伊藤計劃

2012年7月 2日

「屍者の帝国」は8月22日発売

河出書房新社の新刊情報によると、円城塔が伊藤計劃の遺作となった未完の長編を引き継ぎ執筆した「屍者の帝国」は2012年8月22日に発売される模様。

「屍者の帝国」
著者:伊藤計劃
著者:円城塔
出版社:河出書房新社
発売日:2012/08/22
価格:1,890円(税込)
概要:フランケンシュタインの技術が全世界に拡散した19世紀末、英国政府機関の密命を受け、秘密諜報員ワトソンの冒険がいま始まる。日本SF大賞作家×芥川賞作家、最強コンビが贈る超大作。(オフィシャル・サイトより引用)

なお、「屍者の帝国」については以前のエントリー『「屍者の帝国」をめぐる冒険』を参照いただきたい。

Project Itoh goes on.

なお、伊藤計劃の「屍者の帝国」の冒頭部分は、「書き下ろし日本SFコレクション NOVA1」掲載されている。

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2012年1月18日

「屍者の帝国」をめぐる冒険

2012年1月17日 驚くべきニュースが日本中を駆け巡った。

第146回芥川賞を受賞した円城塔は、伊藤計劃の遺作となった未完の長編「屍者の帝国」を引き継ぎ、完成させる意向を明らかにしたのだ。

この件については2012年1月18日に「WEB 本の雑誌」で公開された大森望の記事「伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐ」が詳しい。

伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継ぐ

記録のため重要な部分を引用する。

1月17日に選考会が行われた第146回芥川賞は、円城塔「道化師の蝶」と田中慎弥「共喰い」の2作が受賞した。

東京會舘で開かれた記者会見の席上、次回作に関する質問を受けた円城塔は、伊藤計劃の遺作となった未完の長編「屍者の帝国」を引き継ぎ、完成させる意向を明らかにした。

いわく、

「わたくしはデビューして今年で5年目になるんですけれど、ほぼ同時期にデビューして、3年前に亡くなった、伊藤計劃というたいへん力のある作家がいました。その伊藤計劃が残した冒頭30枚ほどの原稿があります。それを書き継ぐ----といっても、彼のように書くことは無理なんですが、自分なりに完成させるという仕事を、この3年間、ご家族の了承を得てやってきました。そろそろ終わりそうです。『なぜおまえが』という批判は当然あるでしょうが、次の仕事として、やらせていただければと思っています」

伊藤計劃「屍者の帝国」は、河出書房新社編集部の求めに応じて伊藤計劃が病床で執筆していた書き下ろし作品。完成すれば第四長編となるはずだったが、冒頭部分(400字詰原稿用紙にして約30枚分)だけを残して、著者は2009年3月20日に死去した。

今回の「屍者の帝国」は、伊藤計劃が残した遺稿とプロットを円城塔が引き継ぐかたちになる。

伊藤計劃と円城塔。現代SFを代表するふたつ才能の融合がどんな長編に結実したのか、「屍者の帝国」を読む日が待ち遠しい。
   Project Itoh goes on.
 (大森望)

なんとも胸熱な展開だろうか。

「屍者の帝国」については、「虐殺器官」「ハーモニー」を読んでいたわたしは、2009年12月に河出書房新社から出版される大森望責任編集「書き下ろし日本SFコレクション NOVA1」伊藤計劃の新作が掲載される、と言う話を聞き、大喜びで「NOVA1」を購入したものの、なんと冒頭の一部しか掲載されておらず、--わたしは伊藤計劃の新作短篇が全文掲載されていると思い込んでいたのだ--、非常に残念な思いをした記憶がある。

あぁ、やはり伊藤計劃の新作はもう読めないのだな、と。

その期待の作品が近いうちに読めるとは、何と素晴らしいことであろうか。

楽しみで仕方がない。

ところで、折角なので、わたしの広大なアーカイブ(嘘)から、ちょっとしたお宝グッズを紹介しようと思う。

「メタルギア・ソリッド4・ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」パンフレット

これは「東京ゲームショウ2007」のKONAMIブースで配付されていた「METAL GEAR SOLID 4: GUNS OF THE PATRIOTS」のパンフレットである。

何故こんなものを紹介しているのか、と言う話なのだが、なんと伊藤計劃がこのパンフレットに寄稿しているのだ。

「小島秀夫---我ら神亡き時代の神の語り手として」伊藤計劃
題して「小島秀夫---我ら神亡き時代の神の語り手として」

この文章の伊藤計劃の紹介文がふるっている。

いとう けいかく
Project - Itoh

1974年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。Webディレクター兼作家。
著書にポスト9.11の内戦と民族虐殺を描いた「虐殺器官」(早川書房)。
中学より二十年間、リアルタイムに小島秀夫監督作品の洗礼を受けてきた「小島秀夫原理主義者」。



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