもらうモノを持ち込んでいない人向けには、クリストファー・ロイドのポートレイト、残念ながら写真ではなく印刷物だが、が無料で配付されていた。これも良心的だと思った。通常はポートレイトも販売されており、その代金は一般的には本人の直接の収入になる模様。

そこには、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのポートレイトだけではなく「カッコーの巣の上をで」「スター・トレック3 ミスター・スポックを探せ! 」「アダムス・ファミリー」「ピラニア3D」等のものもあった。

前述のようになぜかツーショット写真の撮影を希望する人が圧倒的に多い。おそらく6〜7割の人はツーショット写真を希望していたのではないか、と思う。

総考えると、普段からサインをもらっている層ではなく、今回初めてサイン会に参加する一般客が多かったのではないか、と思った。

例えば、サインのコレクターは一般的にだが、サイン取得時の情報として、サインをもらっている状況の写真を撮ったり、もらったサインを持った状態でツーショット写真を撮りたがるから。

そして、転売目的ではないのだが、そのサインの市場価値が下がる事を嫌うから。

◆11月24日 17:00
無事サインをゲットした。

ところで、同行した友人と事前に、一体なににサインをもらうべきか、といろいろ考えていたのだが、結局2人ともLDのジャケットを持ち込むことにした。

しかも「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」のLDジャケットを。

何しろ「BTTF3」の主役はマーティではなく、ドクだからね。

因みにわたしはバラ売りの「BTTF3」のLDジャケットに、友人はLD-BOX仕様の「BTTF3」のLDジャケットにサインをもらった。

聞くところによると、LD-BOX用のLDは、表示される字幕のサイズが小さいらしい。またジャケット裏の情報も異なっていた。

クリストファー・ロイドのサイン入り「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」のLDジャケット
クリストファー・ロイドのサイン入り「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」のLDジャケット

なんとも長い一日だった。

ハリウッド・スターは概してファンサービスに力を入れるが、今回のクリストファー・ロイドの対応には頭が下がる。

ほとんど休憩なしで、10:00〜18:00のサイン会に臨み、おそらく10:00前にスタートし、18:00以降もサイン会は続いたのではないか、と想像している。

因みに、Hollywood Collector's Galleryのfacebook情報によると、整理券は700枚以上出たようである。

クリストファー・ロイドの来日時のイベントや観光については、Hollywood Collector's Galleryのfacebookにアップされているので、そちらを参照いただきたい。

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2012年1月18日

「屍者の帝国」をめぐる冒険

2012年1月17日 驚くべきニュースが日本中を駆け巡った。

第146回芥川賞を受賞した円城塔は、伊藤計劃の遺作となった未完の長編「屍者の帝国」を引き継ぎ、完成させる意向を明らかにしたのだ。

この件については2012年1月18日に「WEB 本の雑誌」で公開された大森望の記事「伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐ」が詳しい。

伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐ

記録のため重要な部分を引用する。

1月17日に選考会が行われた第146回芥川賞は、円城塔「道化師の蝶」と田中慎弥「共喰い」の2作が受賞した。

東京會舘で開かれた記者会見の席上、次回作に関する質問を受けた円城塔は、伊藤計劃の遺作となった未完の長編「屍者の帝国」を引き継ぎ、完成させる意向を明らかにした。

いわく、

「わたくしはデビューして今年で5年目になるんですけれど、ほぼ同時期にデビューして、3年前に亡くなった、伊藤計劃というたいへん力のある作家がいました。その伊藤計劃が残した冒頭30枚ほどの原稿があります。それを書き継ぐ----といっても、彼のように書くことは無理なんですが、自分なりに完成させるという仕事を、この3年間、ご家族の了承を得てやってきました。そろそろ終わりそうです。『なぜおまえが』という批判は当然あるでしょうが、次の仕事として、やらせていただければと思っています」

伊藤計劃「屍者の帝国」は、河出書房新社編集部の求めに応じて伊藤計劃が病床で執筆していた書き下ろし作品。完成すれば第四長編となるはずだったが、冒頭部分(400字詰原稿用紙にして約30枚分)だけを残して、著者は2009年3月20日に死去した。

今回の「屍者の帝国」は、伊藤計劃が残した遺稿とプロットを円城塔が引き継ぐかたちになる。

伊藤計劃と円城塔。現代SFを代表するふたつ才能の融合がどんな長編に結実したのか、「屍者の帝国」を読む日が待ち遠しい。
   Project Itoh goes on.
 (大森望)

なんとも胸熱な展開だろうか。

「屍者の帝国」については、「虐殺器官」「ハーモニー」を読んでいたわたしは、2009年12月に河出書房新社から出版される大森望責任編集「書き下ろし日本SFコレクション NOVA1」伊藤計劃の新作が掲載される、と言う話を聞き、大喜びで「NOVA1」を購入したものの、なんと冒頭の一部しか掲載されておらず、--わたしは伊藤計劃の新作短篇が全文掲載されていると思い込んでいたのだ--、非常に残念な思いをした記憶がある。

あぁ、やはり伊藤計劃の新作はもう読めないのだな、と。

その期待の作品が近いうちに読めるとは、何と素晴らしいことであろうか。

楽しみで仕方がない。

ところで、折角なので、わたしの広大なアーカイブ(嘘)から、ちょっとしたお宝グッズを紹介しようと思う。

「メタルギア・ソリッド4・ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」パンフレット

これは「東京ゲームショウ2007」のKONAMIブースで配付されていた「METAL GEAR SOLID 4: GUNS OF THE PATRIOTS」のパンフレットである。

何故こんなものを紹介しているのか、と言う話なのだが、なんと伊藤計劃がこのパンフレットに寄稿しているのだ。

「小島秀夫---我ら神亡き時代の神の語り手として」伊藤計劃
題して「小島秀夫---我ら神亡き時代の神の語り手として」

この文章の伊藤計劃の紹介文がふるっている。

いとう けいかく
Project - Itoh

1974年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。Webディレクター兼作家。
著書にポスト9.11の内戦と民族虐殺を描いた「虐殺器官」(早川書房)。
中学より二十年間、リアルタイムに小島秀夫監督作品の洗礼を受けてきた「小島秀夫原理主義者」。



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